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COLUMN

IT転職の内定が複数出たときの選び方|比べる7つの軸と、保留・辞退の伝え方【例文つき】

IT転職の内定が複数出たときの選び方のアイキャッチ画像
2026.10.18

IT転職で複数の内定が出たときは、「年収」だけでなく、仕事内容・成長・働き方・会社の将来性を、同じ基準で比べて決めます。回答の期限は、1週間ほどが多いため、決め方の手順を、先に用意しておくことが大切です。この記事では、複数内定を比べる軸、労働条件通知書の確認ポイント、点数表の作り方、内定の保留・辞退・現職への退職の伝え方(例文つき)を、IT転職の視点で整理しました。当社は、採用コンサルティングで、エンジニア採用をする会社の面接官も担当しており、企業側の事情も踏まえてお伝えします。

この記事のポイント

  • 比べるときは、①仕事内容と経験できる工程 ②年収と給与の中身 ③働き方 ④会社の規模・商流 ⑤育成体制 ⑥評価・昇給 ⑦人と雰囲気の7つの軸で
  • 内定の回答期限は1週間ほどが多く、延ばしても2週間ほどが目安(当社の面談での目安)。面接は、同じ時期にまとめて受ける
  • 決める前に、労働条件通知書で、給与の内訳・固定残業代・勤務時間・休日を、必ず確認する
  • 迷ったら、点数表で比べ、不安な点は現場の社員に質問する
  • 保留・辞退は、早く・誠実に・電話かメールで伝える。例文は、記事内で紹介

複数内定が出るのは、珍しいことではありません

「内定が複数出たら、どうすればよいのか」という悩みは、転職活動の終盤で、多くの方が経験します。当社の自社集計(2025年8月〜2026年7月入社の201名)では、応募数の平均は5社、内定数の平均は4社でした。応募先を絞って面接を受けても、複数の内定が出ることは、珍しくありません。

複数の内定が出るのは、喜ばしいことですが、同時に、「どの会社を選ぶか」という、大きな決断が必要になります。ここでの判断を誤ると、入社後のミスマッチにつながります。この章以降で、考え方と手順を、順に整理します。

数字の見方|上の数字は、当社の紹介実績に基づく集計で、業界全体の傾向を示すものではありません。

最初に確認する|内定の回答期限と、面接のスケジュール

回答の期限は、1週間ほどが多い

内定の回答期限は、1週間ほどに設定されることが多く、会社によっては、延ばしてもらえても、2週間ほどです(当社の面談での目安です)。そのため、1社だけ先に内定が出て、志望度の高い他社の選考が、間に合わなくなる、という状況が起こりえます。

対策は、面接を同じ時期にまとめること

複数の会社を受ける場合は、面接を、同じ時期にまとめて進めるのが、おすすめです。目安として、面接を受ける会社は、4〜5社ほどに絞ります。興味のある会社だけに絞ると、日程の調整がしやすく、1社ごとの準備にも、時間をかけられます。

入社したい時期面接を始める目安考え方
1月入社11月の頭ごろから10月に、求人と方向性を考え、11月に面接をまとめて進める
4月入社1月〜2月ごろから年末年始をはさむため、早めに書類を準備する
できるだけ早く登録後、すぐ現職の退職日程も、あわせて確認する

スケジュールが読めない場合は、転職エージェントに、「他社の選考状況」を共有し、面接日程の調整や、回答期限の相談を、お願いすることもできます。

比べる7つの軸|年収だけで決めない

複数の内定を比べるときは、気になる点を、思いつくままに挙げるのではなく、同じ軸で、整理して比べます。次の7つの軸が、基本です。

軸確認する内容見落としやすい点
①仕事内容・経験できる工程運用・保守・構築・設計・開発など、担当する工程。配属先の想定「入社後に決まる」とされ、希望と違う配属になる場合がある
②年収・給与の中身基本給・手当・賞与の内訳。固定残業代の有無と時間年収の総額が高くても、固定残業代が大きく含まれている場合がある
③働き方勤務時間・夜勤・シフト・休日・リモートの可否夜勤や平日休みへの抵抗の有無。通勤時間
④会社の規模・商流会社の規模、設立からの年数、取引の構造(商流の深さ)商流が深いと、単価と給与が上がりにくい傾向がある
⑤育成体制研修、資格取得の支援、先輩のサポート制度が「ある」ことと、実際に使われていることは別
⑥評価・昇給評価の基準、面談の頻度、昇給の実績「頑張り次第」と言われ、基準が見えない
⑦人・雰囲気面接官・現場の社員の印象、チームの人数面接で会えなかった人が、実際の配属先の上司になる場合がある

どの軸を重視するかは、人によって異なります。「何を優先したいか」を、先に決めておくと、迷いにくくなります。

年収の見方|総額より「中身」と「伸び方」を見る

年収は、比べやすい数字ですが、総額だけで判断すると、入社後に、想定と違う、ということが起こります。確認したいのは、次の3点です。

  • 内訳|基本給・各種手当・賞与がいくらか。賞与は、実績か、見込みか
  • 固定残業代|含まれる場合は、「何時間分」で「何円」か。超えた分が、別に支払われるか
  • 伸び方|昇給の実績、評価の仕組み、役職や等級による給与の違い

固定残業代(みなし残業代)を採用している求人は、募集の段階で、「金額・時間数」「固定残業代を除いた基本給の額」「固定残業時間を超える分を追加で支払う旨」の3点を、明示することが求められています(厚生労働省の指針・職業安定法)。内定時の書類で、この3点が、はっきり書かれているかを、確認してください。

参考までに、当社の自社集計(2025年8月〜2026年7月入社)では、インフラ職に入社した170名の、入社時の年収の中央値は320万円で、転職前の中央値は300万円でした。年収が上がった方は、60%です。ただし、これは、入社時点の数字であり、業界全体の傾向を示すものではありません。入社後の成長や昇給まで含めて、比べることが大切です。

給与の交渉については、IT転職の年収交渉の進め方で、詳しく解説しています。

労働条件通知書で、必ず確認する項目

労働基準法15条により、会社は、労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を、明示しなければなりません。内定が出たら、口頭の説明だけでなく、書面(労働条件通知書や、雇用契約書)で、内容を確認します。

労働条件通知書のチェックリスト

  • ☐ 契約期間(期間の定めの有無・試用期間の有無と、その間の条件)
  • ☐ 就業場所(配属される場所、転勤の可能性)
  • ☐ 仕事の内容(担当する業務、変更の範囲)
  • ☐ 始業・終業の時刻、休憩、休日(シフト・夜勤の有無を含む)
  • ☐ 所定時間外労働の有無(固定残業代の時間と金額)
  • ☐ 賃金(基本給・手当・賞与の額と、締め日・支払日)
  • ☐ 昇給の有無と、実績
  • ☐ 退職に関する事項
  • ☐ 入社日、試用期間中の待遇の違い
書面が、まだ届かない場合|内定の連絡のあとに、「書面で条件を確認したい」と伝えることは、失礼にあたりません。内容を確認してから、回答する旨を、丁寧に伝えます。

決め方の手順|5つのステップ

  1. 優先順位を決める|7つの軸のうち、重視する順に、上位3つを選ぶ
  2. 点数をつける|各社を、軸ごとに5点満点などで評価し、合計を出す
  3. 不安な点を、書き出す|点数をつけてもなお、分からない点を、質問として整理する
  4. 質問して、確認する|人事や、現場の社員に、質問する。内定後の面談を依頼できる会社もある
  5. 期限内に決める|得られた情報で、最終判断をする。迷うときは、「3年後に、どうなっていたいか」で考える

点数表の例(書き方の例)

軸(重視度)A社B社C社
仕事内容・経験できる工程(重視度:高)453
年収・給与の中身(重視度:中)345
働き方(重視度:高)534
育成体制(重視度:高)542
評価・昇給(重視度:中)334

点数は、あくまで、整理のための道具です。合計点が高い会社が、必ずしも正解とは限りません。点数をつけたあとに、「自分は、どの会社で働く姿を、一番イメージできるか」を、あわせて確かめてみてください。

内定後に、質問するとよいこと

内定後は、入社前の、最後の確認のチャンスです。疑問は、このタイミングで、解消しておきます。質問は、「条件の確認」のためであり、失礼にはあたりません。

確認したいこと質問の例
配属「入社後の配属先は、どのように決まりますか。現時点で、想定されている部署や業務を、教えてください」
育成「入社後の研修は、どのような内容と期間ですか。資格取得の支援制度は、実際に、どのくらい利用されていますか」
働き方「配属予定のチームの、平均的な残業時間や、夜勤・シフトの状況を教えてください」
評価「評価は、どのような基準で、年に何回行われますか。昇給の実績も、教えてください」
先輩社員「同じ職種で入社された方に、お話をうかがう機会はありますか」

質問の仕方は、面接の最後の質問と、共通する部分が多くあります。IT転職の逆質問|質問30選とNG例も、参考にしてください。

内定の保留・期限延長を、お願いするとき

他社の結果を待ちたい、条件を整理したい、といった場合は、回答期限の延長を、お願いすることができます。ポイントは、「早く」「理由を正直に」「いつまでに回答できるか」を、具体的に伝えることです。

保留・期限延長のメール例(書き方の例)

件名: 内定のご連絡へのお礼と、お返事のお願い(氏名)
○○株式会社 採用ご担当者様
このたびは、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。貴社で働けることを、大変うれしく思っております。
大変恐縮ですが、現在、ほかにも選考が進んでいる企業があり、慎重に検討したく存じます。つきましては、お返事の期限を、○月○日(○)まで、延ばしていただくことは可能でしょうか。
お手数をおかけしますが、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

注意|延長に応じるかは、会社によって異なります。延長が難しい場合に備え、期限内に判断できるよう、日ごろから、優先順位を整理しておきます。他社の社名や、条件の詳細を、相手に伝える必要は、ありません。

内定を辞退するとき|伝え方とマナー

複数の内定のうち、入社しない会社には、辞退の連絡をします。辞退は、会社にとっては、採用計画に影響する連絡です。次の点を、守ってください。

  • 決めたら、すぐに連絡する|返事を先延ばしにすると、会社が、次の候補者に連絡する機会を、失う
  • 電話か、メールで、直接伝える|エージェント経由の場合は、まず、エージェントに伝え、会社への連絡の仕方を、相談する
  • 理由は、簡潔に、前向きに|他社の悪口や、条件の細かい比較は、避ける
  • 感謝を、伝える|選考に時間をかけてもらったことへの、お礼を添える

内定辞退のメール例(書き方の例)

件名: 内定辞退のご連絡(氏名)
○○株式会社 採用ご担当者様
このたびは、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
慎重に検討を重ねた結果、このたびは、内定を辞退させていただくことといたしました。
お時間をいただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり、誠に申し訳ございません。
末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

承諾したあとの辞退は、特に慎重に|内定を承諾したあとの辞退は、会社への影響が大きくなります。迷いがあるときは、承諾する前に、保留や、質問で、不安を解消してから、決めてください。

現職への退職の伝え方と、タイミング

入社する会社が決まったら、現職に、退職を伝えます。民法627条では、期間の定めのない雇用の場合、退職の申し入れから2週間で、雇用が終了すると定められています。ただし、実際には、就業規則に、「1か月前までに申し出る」などの定めがある場合が多く、引き継ぎの期間も必要です。

  1. 就業規則を確認する|退職の申し出の期限と、手続きを確認する
  2. 入社日を、会社と相談する|引き継ぎに必要な期間を考え、入社日を調整する
  3. 直属の上司に、直接伝える|まず、口頭で、退職の意思を伝える。その後、退職届を提出する
  4. 引き継ぎを、丁寧に行う|後任や、同僚に、迷惑がかからないよう、資料を整える
  5. 内定の内容を、書面で確保してから伝える|退職を伝える前に、労働条件通知書などを、受け取っておく

在職中に、転職活動を進めるか、退職してから進めるかについては、IT転職は在職中と退職後のどちらがよい?で解説しています。

避けたい行動|信頼を損なうNG例

NGの行動なぜ避けるか代わりに
返事を、放置する会社の採用計画に影響し、信頼を損なう期限内に、必ず連絡する。難しければ、早めに相談する
他社の内定を、条件に、強く引き合いに出す交渉が不自然になり、印象が下がる場合がある条件の希望は、事実を、丁寧に伝える
年収だけで、決める入社後に、仕事内容や、働き方で、ミスマッチが起こりやすい7つの軸で、総合的に比べる
条件を、書面で確認しない入社後に、「聞いていた話と違う」となりやすい労働条件通知書で、内容を確認する
エージェントに、状況を隠す日程調整や、条件交渉の支援が、受けにくくなる他社の選考状況を、正直に共有する

エージェントを活用する|条件の確認と、断りづらいことの代行

転職エージェントを利用している場合は、条件の確認や、回答期限の相談を、エージェントを通して、行うことができます。企業に直接は聞きづらい、給与の内訳や、残業の実態、配属の想定なども、エージェントが、企業の人事に確認し、伝えてくれる場合があります。

当社では、企業の人事・役員に、直接ヒアリングしており、各社の状況を、踏まえた助言ができます。内定後も、1か月・3か月の面談で、状況を確認しています。入社後1年以内の定着率は、98%です(2025年8月〜2026年7月入社の201名が対象、自社集計)。内定が複数出て、迷っている方は、比べる軸の整理から、一緒に行いますので、お気軽にご相談ください。

複数内定の実際の事例は、複数内定から選んだ事例を、あわせてご覧ください。

迷ったときの考え方|「3年後」から逆算する

点数をつけても、決めきれない場合があります。そのときは、「3年後に、どうなっていたいか」から、逆算して考えると、整理しやすくなります。当社の面談では、キャリアの順番について、次のようにお伝えしています。

  • 最初の3年で、現場の経験を積む|1〜2年での早い転職は避け、3年ほどの経験を目安にする
  • 経験できる工程を、広げられる会社を選ぶ|運用・監視から、構築・設計へ進める見込みがあるか
  • 商流の浅い会社で、上流を目指す|上流工程を経験すると、PM・コンサルなどへ進みやすく、年収も上がりやすい
  • 社内SEは、経験を積んでから|「最終着地」になりやすいため、構築・設計・要件定義を経験してから、目指す方が、キャリアが伸びやすい

「今の年収」より、「3年後に、どんな経験を持っているか」を、基準にすると、判断の軸がぶれにくくなります。

「条件は同じくらい」のときの決め手

条件が、ほぼ同じに見えるときは、次の点が、決め手になりやすい傾向があります。

  • 面接で会った人の、印象(この人たちと働きたいか)
  • 仕事内容を、説明されたときの、イメージのしやすさ
  • 入社後の成長の道筋が、具体的に説明されたか
  • 質問に対する、回答の誠実さ

数字や制度に表れにくい部分ですが、入社後に、毎日接するのは、「人」と「仕事」です。最後は、自分の感覚も、大切にしてください。

決断前の最終チェックリスト

  • ☐ 労働条件通知書で、給与の内訳・固定残業代・勤務時間・休日を確認した
  • ☐ 配属先・担当業務の想定を、人事か現場の社員に確認した
  • ☐ 優先順位の上位3つを、満たしているか確認した
  • ☐ 3年後のキャリアを、イメージできた
  • ☐ 回答の期限を、把握している(延長が必要なら、すでに相談した)
  • ☐ 辞退する会社への連絡を、期限内にする準備ができた
  • ☐ 現職の就業規則(退職の申し出の期限)を確認した

よくある質問(FAQ)

Q1. 内定の回答期限は、どのくらいですか

1週間ほどが多く、会社によっては、延ばしてもらえても2週間ほどです(当社の面談での目安)。期限は、会社ごとに異なるため、内定の連絡を受けたときに、必ず確認してください。

Q2. 内定の保留や期限延長は、失礼にあたりますか

失礼にはあたりません。早めに、理由を正直に伝え、いつまでに回答できるかを、具体的にお願いすれば、応じてもらえる場合があります。ただし、応じるかどうかは会社によります。

Q3. 複数の内定のうち、年収が一番高い会社を選ぶべきですか

年収は重要な要素ですが、内訳(固定残業代の有無)や、伸び方、仕事内容、働き方もあわせて、比べることをおすすめします。入社後のミスマッチを、減らせます。

Q4. 内定を承諾したあとに、辞退してもよいですか

会社への影響が大きくなるため、慎重に判断してください。迷いがあるときは、承諾の前に、保留や質問で、不安を解消することをおすすめします。辞退する場合は、できるだけ早く、誠実に連絡します。

Q5. 辞退の連絡は、メールだけでもよいですか

メールでも、構いませんが、電話で伝える方が、丁寧と受け取られる場合があります。エージェント経由の場合は、まずエージェントに相談し、連絡の方法を決めます。

Q6. 現職の退職は、いつ伝えればよいですか

内定の内容を、書面で受け取り、入社する会社を決めてから、伝えます。就業規則で、退職の申し出の期限が定められている場合が多いため、事前に確認し、引き継ぎの期間も含めて、入社日を調整します。

まとめ|複数内定は、「軸」と「手順」で、迷わず決める

  • 比べる軸は、仕事内容・年収の中身・働き方・会社の規模と商流・育成体制・評価・人の7つ
  • 回答期限は、1週間ほどが目安。面接は、同じ時期にまとめて受ける
  • 労働条件通知書で、給与の内訳・固定残業代・勤務時間・休日を、必ず確認する
  • 迷ったら、点数表で整理し、3年後のキャリアから逆算する
  • 保留・辞退は、早く、誠実に、電話かメールで伝える

面接の準備は、面接の自己紹介(1分の例文つき)と、面接でよく聞かれる質問と答えで解説しています。会社選びで失敗したくない方は、ブラックなIT企業の見分け方も、あわせてご覧ください。

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この記事の監修者
百瀬将悟 プロフィール写真

アドバイザー

百瀬将悟

大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。

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