
CCNAの過去問はある?問題集・模擬試験の選び方と、合格に近づく使い方
この記事では、CCNAの過去問がない理由、問題集・模擬試験の種類と選び方、問題集の回し方を、未経験からインフラエンジニアを目指す方に向けて整理します。CCNAそのものを知りたい方は、先にCCNAとは?試験内容と取得のメリットをご覧ください。
CCNAの試験を実施しているCiscoは、試験や認定に関するルールを公式サイトで公開しています(Exam, Testing, and Certification Policies)。この中で、試験の内容はCiscoの所有物で、機密情報であると書かれています。
さらに、試験の内容をコピーしたり、ネット上に公開・投稿したり、人に配ったりしてはいけないとも定められています。受験する人は、試験の公正さや機密を損なう行動をしてはいけない、というルールです。
| 公式ポリシーの記載(要約) | 意味 |
|---|---|
| 試験の内容はCiscoの所有物で、機密情報である | 試験問題は外に出ない前提で作られている |
| 試験の内容をコピー・公開・投稿・配布してはいけない | 受験者が問題を書き出して共有することも禁止 |
| 試験の内容を勉強会などに投稿することは違反にあたる | 「覚えてきた問題」をSNSや掲示板に書くのも違反 |
| 違反には、今後の全試験の受験禁止や、取得済みの全認定の無効化までがありうる | 合格していても、あとから認定を失う可能性がある |
このため、国家試験などの「公式の過去問題が公開されている試験」とは事情がまったく違います。CCNAには、公式に公開された過去問はありません。
同じ公式ポリシーには、Ciscoは試験の合格点を公表していない、とも書かれています。理由は、試験問題や合格点が変わることがあるためです。ネット上で「CCNAの合格ラインは○点」という情報を見かけても、公式の数字ではありません。
「CCNA 過去問」と検索すると、さまざまな問題集やサイトが出てきます。中身は大きく分けて次の2つです。
「過去問」という言葉が使われていても、ほとんどは前者の練習問題です。ただ、「本番と同じ問題」「実際に出た問題」と強くうたうものは、後者の可能性があります。見分け方は、後半の「ダンプを使ってはいけない理由」で説明します。
問題集を選ぶ前に、本番の形式を押さえておきましょう。2026年11月4日に、Ciscoの公式サイトで確認できた内容は次のとおりです。
| 項目 | 公式で確認できた内容 |
|---|---|
| 試験名・試験番号 | Implementing and Administering Cisco Solutions(200-301 CCNA) |
| 試験時間 | 120分 |
| 言語 | 英語・日本語 |
| 受験料 | 公式の英語ページでは300米ドル(またはCisco Learning Credits) |
| 問題数・合格点 | 公表されていない |
| 不合格時の再受験 | 不合格の翌日から数えて5日間(暦日)待てば再受験できる |
| 認定の有効期間 | 合格から3年間 |
試験範囲は、ネットワークの基礎、ネットワークアクセス、IP接続、IPサービス、セキュリティの基礎、自動化とプログラマビリティです。くわしい出題範囲は、Ciscoが公開している「Exam Topics(試験範囲)」で確認できます。
Ciscoの公式ブログでは、現在の「200-301 CCNA v1.1」の受験は2027年2月2日まで、新しい「CCNA v2.0」の試験は2027年2月3日からと案内されています。
これから問題集を選ぶ方は、自分が受ける時期の版に合った教材かどうかを確認してください。2027年2月以降に受ける予定なら、v2.0に対応した問題集を選ぶ必要があります。古い版の問題集だけで学ぶと、出題範囲とずれる部分が出てきます。受験料や形式も変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報を確認しましょう。
CCNAの問題演習に使える教材は、大きく4つに分けられます。
| 種類 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 書籍の問題集(テキスト付属の問題を含む) | 解説がくわしく、試験範囲を順番に学べる。紙に書き込める | 初めてネットワークを学ぶ人、通勤中など画面を見られない時間に学びたい人 |
| Webの問題演習サイト・アプリ | スマートフォンで手軽に解ける。分野別・ランダム出題がしやすい | すき間時間で量をこなしたい人、2周目以降の復習をしたい人 |
| Cisco公式の練習試験(Cisco U.) | Ciscoが用意する練習試験。受験前の準備度を確かめる用途 | 本番が近い人、仕上がりを確認したい人 |
| 実機・シミュレーターの演習(Cisco Modeling Labs、Cisco Learning Labsなど) | 実際にコマンドを打ち、設定やトラブル対応を試せる | 設定の問題が苦手な人、転職後の仕事につなげたい人 |
Ciscoの公式サイトのCCNAのページでは、Cisco U.の学習パス、練習試験(Practice Exam)、Cisco Modeling Labs、Cisco Learning Network(学習者のコミュニティ)、Exam Topicsが、試験の準備に使えるものとして紹介されています。
| 種類 | 注意点 | 選ぶときの確認点 |
|---|---|---|
| 書籍の問題集 | 出版の時期によっては、試験の版が古いことがある | 対応する試験の版(v1.1かv2.0か)、出版年、解説の量 |
| Webの問題演習 | 運営元がわからないサイトもある。答えだけで解説がないものもある | 運営元、解説の有無、更新日、「本番と同じ」とうたっていないか |
| 公式の練習試験 | 利用条件(有料か、どのプランで使えるか)は時期で変わる | 公式サイトで最新の利用条件と、対応する試験の版 |
| 実機・シミュレーター | 環境を用意する手間がかかる。最初は何をすればよいか迷いやすい | 学びたい設定の手順が用意されているか、無料で試せる範囲 |
どれか1つで十分というより、「理解する教材」と「確かめる教材」を組み合わせるのがおすすめです。たとえば一例として、書籍で範囲を一通り学び、Webの演習で弱い分野を繰り返し、試験の前に公式の練習試験で仕上がりを確かめる、という流れがあります。
キャリアカンパニーの現場から|問題集でつまずきやすい点
CCNAを勉強中の方がつまずきやすいのは、サブネットの計算、ルーティング、VLANなどの理解です。特に、問題の答えを暗記するだけで、仕組みを理解できていないケースが多く見られます。
先に見たとおり、Ciscoは試験内容の公開・投稿・配布を禁止しています。ダンプは、本番の問題を書き出して集めたとうたうものです。こうした教材を作ること・広めることは、ポリシーで禁止されている行為にあたります。
Ciscoの公式ポリシーでは、違反した場合の罰則として、今後のすべての試験の受験禁止(最も重い場合は生涯)や、それまでに取得したすべての認定の無効化までが挙げられています。せっかく合格しても、あとから認定がなくなれば、履歴書に書くこともできません。
CCNAは、ネットワークの基礎を理解している証明として評価される資格です。答えを覚えただけで合格しても、仕事で必要な理解は身についていません。面接で「VLANとは何ですか」「OSPFはどんなときに使いますか」と聞かれて答えられないと、資格を持っていても評価につながりにくくなります。
| 比べる点 | 正規の問題集・練習問題 | ダンプ(流出問題) |
|---|---|---|
| Ciscoのルール | 問題ない | ポリシーに反する |
| 認定への影響 | なし | 認定の無効化や受験禁止のリスク |
| 身につくもの | 理解と考え方 | 答えの暗記だけになりやすい |
| 面接・実務 | 自分の言葉で説明しやすい | 説明できず評価につながりにくい |
次のような言葉を使う教材は、ダンプの可能性があります。購入や利用の前に、立ち止まって確認しましょう。
迷ったときは、出版社が明記された書籍か、Ciscoの公式の教材を選ぶと安心です。
問題集は、何冊も買うより、1冊を何周か回して理解を固めるほうが力がつきやすいです。ここでは、回し方の一例を紹介します。
| 周回 | やること | この周のゴール |
|---|---|---|
| 1周目 | テキストで1つの分野を学んだら、その分野の問題を解く。わからない問題は解説を読み、テキストに戻る | 全範囲に一通り触れる。正解数は気にしない |
| 2周目 | 全範囲をもう一度解く。正解した問題も「なぜその答えか」を説明できるか確かめる | 間違えた問題と、たまたま正解した問題を見つける |
| 3周目以降 | 間違いノートにある問題と、弱い分野だけを解き直す | 苦手な分野をなくす |
| 仕上げ | 公式の練習試験や模擬試験を、本番と同じ120分で解く | 時間配分を確かめ、残りの弱点を洗い出す |
1周目は、正解できなくても気にしなくて大丈夫です。CCNAは、IPアドレスとサブネット、VLAN、ルーティングなど、つながった知識が多い試験です。わからない問題が出たら、その場で解説とテキストを読み、どの知識が足りなかったのかを確かめることを優先しましょう。
基礎の部分でつまずく場合は、TCP/IPの基本やOSI参照モデルに戻ると、問題の意味がわかりやすくなります。
2周目は、正解した問題でも、選ばなかった選択肢がなぜ違うのかを説明できるかを確かめます。答えの位置や言葉の雰囲気で選んでいると、問題文が少し変わっただけで間違えてしまいます。説明できなかった問題は、正解していても印をつけておきましょう。
間違えた問題は、問題文を書き写すより、なぜ間違えたのかを短く書くほうが役に立ちます。
| 書く項目 | 書き方の一例 |
|---|---|
| 分野 | IPサービス(NAT) |
| 間違えた理由 | 内部と外部のアドレスの呼び方を取り違えた |
| 正しい理解 | 内部の機器から見た「内部ローカル」「内部グローバル」の違いを図に描いて整理する |
| 次に確かめること | 2日後にもう一度解く。テキストの該当ページも読み直す |
ノートは紙でもスマートフォンのメモでもかまいません。試験の直前は、このノートだけを見直せばよい状態を目指すと、復習の時間を短くできます。
CCNAには、コマンドや設定の知識を問う内容も含まれます。文字で覚えるより、シミュレーターなどで実際にコマンドを打つほうが、記憶に残りやすいです。Ciscoの公式サイトでも、Cisco Modeling LabsやCisco Learning Labsなど、手を動かして学べる環境が紹介されています。
手を動かした経験は、転職の面接でも話しやすい材料になります。「問題集を何周したか」だけでなく、「どんな設定を試したか」を話せると、学習の深さが伝わります。
キャリアカンパニーの現場から|合格した方の問題集の使い方
この3つは、合格した方に共通している使い方です。
学習の進み具合によって、使う教材の比重を変えていくと、むだが少なくなります。
| 段階 | 主に使うもの | ポイント |
|---|---|---|
| 学び始め | テキスト・書籍の問題集 | 範囲を順番に学び、分野ごとに問題を解く |
| 中盤 | Webの演習・シミュレーター | 苦手な分野を繰り返す。設定は手を動かして確かめる |
| 試験前 | 間違いノート・公式の練習試験・模擬試験 | 本番と同じ120分で解き、時間配分と弱点を確かめる |
勉強時間の考え方や、仕事をしながらの計画の立て方は、CCNAの勉強時間の目安と計画の立て方でくわしく解説しています。ネットワーク以外も含めたインフラの勉強の進め方は、インフラエンジニアの勉強法も参考にしてください。
「どの問題集から始めればよいかわからない」「1人だと続かない」という方もいると思います。キャリアカンパニーでは、CCNA・LPICなどの無料学習カリキュラムを用意しています。学ぶ順番がわからない方は、無料の学習カリキュラムもあわせてご覧ください。
CCNAは、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアを目指す方に人気の資格です。ただ、転職では「合格したかどうか」だけでなく、どう学び、何を理解しているかも見られます。
学習中の段階でも、応募や面接でアピールできることはあります。
面接で聞かれやすい質問と答え方は、インフラエンジニアの面接でよく聞かれる質問で紹介しています。
キャリアカンパニーの現場から|面接での伝え方
面接で学習状況を聞かれたときは、学習期間・内容・進み具合を具体的に伝えるよう助言しています。
一例:「CCNAの取得に向けて毎日1時間学習しており、現在はIPアドレスやルーティングを学んでいます」
CCNAが転職でどう評価されるのか、合格後の進み方については、CCNAは転職に有利?合格後のキャリアで解説しています。ほかの資格との組み合わせは、IT転職に有利な資格、ネットワークとインフラの仕事の違いは、ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いをご覧ください。
Ciscoは試験の内容を機密情報として扱っており、公式の過去問は公開されていません。市販の問題集やWebの演習は、試験範囲をもとに作られた練習問題です。「本番の問題」とうたう流出問題(ダンプ)は、Ciscoのポリシーに反するため使わないでください。
冊数より、1冊を何周か回して理解を固めることが大切です。1冊を一通り終えたら、間違えた問題を中心に繰り返しましょう。仕上げに、公式の練習試験や別の模擬試験で、初めて見る問題にも対応できるかを確かめると、理解の抜けに気づきやすくなります。
Webの演習は手軽に量をこなせる一方で、解説が少ないものや、試験の版が古いものもあります。理解が浅いまま答えを覚えると、問題文が変わったときに対応できません。テキストや書籍で理解し、Webの演習は復習に使う、という組み合わせがおすすめです。
Ciscoの公式サイトで確認できるのは、試験番号が200-301、試験時間が120分であることです。問題数は公式ページに記載がなく、合格点は公表しない方針が公式ポリシーに書かれています。ネット上の数字は公式のものではないため、参考程度にとどめてください。
Ciscoの公式ポリシーでは、試験内容の流出や共有は禁止されており、罰則として今後の受験禁止や、取得済みの認定の無効化までが定められています。合格したあとに認定を失う可能性もあります。正規の教材で学ぶほうが、面接や実務でも役立ちます。
Ciscoの公式ブログでは、200-301 CCNA v1.1の受験は2027年2月2日まで、CCNA v2.0は2027年2月3日からと案内されています。受験する時期の版に対応した問題集を選んでください。迷ったら、公式サイトのExam Topicsで最新の範囲を確認しましょう。
学習中の段階から応募を始める方もいます。面接では、学習がどこまで進んでいるか、いつ受験する予定かを具体的に伝えられると、意欲が伝わりやすくなります。資格の取得と応募の時期をどう組み合わせるかは、キャリアアドバイザーと一緒に考えることもできます。
CCNA以外のシスコ資格も含めて全体を知りたい方は、シスコ資格の種類と取る順番をご覧ください。
試験の内容・受験料・利用条件は変わることがあります。受験の前に、Ciscoの公式サイトで最新の情報を確認してください。問題集の回し方・間違いノート・面接での伝え方の例は一例で、特定の教材や結果を示すものではありません。本記事では、特定の市販教材の順位づけは行っていません。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。