
第二新卒・既卒・フリーターは「やばい」?ITエンジニア(インフラ)に転職する現実と進め方
「第二新卒はやばい」「大卒でフリーターはやばい」「既卒だともう遅い」。検索すると、不安になる言葉がたくさん出てきます。この記事を開いた方も、少し焦った気持ちでいるかもしれません。
先に、この記事の結論をお伝えします。
この記事では、第二新卒・既卒・フリーターの違いを整理し、公的なデータで「どのくらい珍しくないのか」と「どこが不利になりやすいのか」を確認します。そのうえで、未経験からITエンジニア(インフラ)を目指す場合の入口と進め方を解説します。20代で未経験からインフラを目指す流れを全体で知りたい方は、20代未経験からインフラエンジニアへもあわせてご覧ください。
まず、言葉の意味を整理します。第二新卒・既卒・フリーターは、どれも一般的な呼び方で、法律で決まった定義はありません。 会社や求人サイトによって、指している範囲が少しずつ違います。ここでは、よく使われている意味でまとめます。
| 呼び方 | 一般的な意味 | よくある不安 |
|---|---|---|
| 第二新卒 | 学校を卒業して正社員として就職し、数年以内に転職を考えている人 | 「すぐ辞めた人」と見られないか |
| 既卒 | 学校を卒業したあと、正社員として就職していない人 | 新卒の枠で応募できるのか、空白をどう話すか |
| フリーター | 正社員ではなく、アルバイトやパートで働いている人 | 年齢が上がると正社員になりにくいのではないか |
この3つは、きれいに分かれるものではありません。たとえば「卒業後にアルバイトを続けている人」は、既卒でもあり、フリーターでもあります。
大切なのは、自分がどの呼び方に当てはまるかより、相手(応募先の会社)にどう説明できるかです。会社が見ているのは肩書きではなく、「これまで何をしてきて、これから何をしたいのか」です。
なお、学校を卒業していない場合や、正社員もアルバイトもしていない期間が長い場合(いわゆるニートと呼ばれる状態)でも、考え方は同じです。空白の期間に何をしていたか、これからどう働きたいかを、自分の言葉で話せるように準備していきます。
厚生労働省は、新しく学校を卒業して就職した人が、3年以内にどのくらい辞めているかを毎年公表しています。令和8年10月23日に公表された数字(令和5年3月に卒業した人)は、次のとおりです。
| 最終学歴 | 就職後3年以内の離職率 |
|---|---|
| 大学卒 | 31.2% |
| 高校卒 | 36.9% |
| 短大等卒 | 43.1% |
大学卒でも、3年以内に辞めた人は31.2%です。高校卒や短大等卒では、さらに高い割合になっています。「入社して数年で辞めるのは自分だけ」ということはありません。 第二新卒で転職を考えることは、数字で見ても特別なことではないのです。
厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」では、会社(事業主)に対して、学校を卒業してから少なくとも3年間は、新卒の採用枠に応募できるようにすべきとされています。
これは、卒業後すぐに正社員にならなかった既卒の人や、早い時期に会社を辞めた人にも、新卒と同じ入口を開いておこう、という考え方です。
ただし、これは会社に求められている「考え方」です。実際に既卒の人を新卒枠で受け付けているかどうかは、会社によって違います。 応募したい会社がある場合は、募集要項を読み、わからなければ採用担当者に確認しましょう。
数字で見ると珍しくないのに、なぜ「やばい」と言われるのでしょうか。主な理由は、次のように整理できます。
つまり、「第二新卒・既卒・フリーターだから不利」なのではなく、「説明できないこと」と「動き出しが遅れること」が不利につながりやすいと考えられます。
「珍しくないから大丈夫」とだけ書くのは、正直ではありません。第二新卒・既卒・フリーターの転職で、実際に不利になりやすい点も整理します。
| 不利になりやすい点 | なぜそうなるか | できる対策 |
|---|---|---|
| 辞めた理由・空白の期間を聞かれる | 同じ理由でまた辞めないかを、会社は確かめたい | 事実は短く、振り返りと次の行動をセットで話す |
| 応募できる求人の幅が狭い | 経験者向けの求人には応募しにくい | 未経験から入る人が多い職種に絞る |
| 入社時の年収が低めになりやすい | 未経験の入口の仕事は、平均年収が低めに出やすい | 入社後に経験を積んで、担当を広げる道を選ぶ |
| 社会人としての経験を説明しにくい | 正社員の経験が短い、またはない | アルバイトや前職でしてきたことを、具体的に書き出す |
面接で、辞めた理由や空白の期間を聞かれることは多くあります。ここで大切なのは、うそをつかず、言い訳をせず、短く話すことです。そのあとに「そこから何を学んで、今どう動いているか」を続けます。
第二新卒・短期離職の方の退職理由の伝え方と例文は、IT転職の退職理由の伝え方に「第二新卒・短期離職の方へ」という節でまとめています。この記事では例文はくり返さず、考え方だけお伝えします。
フリーターの方から「正社員の経験がないので、話せることがない」と相談されることがあります。しかし、アルバイトでも、仕事は仕事です。
こうした経験は、ITの運用・監視やヘルプデスクの仕事と、つながる部分があります。職務経歴書の書き方は、IT転職の職務経歴書の書き方で解説しています。
CAの現場から:面談で最初によく聞くのは、「正社員の経験が少なくても大丈夫か」「資格がなくても採用されるか」「入社後についていけるか」といった不安です。当社ではまず、未経験の採用では、これまでの経歴だけでなく、学習への意欲や仕事への姿勢も見られていることをお伝えしています。
第二新卒・既卒・フリーターの方が転職先を考えるとき、ITエンジニアは選択肢の一つになります。理由は、未経験から入る人が多い入口の仕事があるからです。
当社(キャリアカンパニー)の紹介実績では、2025年8月〜2026年7月にインフラ職に入社した178名のうち、140名は前職がIT以外の方でした。当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではありません。また、この140名の前職の内訳(第二新卒・既卒・フリーターが何名か)は集計していません。それでも、ITの経験がない状態からインフラの仕事に就く人が多いことは、読み取れます。
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなど、システムの土台を支える仕事です。未経験の方が最初に担当することが多いのは、次のような仕事です。
| 仕事 | 主な内容 | dodaの平均年収(経験者を含む) |
|---|---|---|
| 運用・監視・保守 | システムが止まっていないかを見守り、異常があれば手順に沿って対応する | 389万円 |
| ヘルプデスク | 社内外からのパソコンやシステムの問い合わせに答える | 362万円 |
| テクニカルサポート | 製品やシステムについての技術的な問い合わせに対応する | 432万円 |
(出典:doda 平均年収ランキング2025。調査期間2024年9月〜2025年8月。経験者を含む平均です)
それぞれの仕事のくわしい内容は、監視業務とは、未経験からヘルプデスクへで解説しています。
ここで知っておいてほしいのは、運用・監視の求人は、プログラミングを書く仕事ではないということです。「エンジニア=プログラミング」と思って応募すると、入社後に「思っていたのと違う」となりやすいので注意してください。
運用・監視やヘルプデスクは「入口」です。経験を積むと、サーバーやネットワークを組み立てる「構築」、全体の形を決める「設計」へと、担当を広げていく道があります。
当社の自社集計では、運用・監視を3年以上経験し、資格も持っていた方20名のうち19名が、入社後半年ほどで構築・設計の業務を担当していました(対象が20名と少ないため、参考値です)。
当社では、最初の3年ほどは現場で経験を積み、1〜2年での早い転職は避けることをおすすめしています。第二新卒の方にとっては特に大切な考え方です。次の会社では、腰を据えて経験を積める環境を選びましょう。
「ITに来れば、すべて解決する」わけではありません。インフラの入口の仕事には、次のような特徴があります。
| 特徴 | 内容 | 合わないかもしれない人 |
|---|---|---|
| 夜勤・シフトがある | 夜勤の一例は、夕方17〜18時から翌朝9〜10時まで働き、翌日が休み。夜勤と日勤が混ざる場合もある | 生活リズムを変えるのがどうしても難しい人 |
| 最初は土日休みが難しい場合がある | 最初の数年は、土日祝の休みが取りにくい場合がある。年間休日は120日を超えるケースが多い | 土日祝の休みを最優先にしたい人 |
| 手順を守る仕事が多い | 決められた手順どおりに確認し、記録を残す | 自分のやり方で進めたい気持ちが強い人 |
| 学び続ける必要がある | 資格や新しい技術の勉強が、入社後も続く | 仕事の外で勉強する時間を取るのが苦痛な人 |
夜勤のある働き方は、インフラエンジニアの夜勤でくわしく解説しています。自分に向いているかどうかは、インフラエンジニアに向いている人で確認できます。
反対に、「コツコツ確認する作業が苦にならない」「人の役に立っている実感がほしい」「手に職をつけたい」という方には、合いやすい仕事だと考えられます。合わないと感じたら、無理にITを選ぶ必要はありません。ほかの道と比べて、自分に合う仕事を選ぶことが大切です。
ここからは、実際に動き出すときの進め方です。
| 段階 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 振り返る | これまでの仕事やアルバイト、辞めた理由、空白の期間を書き出す | 面接で話す材料になる |
| 2. 仕事を知る | 運用・監視、ヘルプデスクなど、入口の仕事の内容と働き方を調べる | 夜勤やシフトに対応できるかを確かめる |
| 3. 学び始める | ITの基礎を学び、資格の勉強を始める | 「学んでいる事実」が意欲の証明になる |
| 4. 書類を整える | 履歴書・職務経歴書に、経験と学習の内容を書く | アルバイトの経験も具体的に書く |
| 5. 応募・面接 | 未経験の方を受け入れている会社に応募する | 研修や入社後の育て方を確認する |
最初にやるのは、求人を探すことではなく、自分の振り返りです。これまでの仕事やアルバイトで、何をしてきたか。なぜ辞めたのか(なぜ正社員にならなかったのか)。そして、なぜITの仕事をしたいのか。
この3つが言葉になっていないと、面接で話がつながりません。
入口の仕事の内容に加えて、夜勤があるか、土日休みか、どこで働くかまで確かめましょう。前の仕事を辞めた理由が「生活リズムがつらかった」という方が、夜勤のある仕事を選ぶと、同じことをくり返すおそれがあります。辞めた理由を、次の会社で確認する条件に置き換えて考えることが大切です。
未経験の方の場合、会社は「今できること」よりも「これから学んでいけるか」を見ています。ITの基礎の勉強を始めていることは、その証拠になります。
最初の一歩としては、ITの基礎知識を広く学べるITパスポート、インフラの仕事に近いCCNA(ネットワーク)やLinuC(サーバー)などがよく選ばれます。どの資格から始めるかは、IT転職に有利な資格を参考にしてください。
資格の勉強とあわせて、入社前に進めておくと役立ちやすい準備は次のとおりです。
キャリアカンパニーでは、CCNA・LPICなどの無料学習カリキュラムも用意しています。
職務経歴書には、正社員の経験だけでなく、アルバイトの経験や、空白の期間にしていた学習も書いてかまいません。空白の期間を隠そうとすると、面接で聞かれたときに話がずれてしまいます。
未経験の方を受け入れている会社でも、入社後の研修や、現場での教え方は会社によって違います。面接では、次のような点を確認しましょう。
面接でよく聞かれる質問と答え方は、インフラエンジニアの面接でよく聞かれる質問にまとめています。
第二新卒・既卒・フリーターの方は、「未経験歓迎」「学歴不問」と書かれた求人に応募することが多くなります。求人の数が多い分、中身をよく確認することが大切です。
| 確認する項目 | なぜ確認するか |
|---|---|
| 最初に担当する仕事 | 「エンジニア」と書いてあっても、ITと関係の薄い仕事の場合がある |
| 固定残業代の有無・時間・金額 | 固定残業代を除いた基本給が、見かけより低い場合がある |
| 夜勤・シフトと手当 | 夜勤手当が年収に含まれているかで、実際の給与が変わる |
| 会社の立ち位置(商流) | 商流が深いと、単価と給与が上がりにくい傾向がある |
厚生労働省は、固定残業代を賃金に含める場合、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業の時間数と金額、それを超えた分を追加で支払うことを、求人票などに明示するよう求めています。ここが書かれていない求人は、応募の前に確認しましょう。
求人の見極め方は、未経験インフラエンジニア求人の見極め方とブラックなIT企業の見分け方で解説しています。
当社の紹介実績では、前職がIT以外でインフラ職に入社した未経験者140名の、入社時の想定年収の中央値は320万円でした(前職の年収の中央値は300万円)。当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではありません。
また、インフラ職に入社したIT経験者38名は、前職330万円、入社時420万円(いずれも中央値)でした。対象も人数も違うため単純には比べられませんが、経験を積むと、入社時の年収の水準が変わるという方向性は読み取れます。
入社してから1年以内の定着率は98%でした(当社の紹介実績)。当社では、面談から内定までの中央値は40日、応募の平均は5社、内定の平均は4社です。くわしい集計の定義は、インフラエンジニア転職の実態データにまとめています。
空白の期間は、正直に・短く・今の行動とセットで
空白の期間やフリーターの期間について、当社がお伝えしているのは次の3点です。
新卒枠と中途の未経験枠、どちらで応募するか
既卒の方には、新卒枠と中途の未経験枠の両方を確認して、選択肢を広げることをおすすめしています。新卒枠は、卒業年度や卒業後の年数などの応募条件が会社ごとに違います。中途の未経験枠は、入社の時期を合わせやすい一方で、社会人としての基本的な対応力を求められる場合があります。
インフラの仕事をおすすめしないとき
ITの技術に興味がなく、学び続けることにも強い抵抗がある場合は、インフラの仕事はおすすめしていません。夜勤やシフト勤務が難しい場合も、希望に合う求人があるかを慎重に確認します。ただし、インフラの仕事すべてに夜勤があるわけではありません。
「やばいかどうか」を考える時間を、「何から始めるか」に使ってください
第二新卒・既卒・フリーターであることに、不安を感じるのは自然なことです。ただ、不安なまま時間がたつと、応募できる求人が少しずつ減っていくのも事実です。完璧に準備がそろうのを待つより、振り返りと情報集めから始めることをおすすめします。
第二新卒・既卒・フリーターからのIT転職を相談したい方へ
これまでの経験や辞めた理由、空白の期間の話し方、インフラの仕事が自分に合うかどうかを、キャリアアドバイザーと一緒に整理できます(オンライン・60分)。
日程を選んで無料相談を予約する入社数年以内に辞めることは、珍しくありません。厚生労働省の調査(令和5年3月卒)では、大学卒の就職後3年以内の離職率は31.2%でした。ただし、面接では辞めた理由と、次の会社でどう続けるかを聞かれます。短く、前向きに話せるように準備しておくことが大切です。
大卒でフリーターであること自体が、すぐに不利になるわけではありません。一方で、期間が長くなるほど、空白の説明が難しくなったり、応募できる求人が少なくなったりしやすいのは事実です。正社員を目指すなら、早めに動き出すことをおすすめします。
厚生労働省の青少年雇用機会確保指針では、会社は卒業後少なくとも3年間は、新卒の採用枠に応募できるようにすべきとされています。ただし、実際の扱いは会社によって違います。募集要項を読み、わからなければ採用担当者に確認してください。
未経験から入る人が多い仕事として、インフラの運用・監視やヘルプデスクがあります。当社の紹介実績では、インフラ職に入社した178名のうち140名が前職IT以外の方でした。ただし、夜勤やシフトがある場合も多く、誰にでも合う仕事ではありません。仕事の内容と働き方を確かめてから応募しましょう。
インフラの運用・監視の求人は、プログラミングを書く仕事ではありません。システムが正常に動いているかを見守り、手順に沿って対応するのが主な仕事です。プログラミングを書く仕事をしたい方は、職種の選び方から考え直す必要があります。
資格がなくても応募できる求人はあります。ただ、未経験の方の場合、資格の勉強を始めていることは「学ぶ意欲」を伝える材料になります。ITパスポートやCCNA、LinuCなどがよく選ばれます。
当社では、最初の3年ほどは現場で経験を積み、1〜2年での早い転職は避けることをおすすめしています。第二新卒の方は、次の会社を選ぶ段階で、長く経験を積める環境かどうかを確かめておきましょう。
学歴に不安がある方は高卒・中卒からITエンジニアになれる?、IT企業に入ってから「向いていない」と感じている方はエンジニアを辞めたい・向いてないと感じたらも参考にしてください。
第二新卒・既卒・フリーターは一般的な呼び方で、法律上の定義はありません。この記事の「やばいと言われる理由」「不利になりやすい点」は一般的な傾向を整理したもので、集計した数字ではありません。自社集計の数字は当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではなく、前職が第二新卒・既卒・フリーターだった方の人数は集計していません。新卒枠の扱いや雇用に関する制度は、応募先の会社や公的機関の窓口で確認してください。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。