COLUMN エンジニアスキル・知識

【初心者向け】サブネットとは?仕組み・計算方法・実務での使い方をわかりやすく解説

目次

サブネットの意味や計算方法が難しく、ネットワークの学習でつまずいていませんか? 本記事では、サブネットの基本概念から仕組みや計算の基礎、実務での活用例まで初心者向けにわかりやすく解説します。

この記事を読めば、サブネットの理解が深まり、ネットワークの基礎知識やサブネット計算のポイントを押さえられるようになるので、ぜひ参考にしてください。

未経験から3年後年収500万円を目指すエンジニア向け転職相談申し込みバナー

サブネットとは?初心者が最初に押さえるべき基礎知識

ネットワークの学習を始めると、必ず出てくる言葉の一つがサブネットです。IPアドレスやサブネットマスク・CIDRといった用語と一緒に登場するため、急に難しく感じる人も多いのではないでしょうか。

ここでは、どういうものかイメージしやすい形でサブネットの基本を整理していきます。

サブネットは「ネットワークの部屋割り」

サブネットとは、大きなネットワークをいくつかの小さなグループに分ける仕組みのことです。1つのネットワークに多くの機器が接続されていると、通信が増えて混雑しやすくなります。そこでネットワークを複数のグループに分け、整理して管理しやすくするために使われているのです。

学校の教室を思い浮かべると理解しやすいでしょう。学校全体を1つの空間として扱うより、クラスごとに教室が分かれていたほうが管理しやすくなります。ネットワークでも同じように、機器をグループ単位で分けることで通信を整理できます。通信の流れを整理できれば安全性も高められるので、ネットワークを管理するための仕組みとして、サブネットが役立っているのです。

大きなネットワークをいくつかの小さなグループに分けるサブネットの仕組みを図解

サブネットとIPアドレスの関係性

サブネットはIPアドレスと深く関係しています。IPアドレスはネットワーク上の機器を識別する番号ですが、どの機器が同じネットワークに属しているのか、までは判断できません。そのため、サブネットを使って通信できる範囲を整理しているのです。

例えば、企業では営業部や総務部など、部署ごとにグループが分かれているので、情報共有の範囲も整理されています。ネットワークにおいても、IPアドレスを使って機器をグループ化し、その範囲をサブネットによって管理しています。このように、両者はネットワーク通信を整理するうえで密接に関係しているため、セットで理解することが重要です。

サブネットが必要な3つの理由

小さなネットワークであれば、分割を意識しなくても通信は問題なく動くので、サブネットの必要性に疑問を感じている人もいるかもしれません。しかし、接続される機器が増えたり、組織の規模が大きくなったりするとネットワークの管理は一気に難しくなるため、一定の単位ごとに整理しておくことが大切になるのです。

本章では、サブネットが必要とされる具体的な理由を3つ説明します。

IPアドレスの効率的な管理

サブネットはIPアドレスを効率よく管理するために必要です。ネットワーク内の機器にはそれぞれIPアドレスが割り当てられますが、すべてを1つの大きなネットワークで管理しようとすると、どの機器がどこに属しているのかわかりにくくなります。

また、アドレスの管理が複雑になると、設定ミスや重複が起きる可能性も高くなってしまいます。サブネットでグループごとにIPアドレスの範囲を決めることで、機器の配置や用途がわかりやすくなり、どのネットワークに属しているのか一目で判断できるようになるのです。

通信速度の向上

サブネットにはネットワーク内の通信を整理し、通信の効率を高める役割もあります。ネットワーク内では機器同士が情報を送るために通信を行ないますが、多くの機器が同じネットワークに接続されていると、通信の量が増え混雑しやすくなります。

サブネットでネットワークを小さな単位に分割すれば、グループごとに通信が分かれるため、ネットワーク全体の混雑を抑えることが可能です。通信の量が増えすぎると、必要なデータのやり取りが遅くなることもありますが、サブネットによるネットワークの分割で通信速度の低下を防いでいます

セキュリティの強化

ネットワークの安全性を高めるためにも、サブネットは利用されています。ネットワークが1つの大きな構造になっていると、ウイルス感染や不正アクセスが起きた場合に、同じネットワーク内にある機器へ影響が広がりやすくなってしまうからです。

サブネットでネットワークを分割しておくと、特定のネットワークだけを制御したり、通信を制限したりして影響範囲を限定できます。代表的なセキュリティ対策としては、サーバーとパソコンのサブネットを分け、より影響の大きいサーバーへのアクセスを制限する形があげられます。ネットワークの構造を整理するサブネットは、安全に運用するための重要な仕組みとしても使われているのです。

サブネットの仕組み|ネットワーク部とホスト部を理解しよう

IPアドレスの構造と役割に触れながらサブネット計算の基礎を図解

サブネットを理解するためには、まずIPアドレスの構造を正しく知ることが求められます。なぜなら、IPアドレスは単なる番号ではなく、ネットワークを示す情報と個々の機器を識別する情報が含まれているからです。

ここからは、IPアドレスの構造と役割に触れながら、サブネット計算の基礎を解説します。

IPアドレスは2つの部分で構成される

IPアドレスはネットワークにおいて機器を識別するための番号ですが、そのなかには2つの役割が含まれています。1つはネットワークを識別する部分、もう1つはネットワーク内の機器を識別する部分です。

IPv4アドレスである「192.168.1.1」の場合、前半の一部はネットワークを示し、残りの部分が機器を識別するために使われます。同じネットワークに属する機器は、ネットワークを示す部分が共通しているので、家庭内で使用しているパソコンやプリンターといった機器では、同じネットワーク部分を持つIPアドレスが使われているでしょう。2つの部分で構成されるIPアドレスによって、ネットワークの管理や通信が支えられています

ネットワーク部とホスト部の違い

IPアドレスのなかでネットワークを示す部分を「ネットワーク部」機器を識別する部分を「ホスト部」と呼びます。ネットワーク部は、どのネットワークに属しているかを示す情報です。一方でホスト部は、属しているネットワーク内のどの機器であるかを示します。

企業の部署を例にすると、ネットワーク部は部署名のような役割を持ち、ホスト部は部署に所属する社員の社員番号のような役割を持っています。営業部の社員は同じ部署名を持ちながら、それぞれ異なる社員番号を割り当てられているように、ネットワーク部が共通し、ホスト部が異なることで複数の機器が存在できるのです。

サブネット計算の基礎

サブネットを理解するうえで、避けて通れないのがサブネット計算になります。IPアドレスの構造を理解していても、ネットワークの範囲を判断できなければ実際のネットワーク設計やトラブル対応が難しくなるからです。慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、基本の考え方を押さえれば少しずつ理解できます。

ここでは、サブネットの計算において押さえておきたい基礎を説明します。

ネットワークアドレスの求め方

ネットワークアドレスは、ネットワーク全体を表すための特別なIPアドレスです。ネットワークのなかで通信を整理するためには、どこからがネットワークの開始なのかを明確にする必要がありますが、その開始地点を示すのがネットワークアドレスなのです。

ネットワークアドレスを求めるときは、IPアドレスのホスト部をすべて0にします。すると、そのネットワークの最初のアドレスが決まります。「192.168.1.0/24」のネットワークで考えてみると、ホスト部が8ビットです。つまり、この8ビットの部分をすべて0にした「192.168.1.0」がネットワークアドレスになります。

ブロードキャストアドレスとは

ブロードキャストアドレスは、ネットワーク内のすべての機器に同時に通信を送るために使われる特別なIPアドレスです。ネットワークでは、同じネットワークにいるすべての機器に通知を送る場合があり、その際に使われるのがブロードキャストアドレスです。

ブロードキャストアドレスは、ネットワークの最後のIPアドレスになります。したがって、このアドレスを求めるときは、ホスト部をすべて1にします。「192.168.1.0/24」のネットワークではホスト部が8ビットなので、すべてを1にした「192.168.1.255」がブロードキャストアドレスです。

ホスト数の計算方法(2^n-2)

サブネットを分割するときには、そのネットワークに何台の機器を接続できるのか、という計算が欠かせません。このときに使われるのが「2のn乗から2を引く」という計算方法です。IPアドレスのなかでホスト部に使えるビット数がわかれば、接続できる機器の最大数を計算できます。

しかし、すべてのアドレスを機器に使えるわけではありません。ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つは特別な用途に使われるため、機器には割り当てられないからです。そのため、実際に利用できるアドレス数は「2のn乗−2」になるのです。

「/24」のネットワークではホスト部が8ビットなので、2の8乗で256個のアドレスが存在します。そこから2つを引くため、254台の機器を接続可能です。この計算方法を理解しておくと、ネットワーク設計やサブネット分割を行なう際に役立ちます

サブネットとサブネットマスクの違いを理解

サブネットを学び始めると、「サブネット」と「サブネットマスク」という似た言葉が同時に出てきます。名前が似ているため、同じ意味にとらえている人もいるかもしれませんが、両者は役割が異なる概念です。

ここでは、サブネットマスクの役割やよく見られる表記について解説します。

サブネットマスクは「境界線」

サブネットマスクは、IPアドレスのなかでネットワーク部とホスト部を分けるための境界を示す情報です。ネットワークを複数のグループに分けるためには、境界を明確にする必要があります。サブネットマスクは、その境界を決めるための基準として使われているのです。

IPv4では「255.255.255.0」のような形で表されます。「192.168.1.10」というIPアドレスに「255.255.255.0」というサブネットマスクが設定されている場合、最初の3つの数字がネットワークを示す部分で、残りの数字が機器を識別する部分です。境界線の役割を担うサブネットマスクがあることで、どの機器が同じネットワークに属しているのか素早く判断できるようになります。

CIDR表記(/24、/16)の読み方

CIDR表記は、サブネットマスクをより簡単に表すための書き方です。ネットワークの構造を短く表現できるため、設計資料や機器設定において広く使われています。IPアドレスのうしろに「/24」や「/16」といった数字を付け、ネットワーク部の長さを示しているのです。

32ビットで構成されるIPv4アドレスにおいて「/24」と書かれている場合、最初の24ビットがネットワーク部になります。したがって、「192.168.1.0/24」というネットワークでは、「192.168.1.x」の範囲が同じネットワークに属するアドレスです。CIDR表記を理解すると、ネットワークの大きさや利用できるIPアドレスの数を判断しやすくなるので、覚えておきましょう。

【一覧表】よく使うサブネットマスク早見表

ネットワークを学んでいると、いくつかのサブネットマスクが頻繁に使われることに気付きます。すべてを毎回計算するより、よく使う値を覚えておくと、サブネットを理解するうえで役立つ知識になるはずです。

以下の表では、よく使われるサブネットマスクとCIDR表記をまとめました。

CIDR表記サブネットマスク利用可能ホスト数おもな用途イメージ
/8255.0.0.016,777,214非常に大きなネットワーク
/16255.255.0.065,534大規模組織ネットワーク
/24255.255.255.0254一般的なLAN
/25255.255.255.128126小規模LAN
/26255.255.255.19262部門単位ネットワーク
/27255.255.255.22430小規模分割ネットワーク
/28255.255.255.24014サーバー用ネットワーク
/29255.255.255.2486特定機器接続
/30255.255.255.2522ルーター間通信
在宅勤務可能な仕事を探しているエンジニア向け転職相談申し込みバナー

サブネット計算の具体例

サブネットの仕組みを理解するためには、実際のIPアドレスを使って考えることが欠かせません。概念だけを覚えるよりも、具体的な数値を使って確認しておくほうが理解を深められるからです。

本章では、よく使われるネットワーク設定を例にしながら、サブネット計算の考え方を確認していきます。

/24ネットワークのサブネットマスク

/24ネットワークは、小規模なLANでよく使われる基本的なネットワーク構成です。CIDR表記で「/24」と書かれている場合、IPアドレスの最初の24ビットがネットワークを表す部分、残りの8ビットが機器を識別する部分になります。「/24」に対応するサブネットマスクは「255.255.255.0」です。

「192.168.1.0/24」というネットワークであれば、ネットワークアドレスの「192.168.1.0」、ブロードキャストアドレスの「192.168.1.255」を除いた範囲が機器に割り当てられるIPアドレスになります。つまり、2の8乗から2を引いた254個です。/24ネットワークは構造がわかりやすく、家庭用機器や企業でも用いられることが多いため、学習の基本としてよく出てきます。

/26サブネットへの分割

/26のサブネットは、1つのネットワークをさらに小さく分割するときに使われる設定です。/24のネットワークをそのまま使うと、254台の機器を接続できますが、実際にはそこまで多くの機器が必要ない場合もあります。そのようなときに、ネットワークを複数の小さなサブネットに分割するのです。

「192.168.1.0/24」のネットワークを/26で分割すると、「192.168.1.0/26」「192.168.1.64/26」「192.168.1.128/26」「192.168.1.192/26」の4つのサブネットに分けられます。ホスト部が6ビットの場合、2の6乗で64個のIPアドレスが存在しますが、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは利用できないため、実際に使えるのは62個です。このようにネットワークを分割することで、部署ごとや用途ごとにネットワークを整理するといった運用が可能になります。

IPアドレス範囲の求め方

IPアドレスの範囲を求めることは、サブネット計算のなかでも重要な作業です。ネットワークを設定する場合、そのネットワークに含まれるIPアドレスの範囲を正しく理解しておく必要があるからです。

「192.168.1.0/26」のネットワークでは、ネットワークアドレスが「192.168.1.0」、ブロードキャストアドレスが「192.168.1.63」になります。利用可能なIPアドレスは両者の間である「192.168.1.1」から「192.168.1.62」までの範囲です。そして、次のサブネットは「192.168.1.64」から始まり、同じルールで範囲が決まります。

利用できるIPアドレスは、ネットワークの開始と終了を確認することで判断できます。この考え方を身に付けられると、サブネットの範囲を正確に把握できるようになるので、ネットワーク設計やトラブル対応にも役立つはずです。

実務でのサブネットの活用例

サブネットは学習だけの概念ではなく、実際のネットワーク運用でも広く利用されています。企業のネットワークやクラウド環境では、多くの機器やシステムが同時に通信を行なうため、ネットワークを適切な単位に分割し、管理しやすい構造を作ることが重要になるからです。

ここからは、実際の環境でどのようにサブネットが使われているのか具体例を通して紹介します。

AWS VPCでのサブネット設定例

クラウド環境において、サブネットはネットワーク設計の基本となる要素です。AWSではVPCという仮想ネットワークを作成し、そのなかでサブネットを設定します。VPCはクラウド上に作られる独立したネットワーク空間であり、その内部を複数のサブネットに分割して使います。

Webシステムであれば、公開するサーバーと内部システムを分けるのがよく用いられる配置です。公開用のサブネットはインターネットと接続し、内部用のサブネットは外部から直接アクセスできないようにするのです。役割ごとにネットワークを分けることで、安全で管理しやすいクラウド環境を構築できます。

オンプレミス環境でのサブネット設計

企業の社内ネットワークでもサブネットは広く使われています。オフィスには多くのパソコンやサーバー・プリンターなどが接続されており、これらの機器をすべて同じネットワークで管理すると、通信の整理やトラブルの管理が難しくなるからです。

社内ネットワークでは、部署ごとにサブネットを分ける設計がよく行われます。営業部・開発部・総務部などの部署ごとに異なるIPアドレス範囲を割り当て、通信の流れを整理しやすくするためです。

さらに、サーバー専用のサブネットを作ることで、重要なシステムへのアクセスを制御することも可能です。こうした設計により、ネットワークの効率的な管理と安全性を両立しています。

サブネット設計の失敗事例と対策

サブネットは便利な仕組みですが、設計を誤るとネットワークの運用に問題が生じることもあります。特に多いのが、IPアドレスの数を正しく見積もらないケースです。必要な機器数より小さいサブネットを作ってしまうと、あとから機器を追加できなくなることがあります。

したがって、ネットワークにおけるサブネットの設計では、将来の拡張性を考慮することが重要です。部署の増加やサーバーの追加などを見越して、余裕を持ったアドレス範囲の確保を心がけましょう。将来の運用も考えながら構成を決めることが、ネットワークの安定した運用につながります。

業務別のサブネット関与度

ネットワークに関する仕事は大きく分けると、運用・保守、構築、設計の3つに分類されます。それぞれの業務では扱う内容や求められる知識が異なりますが、サブネットはどの業務でも基礎となる重要な知識です。

ここでは、業務の種類ごとにサブネットがどのように関わるのか説明していきます。

①運用・保守業務での関わり方

運用・保守業務では、すでに動いているネットワークを安定して利用できるように管理します。この業務ではサブネットの設定を新しく作る場面は多くありませんが、ネットワークの構造を理解するためにサブネットの知識が必要です。

通信できないパソコンがあれば、IPアドレスを確認し、同じサブネットにある機器同士で通信できるかどうかを調べることで、原因の切り分けができます。ルーターやスイッチの設定を確認するときも、ネットワークの区切りを理解していないと問題を見逃してしまうかもしれません。運用・保守業務ではサブネットの構造を読み取る力が大切になります。

関連記事:システム運用保守とは?仕事内容・向いている人・年収・資格まで徹底解説

②構築業務での関わり方

構築業務では、新しいネットワークやシステムを実際に作り上げます。この業務では、ルーターやスイッチ・サーバーなどの機器にIPアドレスやサブネットマスクを設定し、ネットワークが正しく通信できる環境を構築する場面に携わることが多いです。

企業のネットワーク構築では、サーバー用ネットワーク・社員用ネットワーク・管理用ネットワークなど、用途によって分ける構成がよく使われます。そのうえで、ルーターやスイッチといったネットワーク機器を用いて、通信を制御するのです。設定を間違えると通信できなくなってしまう構築業務では、ネットワークの基本知識としてサブネットの理解が欠かせません。

③設計業務での関わり方

設計業務では、ネットワーク全体の構造を考えながらサブネットを決めます。サブネットの分け方によって、通信の効率やセキュリティの強さが変わることもあるため、非常に重要な工程です。

サーバー用ネットワークや社内業務用ネットワークの分割をはじめ、接続する機器の数を見積もりながら、将来の拡張性も考えたIPアドレスの範囲決定が求められます。場合によっては来客用のネットワークを設け、社内のセキュリティ対策にすることも考えられます。サブネットの知識が大いに活きる設計業務は、システム全体の安定性に影響をおよぼす業務です。

【挫折解消】初心者がサブネット学習でつまずかないために

チェックリスト

サブネットは、ネットワーク学習のなかでもつまずきやすいテーマです。IPアドレスやサブネットマスク・2進数など複数の知識を同時に扱うため、途中で理解が止まってしまうことも少なくありません。

ここからは、学習のなかで多くの人が感じやすい難しさと、その乗り越え方について解説していきます。

初心者がつまずく3大ポイントと解決策

サブネットの学習では、多くの人が同じようなポイントでつまずきます。おもな原因は、複数の要素が同時に登場することにあり、どこから理解すればよいのかわからなくなった結果、学習が止まってしまうからです。しかし、つまずきやすい部分を事前に知っておくことで、学習は進めやすくなります。

ここでは、初心者がつまずきやすい3大ポイントと、それぞれの解決策を説明します。

①2進数表記が分からない

サブネットを理解するうえで最初の壁になりやすいのが、2進数の考え方です。普段の生活ではおもに10進数を使うため、0と1だけで表す数値に慣れていない人が多いのです。

32ビットで構成されるIPv4アドレスでは、各ビットは0か1で表され、8ビットごとに区切られて10進数として表示されています。サブネットマスクでよく見かける「255」という数字は、2進数では「11111111」です。まずは8ビットの範囲で2進数と10進数の対応を理解すると、サブネットの仕組みが見えやすくなります。

②計算が複雑で挫折

IPアドレスの範囲を求めたり、ホスト数を計算したりする作業は慣れていないと時間がかかります。計算の手順だけを覚えてしまうと、少し条件が変わった問題で混乱することがあるため、仕組みを理解しながら進めることが重要です。

サブネット計算では、ネットワーク部とホスト部のビット数を確認することが基本です。「/24」であればホスト部は8ビット、「/26」であればホスト部は6ビットのように、ホスト部のビット数がわかれば、2のべき乗でIPアドレスの数を計算できます。まずは基本的なパターンから始めると、サブネットの計算は少しずつ理解できるようになるはずです。

③完璧主義で進めない

ネットワークの分野は覚える用語が多いので、すべてを完璧に理解してから次へ進もうとすると学習が止まりやすくなります。最初の段階では完璧な理解を目指す必要はなく、基礎を理解しながら少しずつ知識を広げていくことが大切です。

サブネットの学習では、最初にIPアドレスの構造を理解し、そのあとにサブネットマスクとCIDR表記を確認する流れが効果的です。基本的なネットワーク設定である「/24」を理解できれば、サブネットの全体像が見えやすくなります。学習は段階的に進めることが重要であるため、完璧を求めすぎず、基本を積み重ねましょう。

サブネット学習でよくある勘違いTOP3

サブネットを学んでいると、似ている言葉や数字が多く登場するので、意味を誤って覚えてしまうことがあります。学習の初期段階では誤解に気付きにくく、計算や表記の間違いにつながる可能性もあるため、誤解を早い段階で整理しておくことが重要です。

ここでは、サブネット学習でよくある勘違いを3つ取り上げ、正しい考え方を説明します。

①「サブネットマスク=サブネット」

サブネットとサブネットマスクは同じ意味ではありません。サブネットはネットワークを分割した単位を指す言葉であり、サブネットマスクはその分割の境界を示す情報です。この2つの役割を混同すると、ネットワークの構造を正しく理解できなくなります。

IPアドレス「192.168.1.10」とサブネットマスク「255.255.255.0」が設定されている場合、ネットワーク部は「192.168.1」の部分になります。サブネットマスクは境界を示すための情報であり、ネットワークそのものを意味する言葉ではありません。この違いを整理しておくことが、サブネットを理解するための基本です。

②「/24は24個のIPアドレス」

CIDR表記の数字をIPアドレスの数だと考えてしまう人も見られます。「/24」という表記が表しているのは、IPアドレスの数ではなく、ネットワーク部のビット数です。IPv4アドレスは32ビットで構成されているため、/24であれば最初の24ビットがネットワーク部、残りの8ビットが機器を識別するためのホスト部になります。

ホスト部が8ビットの場合、2の8乗で256個のIPアドレスが存在します。しかし、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは機器に割り当てられないので、実際に利用できるのは254個です。CIDR表記はネットワークの範囲を示すための情報であり、正しく理解しておくことでネットワークの構造が読み取れるようになります。

③「プライベートIPは全部同じサブネット」

プライベートIPアドレスを使用している機器は、すべて同じネットワークで通信できると考える人もいます。ですが実際には、IPアドレスだけでネットワークが決まるわけではありません。ネットワークの範囲はサブネットマスクによって決まるからです。

「192.168.1.10」と「192.168.2.10」というIPアドレスはどちらもプライベートIPです。しかし、サブネットマスクが「255.255.255.0」で設定されている場合、ネットワークは別になるため直接通信することはできません。プライベートIPはインターネットに公開されないアドレスという意味であり、同じネットワークかの判断には、サブネットマスクと組み合わせて考えましょう。

未経験者が最低限押さえるべきレベル

ネットワーク学習の初期段階では、基本の考え方を理解することが重要です。IPアドレスの構造・ネットワーク部とホスト部の違い・サブネットマスクの役割を理解していれば、ネットワークの基本的な構造を読み取れるようになります。

学習においては、「/24」「/25」「/26」などのCIDR表記がよく使われます。これらのネットワークで利用できるホスト数やアドレス範囲を判断できるようになると、対応可能な問題の幅が広がるはずです。最初は基本的なネットワーク構造に取り組み、そのあとに計算問題へ進むと、サブネットの理解を無理なく深められます。

サブネットを理解するための3ステップ学習ロードマップ

キャリアが広がるイメージ画像

サブネットはネットワークの基礎として重要な分野ですが、学習の順序を誤ると難しく感じられることがあります。ネットワークの学習は、段階的に理解することで効率よく知識を身に付けられるので、焦って難しい問題に取り組むよりも、基本から取り組むほうが効果的です。

本章では、サブネットを理解するための学習の進め方を3つのステップで紹介します。

ステップ1:IPアドレスの基礎を固める

サブネットを理解するためには、まずIPアドレスの基礎を固めることが重要です。IPアドレスはネットワーク上の機器を識別するための番号であり、通信の土台となる情報です。この仕組みが理解できていないと、サブネットの考え方を整理することが難しくなります。

IPv4アドレスは32ビットで構成されており、通常は「192.168.1.10」のように4つの数字で表されます。前半の一部はネットワークを表し、残りが機器を識別する部分で構成されていることを押さえておくと、ネットワークがどのように整理されているのかが見えやすくなるでしょう。サブネット学習は、この基礎を理解することから始まります。

ステップ2:サブネットの概念を理解する

IPアドレスの基本を理解したら、次にサブネットの概念を学びます。サブネットは大きなネットワークを複数の小さなネットワークに分割する仕組みです。ネットワークの規模が大きくなると、通信の管理やセキュリティ対策が難しくなるため、分割して整理する必要があるのです。

企業のネットワークでは、部署ごとにネットワークを分ける構成がよく使われます。分割を行なうことで通信の流れを整理しやすくするためです。

サブネットの概念を理解すると、ネットワークの構造を読み取る力が身につきます。サブネットマスクとの違いも、しっかり押さえておきましょう。

ステップ3:簡単な計算問題に挑戦する

サブネットの概念を理解したあとは、実際の計算問題に取り組むと知識を定着させられます。最初は難しく感じることがありますが、基本のルールを理解すれば計算の流れはつかめます。ネットワーク部とホスト部のビット数を確認し、ホスト部のビット数から利用できるアドレス数を求めることが基本です。

「/24」のネットワークではホスト部が8ビットになります。この場合、2の8乗で256個のIPアドレスが存在しますが、そのうちネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた254個が機器に割り当て可能なIPアドレスです。簡単な問題から取り組み、少しずつ難しい内容へ進むことで、サブネットの理解は徐々に深まります。

サブネット初心者のよくある質問

サブネットを学び始めると、基本的な仕組みを理解していても細かな疑問が生まれることがあります。IPアドレスの表記やサブネットマスクの役割などは、最初の段階では混乱しやすいポイントです。学習を続けるためには、疑問をそのままにせず、一つずつ整理していくことが大切です。

ここでは、初心者が学習のなかで疑問に感じやすいポイントを5つ取り上げ、回答していきます。

サブネットとサブネットマスクの違いは?

サブネットはネットワークを分割して作られた小さなネットワークの単位を指します。一方でサブネットマスクは、IPアドレスのどこまでがネットワーク部なのかを示すための情報です。

ネットワークを複数のグループに分けると、それぞれがサブネットとして扱われます。そのサブネットを識別するためにサブネットマスクが使われるのです。サブネットはネットワーク構造そのものを指し、サブネットマスクはその構造を決めるための設定として使われると覚えておきましょう。

/24と/16、どちらが大きいネットワーク?

/16のほうが大きなネットワークです。CIDR表記の数字はネットワーク部のビット数を表しています。数字が小さいほどホスト部のビット数が多くなり、接続できる機器の数が増えるので、ネットワークの範囲も広くなります。

「/24」の場合はネットワーク部が24ビット、残り8ビットがホスト部であるため、利用できるIPアドレスは254個です。一方で「/16」の場合はネットワーク部が16ビット、ホスト部は16ビットであるため、接続できる機器は65,534台になります。このようにCIDR表記の数字が小さいほどネットワークの範囲は大きくなります

プライベートIPとサブネットの関係は?

プライベートIPアドレスは、インターネット上で公開されない内部ネットワーク専用のIPアドレスです。しかし、プライベートIPアドレスを使っているだけでは同じネットワークに属しているとは限りません。ネットワークの範囲はサブネットマスクによって決まるからです。

プライベートIPには「192.168.x.x」「10.x.x.x」「172.16.x.x」などの範囲があります。この範囲のアドレスを使っていても、サブネットマスクが異なれば別のネットワークとして扱われます。プライベートIPはアドレスの種類を示す言葉であり、サブネットマスクと組み合わせて考えることでネットワークの構造が決まるのです。

ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスとは?

ネットワークアドレスは、そのネットワーク全体を表すためのアドレスです。ネットワークの開始地点を示す役割を持っています。ブロードキャストアドレスは、ネットワーク内のすべての機器に同時に通信を送るためのアドレスです。ネットワークの最後のIPアドレスがこの用途に使われます。

「192.168.1.0/24」のネットワークであれば、ネットワークアドレスが「192.168.1.0」、ブロードキャストアドレスが「192.168.1.255」です。この2つを除いたアドレス範囲が機器に割り当てられます

サブネットを学ぶのに資格は必要?

サブネットを学ぶために資格は必ずしも必要ではありません。ネットワークの基礎知識として、独学でも学習は可能です。しかし、資格の学習を通じて体系的に知識を身に付けることは有効な手段です。

ネットワーク分野ではCCNAという資格がよく知られており、IPアドレスやサブネット計算などの基礎知識を学べます。企業においても、ネットワークエンジニアの知識を確認する目安として資格が利用されることがあります。資格は必須ではありませんが、学習の目標として活用するとサブネットの仕組みも理解しやすくなるでしょう。

関連記事:CCNAとは?資格概要・難易度から転職活用法まで徹底解説【2026年版】

まとめ:概念理解から始める学習が成功への近道

この記事の要点のまとめ

  • サブネットはネットワークを小さな単位に分割して管理する仕組み
  • IPアドレスはネットワーク部とホスト部で構成され、サブネットマスクによってその境界が決まる
  • ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは機器に割り当てられない特別なアドレス
  • /24・/26などのCIDR表記を理解するとネットワーク範囲を素早く判断できる
  • サブネットは企業ネットワークやクラウド環境でも使われる重要なネットワーク設計の基礎

サブネットはネットワーク学習のなかでも多くの人が難しいと感じる分野です。しかし、順を追って理解すれば決して特別に難しい内容ではありません。暗記だけで覚えようとするよりも、ネットワークの構造をイメージしながら学習することが理解を深める近道です。

まずは、IPアドレスを構成する2つの要素の違いを確認し、/24や/26のネットワークで使えるIPアドレスの数を計算してみてください。サブネットマスクの早見表を見ながら、CIDR表記とサブネットマスクの関係を覚えることも効果的です。

基礎を一つずつ積み重ねていくことで、サブネットの知識は確実に身に付きます。今できることから学習を進め、ネットワークの基礎を自分の力にしていきましょう。

ITキャリアサポートの
エキスパート

CAREER ACCOMPANYはあなたのITキャリアのステップアップを伴走サポートします。

ITキャリアサポートのエキスパート ITキャリアサポートのエキスパート
LINEで友だち追加

LINEで簡単!転職相談する