
未経験から社内SEになるには?現実的な4つのルートと、書類・面接で落ちないための準備
社内SEの仕事内容や年収を先に知りたい方は「社内SEとは?仕事内容とスキル」、「社内SEはやめとけ」という声が気になる方は「社内SEはやめとけ?きつい理由と会社の見分け方」もあわせてご覧ください。
社内SEは、自社のシステムやパソコン、ネットワークを守り、社員の「困った」を解決する仕事です。人気が高い一方で、未経験からの入口が狭い理由があります。
| 理由 | どういうことか |
|---|---|
| 部署が少人数 | 情報システム部門は数名のことも多く、教える人の余裕が少ない |
| 担当範囲が広い | ヘルプデスク・機器管理・ネットワーク・ベンダーとの調整まで1人で受け持つことがある |
| 求人の応募条件 | 「IT実務経験」や「社内SE・情シスの経験」を条件にする求人が目立つ |
| 判断を任される | 社内では自分が「ITの詳しい人」になるため、調べて決める力が求められる |
ただし、「職種未経験歓迎」と書かれた社内SEの求人もあります。その多くは、ITの実務は未経験でも、社会人としての調整経験や、パソコン・Excelの操作、ITの基礎学習を前提にしています。応募前に、求人票の「必須」と「歓迎」を分けて読みましょう。
社内SEの仕事は、大きく4つに分かれます。会社によって、どこまでを担当するかが違います。
未経験に近い方が最初に任されやすいのは、ヘルプデスク・社内サポートです。企画や導入は、社内の業務とITの両方がわかってから任されるのが一般的です。
社内SEへの道は1本ではありません。今の経験と、どれくらいの期間で目指したいかで選びます。
| ルート | 最初の仕事 | 社内SEで活きる経験 |
|---|---|---|
| ① ヘルプデスク経由 | 社内・社外のIT問い合わせ対応 | 社員対応、トラブルの切り分け、手順書づくり |
| ② インフラ運用経由 | サーバー・ネットワークの監視・運用 | 障害対応、ネットワークの基礎、手順を守る力 |
| ③ SESで情シス支援 | 客先の情報システム部門を支援 | 社内SEの仕事そのものに近い実務 |
| ④ 今の会社でIT担当 | 社内のIT係・DX推進を兼務 | 自社の業務理解、社内の調整 |
CAの現場から:当社の支援でも、未経験からいきなり社内SEに転職するより、ヘルプデスクやインフラ運用でIT実務を積んでから目指す方が現実的です。特に、社内ヘルプデスクやITサポートでPCのキッティング、アカウント管理、問い合わせ対応を担当するルートは、情報システム部門の仕事と重なる部分が多くあります。SESで客先の情報システム部門を支援するルートや、インフラ運用でサーバー・ネットワークの管理を経験してから目指すケースもあります。進んだ方に共通するのは、ITの基礎知識に加えて、人と話して問題を解決する力を持っていることです。ITパスポートや基本情報技術者の学習に取り組んでいることも、意欲を示す材料になっています。
もっとも入りやすいのが、ヘルプデスクから始めるルートです。電話やチャットで社員の困りごとを聞き、解決するまでの流れは、社内SEの日常そのものです。接客・販売・コールセンターの経験は、そのまま強みになります。
ヘルプデスクの求人には、社外のお客様向けと、社内向けがあります。社内SEを目指すなら、社内向け(社内ヘルプデスク・情シスサポート)を選ぶと、次の応募で話せる経験が増えます。詳しくは「ITヘルプデスクは未経験でもなれる?」で解説しています。
サーバーやネットワークの監視・運用から始め、構築まで経験してから社内SEに移るルートです。社内SEは、社内ネットワークやクラウドの管理を任されることが多いため、インフラの経験は評価されやすい傾向があります。
インフラから社内SEへ進むときの注意点は「インフラエンジニアから社内SEへ転職するには」にまとめています。インフラの仕事に未経験から入る方法は「未経験からインフラエンジニアに転職する方法」をご覧ください。
SES企業に入り、客先の情報システム部門で働くルートです。社内SEの仕事に近い経験を積めます。一方で、配属先は会社が決めるため、希望どおりの現場に入れるとは限りません。面接で「情シス支援の案件がどれくらいあるか」「どう配属が決まるか」を確認しましょう。SESの仕組みは「SESとは」で解説しています。
いまの職場で、パソコンの設定やアカウント管理、社内ツールの導入を任されているなら、それは社内SEに近い経験です。担当した内容を具体的に書き出しておくと、転職の書類で大きな武器になります。
ヘルプデスクやインフラ運用に入ったあと、ただ目の前の作業をこなすだけでは、社内SEの選考で話せる経験になりにくいことがあります。日々の仕事の中で、次のような経験を意識して取りにいきましょう。
まず、問い合わせの対応で終わらせず、原因と再発防止まで考えることです。同じ質問が何度も来るなら、手順書を作ったり、社内向けのお知らせを出したりする提案ができます。こうした「仕組みで解決した経験」は、社内SEの面接で具体的に話せる材料になります。
次に、アカウント管理・機器の入れ替え・ソフトの更新など、管理の仕事を引き受けることです。社内SEは、社員が使うパソコンやアカウントをまとめて管理する立場です。小さな範囲でも「何台分を、どんな手順で管理したか」を説明できると評価されやすくなります。
さらに、社内の別の部署や、外部の保守会社とやり取りする機会を増やすことです。社内SEの仕事の多くは調整です。障害の連絡や、修理の手配などを自分から引き受けると、調整の経験が自然に積み上がります。
最後に、やったことを毎月メモに残す習慣をつけましょう。転職活動を始めるころには、何をどれくらい担当したかを忘れてしまいがちです。月に一度、担当した作業・改善したこと・説明したことを書き残しておくと、職務経歴書をすぐに書けます。
社内SEの求人は、求人サイトでも「社内SE」「情報システム」「社内SE 未経験」などの言葉で探せます。ただし、同じ「社内SE」でも、ヘルプデスク中心の求人から、システムの企画まで任される求人まで、中身はさまざまです。検索するときは、職種名だけでなく「社内ヘルプデスク」「情シスサポート」「IT運用」など、入口に近い言葉でも探してみましょう。
求人票に書かれていない情報(部署の人数、前任者がいるか、最初に任される仕事)は、応募前にはわかりにくい部分です。転職エージェントを使うと、こうした情報を事前に確認してから応募できます。キャリアカンパニーでも、社内ヘルプデスクや情報システム部門の支援などの求人を掲載しています。
| スキル | なぜ必要か | 未経験のうちにできる準備 |
|---|---|---|
| 聞く力・説明する力 | 社員の困りごとを正しく聞き取る | 前職の対応経験を、場面ごとに書き出す |
| ITの基礎知識 | 原因の見当をつけるため | ITパスポートなどで全体像を学ぶ |
| ネットワーク・PCの知識 | 社内のトラブルの多くはここ | 家のルーター設定、PCの初期設定を自分でやってみる |
| 調べて試す力 | 社内では自分が頼られる立場 | 学んだことをノートやブログにまとめる |
| 業務を理解する力 | 業務改善やシステム導入のため | 前職の業務の流れを図にしてみる |
社内SEは技術だけでなく、社内の人と話して、困りごとを整理する力が求められます。前職で人と接してきた経験は、ITの経験がなくても評価されることがあります。
資格がないと社内SEになれない、ということはありません。ただし未経験の方にとって、資格は自分で学んだことを示す材料になります。
| 資格 | どんな人に向くか |
|---|---|
| ITパスポート | ITの全体像をまず押さえたい人 |
| 基本情報技術者 | ITの基礎をしっかり固めたい人 |
| CCNA | ネットワークに強くなりたい人(インフラ経由のルート) |
| LinuC・LPIC | サーバーに強くなりたい人(インフラ経由のルート) |
どの順番で取るかは「IT転職に有利な資格」と「ITパスポートは転職に役立つ?」で詳しく解説しています。キャリアカンパニーでは、CCNA・LPICなどの無料学習カリキュラムも用意しています。
未経験に近い方が社内SEや社内ヘルプデスクに応募するときは、次の点を確認しましょう。
| 確認する点 | 安心しやすい例 | 注意したい例 |
|---|---|---|
| 部署の人数 | 複数名で分担している | 「1人情シス」で前任者がいない |
| 担当範囲 | ヘルプデスクから段階的に広げる | 最初からネットワーク・開発・総務まで |
| 教える体制 | 先輩や外部の保守会社がいる | 「わからないことは自分で調べて」 |
| 将来の道 | 企画・導入に進んだ人がいる | 雑務が中心で、ITの仕事が少ない |
特に「1人情シス」の求人は、未経験に近い方には負担が大きくなりがちです。面接で「最初の半年に任される仕事」と「困ったときに相談できる相手」を聞いておくと、入社後のギャップを減らせます。求人票の読み方は「未経験インフラエンジニア求人の見極め方」も参考になります。
| 落ちやすい理由 | どう見えているか | 対策 |
|---|---|---|
| 「残業が少なそう」「楽そう」が志望動機 | 仕事内容を理解していない | 社内の困りごとを解決したい理由を話す |
| ITの学習実績がない | 入社後に伸びるか不安 | 資格の勉強や自分で試したことを具体的に書く |
| 前職の経験を活かせていない | 社内SEとの接点が見えない | 調整・対応・改善の経験を社内SEの仕事に結びつける |
| 希望条件が強すぎる | 入社後の育成が難しい | 最初は担当範囲を絞る働き方も受け入れる |
CAの現場から:社内SE・社内ヘルプデスクの選考で落ちやすいのは、「楽そう」「残業が少なそう」など働き方だけを志望理由にしている方、仕事内容を具体的に理解していない方、ITの学習経験がない方、そして未経験なのに最初から企画や上流の仕事だけを希望する方です。反対に通過する方は、社内SEの仕事内容を理解したうえで志望理由が明確で、前職での顧客対応や社内調整、問題解決の経験を具体的に話せます。ITパスポート・基本情報技術者・CCNAなど、希望する仕事に関係する学習に取り組み、わからないことを自分で調べる姿勢があり、ヘルプデスクや運用保守から経験を積むことにも前向きです。
書類の書き方は「IT転職の職務経歴書の書き方」で解説しています。
志望動機は「なぜ社内SEか」「なぜこの会社か」「入社後に何をしたいか」の3つで組み立てます。以下は一例です。そのまま使わず、ご自身の経験に置き換えてください。
事務職から社内ヘルプデスク・社内SEを目指す場合(一例)
前職では営業事務として、社内のExcel管理や共有フォルダの整理を担当していました。同僚から操作の相談を受けるうちに、ITで社内の困りごとを解決する仕事に関心を持ちました。現在はITパスポートの勉強を進めています。入社後は、問い合わせ対応から社内の業務を理解し、作業を楽にする仕組みづくりに関わりたいと考えています。
販売・接客職からヘルプデスクを経由して目指す場合(一例)
店舗では、お客様の話を聞いて困りごとを整理し、解決策を提案してきました。この経験は、社員の問い合わせに対応するヘルプデスクの仕事に活かせると考えています。まずは社内ヘルプデスクとして実務を積み、将来は社内のIT環境の改善を任される人材を目指します。
営業職から社内SEを目指す場合(一例)
営業として、お客様の要望を聞き取り、社内の関係部署と調整して形にしてきました。社内SEでも、社員の要望を聞いて外部のベンダーと調整する場面が多いと理解しています。ネットワークの基礎を学びながら、調整役としても頼られる存在になりたいと考えています。
| 質問 | 面接官が知りたいこと | 答え方のポイント |
|---|---|---|
| なぜ社内SEなのか | 仕事内容を理解しているか | 「人を支える仕事」への関心を具体的に |
| ITの勉強は何をしていますか | 自分で学び続けられるか | 期間・内容・つまずいた点を正直に |
| 社員から無理な依頼が来たら | 調整する力 | 事情を聞き、優先順位をつけて相談する流れを話す |
| トラブルの原因がわからないとき | 調べて試す姿勢 | 調べる→試す→相談する、の順番で答える |
| 将来どうなりたいですか | 長く働いてくれるか | 社内の業務改善に関わりたい、など会社の中での成長を話す |
面接の質問は「インフラエンジニアの面接でよく聞かれる質問」でも詳しく紹介しています。
社内SEになったあとも、キャリアの広げ方はいくつかあります。ひとつは、ヘルプデスクから始めて、社内ネットワークやクラウドの管理、セキュリティ対策へと担当を広げる道です。もうひとつは、社内の業務を深く理解し、システムの企画・導入やベンダーの管理を任される道です。どちらに進むかで、学ぶべきことも変わります。
社内SEは「最終的な着地点」として選ぶ方も多い職種です。だからこそ、入社前に「この会社でどんな仕事まで任されるようになるか」を確認しておくと、長く働けるかどうかを判断しやすくなります。会社の当たり外れの見分け方は「社内SEはやめとけ?」で詳しく解説しています。
キャリアカンパニーは、未経験・若手のITエンジニア、特にインフラ職に強い転職エージェントです。社内SEを最終的な目標にしている方には、まずヘルプデスクやインフラ運用で経験を積むルートを一緒に考えています。
| 項目(自社集計:2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名) | 結果 |
|---|---|
| インフラ職に入社した方のうち、前職がIT以外の方 | 178名中140名 |
| インフラ職の未経験者(前職IT以外・140名)の入社時年収(中央値) | 320万円(転職前は300万円) |
| 面談から内定までの期間(中央値) | 40日 |
| 入社後1年以内の定着率(201名が対象) | 98% |
※当社の紹介実績であり、社内SEの求人に限った数字ではありません。
CAの現場から|一例:20代後半・接客販売職の方が、未経験からIT企業に入社し、社内ヘルプデスク・PCのキッティング・アカウント管理を約2年担当しました。その後、問い合わせ対応の力とIT機器を管理した経験を活かして、事業会社の情報システム部門へ転職しています。ヘルプデスクで積んだ経験が、社内SE・情シスへのステップになった例です。
「職種未経験歓迎」の社内SE求人もありますが、数は多くありません。社会人としての調整経験やITの基礎学習を前提にしていることが多いため、ヘルプデスクやインフラ運用を経由するルートも並行して考えるのが現実的です。
必須ではありません。ただ、未経験の方にとっては、自分で学んだことを示す材料になります。ITパスポートから始め、目指すルートに合わせて基本情報技術者やCCNAなどに進むのが一般的です。
なれる可能性は十分にあります。社内向けのヘルプデスクで、問い合わせ対応だけでなく、アカウント管理や機器の入れ替え、手順書づくりなどを担当しておくと、社内SEの選考で話せる経験が増えます。
目指せます。ただし、20代より実務経験を求められやすくなります。前職の業務経験を社内の業務改善と結びつけて話せるように準備し、今の会社でIT担当を引き受けるルートも検討しましょう。
未経験に近い方には負担が大きくなりがちです。相談できる外部の保守会社がいるか、前任者からの引き継ぎがあるかを確認しましょう。経験を積んだあとなら、幅広く任される経験として活きることもあります。
会社によって大きく違います。残業が少ない職場もありますが、トラブル対応や社員からの依頼が重なる時期もあります。「楽そう」を理由に応募すると選考でも伝わりやすいので、仕事内容を理解したうえで目指しましょう。
客先の情報システム部門で働いた経験があれば、評価されやすい傾向があります。どんな業務を、どの規模の環境で担当したかを具体的に書き出しておきましょう。
未経験から社内SEを目指すなら、いきなり応募するより、ヘルプデスク・インフラ運用・SESでの情シス支援・今の会社でのIT担当のどれかで経験を積むのが現実的です。資格の勉強は「学んだ証拠」になり、前職の対応経験や調整経験は社内SEの仕事に直結します。求人票では、部署の人数・担当範囲・教える体制を確認しましょう。
出典・注記:自社集計はキャリアカンパニーが2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名(インフラ職178名)を集計したもので、業界全体の数字ではありません。例文は一例です。
アドバイザー
百瀬将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。