
CCNPとは?CCNAとの違い・難易度・取得の順番と、転職での評価
CCNP(Cisco Certified Network Professional)は、シスコシステムズが認定するネットワークの資格です。シスコの資格には段階があり、CCNPは入門〜中級のCCNAの一つ上、プロフェッショナルレベルに位置づけられています。
この記事では、シスコの公式サイトで確認できた情報をもとに、CCNPの構成、CCNAとの違い、難易度の考え方、取得の順番、転職での評価を解説します。CCNAそのものを知りたい方は、先にCCNAとは?をご覧ください。
CCNPは、ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズが運営する認定資格です。シスコの資格は、大きく次の段階に分かれています。
CCNAが「ネットワークの共通の基礎」を広く問うのに対して、CCNPは分野を選んで、その分野を深く問う資格です。たとえば社内ネットワークの構築なら「Enterprise」、セキュリティなら「Security」というように、自分の仕事に合わせて選びます。
なお、シスコの公式サイトでは、各CCNPのコア試験が、最上位のCCIEのラボ試験を受けるための資格試験も兼ねると説明されています。CCNPは、CCIEへ進む途中の段階でもあります。
CCNAとCCNPの違いを、公式サイトで確認できた情報で比べると、次のとおりです。
| 項目 | CCNA | CCNP(Enterprise) |
|---|---|---|
| 試験の数 | 1試験(200-301 CCNA) | 2試験(コア+コンセントレーション) |
| 出題の範囲 | ネットワークの基礎を広く | 選んだ分野を深く |
| 受験の前提条件 | なし | なし |
| 試験時間 | 120分 | コア120分・コンセントレーション90分 |
| 受験料 | 300米ドル | コア400米ドル・コンセントレーション300米ドル |
| 有効期限 | 3年 | 3年 |
| 公式の想定 | ネットワークの知識がほとんどない人も想定 | 公式サイトに推奨経験の記載なし |
ポイントは3つです。
CCNAの試験内容や勉強の始め方は、CCNAの勉強時間でもくわしく解説しています。
シスコの公式サイトでは、プロフェッショナルレベルの資格として、次の8つが掲載されています(2026年11月4日確認)。
| 分野 | 主な内容の目安 |
|---|---|
| CCNP Enterprise | 企業ネットワークの構築・運用・設計 |
| CCNP Security | ネットワークセキュリティ |
| CCNP Cybersecurity | セキュリティの監視・対応 |
| CCNP Data Center | データセンターのネットワーク |
| CCNP Service Provider | 通信事業者のネットワーク |
| CCNP Collaboration | 音声・ビデオ会議などの基盤 |
| CCNP Wireless | 無線LAN |
| CCNP Automation | ネットワークの自動化 |
どの分野も、公式サイトでは「コア試験1つと、選んだコンセントレーション試験1つ」の2試験で取得できると説明されています。インフラエンジニアとして社内ネットワークやデータセンターに関わるなら、まずはCCNP Enterpriseを基準に考えるとわかりやすいです。
CCNP Enterpriseの場合、コア試験は「350-401 ENCOR」です。そのうえで、コンセントレーション試験から1つを選びます。
| 試験 | 試験時間 | 受験料 |
|---|---|---|
| コア:350-401 ENCOR | 120分 | 400米ドル |
| コンセントレーション(1つ選ぶ) | 90分 | 300米ドル |
公式サイトによると、受験料はシスコのラーニングクレジットでも支払えます。結果は合否(パス・フェイル)で示され、48時間以内にオンラインで確認できるとされています。為替や税、受験方法によって日本円での支払額は変わるため、申し込みの前に公式サイトで最新の情報を確認してください。
コアのENCORに合格すると「Cisco Certified Specialist – Enterprise Core」という認定が得られます。コンセントレーション試験も、それぞれ合格するとSpecialist認定が得られます。つまり、途中の段階でも、合格した試験の分だけ認定が残るしくみです。
ENCORの出題範囲(v1.2)は、公式の試験範囲の資料で次のように示されています。
| 出題分野 | 割合 |
|---|---|
| アーキテクチャ(Architecture) | 15% |
| 仮想化(Virtualization) | 10% |
| インフラストラクチャ(Infrastructure) | 30% |
| ネットワークアシュアランス(Network Assurance) | 10% |
| セキュリティ(Security) | 20% |
| 自動化とAI(Automation and Artificial Intelligence) | 15% |
最も割合が大きいのはインフラストラクチャで、ルーティングやスイッチングなどの中心的な技術が含まれます。公式の資料では、IPv4とIPv6の両方を使う構成、仮想化、セキュリティ、自動化などの知識を問う試験と説明されています。なお、試験範囲は予告なく変わることがあると明記されているため、勉強を始める前に最新の資料を確認しましょう。
CCNP Enterpriseのコンセントレーション試験は、公式サイトで次の6つが掲載されています。
| 試験番号 | 試験名(略称) | 内容の目安 |
|---|---|---|
| 300-410 | ENARSI | 高度なルーティングとサービス |
| 300-415 | ENSDWI | Catalyst SD-WAN |
| 300-420 | ENSLD | 企業ネットワークの設計 |
| 300-435 | ENAUTO | 自動化とプログラミング |
| 300-440 | ENCC | クラウドとの安全な接続 |
| 300-445 | ENNA | ネットワークアシュアランス(英語のみ) |
公式サイトの表記では、ENNA以外は英語と日本語で受験できます。ENCORも英語と日本語に対応しています。
CCNPの有効期限は3年です。更新には、継続教育(Continuing Education)のクレジットをためる方法と、期限が切れる前に試験を受け直す方法があります。くわしい条件は公式サイトで確認してください。
「CCNP 難易度」で調べる方は多いですが、シスコは合格率や合格点を公表していません。また、公式の推奨勉強時間も示されていません。そのため、この記事では難易度を数字で示すことはしません。
そのうえで、CCNAと比べたときに難しく感じやすい点は、次のとおりです。
逆に言えば、ネットワークの実務をしている方ほど、内容が頭に入りやすい資格です。
分野を選ぶときは、「今の仕事」と「次にやりたい仕事」の2つから考えます。
| 今・次の仕事 | 選びやすい分野・試験 |
|---|---|
| 社内ネットワークの構築・運用 | Enterprise(ENARSIなど) |
| ネットワークの設計に進みたい | Enterprise(ENSLD) |
| 拠点間のネットワーク・SD-WAN | Enterprise(ENSDWI) |
| クラウドとの接続が多い | Enterprise(ENCC) |
| 自動化・プログラミングに広げたい | Enterprise(ENAUTO)・Automation |
| セキュリティに進みたい | Security・Cybersecurity |
迷ったら、応募したい求人票の業務内容と、使っている機器・技術を見るのがおすすめです。選ぶ分野が近いほど、面接でも話がつながりやすくなります。
セキュリティの方向に進みたい方は、セキュリティ資格のロードマップもあわせてご覧ください。
未経験からネットワーク・インフラの仕事を目指す方に、当社がおすすめしているのは次の順番です。
| 段階 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 1. CCNA | ネットワークの基礎を学び、資格を取る | 未経験でも「基礎を学んだ」と示せる |
| 2. 実務(運用・監視など) | 現場で機器やログに触れ、障害対応を経験する | 仕事の流れと用語を体で覚える |
| 3. CCNP | 担当したい分野を選んで深く学ぶ | 構築・設計へ進む根拠にする |
未経験でいきなりCCNPを目指すと、内容が実務とつながらず、面接でも話しにくくなりがちです。まずはCCNAで基礎を固めましょう。CCNAに合格した後の転職の進め方は、CCNAは転職に有利?で解説しています。
キャリアカンパニーの現場から|CCNPを勧めるタイミング
CCNA相当の知識を身につけ、ネットワークの運用保守や設定変更などの実務経験を1〜3年ほど積んだ段階が、一つの目安です。ただし、年数よりも、担当してきた業務や理解度を重視しています。
当社の考え方では、CCNPが特に評価されやすいのは、運用・監視の経験を積んだ方が、構築・設計へ進みたいときです。理由は次のとおりです。
当社の紹介実績では、運用・監視を3年以上経験し資格を持っていた方20名のうち、19名が入社後半年ほどで構築・設計を担当しています(自社集計・参考値であり、業界全体の数字ではありません。資格の種類はCCNPに限りません)。運用・監視から構築・設計へ進む道筋は、運用・監視から構築・設計へでくわしく解説しています。
キャリアカンパニーの現場から|CCNPを持つ方の入社先
CCNPを持つ方は、構築・設計や、高度な運用保守などで専門知識を活かしやすい傾向です。
CCNPは、ネットワークの実務経験がある方の転職で、次のような場面で評価されやすい資格です。
一方で、CCNPを持っているだけで採用や年収が決まるわけではありません。企業が見ているのは、次のような点です。
面接では「この知識を使って、こういう作業をした(したい)」まで話せると、評価につながりやすくなります。
キャリアカンパニーの現場から|転職での評価
CCNPを持つ方は、ネットワークの専門知識を持つ人材として評価されやすく、実務経験があれば、構築・設計などの求人や年収アップにつながる可能性があります。ただし、資格だけで待遇が決まるわけではありません。
CCNPの保有者だけの平均年収は、公的な統計では示されていません。参考として、dodaの平均年収ランキング2025では、ネットワークエンジニアの平均年収は455万円です(経験者を含む平均で、CCNPの有無とは関係ありません)。ネットワークエンジニアの年収についてはネットワークエンジニアの年収、インフラ全体の年収はインフラエンジニアの年収で整理しています。
年収は、資格よりも担当する工程で変わりやすいものです。CCNPは、構築・設計へ進むきっかけとして使いましょう。
まずは、公式の試験範囲の資料を読みましょう。ENCORなら6つの分野と割合が示されています。自分が知っている分野・知らない分野を分けるだけでも、勉強の計画が立てやすくなります。
シスコは、次のような学習リソースを公式に用意しています(名称のみ紹介します。内容や料金は公式サイトで確認してください)。
CCNPでは、設定やトラブルの切り分けの理解が問われます。ラボ環境で実際に設定し、動きを確かめましょう。
つまずいたときは、CCNAの範囲に戻りましょう。OSI参照モデルやTCP/IPなどの基礎があいまいなままだと、同じところで何度も止まってしまいます。
キャリアカンパニーでは、CCNA・LPICなどの無料学習カリキュラムを用意しています(オンライン IT スクール)。CCNPの前に、CCNAの基礎を固めたい方はご利用ください。
ネットワークの資格として、CCNPとよく比べられるのが、国家試験の「ネットワークスペシャリスト試験」です。
| 項目 | CCNP | ネットワークスペシャリスト |
|---|---|---|
| 運営 | シスコシステムズ(ベンダー資格) | IPA(国家試験) |
| 内容の特徴 | シスコ機器を前提にした設計・構築・運用 | 特定の製品によらない設計・ネットワーク全般 |
| 向いている人 | シスコ機器を使う現場で、構築・設計に進みたい方 | 設計や上流の仕事に進みたい方 |
どちらが上ということではなく、目指す仕事で選ぶのがおすすめです。シスコ機器を使う構築の現場ならCCNP、メーカーを問わない設計や上流ならネットワークスペシャリスト、という考え方もできます。くわしくはネットワークスペシャリスト試験をご覧ください。
また、「ネットワークエンジニア」と「インフラエンジニア」の違いが気になる方は、ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いも参考にしてください。
CCNP(Cisco Certified Network Professional)は、シスコシステムズが認定するネットワークの資格で、CCNAの一つ上のプロフェッショナルレベルにあたります。Enterprise・Securityなどの分野ごとに分かれていて、コア試験1つとコンセントレーション試験1つの2試験で取得します。
CCNAはネットワークの基礎を広く問う1試験の資格で、CCNPは選んだ分野を深く問う2試験の資格です。公式には、どちらも受験の前提条件はありません。ただ、CCNPはCCNAの知識を前提にした内容なので、CCNAから順に学ぶのが自然です。
シスコは合格率や合格点を公表していません。CCNAより出題が深く試験も2つありますが、ネットワークの実務経験がある方ほど理解しやすい資格です。
公式サイトでは、CCNPの各試験に前提条件はないとされているため、CCNAを持っていなくても受験はできます。ただし、未経験の方には、CCNA→実務→CCNPの順をおすすめしています。
CCNP Enterpriseの場合、公式サイトでは、コア試験(350-401 ENCOR)が400米ドル、コンセントレーション試験が300米ドルとされています。有効期限は3年で、継続教育のクレジットか再受験で更新します。日本円での支払額は時期や受験方法で変わるため、公式サイトで確認してください。
構築・設計のポジションに応募するときなどに、評価されやすい資格です。ただし、資格だけで採用や年収が決まるわけではありません。担当した工程や、資格の知識を実務でどう使ったかとセットで伝えることが大切です。
未経験の方は、まずCCNAで基礎を固め、運用・監視などの実務を経験してからCCNPを目指すのがおすすめです。実務の経験があると、CCNPの内容が理解しやすくなり、転職の面接でも話がつながりやすくなります。
CCNA・CCNP・CCIEなど、シスコ資格の全体像はシスコ資格の種類と取る順番で解説しています。
資格を活かした転職の進め方は、経験によって変わります。迷ったときはご相談ください。
試験の情報(試験番号・試験時間・受験料・有効期限・認定の構成・出題範囲)は、2026年11月4日にシスコの公式サイトで確認した内容です。試験の内容や料金は変わることがあるため、受験の前に公式サイトで最新の情報を確認してください。合格率・合格点・推奨勉強時間は公式に公表されていないため、記載していません。分野ごとの「内容の目安」「選びやすい分野」は、当社が公式の試験名をもとに整理したものです。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。