
20代未経験からインフラエンジニアへ転職する方法|入社201名のデータで解説
監修: 百瀬 将悟(株式会社エンデバース 代表取締役/キャリアカンパニー責任者) 更新日: 2026年10月28日
20代で未経験でも、インフラエンジニアを目指すことはできます。当社(キャリアカンパニー)の紹介実績では、2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名のうち、20代は173名(86.1%)でした。ただし、これは入社が決まった方の内訳です。「20代だから有利」という意味ではありません。
年齢より先に整えたいのは、「なぜインフラか」の説明、学習を始めた事実、夜勤などの働き方の条件の3つです。この記事では、当社のデータ、公開インタビュー、公的な情報をもとに、20代の未経験の方の準備と進め方を整理します。
出典:キャリアカンパニー自社集計(2025年8月〜2026年7月入社の201名)。当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではありません。
結論は3つです。
「20代なら大丈夫」とも、「20代のうちに急がないと間に合わない」とも、本記事では書きません。確認できた事実と、確認できなかったことを分けて整理します。
「20代の未経験」という点に目が向きがちですが、入社前に知っておきたい現実は、年齢に関係なく共通します。
| よくある思い込み | 現実(出典) |
|---|---|
| 入社したらすぐエンジニアの仕事ができる | 公開インタビュー(事例②)では、入社前は早い段階でエンジニア業務に入るイメージだったが、実際はまず基礎を固める期間が必要だった、と語られています |
| インフラ=プログラミングを書く仕事 | 運用・監視は、プログラミングを書く仕事ではありません(当社の面談での説明。実態データ参照) |
| 夜勤はない | 運用・監視の求人は、夜勤がある場合が多くあります(当社の面談での説明)。一方で、夜勤なし・日勤のみの求人もあるため、応募前に確認します。夜勤の解説 |
| 入社時から年収が大きく上がる | 当社でインフラ職に入社した未経験者140名の年収は、中央値で転職前300万円、入社時320万円でした(前職は税込・賞与込み、入社時は想定年収で、算出基準が異なります。年齢別の集計ではありません) |
| 資格を取ってからでないと応募できない | 入社前の保有資格は、延べ28件でした(後述)。公開インタビューでも、学習中に応募した例と、入社後に取得した例があります |
dodaの「平均年収ランキング」(調査期間2024年9月〜2025年8月)では、技術系(IT/通信)の20代の平均年収は398万円です。ただし、これは経験者を含む平均で、未経験で入社した直後の年収とは異なります。インフラ職の仕事内容、年収、企業選びの全体像は、未経験でインフラエンジニアへ転職する方法にまとめています。
| 年齢層 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 20代前半 | 72名 | 35.8% |
| 20代後半 | 101名 | 50.2% |
| (20代の合計) | 173名 | 86.1% |
| 30代前半 | 28名 | 13.9% |
| 30代後半以上 | 0名 | 0.0% |
| 合計 | 201名 | 100%(四捨五入のため合計がずれる場合があります) |
出典:キャリアカンパニー自社集計(2025年8月〜2026年7月入社の201名)。当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではありません。年齢層の区切り方(20代前半・後半の境目)は、当社の集計定義に従っています。
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
| 当社の紹介実績では、入社が決まった方の大半が20代だった | 「20代が有利」。応募した方・面談した方の年齢構成が分からず、年齢別に入社に至った割合を出せないため |
| 20代後半が最も多く(101名)、30代前半も28名いた | 「20代前半のほうが入りやすい」。前半(72名)より後半(101名)が多い理由は、当社データからは分からないため |
| 30代後半以上の入社は、この期間にはなかった | 「30代後半以上は入れない」。0名の理由は言えません。当社は未経験・若手を専門にしており、相談者の年齢層に偏りがある可能性があります |
30代前半の方は、30代未経験からインフラエンジニアに転職する方法もあわせてご覧ください。
前職がIT以外(転職直前の主な業務がIT技術職ではない。会社の業種ではなく、担当業務で判断)の方は163名(81.1%)、IT経験者は38名(18.9%)でした。インフラ職に入社した178名のうち、前職がIT以外の未経験の方は140名、IT経験者は38名です。
| 入社先の職種(母数201名) | 人数 |
|---|---|
| ネットワーク | 45名 |
| サーバー | 43名 |
| 運用・監視 | 40名 |
| クラウド | 25名 |
| ヘルプデスク・サポート | 25名 |
| 開発 | 20名 |
| その他 | 5名未満 |
当社の分類では、運用・監視・ネットワーク・サーバー・クラウド・ヘルプデスク・サポートの合計178名を「インフラ職」としています。ヘルプデスク・サポートを含む点は、当社の分類です。数字の定義は、実態データで確認できます。
ヘルプデスクなど、すでにIT職の経験がある20代の方は、ヘルプデスクからインフラエンジニアになるにはをご覧ください。
| 資格 | 入社前に持っていた人数 |
|---|---|
| CCNA | 13名 |
| LinuC・LPIC | 5名 |
| AWS資格 | 10名 |
重複を含めて延べ28件で、201名の中では少数です。つまり、この3つの資格を入社前に持っていなくても、入社が決まった方が多数います。ただし、ITパスポートなど他の資格や、学習の進み具合は集計に含まれません。資格の有無で選考結果が変わるかどうかも、このデータからは言えません。
「20代前半と後半で、選考の見られ方は違うのか」は、よくある疑問です。結論から言うと、当社のデータでは、差を示せません。 年齢層ごとにあるのは、入社した方の人数だけだからです。
そのうえで、公的な情報で確認できること、当社のデータにないことを整理します。
| 観点 | 当社のデータ | 公的な情報で確認できたこと | 本記事での扱い |
|---|---|---|---|
| 人数 | 前半72名・後半101名 | ― | 入りやすさの比較には使わない |
| 年収 | 年齢層別の集計なし | dodaの年齢別平均は「20代」でひとまとめ。20〜24歳と25〜29歳の区分の掲載は確認できませんでした | 前半と後半の年収差は言えない |
| 新卒枠での応募 | ― | 若者雇用促進法に基づく指針で、事業主は、卒業後少なくとも3年間は、新卒枠に応募できるよう努めることが示されています(努力義務) | 卒業後3年以内の方は、新卒枠の可否も募集要項で確認する |
| 年齢の条件がある求人 | ― | 募集・採用で年齢を理由に制限することは、原則として禁止されています。例外の1つは、長期勤続によるキャリア形成のため、若年者などを職業経験を問わず、期間の定めのない契約で募集する場合です(厚生労働省) | 年齢の条件が書かれた求人は、例外に当たる場合に限られる、と理解しておく |
| 選考で見られる点 | 年齢層別の集計なし | ― | 前半と後半の差は言えない |
「第二新卒」という言葉の範囲は、求人ごとに書き方が違います。「卒業後3年以内」「社会人経験〇年以内」など、募集要項の文言で確認してください。実際に新卒枠を受け付けるかどうかも、企業ごとに異なります。
年齢の差は言えませんが、社会人としての職歴の長さによって、面接で話せる材料は変わります。 これは年齢の統計ではなく、準備を考えるときの整理です。
| 職歴が短い場合 | 職歴が長めの場合 | |
|---|---|---|
| 話しやすい材料 | 志望理由、学習の事実、素直に学ぶ姿勢(公開インタビューで、本人が役立ったと語った点) | 前職の担当業務を、インフラの仕事に置き換えた説明(前職別の置き換え表) |
| 先に整理したいこと | 前職に在籍した期間と、転職を考えた理由の説明。 | 入社時の年収が、前職と同じとは限らない点(個人差が大きく、当社の中央値は年齢別ではありません) |
| 共通して確認すること | 直近の働き方。当社の面談では、直近で正社員の経験が1年以上あると、受けられる会社の幅が広がるとお伝えしています(既存記事の記載。転職タイミングの記事) | 同左 |
自分の年齢と職歴だと、どこから準備すればよいか整理したい方へ
面談では、前職の経験の棚卸しから、入口の職種、夜勤などの条件まで、一緒に整理します。迷っている段階でも相談できます。
日程を選んで無料相談を予約する「20代のうちに動かないと間に合わないのでは」と不安になる方は多いと思います。当社が確認できた範囲では、次のとおりです。
「インフラ 未経験 いつから」という疑問には、年齢ではなく、準備の順番で考えることをおすすめします。学習と応募は、並行して進めても問題ありません。当社の既存記事では、「学習中。〇月に受験予定」と書類に書いて応募する方も多い、と説明しています。公開インタビューでは、活動期間の回答は、約1か月が2件(うち事例①は、応募から内定まで)、約2か月が2件でした(個人の回答で、全体の期間ではありません)。
「完璧に準備してから」と待つより、まず方向性と条件の整理から始めるほうが、動きやすくなります。
当社が公開しているインタビューのうち、未経験からインフラ職に入った4件を、書かれている範囲だけで整理します。4件とも、年齢の記載はありません。 そのため「20代の事例」とは書きません。個人の事例であり、結果を保証するものではなく、201名の代表でもありません。
| 事例 | 前職(記事の記載) | 活動期間(本人の回答) | 入社前の学習 | 準備・選考で語られた点 |
|---|---|---|---|---|
| 事例① | 技術職(顧客トラブル対応・現場対応など) | 2023年5月に情報収集を始め、お盆休みに初めて応募、8月末に内定 | 入社前の学習の記載なし。入社後にCCNAを取得 | 論理的に説明するコミュニケーション能力が役立った。決め手は、幅広い経験が積める点と資格取得支援 |
| 事例② | 集団塾の講師、その後に事務 | 約2か月 | ITパスポートの基礎知識が中心。インフラ求人に応募すると決めたころからCCNAも学習 | 丁寧な日本語での対応と、わからないことを素直に学ぶ姿勢が役立った。決め手は、研修の充実と成長ステップの明確さ |
| 事例③ | 接客業(約1年) | 初回面談から内定承諾まで約1か月 | 選考を受けながらCCNAを学習 | 最初の面接で「結論までが長い」と指摘され、端的に答えるよう直した。決め手は、研修内容が具体的に書かれていた点 |
| 事例④ | 接客・案内の仕事 | およそ2か月 | オンライン面接の対策と、CCNAの学習 | 質問に端的に答える力が評価されたと感じた。専門用語に慣れるまでは大変だったが、学ぶ楽しさが続ける支えになった |
前職別の読み方は、文系・異業種からインフラエンジニアになれる?に整理しています。
| つまずき(出典) | 対策の例 | 詳しく |
|---|---|---|
| 基礎の学習に時間がかかった(事例②・事例④) | 分野を1つに絞って始める。ネットワークならCCNA、サーバーならLinuCなど | 第7章(7-2) |
| 面接で結論までが長くなった(事例③) | 結論 → 理由 → 具体例の順で話す練習をする | 面接の質問と答え方 |
| 入社後すぐ実務に入れると思っていた(事例②) | 応募前に、研修の内容・期間と、研修後の配属を確認する | 企業選びのチェック |
志望動機は、「なぜIT業界か」「なぜインフラか」「なぜこの会社か」の3つに分けて準備します。4件の公開インタビューでも、インフラを選んだ理由が、前職の経験とつながって語られていました。書き方と例文は、インフラエンジニアの志望動機、職務経歴書の書き方をご覧ください。
資格は、学習の事実を示す材料の一つです。取得が応募の前提とは言えません(第3章3-4の数字、公開インタビューの例)。取得前でも、「何を、いつから学んでいるか」を話せるようにします。
| 資格 | 分野 | 公式ページで確認した内容(2026-10-22) | 入社前に持っていた人数(当社・重複あり) | 詳しく |
|---|---|---|---|---|
| CCNA | ネットワーク | 試験コードは200-301。正式な前提条件はなく、シスコは、導入・管理の経験1年以上を推奨。認定は3年間有効 | 13名 | CCNAとは |
| LinuC レベル1 | サーバー(Linux) | 101試験と102試験の2試験。実務経験・前提資格は不要。1試験16,500円(税込)。CBT方式 | 5名(LinuC・LPICの合計) | LinuCとは |
| LPIC | サーバー(Linux) | 本稿では、現行の公式情報を確認できていないため、試験の内容・費用は記載しません。LPI-Japanの公式サイトで確認してください | (同上) | ― |
| AWS認定クラウドプラクティショナー | クラウド | 試験時間90分、65問、受験料100米ドル。実務経験は必須ではない。認定は3年間有効 | 10名(AWS資格の合計) | AWS資格ロードマップ |
志望分野に合わせて、まず1つを選びます。資格全体の選び方は、インフラエンジニア資格完全ガイドにあります。学習ルートや費用の比較は、20代のためのロードマップをご覧ください。
学習費用を抑える制度:厚生労働省の教育訓練給付制度では、受講費用の一部が支給される場合があります。対象は、厚生労働大臣が指定した講座だけです。同省のページでは、一般教育訓練は受講費用の20%(上限10万円)、特定一般教育訓練は40%(上限20万円)とされています。支給を受けるための要件や、受けたい講座が対象かどうかは、講座検索やハローワークで確認してください(本稿では、支給要件は確認していません)。
運用・監視の求人は、夜勤がある場合が多くあります(当社の面談での説明)。夜勤・平日休みに抵抗があるかを、応募の前に整理します。「夜勤なし・日勤のみ」の求人があるかも確認してください(求人によって条件は異なります)。
| ステップ | やること | 判断基準・目安 | 詳しく |
|---|---|---|---|
| 1. 条件の整理 | 入口の職種、夜勤の可否、勤務地、最低限の年収ラインを決める | 入社時の年収は、前職と同じとは限らない。個人差が大きい(当社の未経験140名の中央値は、300万円→320万円。年齢別ではない) | 実態データ |
| 2. 基礎学習の開始 | Linux またはネットワークから、1分野を学ぶ。資格の受験予定を決める | 「学習中。〇月に受験予定」と書いて応募を始めてもよい(既存記事の記載) | 第7章7-2 |
| 3. 書類の作成 | 志望動機と職務経歴書を書く。前職の経験を、仕事の進め方に置き換える | 3つの「なぜ」を分けて書く | 志望動機 |
| 4. 応募・面接 | 応募先を絞り、1社ずつ準備する。結論から端的に答える | 公開インタビュー(事例③)では、1社ずつ丁寧に受けたことが、納得感につながったと語られています。 | 面接の質問と答え方 |
| 5. 条件の確認 | 研修の内容・期間、配属、夜勤の頻度、資格支援、キャリアパスを確認する | 求人票の言葉だけで判断せず、面接やエージェントを通じて、実際を確認する | 企業選びのチェック |
| 6. 内定・入社準備 | 労働条件通知書で、給与の内訳・固定残業代・勤務時間・夜勤の有無を確認する | 在職中に進める場合は、面接日程の調整方法を先に決める | 在職中の進め方 |
ネットワーク分野に絞る場合は、ネットワークエンジニアへ未経験で転職する方法もあわせてご覧ください。エージェントの選び方は、インフラエンジニア向け転職エージェントの選び方にまとめています。
目指すことはできます。当社の紹介実績では、2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名のうち、20代は173名(86.1%)でした。ただし、これは入社が決まった方の内訳で、20代が有利という意味ではありません。
当社のデータからは、差は言えません。年齢層ごとに分かるのは、入社した方の人数(前半72名・後半101名)だけです。年齢の区切りより、職歴の長さに合わせて、面接で話す材料を整理することをおすすめします(第4章)。
卒業後3年以内の方は、若者雇用促進法に基づく指針で、企業が新卒枠での応募を受け付けるよう努める、とされています(努力義務)。実際に受け付けるかどうかは、企業ごとに異なります。「第二新卒」の範囲も求人ごとに書き方が違うため、募集要項で確認してください。
取得が応募の前提とは言えません。当社で入社前にCCNA・LinuC/LPIC・AWS資格を持っていた方は、延べ28件でした。公開インタビューでも、選考の時期にCCNAを学習中だった方と、入社後に取得した方がいます。取得前でも、学習の内容と時期を話せるようにしてください。
年齢で区切ることはできません。学習と応募は並行して進めてよく、まずは方向性と条件の整理から始めるのがおすすめです。判断に迷う場合は、経験や状況を踏まえて相談してください。
「自分の年齢と職歴だと、どこから始めればよいか」は、前職、職歴の長さ、働き方の希望によって変わります。面談では、次の4点を一緒に整理します。
試験の費用・制度は変更されることがあります。申込みの前に、必ず公式サイトで確認してください。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるための転職サポートを行っている。