
「未経験からのIT転職では、選考でなかなか結果が出ず苦戦してしまう」という声をよくいただきます。今回は、EC運営会社でサイト運用やSNS施策のディレクションを担当していたNさんが、当初は業界・職種を絞らずに応募して苦戦していたところから、インフラエンジニア領域に的を絞って立て直し、応募した4社すべてから内定を獲得したうえで自分に合う1社を選んだ、未経験からインフラエンジニアへの転職事例を、担当キャリアアドバイザーの視点からご紹介します。
本記事では、CAREER ACCOMPANYのキャリアアドバイザーが実際にサポートした転職成功事例を、CA(キャリアアドバイザー)の視点から解説します。
ECサイトの運用やSNS施策(ショート動画の販促企画など)の立ち上げ・ディレクション業務を担当。
研修制度の充実したIT企業に入社し、ネットワーク・サーバーの基礎から実務を学ぶ予定。
ECサイト運営会社のディレクターからインフラエンジニアへ。当初は業界・職種を絞らずに15社ほど選考を受けるも苦戦が続き、インフラエンジニア領域に的を絞って再スタート。応募した4社すべてから内定を獲得し、その中から1社を選びました。
CAREER ACCOMPANYで2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名(自社集計)では、面談から内定までの期間は、中央値で40日でした。
前職ではECサイトの運用やSNS施策のディレクションなど幅広い業務を経験し、コミュニケーション力を武器に活躍されていました。一方で、今の経験だけに頼るのではなく、今後長く活かせる専門的なスキルを身につけたいという思いから、IT業界、その中でも未経験からでも優良な実務経験を積みやすいインフラエンジニア領域への転職を考えるようになりました。
当初は業界・職種を絞らずに15社ほど選考を受けていましたが、なかなか結果が出ず苦戦が続いていました。IT未経験のため、面接で聞かれる「なぜIT業界か」「なぜインフラエンジニアか」を自分の経験と結びつけて語れるようにする必要があり、また、SES企業の中には研修と称して業務と無関係な仕事をさせるようなケースもあるため、未経験からでもきちんとエンジニアとして育成・実務経験を積める企業を見極める必要がありました。
職務経歴書は複数回にわたってブラッシュアップを重ね、ECサイト運営やSNS施策のディレクション経験を、IT企業の面接で伝わる表現に整えました。面接直前には想定質問と回答のポイントをまとめて共有し、当日まで伴走しました。
当初は業界・職種を絞らずに応募していたため選考結果が出にくい状況でしたが、面談を通じてこれまでの経験や志向を改めて整理し、インフラエンジニア領域に的を絞ってご提案。未経験からでもエンジニアとしての育成・実務経験がしっかり積める企業を厳選してご紹介した結果、応募した4社すべてで内定を獲得することができました。
面接前後はこまめに電話やLINEで連絡を取り合い、選考の合間の不安や疑問にその都度お答えしました。内定後も、複数社の条件を比較する際に相談に乗り、意思決定を後押ししました。
最終的に応募した4社すべてから内定をいただき、給与条件や任せてもらえる業務の幅を比較した上で、より良い条件を提示してくれた1社への入社を決めました。面接では「前向きな思考で、自分の考えを的確に言語化できる」という点を評価いただきました。
未経験からのIT転職では、闇雲に多くの企業へ応募するより、目指す職種を絞り込むことで選考の通過率が大きく変わることがあります。また、内定が出た1社だけで決めず、可能であれば複数社を比較したうえで意思決定することもおすすめです。SES企業を検討する際は、研修後にどのような実務経験を積めるのかを事前にしっかり確認しておくことが、入社後のミスマッチを防ぐポイントです。
この事例のポイントを、実際にあった事実だけで整理すると、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 前職 | ECサイト運営会社のディレクター。ECサイトの運用や、SNS施策(ショート動画の販促企画など)の立ち上げ・ディレクションを担当 |
| 当初の転職活動 | 業界・職種を絞らず、15社ほどの選考を受けるが、結果が出ず苦戦 |
| 転換点 | インフラエンジニア領域に的を絞って、再スタート |
| 結果 | 応募した4社すべてから内定。その中から1社を選択 |
| 入社後の予定 | 研修制度の充実したIT企業で、ネットワーク・サーバーの基礎から実務を学ぶ予定 |
この事例の大きなポイントは、「応募先の幅を広げすぎた状態から、方向性を絞ったことで、結果が変わった」点です。方向性を絞ると、志望動機が具体的になり、面接での説得力が上がります。
業界や職種を絞らずに応募すると、志望動機が一般的な内容になりやすく、選考で差がつきにくくなります。インフラエンジニアに絞ったことで、「なぜインフラか」「前職の経験をどう活かすか」を、具体的に語れるようになりました。方向性を絞ることは、可能性を狭めることではなく、伝わる内容を、深くすることです。
| 応募の方針 | 特徴 | 起こりやすいこと |
|---|---|---|
| 幅広く応募する | 選択肢は多いが、志望動機が一般的になりやすい | 書類・面接で、差がつきにくい。結果が出るまで、時間がかかる |
| 方向性を絞って応募する | 志望動機を、具体的に作り込める | 選考の通過率が上がりやすい。企業選びの基準も、明確になる |
ECサイトの運用や、SNS施策のディレクションの経験は、ITの現場に近い要素を、含んでいます。この事例では、職務経歴書を複数回ブラッシュアップし、IT企業の面接で伝わる表現に整えました。同じ経験でも、言葉の選び方で、伝わり方が大きく変わります。
| 前職での経験 | インフラの仕事での置き換え |
|---|---|
| ECサイトの運用 | システムの稼働状況の確認、問題の早期発見、運用の改善 |
| SNS施策のディレクション | 関係者との調整、スケジュール管理、進捗の共有 |
| 施策の企画・実行 | 目標に向けた計画づくり、実行、結果の振り返り |
【職務経歴書の書き方の例(この事例の考え方をもとにした、書き方の例です)】
ECサイトの運用担当として、日々の稼働状況の確認と、問題発生時の関係部署との調整を担当しました。また、販促施策の立ち上げでは、複数のメンバーとスケジュールを調整し、期日までに実行しました。これらの経験を活かし、ITインフラの運用業務において、状況の確認と、関係者との連携を、確実に行います。
⚠ 注意
上の例は、この事例の考え方を参考にして作った、書き方の例です。ご本人の実際の記述ではありません。自分の経験に合わせて、書き換えてください。
この事例では、SES企業の中には、研修と称して、業務と無関係な仕事をさせるようなケースもあることを踏まえ、未経験からでも、エンジニアとして育成され、実務経験を積める企業を見極める必要がありました。企業選びでは、研修の中身と、配属後の業務を、具体的に確認することが大切です。
この事例では、4社から内定を得たうえで、自分に合う1社を選びました。複数の内定が出たときは、条件を表にして、比べると、判断しやすくなります。
| 比べる項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 研修の内容と期間 | カリキュラム、期間、研修後の配属の流れ |
| 配属後の業務 | 運用・監視、構築など、担当する範囲と、上位の工程へ進む道筋 |
| 勤務形態 | 夜勤・シフトの有無、頻度、手当 |
| 年収と昇給 | 入社時の年収、昇給の仕組み、数年後のモデル |
| 資格取得の支援 | 受験料の補助、学習時間の確保、報奨金 |
| 入社後のフォロー | 面談の頻度、相談できる窓口 |
年収だけでなく、入社後に、どのような経験が積めるかを、あわせて比べることを、おすすめします。入社時の年収の目安は、当社でインフラ分野に入社した170名で、中央値が320万円でした(自社集計)。
当社の入社者では、内定までに応募した会社は平均5社、内定をいただいた会社は平均4社でした(自社集計)。複数の内定が出ることは、珍しくありません。辞退の連絡は、誠実に、早めに行いましょう。
| 見直す点 | チェックの内容 |
|---|---|
| 応募の方向性 | 業界・職種を、絞れているか |
| 志望動機 | 「なぜIT」「なぜインフラ」を、自分の経験から語れているか |
| 職務経歴書 | 前職の経験を、IT企業に伝わる表現にできているか |
| 企業選び | 研修・配属の実態を、確認できているか |
| 面接の準備 | 想定質問の回答を、声に出して練習したか |
選考で結果が出ないときは、応募の数を増やす前に、これらの点を見直してください。第三者に、書類や回答を見てもらうと、自分では気づきにくい点に、気づけます。
転職サービスdodaの「平均年収ランキング(2025年版、2024年9月〜2025年8月)」では、IT・通信の技術系全体の平均年収は469万円、サーバーエンジニアは469万円、ネットワークエンジニアは455万円、運用監視・保守は389万円でした。経験者を含む全体の平均です。
未経験で入社した直後は、300万円台前半が目安です。経験を積み、構築・設計を担当できるようになると、年収も上がっていきます。当社では、運用・監視の経験を3年程度積み、資格を持つ20名のうち19名(95%)が、入社後半年程度で構築・設計を担当しています(自社集計)。詳しくは運用・監視から構築・設計へ進む方法をご覧ください。
インフラエンジニアへの転職の全体像は、インフラエンジニアへ未経験で転職する方法で、まとめています。志望動機の書き方はインフラエンジニアの志望動機、面接の質問は未経験IT転職の面接でよく聞かれる質問と答え方をご覧ください。
可能性は、あります。この事例では、方向性を絞り、志望動機と職務経歴書を整え直したことで、結果が変わりました。応募の数を増やす前に、方針と、伝え方を見直すことが、大切です。
SES企業が、すべて良くない、ということではありません。研修の内容、配属の実績、キャリアパスを、具体的に確認し、未経験でも、実務経験を積める企業かどうかを、見極めることが大切です。SESの働き方は、SESとはで解説しています。
| 質問 | 答え方のポイント |
|---|---|
| これまでの転職活動は、いかがでしたか | 苦戦した事実を、率直に話し、そこから何を見直したかを、続けて話す |
| なぜインフラエンジニアに絞ったのですか | サービスを裏側から支える仕事への関心と、前職の経験との接点を話す |
| 前職で、どんな工夫をしましたか | 運用の改善や、関係者との調整など、具体的な場面と結果を話す |
| IT未経験ですが、どう学習していますか | 学習内容、使っている教材、資格の予定を、具体的に話す |
| 入社後に、どうなりたいですか | 運用から経験を積み、構築・設計へ進みたい、と段階で話す |
苦戦した経験は、隠す必要はありません。「何が課題だったか」「どう見直したか」を、前向きに話せれば、改善する力として、評価されます。
インフラエンジニアは、サーバー・ネットワーク・データベース・クラウドなど、ITシステムの基盤を、設計・構築・運用する仕事です。未経験の方は、運用・監視から、経験を積むことが多くあります。
| 工程 | 内容 | 未経験からの関わり方 |
|---|---|---|
| 設計 | 要件をもとに、構成・性能・セキュリティを決める | 経験を積んでから、担当することが多い |
| 構築 | 設計書に従い、機器やサーバーを設定し、動作を確認する | 手順書があれば、先輩の補助から担当しやすい |
| 運用・保守 | システムの監視、障害の一次対応、定期作業 | 未経験の入り口として、最も多い |
仕事内容の詳しい解説は、インフラエンジニアへ未経験で転職する方法、ネットワークの仕事はネットワークエンジニアとはをご覧ください。
| 領域 | 目安となる状態 | 学び方の例 |
|---|---|---|
| Linux | 基本コマンドで、ファイル操作・権限の確認ができる | 仮想マシンにLinuxを入れて、毎日コマンドを操作する。詳しくはLinuCとは |
| ネットワーク | IPアドレス、DNS、ルーティングなど、通信の流れを説明できる | 教材で基礎を学び、シミュレーターで機器の設定を試す |
| IT全般 | ITの基礎用語を、一通り理解している | 基本情報技術者試験などで、基礎を固める。詳しくは基本情報技術者試験の難易度 |
学習は、転職活動と並行して進めて問題ありません。「〇月に受験予定」と書類に明記して、応募を進める方も多くいます。資格全体の選び方は、IT資格のロードマップをご覧ください。
キャリアカンパニーは、未経験・若手のITエンジニアを専門に支援しています。企業側と求職者側の、両方を担当する「両面型」のため、企業ごとの研修や配属の実態を踏まえて、ご案内しています。面接対策は、企業ごとに個別に行い、模擬面接も、ご希望の回数だけ実施します。入社後も、1か月・3か月の面談で、状況を確認しています。当社の入社後1年以内の定着率は、98%(201名が対象、自社集計)です。
「応募しても、結果が出ない」「方向性を絞るべきか、迷っている」という方は、お気軽にご相談ください。
当社では、面談から内定までの期間は、中央値で40日でした。内定までに応募した会社は平均5社、内定をいただいた会社は平均4社です(自社集計、2025年8月〜2026年7月入社)。全体の流れは、IT転職エージェントの登録から内定までの流れで、詳しく解説しています。
前職の経験を、IT企業に伝わる言葉に置き換える方法は、IT転職の自己PRの書き方と、IT転職の職務経歴書の書き方で、例文つきで紹介しています。
| 時期 | 主な役割 | 身につけたいこと |
|---|---|---|
| 1年目 | 運用・監視、一次対応、定型作業 | 手順書に沿った作業、障害の切り分け、報告・連絡 |
| 2〜3年目 | 障害の原因調査、設定変更、構築の補助 | サーバー・ネットワークの設定、スクリプトによる自動化 |
| 3年目以降 | 構築・設計、専門分野の強化 | 設計書の作成、クラウドの設計、資格による専門性の証明 |
運用・監視の経験を3年程度積み、資格を持つ20名のうち19名(95%)が、入社後半年程度で、構築・設計を担当しています(自社集計)。入社後のキャリアを、入社前に確認しておくことが、企業選びの重要な基準になります。
この事例は、3つ目の「方向性を決める力」を、見直したことが、結果を変えた例です。転職活動に迷ったときは、応募の数を増やす前に、方針と伝え方を、見直してください。
準備の状況や、応募する企業の数によって変わります。当社の入社者の、面談から内定までの期間は、中央値で40日でした(自社集計)。書類の準備と、面接の練習に、時間を使うほど、結果が出やすくなります。在職中でも、進められます。
問題ありません。この事例のように、途中で方向性を絞り直して、結果が変わった方もいます。大切なのは、見直した理由を、自分の言葉で説明できることです。迷ったときは、担当のキャリアアドバイザーに、相談してください。
複数内定からの選び方は、IT転職の内定が複数出たときの選び方で、比べる軸と断り方を解説しています。
ほかの入社の傾向は、インフラエンジニア転職の実態データ(入社201名の自社集計)をご覧ください。
この記事の要点
未経験からのIT転職は、経験の伝え方と企業選びの視点次第で結果が大きく変わります。Nさんのように、目指す方向性を明確に絞り込むことで、苦戦していた選考を一気に好転させることも可能です。転職活動の進め方に迷ったら、ぜひ一度キャリアアドバイザーにご相談ください。

この事例のように、IT以外の職種から転職する方は多くいます。キャリアカンパニーで2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名の集計です。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 前職がIT以外だった方の割合(全体201名) | 90% |
| 面談から内定までの期間(中央値) | 40日 |
| 内定までに応募した会社数/内定をいただいた会社数(1人あたり平均) | 5社/4社 |
| 入社後1年以内の定着率(201名が対象) | 98% |
※自社集計(2025年8月〜2026年7月に入社が決まった方。定着率は、入社後1年以内に退職しなかった方の割合(201名が対象))。年収は中央値で、個人が特定されない形で集計しています。
未経験からインフラエンジニアへ転職する方法を、年収・資格・企業選びまで知りたい方は、こちらをご覧ください。
▶ インフラエンジニアへ未経験で転職する方法
アドバイザー
百瀬将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。