
ネットワークエンジニアの年収は?年代別・工程別の相場と、未経験から上げる方法
ネットワークエンジニアの年収は、どの統計を見るかで「455万円」「609.8万円」と差があります。どちらも間違いではなく、対象にしている人が違います。
| 数字 | 出典 | 対象 |
|---|---|---|
| 455万円(平均) | doda 平均年収ランキング2025 | dodaに登録した正社員の「ネットワークエンジニア」 |
| 609.8万円(平均) | 厚生労働省 jobtag「電気通信技術者」(令和7年賃金構造基本統計調査) | 通信ネットワーク技術者などの統計。平均年齢42.2歳 |
| 320万円(中央値) | キャリアカンパニー自社集計 | 前職IT以外で、インフラ職に入社した未経験者140名の入社時の想定年収 |
インフラエンジニア全体(サーバー・クラウド・運用監視など)の年収は、インフラエンジニアの年収で解説しています。この記事では、ネットワークエンジニアに絞って、年代別・工程別の相場、夜勤や手当の見方、CCNA・CCNPと年収の関係を整理します。
転職サービスのdodaが公開している「平均年収ランキング2025」(2024年9月〜2025年8月にdodaに登録した約60万人の年収データ)では、ネットワークエンジニアの平均年収は455万円です。
| 職種(doda) | 平均年収 |
|---|---|
| サーバーエンジニア | 469万円 |
| ネットワークエンジニア | 455万円 |
| 運用/監視/保守 | 389万円 |
| ヘルプデスク | 362万円 |
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの差は14万円で、大きくありません。一方、運用/監視/保守とは66万円の差があります。転職を考えている人のデータなので、転職したときの年収の目安として使いやすい数字です。
厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)には、「ネットワークエンジニア」という名前の職業ページはありません。近いのは、別名に「ネットワーク技術者」が入っている「電気通信技術者」で、令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした数字は次のとおりです。
| 項目 | 全国の数字 |
|---|---|
| 賃金(年収) | 609.8万円 |
| 年齢(平均) | 42.2歳 |
| 労働時間(月) | 160時間 |
| ハローワークの求人賃金(月額・令和7年度) | 33.1万円 |
| 有効求人倍率(令和7年度) | 3.88倍 |
読むときの注意点は2つあります。
有効求人倍率3.88倍は、ハローワークで求人が求職者を大きく上回っていることを示します。ネットワークの人材は、公的な統計でも不足ぎみだと読み取れます。
dodaの同じ調査では、職種ごとに年代別の平均年収も公開されています。ネットワークエンジニアと、未経験の入り口になりやすい運用/監視/保守を比べると、次のとおりです。
| 年代 | ネットワークエンジニア | 運用/監視/保守 |
|---|---|---|
| 20代 | 396万円 | 350万円 |
| 30代 | 519万円 | 441万円 |
| 40代 | 658万円 | 552万円 |
| 50代〜 | 756万円 | 630万円 |
ポイントは3つです。
dodaでは、ネットワークエンジニアの生涯賃金を2億7,044万円と試算しています(サーバーエンジニアは2億5,587万円)。
ネットワークエンジニアの仕事は、担当する工程で大きく4つに分かれます。
| 段階 | ネットワークでの主な仕事 | 年収の目安となる公開データ |
|---|---|---|
| 運用・監視・保守 | 機器と回線の稼働監視、アラートの一次対応、手順書に沿った設定変更 | doda 運用/監視/保守 389万円 |
| 構築 | ルーター・スイッチ・ファイアウォールの設定、配線、試験 | doda ネットワークエンジニア 455万円 |
| 設計 | 構成・IPアドレス・冗長化の設計、設計書の作成 | jobtag 基盤システムのSE 889万円(設計中心・平均38.3歳) |
| 上流・マネジメント | 要件定義、プロジェクトの取りまとめ | doda プロジェクトマネジャー 707万円 |
jobtagには、ITスキル標準(ITSS)のレベル別の年収も載っています(厚生労働省の2023年度委託調査。第1四分位〜第3四分位の範囲)。
| スキルレベル | 運用・保守(運用・管理(IT)) | 設計・構築(システムエンジニア(基盤システム)) |
|---|---|---|
| ITSSレベル1〜2 | 420万〜700万円 | 420万〜620万円 |
| ITSSレベル3 | 450万〜700万円 | 450万〜700万円 |
| ITSSレベル4 | 510万〜800万円 | 500万〜780万円 |
| ITSSレベル5以上 | 667.5万〜1,086万円 | 600万〜950万円 |
同じスキルレベルなら、運用・保守と設計・構築で、年収の範囲に大きな差はありません。つまり、「運用・監視だから年収が低い」のではなく、「任される範囲が狭いうちは年収が低い」と考えるのが現実的です。運用の仕事でも、障害の原因を切り分けて、設定変更まで任されるようになれば、年収の範囲は上がっていきます。
当社の自社集計では、運用・監視を3年以上経験し、資格も持っていた方20名のうち19名(95%)が、入社後半年ほどで構築・設計の業務を担当していました(対象が20名と少ないため、参考値です)。
運用・監視から構築へ進むことで、年収が上がる可能性があります。インフラ職全体について当社が面談でお伝えしている目安では、年収50万〜100万円程度のアップも考えられます。ただし、これはネットワークの職種に限った実績データではなく、集計した数字でもありません。一般的な目安としても言い切れるものではなく、経験年数や技術力、転職先の企業によって変わります。
運用・監視から構築・設計に進む具体的な方法は、運用・監視から構築・設計へ進む方法で解説しています。
当社(キャリアカンパニー)の紹介実績で、2025年8月〜2026年7月に入社した201名のうち、ネットワークの職種に入社した方は45名で、職種別で最も多い区分でした。
入社時の年収は、ネットワーク職だけの集計ではなく、インフラ職全体の数字になります。
| 対象(インフラ職に入社) | 前職の年収(中央値) | 入社時の想定年収(中央値) |
|---|---|---|
| 未経験者(前職IT以外)140名 | 300万円 | 320万円 |
| IT経験者(経験2年程度)38名 | 330万円 | 420万円 |
dodaのネットワークエンジニアの20代平均(396万円)と比べると、未経験の入社時は平均より低いところから始まるのが一般的です。一方で、経験2年程度で入社時の水準が変わっていることから、最初の数年で何を経験するかが大切だとわかります。入社1年目の年収をくわしく知りたい方は、未経験インフラエンジニアの初年度年収をご覧ください。
ネットワークは24時間止められないため、監視・運用の現場では交代制の勤務があります。jobtagでも、人が24時間監視する場合は交代制の勤務になると説明されています。当社の面談では、夕方(17〜18時ごろ)から翌朝(9〜10時ごろ)まで勤務し、翌日が休みになる形を、夜勤の一例としてお伝えしています。
労働基準法では、午後10時から午前5時までの労働には、通常の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払うことが定められています。これに加えて、会社によっては「夜勤手当」「シフト手当」を独自に設けています。
| 確認する項目 | なぜ確認するか |
|---|---|
| 夜勤の回数(月何回か) | 夜勤の回数で、深夜の割増と手当の合計が変わります |
| 夜勤手当・シフト手当の金額 | 深夜の割増とは別に、会社が独自に設けている場合があります |
| 待機・呼び出し(オンコール)の手当 | 障害時に自宅から対応する場合の扱いは、会社によって違います |
| 求人票の年収に夜勤分が含まれるか | 含まれていると、日勤に移ったあとに年収が下がる場合があります |
| 固定残業代の有無・時間 | 年収に含まれていると、基本給は見かけより低くなります |
夜勤ありの求人では、基本給に加えて、深夜割増賃金・夜勤手当・固定残業代などが年収に含まれているかを確認することが重要です。構築・設計に進んで夜勤がなくなると、基本給が上がっても、年収の総額が下がる場合があります。夜勤の手当は「その働き方をしている間の上乗せ」と考え、基本給がどう上がっていくかを確認しておくと、将来の見通しを立てやすくなります。
夜勤の働き方と、夜勤なしの求人の探し方は、インフラエンジニアの夜勤で解説しています。求人票の確認のしかたは、未経験インフラエンジニア求人の見極め方も参考にしてください。
資格だけで年収が決まるわけではありません。ただ、ネットワークの資格は、任される範囲を広げるきっかけになりやすく、資格手当の対象になる会社もあります。
| 資格 | 位置づけ | 年収との関係 |
|---|---|---|
| CCNA | ネットワークの基礎を証明する入口の資格 | 未経験の応募で、学習の意欲と基礎を示せる |
| CCNP | 構築・設計の実務レベルの資格 | 構築・設計を任される根拠になりやすい |
| ネットワークスペシャリスト | IPAの国家試験(高度区分) | 設計や上流工程を目指すときの評価材料になる |
当社で2025年8月〜2026年7月に入社した201名のうち、入社前にCCNAを持っていた方は13名でした。13名は全員がIT業界未経験で、全員がネットワークの職種に入社し、10名は構築業務から始められる企業に入社しています(当社の紹介実績で、CCNA取得者全体の結果ではありません)。
CCNAは、未経験のネットワークエンジニア採用で評価材料になりやすい資格です。CCNPはCCNAより専門性が高く、実務経験と組み合わせることで評価されやすくなります。ただし、資格を取っただけで、年収や配属される工程が大きく変わるとは限りません。当社がおすすめしている順番は、IT基礎 → CCNA → 実務経験 → CCNPです。
資格の内容と勉強時間は、CCNAとは、CCNAの勉強時間、合格後の転職はCCNA取得後の転職で解説しています。資格の全体像はネットワーク資格完全ガイド、国家試験はネットワークスペシャリスト試験をご覧ください。
年収を上げるうえで最も大きいのは、任される範囲を広げることです。運用・監視の段階でも、障害の切り分け、設定変更の作業、手順書の改善、構築作業の補助など、構築につながる経験を自分から取りにいくことが大切です。「どの機器を、何台、どんな手順で設定したか」をメモしておくと、社内の評価にも次の転職にも使えます。
ITの基礎とCCNAで土台を作り、実務経験を積んでからCCNPを目指すのが、当社がおすすめしている順番です。資格と実務経験がそろうと、構築・設計の求人に応募しやすくなります。
ネットワークの知識は、クラウドやセキュリティの仕事にもつながります。dodaでは、セキュリティエンジニア(脆弱性診断/ネットワークセキュリティ)の平均年収は497万円で、ネットワークエンジニア(455万円)より高い水準です。詳しくはセキュリティエンジニアの年収、クラウドエンジニアの平均年収をご覧ください。
同じネットワークエンジニアでも、元請けに近い会社か、配属先で構築に関われるかで、経験の積み方と給与の伸び方が変わります。面接では、構築・設計に進んだ先輩がいるか、評価と昇給の基準は何かを確認しましょう。見分け方はブラックなIT企業の見分け方で解説しています。
当社では、最初の3年ほどは現場の経験を積むことをおすすめしています。運用・監視の経験とCCNAなどの資格がそろった段階で、構築の求人に応募すると、年収の水準が変わる可能性があります。年収交渉の進め方は、IT転職の年収交渉で解説しています。
「ネットワークエンジニアは年収が低い」「やめとけ」という声を見かけることがあります。主な理由は次の3つと考えられます。
つまり、入り口の数字だけを見ると低く見え、構築・設計へ進むと伸びる職種です。きついと言われる理由と、後悔しない会社の選び方は、ネットワークエンジニアはやめとけ?で解説しています。
初年度の年収だけで、転職先を決めないでください
面談で年収の相談を受けたとき、当社がまずお伝えしているのは、未経験の場合、初年度の年収だけで転職先を判断しないことです。ネットワークエンジニアは、運用・保守から構築・設計へ進める環境かどうかで、その後の年収が変わります。
「3年後・5年後に、どんな技術を身につけていたいか」から考える
3年後・5年後にどのような技術を身につけられるかを考え、年収とキャリアの両方を確認することが大切です。面接では、入社後に担当できる業務の範囲や、構築・設計に進んだ先輩がいるかを確認しましょう。
未経験からネットワークエンジニアを目指す手順はネットワークエンジニアへ未経験で転職する方法、サーバーなど他のインフラ職との違いはネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いで解説しています。
ネットワークエンジニアの年収と会社選びを、相談したい方へ
前職の年収・経験から、入社時にどのくらいの水準になりそうか、どの会社なら構築の経験を積めるかを、専属のキャリアアドバイザーが一緒に整理します。夜勤手当を含めた求人票の年収の読み方も、オンラインで相談できます(60分)。
日程を選んで無料相談を予約するdodaの平均年収ランキング2025では455万円です。厚生労働省jobtagの「電気通信技術者」(別名にネットワーク技術者を含む)は609.8万円ですが、通信設備の仕事も含み、平均年齢42.2歳と経験者が多い数字です。転職時の目安には、dodaの数字が使いやすいと考えられます。
dodaでは、20代396万円、30代519万円、40代658万円、50代以上756万円です。それぞれの年代の平均で、同じ人が年齢を重ねて上がった金額ではありません。
当社の紹介実績では、前職がIT以外でインフラ職に入社した未経験者140名の、入社時の想定年収の中央値は320万円でした(ネットワーク職だけの数字ではありません)。当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではありません。
jobtagのITSSレベル5以上の年収の範囲(第1四分位〜第3四分位)は、運用・保守で667.5万〜1,086万円、設計・構築で600万〜950万円です。目指せない金額ではありませんが、高度な専門性や上流工程・マネジメントの経験を持つ一部の人に限られます。
CCNAだけで年収が決まるわけではありません。ただ、構築の業務を任されるきっかけや、資格手当につながることがあります。当社では、入社前にCCNAを持っていた未経験者13名のうち10名が、構築業務から始められる企業に入社しました(当社の紹介実績です)。
深夜(午後10時〜午前5時)の労働には、労働基準法で2割5分以上の割増賃金が定められており、会社独自の夜勤手当が加わる場合もあります。ただし、日勤中心に移ると、その分の年収は下がる場合があります。基本給の伸び方もあわせて確認してください。
dodaではサーバーエンジニアが469万円、ネットワークエンジニアが455万円で、差は大きくありません。年収は職種の違いよりも、担当する工程とスキルレベルの影響が大きいと考えられます。
構築・設計に進むときに評価されやすいCCNPについては、CCNPとは?CCNAとの違いと、転職での評価でまとめています。
運用・監視から構築への年収の目安と、資格の順番は、キャリアカンパニーの面談でお伝えしている内容で、集計した数字ではありません。自社集計の数字は、当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではありません。jobtagの統計データは、その職業だけの数字とは限りません。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。