
ネットワークエンジニアは、未経験からでも目指せる職種です。多くの方が、ネットワークの運用・監視やヘルプデスクなど、手順が決まった業務から経験を積み、構築・設計へ進んでいます。当社で2025年8月〜2026年7月に入社した201名のうち、前職がIT以外の方は90%でした(自社集計)。この記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容、未経験の入り口、年収の目安、必要なスキルと資格、学習の進め方、企業選び、書類・面接の対策、キャリアパスまで、公的データと自社データ、当社の面談でお伝えしていることをもとに整理しました。
この記事のポイント
ネットワークエンジニアは、社内LAN、インターネット接続、拠点間の通信、クラウドとの接続など、通信の仕組みを設計・構築・運用する仕事です。通信が止まると、業務やサービス全体が止まるため、運用・監視の担当者は、継続的に必要とされています。
未経験の方は、手順書に沿って対応する運用・監視や、問い合わせ対応のヘルプデスクなどから、経験を積むことが多くあります。ただし、「未経験歓迎」の求人なら、どこでもよいわけではありません。入社後に、どの工程の経験を積めるかを、事前に確認することが大切です。
インフラ全体の転職の流れは、インフラエンジニアへ未経験で転職する方法で、ネットワークエンジニアの仕事内容は、ネットワークエンジニアとはで解説しています。
| 工程 | 内容 | 未経験からの関わり方 |
|---|---|---|
| 設計 | 要件をもとに、ネットワークの構成・性能・セキュリティを決める | 入社直後は少ない。経験を積んでから担当することが多い |
| 構築 | 設計書に従い、ルーターやスイッチなどの機器を設定し、通信を確認する | 手順書があれば、先輩の補助から担当しやすい |
| 運用・保守 | ネットワークの監視、障害の一次対応、設定変更、問い合わせ対応 | 未経験の入り口として、最も多い工程 |
扱う機器は、ルーター(異なるネットワークをつなぐ)、スイッチ(同じネットワーク内で通信をさばく)、ファイアウォール(通信の許可・拒否を制御する)などです。通信の基礎は、サブネットとは、ルーティングとは、OSI参照モデルとはで、図とあわせて確認できます。
| 入り口の職種 | 仕事の中心 | 次のステップ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ネットワークの運用・監視 | 機器と回線の稼働監視、アラート対応、手順書に沿った一次対応 | 障害の切り分け、設定変更、構築の補助 | 夜勤・シフトの有無を確認する |
| ヘルプデスク・テクニカルサポート | 問い合わせ対応、設定の案内、状況の切り分け | 運用・監視、ネットワーク運用へ | コミュニケーションの比重が大きい |
| サーバー・インフラの運用 | サーバーの設定変更、監視、ユーザー管理 | ネットワーク構築、クラウドへ | Linuxの基礎が前提になることが多い |
転職サービスdodaの「平均年収ランキング(2025年版、2024年9月〜2025年8月)」では、ネットワークエンジニアの平均年収は455万円、IT・通信の技術系全体の平均は469万円でした。セキュリティコンサルタントは649万円と、さらに高い水準です。年代別(技術系全体)では、20代398万円、30代519万円、40代649万円でした。
これは経験者を含む平均です。当社で、インフラ分野に入社した170名の入社時年収は、中央値で320万円でした(転職前は300万円、自社集計、2025年8月〜2026年7月入社)。入社時の年収が、転職前を上回った方は60%でした。ネットワークの専門性を、セキュリティなどの上位の領域へ広げることで、年収が上がっていく可能性があります。
| 用語 | 意味 | 現場での場面 |
|---|---|---|
| IPアドレス | ネットワーク上の機器の住所 | 機器の設定、通信の確認 |
| サブネット | ネットワークを、小さな単位に分けたもの | 拠点ごとの設計、通信の範囲の確認 |
| ルーティング | 異なるネットワークの間で、通信の経路を決める仕組み | 通信が届かないときの経路の確認 |
| VLAN | 1台のスイッチを、論理的に複数のネットワークに分ける仕組み | 部署ごとのネットワーク分け |
| DNS | ドメイン名を、IPアドレスに変換する仕組み | サイトに接続できないときの切り分け |
| ファイアウォール | 通信の許可・拒否を決める機器 | 通信が遮断されている原因の確認 |
これらの用語は、暗記より、「通信の流れ」の中で、理解することが大切です。パソコンからWebサイトを見るとき、どの順に、どの機器を通るかを、図に描いてみてください。
| 領域 | 目安となる状態 | 学び方の例 |
|---|---|---|
| 通信の基礎 | IPアドレス、サブネット、DNS、ルーティング、スイッチングの仕組みを、図で説明できる | 教材で基礎を学び、図に描いて整理する |
| 機器の設定 | ルーター・スイッチの基本的な設定を、シミュレーターで再現できる | ネットワークシミュレーターで、構成を組んで通信を確認する |
| Linux・サーバー | 基本コマンドで、設定の確認や、ログの確認ができる | 仮想マシンにLinuxを入れて、毎日操作する |
| クラウド | クラウドと拠点の接続など、基本的な考え方が分かる | 公式の入門資料や、無料枠で簡単な環境を作る |
| 資格 | 分野 | 特徴 |
|---|---|---|
| 基本情報技術者試験 | IT全般の基礎 | 国家試験。ITの基礎知識を示せる。詳しくは基本情報技術者試験の難易度で解説 |
| CCNA | ネットワーク | シスコシステムズの認定。ネットワーク機器の設定・運用の基礎を示せる |
| LinuC / LPIC | Linux | サーバーの基本操作を示せる。LinuCとはで解説 |
| ネットワークスペシャリスト試験 | ネットワーク(高度) | 設計・運用の専門性を示せる。経験を積んだあとの目標。ネットワークスペシャリスト試験で解説 |
資格は、取得数より、「なぜ取ったか」「どう学んだか」が重要です。資格全体の選び方は、IT資格のロードマップで整理しています。
| 期間 | 学ぶこと | 目標 |
|---|---|---|
| 1か月目 | ITの基礎用語、通信の基礎(IP・サブネット・OSI参照モデル) | 通信の流れを、図を描いて説明できる |
| 2か月目 | ルーティング・スイッチング、機器の基本設定(シミュレーター) | 小さなネットワークを、自分で組んで通信できる |
| 3か月目 | 資格の問題演習、職務経歴書・志望動機の作成 | 資格の受験予定を決め、応募の準備を整える |
ネットワークは、頭の中だけで理解しようとすると、つまずきやすい分野です。シミュレーターで、実際に機器を設定し、通信を確認することで、仕組みが理解できます。「わざと設定を変えて、通信が通らなくなる原因を探す」練習は、障害対応の力につながります。「〇月に受験予定」と書類に明記して、応募を進める方も多くいます。
| 確認点 | 見るポイント | 質問の例 |
|---|---|---|
| 研修の内容 | 期間、内容(通信の基礎・機器設定)、研修後のフォロー | 研修は何か月で、どんな内容ですか |
| 配属と担当工程 | 入社後の配属先、構築・設計へ進んだ実績 | 入社後、構築・設計に関わった方は、どのくらいいますか |
| 勤務形態 | 夜勤・シフトの有無と頻度、深夜手当、待機の有無 | 夜勤は月に何回ありますか |
| 商流 | 直接契約か、何次受けか | 配属先は、どのような契約形態ですか |
| 評価と昇給 | 評価基準と、昇給の実績 | 3年目の方の、役割と年収のモデルを教えてください |
SESなどでは、商流が深い(二次受け・三次受けが多い)と、単価が下がり、給与が上がりにくい傾向があります。当社の面談では、「マージンの○割を還元」と強くうたう会社は、基本的に注意が必要だとお伝えしています。ブラックな会社を避ける確認方法は、ブラックなIT企業の見分け方をご覧ください。
「夜勤・平日休みに抵抗がないか」を、先に確認しておくと、入社後のミスマッチを防げます。ネットワークの「やめとけ」と言われる理由は、ネットワークエンジニアはやめとけ?で解説しています。
【志望動機の例(書き方の例です)】
前職では、店舗の設備の点検と、トラブルの一次対応を担当していました。お客様の生活を支える裏側の仕組みに関心を持ち、通信の基盤を支えるネットワークの仕事を志望しています。現在は、ネットワークシミュレーターで、小さな構成を組んで通信を確認しながら、CCNAの学習を進めています。前職で培った、手順を守って確認を徹底する姿勢を活かし、まずは運用・監視の業務で経験を積み、将来は構築・設計を担当したいと考えています。
⚠ 注意
上の例は、書き方を示すための例文です。実際のご経験ではありません。自分の経験に合わせて、書き換えてください。
| 面接の質問 | 答え方のポイント |
|---|---|
| なぜネットワークエンジニアですか | きっかけ・仕事内容の理解・学習の事実を、順に話す |
| どのように学習していますか | 期間・頻度・教材・試した構成を、具体的に話す |
| 夜勤・シフト勤務は可能ですか | 条件を正直に伝え、可能な範囲を明確にする |
| 入社後、どう成長したいですか | 運用・監視の次に、どの工程を目指すか、段階で話す |
| 前職の経験を、どう活かせますか | 確認の丁寧さ、報告の習慣など、仕事の進め方に落とし込んで話す |
志望動機の例文はインフラエンジニアの志望動機、面接は未経験IT転職の面接でよく聞かれる質問と答え方、職務経歴書はIT転職の職務経歴書の書き方で、詳しく紹介しています。
| 時間帯 | 主な作業 | ポイント |
|---|---|---|
| 始業・引き継ぎ | 前の担当者から、状況の引き継ぎを受ける | 引き継ぎの内容を、メモに残す |
| 日中の監視 | 監視画面で、機器と回線の状態を確認し、アラートに一次対応する | 判断に迷ったら、すぐに先輩へ相談する |
| 定型作業 | 設定変更、ログの確認、バックアップの確認など | 手順どおりに実行し、結果を記録する |
| 問い合わせ対応 | 利用者からの問い合わせに対応し、必要に応じて引き継ぐ | 状況を正確に聞き取り、分かりやすく伝える |
| 終業・引き継ぎ | 作業の結果と、未完了の対応を、次の担当者に引き継ぐ | 「何が、どこまで終わったか」を明確にする |
障害対応で最も大切なのは、一人で抱え込まず、早めに報告することです。判断に迷ったときに、すぐ相談できる職場かどうかが、働きやすさを大きく左右します。
| 分野 | 仕事の中心 | 学ぶこと | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ネットワーク | 通信の設計・構築・運用 | IP・ルーティング・機器の設定 | 仕組みを図で考えるのが好きな人 |
| サーバー | OSやサービスの設計・構築・運用 | Linux・仮想化・ミドルウェア | コマンドで操作し、設定を確かめるのが好きな人 |
| クラウド | クラウド上の環境の設計・構築・運用 | クラウドのサービス・自動化 | 新しい技術を、積極的に学べる人 |
ネットワークの経験は、サーバーやクラウドの理解にも役立ちます。まずは1つの分野を固め、慣れてきたら、周辺の分野へ広げる流れが、一般的です。
| 時期 | 主な役割 | 身につけたいこと |
|---|---|---|
| 1年目 | 運用・監視、一次対応、定型作業 | 手順書に沿った作業、障害の切り分け、報告・連絡 |
| 2〜3年目 | 障害の原因調査、設定変更、構築の補助 | ルーティング・VLAN・ファイアウォールの設定、自動化 |
| 3年目以降 | 構築・設計、専門分野の強化 | 設計書の作成、セキュリティ、クラウドとの接続、資格による専門性の証明 |
当社では、運用・監視の経験を3年程度積み、資格を持つ20名のうち19名(95%)が、入社後半年程度で、構築・設計を担当しています(自社集計)。詳しい進み方は運用・監視から構築・設計へ進む方法で解説しています。
当社の面談では、セキュリティを目指す場合は、いきなりセキュリティ一本ではなく、ネットワークをきちんと学んでから進むのが王道だと、お伝えしています。サーバーの構築やクラウドの経験は、市場での評価が高く、キャリアの選択肢を広げます。また、1〜2年での早い転職は避け、3年ほど経験を積んでから、より上の領域へ進むほうが、評価されやすい傾向があります。
当社で、内定までに応募した会社は、平均5社、内定をいただいた会社は、平均4社でした。面談から内定までの期間は、中央値で40日です(自社集計)。全体の流れはIT転職エージェントの登録から内定までの流れをご覧ください。
| 失敗のパターン | 起きる理由 | 対策 |
|---|---|---|
| 「未経験歓迎」だけで、会社を選ぶ | 研修・配属の実態を、確認していない | 研修・配属・勤務形態の5つの確認点で判断する |
| 資格だけで、選考に臨む | 志望理由と、学習の経過が説明できない | 「なぜ取ったか」「どう学んだか」を言葉にする |
| 夜勤・シフトの条件を、確認しない | 入社後に、働き方のミスマッチが生じる | 頻度・手当・待機の有無を、面接で質問する |
| 通信の基礎を、飛ばして機器の設定を覚える | 仕組みが分からず、応用が利かない | IP・サブネット・ルーティングの基礎を、先に固める |
| 応募が、増えすぎる | 準備が追いつかない | 4〜5社に絞って、準備に時間をかける |
転職活動を始める前のチェックリスト
キャリアカンパニーは、未経験・若手のITエンジニアを専門に支援しています。企業側と求職者側の両方を担当する「両面型」のため、企業ごとの研修や配属の実態を踏まえて、ご案内しています。面接対策は、企業ごとに個別に行い、模擬面接も、ご希望の回数だけ実施します。入社後も、1か月・3か月の面談で、状況を確認しています。入社後1年以内の定着率は、98%です(201名が対象、自社集計)。
「ネットワークの仕事が、自分に合うか」「夜勤は大丈夫か」といった相談だけでも、お受けします。お気軽にご相談ください。
箇条書きのメモで十分です。完璧に整理されていなくても、相談は始められます。
なれます。当社で2025年8月〜2026年7月に入社した201名のうち、前職がIT以外の方は90%でした(自社集計)。運用・監視やヘルプデスクなどから、経験を積む方が多くいます。
dodaの平均年収ランキング(2025年版)では、ネットワークエンジニアは455万円、IT・通信の技術系全体は469万円でした。未経験の入社時は、300万円台前半が目安です(当社のインフラ入社170名の中央値は320万円、自社集計)。
まず通信の基礎(IPアドレス、サブネット、ルーティング、OSI参照モデル)を学び、ネットワークシミュレーターで機器の設定を試すのがおすすめです。資格は、CCNAや基本情報技術者試験が入り口になります。
資格がなくても、転職できる場合があります。ただ、学習意欲と基礎知識を示す材料として、資格は有効です。「〇月に受験予定」と書類に明記して、応募を進める方も、多くいます。
必ずではありません。24時間稼働のネットワークを担当する職場では、交代制の場合があります。夜勤の頻度・手当・待機の有無を、入社前に確認してください。
通信は、あらゆるITシステムの土台で、クラウドの時代にも、設計・接続・セキュリティの役割が必要です。クラウドやセキュリティへ、専門を広げることで、活躍の場が広がります。
ネットワークの仕事で、迷ったときは、お気軽にご相談ください。
アドバイザー
百瀬将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。