
未経験IT転職の面接では、「知識の量」よりも、「質問の意図に沿って、理由まで含めて答えられるか」が見られています。面接官が見ている素養は、企業が違ってもほぼ共通です。この記事では、その5つの素養、答え方の型、よく聞かれる質問への回答例(架空の例)、NGな答え方、前日・当日のチェックリストまでまとめました。
この記事のポイント
面接では志望動機や経歴を聞かれますが、質問の裏では、どの企業でも共通して次の5つが確認されています。企業ごとに求める人物像の細部は違っても、この5つは外せません。
コミュニケーション能力 配属先で浮かないか
周囲と協力しながら仕事を進められるか。質問に対して、的外れな答えをしないかも見られます。
継続力 長く働いてくれるか
入社後に長く働く覚悟があるか。未経験だからこそ、学び続ける姿勢が確認されます。
タスク管理能力 仕事を回せるか
複数の作業の優先順位をつけ、自分で管理して進められるか。
計画性 納期を守れるか
納期に間に合わせるための準備や行動が、普段からできているか。
問題解決能力 トラブルに落ち着いて対応できるか
想定外のことが起きたとき、冷静に、速く、正確に対応できるか。
特にIT・インフラの現場は、障害対応や納期など、止められない・遅らせられない仕事が多い分野です。そのため、「計画性」と「問題解決能力」を裏づけるエピソードを、前職の経験から1つずつ用意しておくと、面接で強い武器になります。
質問には必ず意図があります。たとえば「夜勤は大丈夫ですか?」という質問は、体力を聞いているだけではありません。「夜勤が発生する理由を理解したうえで応募しているか」を確認しています。
意図をくんでいない答え
意図をくんだ答え
質問の答えを一言で終えてしまうと、面接が尋問のようになり、人柄が伝わりません。最初に結論を言い、次に理由、最後に具体例を添える型で答えましょう。
STEP1
結論
質問への答えを、最初の一言で言い切る
STEP2
理由
なぜそう言えるのか、根拠を一つ添える
STEP3
具体例
自分の経験や学習から、1つ事例を話す
短所や失敗、短期離職などマイナスのことは、隠す必要はありません。ただし、マイナスだけを話して終わるのはNGです。「何が原因で、今どう改善しているか」まで一緒に話すと、成長できる人という印象に変わります。聞かれていないことを長々と話し続けるのも、避けましょう。
ここからは、面接でよく聞かれる12の質問を、「面接官の意図」と「回答例」でまとめます。回答例は架空の例です。そのまま使わず、自分の経験に置き換えて、声に出して練習してください。
面接官の意図:経歴の全体像と、話し方・人柄を確認しています。
ポイントは、「学歴・職歴 → 頑張ってきたこと → 今の学習と志望」を1分以内にまとめることです。長くなりすぎないように、深掘りされそうな部分は、あえて詳しく話しすぎず質問を待ちます。
面接官の意図:職種を変える覚悟と、一貫性があるかを確認しています。
「なんとなく将来性がありそうだから」だけだと弱くなります。今の仕事では叶えられないことが、その職種なら叶えられる、という根拠を入れましょう。
面接官の意図:不満だけで辞めていないか、同じ理由でまた辞めないかを確認しています。
「人間関係が悪い」「給料が安い」といった不満は、事実でも、言い方を変える必要があります。事実を曲げずに、「何を実現したいから転職するのか」という目的の言葉に置き換えるのがコツです。詳しくはIT転職の退職理由の伝え方で解説しています。
面接官の意図:チームへの貢献意識と、現場で通用する行動の習慣を確認しています。
答えは5ステップで組み立てます。「①状況と課題 → ②意識したこと → ③行動 → ④結果 → ⑤ITでの活かし方」です。結果は、数字がなくても「周囲の変化」で十分伝わります。
面接官の意図:困難への向き合い方と、受け身ではなく自分で動いたかを確認しています。
「大変だった」で終わらず、自分が何を考え、どう動いたかを必ず入れます。他人や環境のせいにする言い方は避けましょう。
面接官の意図:自己分析ができているか、短所への向き合い方を確認しています。
短所は、仕事に致命的でないものを選び、改善策とセットで話します。長所は、求められる5つの素養と結びつけると効果的です。
面接官の意図:学習の継続性と、本気度を確認しています。
学習内容は「何を・どの教材で・毎日どれくらい・どこまで進んだか」を言えるようにします。専門用語を2つは、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。深掘りの質問(例:OSI参照モデルの各層、グローバルIPとプライベートIPの違い)に答えられるように準備してください。
面接官の意図:24時間体制の仕事への理解と、条件の柔軟性を確認しています。
面接官によっては、「どちらでも大丈夫ですよ」と言って、本音を確かめてくることがあります。迷いなく、一貫して答えられるようにしましょう。「その都度相談させてください」と答えたことで、募集要件に合わないと判断された例もあります。働き方に制約がある場合は、面接より前の段階(エージェントとの面談)で伝えておくのが安全です。
面接官の意図:入社後の成長イメージと、長く働く意思を確認しています。
「いつか独立したい」「フリーランスになりたい」といった話は、「いつか辞める人」と受け取られかねません。応募先で積めるキャリアの段階を、具体的に話しましょう。
面接官の意図:求人票とかけ離れていないか、柔軟に対応できるかを確認しています。
求人票の条件とかけ離れた金額を言うのは避けます。年収について詳しくは、IT転職の年収交渉の進め方を参考にしてください。
面接官の意図:入社までのスケジュールと、フットワークの軽さを確認しています。
「〇月くらいです」といった曖昧な答えは避け、はっきり伝えます。勤務地に柔軟だと、選考で有利に働くことが多いです。
面接官の意図:志望度の高さと、軸の一貫性を確認しています。
いきなり「御社だけです」と言うと、事実と食い違う場合があります。「複数受けている中で、御社が第一志望」という流れで答えるのが自然です。
逆質問は、「企業をどれだけ調べたか」を示すチャンスです。質問を4つほどメモにまとめて、「いくつか質問をまとめてきたので、見てもよろしいでしょうか」と断って聞くと、丁寧な印象になります。
避けたい質問
おすすめの質問
| 避けたい発言 | なぜNGか | 言い換えの方向 |
|---|---|---|
| 「将来は開発エンジニアになりたい」(インフラ職に応募しているのに) | 応募職種への志望が薄いと見なされる | 応募職種で積みたい経験を軸に話す |
| 「リモートで働きたい」「いつか独立したい」ばかり話す | 長く働く意思が弱いと受け取られる | まずは現場経験を積みたい、と目的を整理する |
| 「研修制度が整っているから志望しました」 | 受け身の姿勢に見える | 「自分で学ぶ前提で、その努力を後押しする制度が魅力」と伝える |
| 「未経験でも入りやすいから」「友人がいるから」 | 転職理由が弱く、軸がない | その会社でなければならない理由を、調べた事実から話す |
| 「頑張ります」「何でもやります」だけ | 具体性がなく、意欲が伝わらない | 学習内容や、入社後にやりたいことを具体的に話す |
| 前職や他社の悪口 | 協調性に不安を持たれる | 事実を簡潔に述べ、改善したい点を前向きに話す |
短期離職や空白期間は、聞かれる前提で準備します。ポイントは、言い訳ではなく、「事実 → 反省 → 学び」の順で伝えることです。
退職理由と、転職を決めた理由は別の質問です。在職中の方は「なぜ転職したいか」、すでに退職している方は「なぜ辞めたか」を聞かれることが多いので、両方答えられるようにしておきましょう。
キャリアカンパニーでは、企業ごとの面接評価の観点を聞き取り、求職者に共有しています。企業の面接官から聞く内容には、次のような共通点があります。
また、面接の評価が高い人には、「聞かれていなくても、自分から課題と改善点を語れる」という共通点があります。事実を隠さず、失敗や課題から何を学んだかを話せる人は、入社後の伸びしろを感じてもらいやすくなります。
✔ ポイント
面接官の質問は、大きく「①経歴の深掘り」と「②志望動機・将来像」の2軸に分かれます。対策の柱は、「経歴の伝え方」と「志望動機」の2つです。この2つを文章に書き起こしてから、声に出して練習すると、本番で話しやすくなります。
✅ 面接前日・当日のチェックリスト
全ての質問が聞かれるわけではありません。ただ、どの質問が来ても落ち着いて答えられるよう、準備しておくことが自信につながります。キャリアカンパニーでは、応募する企業ごとに面接対策を行い、模擬面接も希望の回数だけ実施しています。面談の進め方は、IT転職エージェントの面談で聞かれることもあわせてご覧ください。
面接当日の服装に迷う方は、こちらも参考にしてください。
▶ 中途採用の面接の服装|スーツ・私服・オンラインの選び方
30代の面接で聞かれやすい質問(年齢・年収・夜勤など)は、こちらでも解説しています。
▶ 30代未経験からIT転職は可能?年収・職種・企業選びと成功のコツ
次にやること
あわせて読みたい:IT転職の自己PRの書き方|未経験向けの構成と例文
前職がIT以外の方が多く、面接でも前職の経験の伝え方が重要です。キャリアカンパニーで2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名の集計です。
出典:キャリアカンパニー自社集計(2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名。定着率は、入社後1年以内に退職しなかった方の割合(201名が対象))
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 前職がIT以外だった方の割合(全体201名) | 90% |
| 面談から内定までの期間(中央値) | 40日 |
| 内定までに応募した会社数/内定をいただいた会社数(1人あたり平均) | 5社/4社 |
| 入社後1年以内の定着率(201名が対象) | 98% |
※自社集計(2025年8月〜2026年7月に入社が決まった方。定着率は、入社後1年以内に退職しなかった方の割合(201名が対象))。年収は中央値で、個人が特定されない形で集計しています。
学習意欲、コミュニケーション、前職の経験をどう活かせるか、といった点が見られることが多いです。応募先によって重視点は異なります。
知ったかぶりをせず、「勉強中で、まだ理解が浅い部分です」と正直に伝えたうえで、分かる範囲を説明しましょう。
不満だけを伝えるのではなく、「何を実現したいか」まで添えます。前職の批判にならないよう注意しましょう。
入社後の育成や、1日の仕事の流れ、チームの体制などを聞くと、働くイメージが具体的になります。給与や休暇だけに偏らないようにしましょう。
通信環境と音声・映像を事前に確認し、静かな場所で受けましょう。資料やメモを手元に置いておくと安心です。
質問の最初の一言は、IT転職の面接の自己紹介(1分の例文つき)を、面接の最後の質問は、IT転職の逆質問|質問30選とNG例を、あわせてご覧ください。
内定が出たあとの比べ方は、IT転職の内定が複数出たときの選び方をご覧ください。
この記事の内容をふまえて、自分の場合はどうなのかを知りたい方は、キャリアカンパニーの無料相談をご利用ください。経験や希望に合わせて、キャリアアドバイザーがご相談に対応します。
アドバイザー
百瀬将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。