
インフラエンジニアに必要なスキル一覧|未経験から身につける順番と、工程別の目安
インフラエンジニアに必要なスキルは、大きく技術のスキルと仕事の進め方のスキルに分かれます。
この記事では、インフラエンジニアに必要なスキルを一覧で整理し、工程別の目安、未経験が入社前に身につけたいレベルと順番、面接での伝え方まで解説します。転職の全体の流れは、未経験からインフラエンジニアへ転職する方法で解説しています。
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなど、ITシステムの土台をつくり、止まらないように守る仕事です。必要なスキルを、まず全体で整理します。
| 種類 | 主なスキル | 未経験の入社時に求められる目安 |
|---|---|---|
| ネットワーク | IPアドレス、DNS、ルーティング、TCP/IP | 通信の流れを、自分の言葉で説明できる |
| サーバー(OS) | Linuxの基本コマンド、ファイル・権限・サービスの操作 | 基本コマンドで、ファイル操作やサービスの確認ができる |
| クラウド | AWS・Azureなどの主要サービスの考え方 | 基本用語と、オンプレミスとの違いがわかる |
| セキュリティ | アクセス制御、パスワード管理、基本的な攻撃の考え方 | 基本的な考え方を知っている |
| 自動化・スクリプト | Shell、Pythonなど | 入社時は必須ではない。構築・クラウドに進む段階で役立つ |
| 仕事の進め方 | 報告・連絡、手順を守る、記録を残す、学び続ける | 前職での経験を、具体的に話せる |
すべてを入社前にそろえる必要はありません。未経験の方は、ネットワーク・Linux・ITの基礎を優先し、ほかは入社後に経験しながら広げていくのが一般的です。
インフラの仕事では、障害が起きたときに「どこで通信が止まっているか」を切り分ける場面が多くあります。そのため、IPアドレス、サブネット、DNS、ルーティングなど、通信の流れの基礎はどの分野に進んでも役立ちます。学び方はTCP/IPとは、資格の入口はCCNAとはで解説しています。
サーバーの仕事では、Linuxの基本コマンド(ファイルの操作、権限の確認、ログの確認、サービスの起動・停止など)を使う場面が多くあります。当社の面談では、基本はLinuxから学ぶことをおすすめしています。クラウドやWebサーバーなど、幅広く使われているためです。社内システムやMicrosoft製品の仕事を希望する場合は、Windows Serverも重要になります。よく使うコマンドはLinuxコマンド一覧、資格はLinuCとはをご覧ください。
AWSやAzureなどのクラウドは、インフラの仕事で扱う場面が増えています。ただし、クラウドの仕事でも、土台になるのはLinuxとネットワークの基礎です。クラウド志望の方には、Linuxとネットワークの両方の基礎が大切だとお伝えしています。クラウドの基本はクラウド環境とは、AWSの仕事はAWSを使うインフラエンジニアで解説しています。
インフラの仕事では、アクセス権限の管理や、機器・サーバーの設定の見直しなど、セキュリティに関わる作業もあります。入社時に専門的な知識は求められませんが、基本的な考え方を知っておくと、作業の意味を理解しやすくなります。
インフラの仕事は、プログラミングが中心ではありません。ただし、クラウドや自動化の仕事では、PythonやShellなどを使う場面もあります。入社時に必須ではありませんが、構築やクラウドに進む段階で役立つスキルです。
インフラエンジニアの仕事は、担当する工程によって、求められるスキルが変わります。
| 工程 | 主な仕事 | 求められるスキルの例 |
|---|---|---|
| 監視・運用・保守 | 監視、ログ確認、アラート対応、バックアップの確認、障害時の一次切り分けと報告、手順書に沿った設定変更 | 基礎知識、手順を守る、正確な報告・連絡 |
| 構築 | サーバー・ネットワーク機器・クラウドの設定、試験 | コマンド・設定の実践力、作業前後の確認、手順書の作成 |
| 設計 | 構成・IPアドレス・冗長化などの設計、設計書の作成 | 全体を見る力、要件の整理、ドキュメントの作成 |
| 上流・マネジメント | 要件定義、プロジェクトの取りまとめ | 調整力、見積もり、チームの管理 |
未経験の方は、監視・運用・保守から始めるケースが多い傾向です(当社の面談での実感)。当社の自社集計では、運用・監視を3年以上経験し、資格も持っていた方20名のうち19名(95%)が、入社後半年ほどで構築・設計の業務を担当していました(対象が20名と少ないため、参考値です)。
運用・監視の時期は、「手順書どおりの作業」で終わらせず、障害の原因の切り分け、設定変更、運用の改善に関わる経験を増やしていくことが、次の工程に必要なスキルにつながります。進み方は運用・監視から構築・設計へ進む方法で解説しています。
インフラエンジニアは、技術だけでなく、仕事の進め方も重視される職種です。
| スキル | なぜ必要か | 前職で活きる経験の例 |
|---|---|---|
| 報告・連絡 | 障害時に、わかっていること・わかっていないことを分けて伝える必要がある | 接客、コールセンター、営業 |
| 手順を守る | 設定変更などは、手順書とレビューにもとづいて行う | 製造、事務、施工管理 |
| 記録を残す | 作業内容や障害の対応を、あとから確認できるようにする | 事務、品質管理 |
| 原因を順番に確かめる | 障害の原因を、仮説を立てて1つずつ確かめる | 問い合わせ対応、設備の点検 |
| 学び続ける | クラウドや自動化など、新しい技術が増えている | 資格の学習、独学の経験 |
当社の面談では、インフラに向いている方の傾向として、物事を論理的に考えるのが得意、原因を一つずつ調べて解決するのが好き、地道な確認作業や正確性が求められる業務が苦にならないことをお伝えしています。向き不向きはインフラエンジニアに向いている人で解説しています。
未経験の方に、実務経験は求められません。企業が見ているのは、基礎を学ぼうとしているかと、学習を続けられるかです。
当社の面談では、基礎知識を学び、志望する職種の仕事内容を理解できた段階で、応募を始めてよいとお伝えしています。資格の取得を待つ必要はなく、学習と並行して進める方法もあります。
入社前にやっておいてよかったと言われやすいのは、次のような基礎です。
入社後1〜3か月は、専門用語の多さでつまずく方が多い印象です(当社の面談での実感)。基礎の用語に入社前から触れておくと、入社後の負担を軽くできると考えられます。勉強の進め方はインフラエンジニアの勉強法で解説しています。
当社の面談では、未経験の方の選考で企業から評価されやすいスキルとして、次のようなものをお伝えしています。
特にインフラエンジニアは、チームで業務を進めることが多いため、周囲と円滑にコミュニケーションを取れることが重要です。前職での顧客対応や業務改善、後輩指導の経験も、評価につながる可能性があります。
当社の面談でおすすめしている、学ぶ順番の目安です。
| 志望する分野 | 学ぶ順番の目安 | 資格の順番の目安 |
|---|---|---|
| まだ決めていない | IT基礎 → Linux → ネットワーク → クラウド | ITの基礎の資格 → LinuCやCCNA |
| ネットワーク | IT基礎 → ネットワーク(先に学ぶのも効果的) → Linux | IT基礎 → CCNA → 実務経験 → CCNP |
| サーバー | IT基礎 → Linux → ネットワーク | IT基礎 → LinuC・LPIC |
| クラウド | IT基礎 → Linux・ネットワークの基礎 → AWS・Azure | IT基礎 → Linux・ネットワークの基礎 → AWS・Azureの資格 |
資格は、取得の数よりも、「なぜ取ったか」「どう学んだか」が大切です。クラウドを目指す場合も、資格だけに時間をかけず、実務で何ができるかを重視しましょう。資格の選び方はIT転職に有利な資格で解説しています。
「学んだつもり」で終わらせないために、スキルごとに、身につけ方と、身についたかの確かめ方を整理します。
| スキル | 入社前の身につけ方の例 | 身についたかの確かめ方 |
|---|---|---|
| ネットワーク | CCNAのテキストで基礎を学び、シミュレーターで機器の設定を試す | ping・tracertなどで通信の届き方を確かめ、結果を説明できる |
| Linux | 仮想マシンにLinuxを入れて、毎日コマンドを操作する | ファイル操作・権限・ログ・サービスの確認を、手順を見ずにできる |
| クラウド | 公式の入門資料を読み、無料枠で簡単な環境を作る | 作った環境の構成と、オンプレミスとの違いを説明できる |
| IT基礎 | ITの基礎の資格の学習で、用語と仕組みを整理する | 用語を、自分の言葉で言い換えられる |
| 仕事の進め方 | 前職で手順を守った経験・トラブルに対応した経験を書き出す | 「どんな場面で、何をしたか」を1分で話せる |
ポイントは、「説明できるか」「手順を見ずにできるか」で確かめることです。面接でも、学んだ内容を自分の言葉で話せると、学習を続けられる人だと伝わりやすくなります。
入社後にどんなスキルが身につくかは、配属される職場の仕事内容で大きく変わります。入社後に「思っていたのと違う」と感じる理由としては、一般的に、業務の内容や配属先・担当工程のギャップ、監視業務が中心で技術的な成長を実感できないことなどが考えられます。
当社の面談では、未経験の方にはネットワーク・サーバーの運用・保守をすすめています。監視から始める場合は、障害対応や設定変更に携われる環境かが大切です。入社前に、次のような点を確認しておきましょう。
| 確認したいこと | なぜ確認するか |
|---|---|
| 実際に配属される業務の内容 | 求人の職種名だけでは、担当する作業がわからないため |
| 障害対応や設定変更に関われるか | 監視だけで終わると、次の工程に必要なスキルが身につきにくいため |
| 研修の内容 | 入社後に、基礎をどう学べるかがわかるため |
| 構築・設計に進んだ先輩がいるか | キャリアアップの道筋が、実際にあるかを確かめられるため |
| クラウドなどを扱えるようになる時期 | 求人に「AWS」とあっても、最初は監視・運用やオンプレミスの業務の場合があるため |
求人票の確認のしかたは、未経験インフラエンジニア求人の見極め方で解説しています。
未経験の方は、「スキルがない」と考えがちですが、学習の内容と、前職の経験はスキルとして伝えられます。当社の面接対策では、次のことを具体的に話せるよう準備することをおすすめしています。
| 伝えること | 具体的にする内容 |
|---|---|
| なぜインフラなのか | 興味を持ったきっかけ、開発などではなくインフラを選んだ理由 |
| 何を学んできたか | 学習の内容・期間・今取り組んでいること |
| 前職の経験 | 手順を守った経験、トラブルを切り分けた経験、報告・連絡の工夫 |
職務経歴書の書き方はIT転職の職務経歴書、面接でよく聞かれる質問はインフラエンジニアの面接の質問で解説しています。
当社が支援した方のうち、入社後に年収が伸びた方には、次のような共通点があります。
スキルが上がり、担当する工程が変わると、年収の水準も変わっていきます。運用・監視から構築・設計へステップアップした方は、年収が上がる傾向があります(当社の面談での実感で、集計した数字ではありません)。年収との関係はインフラエンジニアの年収で解説しています。
すでにインフラの実務経験がある方の転職では、構築・設計の経験や、扱ってきた環境の規模、クラウドの経験などが評価の対象になります。経験者の転職で求められるスキルはインフラエンジニア経験者の転職事情、自分のスキルを整理する方法はエンジニアのスキルマップで解説しています。
監視や定型的な作業は、ツールによる自動化が進んでいる分野です。当社の面談では、単純な監視や定型作業は自動化が進むため、クラウド・セキュリティ・自動化などのスキルを身につけることが重要だとお伝えしています。
ただし、自動化の仕組みを作ったり、障害の原因を判断したりするには、ネットワークやLinuxの基礎が欠かせません。基礎を固めたうえで、運用の中で「この作業は自動化できないか」と考える習慣を持つと、次のスキルにつながりやすくなると考えられます。
「スキルが足りない」と不安な方へ
面談で「スキルが足りない」と相談を受けたとき、当社がお伝えしているのは、未経験採用では、最初から高い技術力を求められるわけではないということです。企業が重視するのは、現時点のスキルだけでなく、入社後に学び続けられるか、周囲と協力して仕事ができるかという点です。
そのため、資格の取得だけに時間をかけるのではなく、転職活動と学習を並行することをおすすめしています。今できることが少なくても、これから学んで成長できる姿勢を示すことが大切です。
インフラエンジニアに必要なスキルと、自分の準備の進め方を相談したい方へ
これまでの経験や学習の状況をお聞きして、どのスキルを優先して身につけるか、どの会社なら構築・設計の経験を積めるかを、専属のキャリアアドバイザーが一緒に整理します(オンライン・60分)。
日程を選んで無料相談を予約するなれます。未経験採用では、最初から高い技術力を求められるわけではありません。企業は、入社後に学び続けられるか、周囲と協力して仕事ができるかを見ています。ネットワーク・Linux・ITの基礎を、手を動かして学んでおくと評価されやすくなります。
入社時に必須ではありません。インフラの仕事はプログラミングが中心ではありませんが、クラウドや自動化の仕事では、PythonやShellなどを使う場面もあります。構築やクラウドに進む段階で、身につけていくと役立ちます。
ITの基礎、Linuxの基本コマンド、ネットワークの基礎(IPアドレス・DNSなど)が目安です。ネットワーク志望の方は、ネットワークから先に学ぶのも効果的です。
資格の取得を待つ必要はありません。基礎知識を学び、志望する職種の仕事内容を理解できた段階で応募を始め、学習と並行して進める方法もあります。
報告・連絡、手順を守る、記録を残す、原因を順番に確かめる、学び続けるといったスキルです。接客や事務、製造など、前職の経験が活きる部分でもあります。
身につきます。監視やログ確認、障害の一次切り分け、手順書に沿った設定変更などを通じて、インフラの基礎が身につきます。手順書どおりの作業で終わらせず、原因の切り分けや設定変更、運用の改善に関わる経験を増やすことが、構築・設計に進むスキルにつながります。
クラウドの仕事でも、土台になるのはLinuxとネットワークの基礎です。当社では、IT基礎 → Linux・ネットワークの基礎 → AWS・Azureの順に学ぶことをおすすめしています。
「技術のスキル以前に、自分には売りになるスキルがない」と感じている方は、スキルがない・何もできないと感じる人の転職で、前の仕事で身につけた力の見つけ方を紹介しています。
「評価されやすいスキル」「スキルが足りないと不安な方へ」は、キャリアカンパニーの面談でお伝えしている内容です。「当社の面談での実感」「面談でお伝えしていること」「共通点」は、キャリアカンパニーの面談での傾向をまとめたもので、集計した数字ではありません。自社集計の数字は、当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではありません。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。