
転職が怖い・不安で動けない人へ|怖さの正体の分け方と、小さく始める進め方
転職が怖い。今の仕事に不満はあるのに、一歩が出ない。そう感じるのは、あなたが臆病だからではありません。転職は、収入や生活、人間関係がまとめて変わる出来事です。怖いと感じるのは、自分の暮らしを大事にしている証拠でもあります。

この記事では、転職が怖いと感じる理由の整理、怖さを小さくする具体的な行動、20代と30代での違い、転職しないほうがよい場合、未経験から入りやすいIT職という選択肢を順番に解説します。
「転職が怖い」という気持ちの中には、たいてい、いくつもの不安が混ざっています。まずは、よくある6つに分けてみましょう。
| 怖さの正体 | 頭の中の声 | 小さくするための手 |
|---|---|---|
| 失敗への不安 | 次の会社が今より悪かったらどうしよう | 求人の見方を覚え、面接で働き方を確かめる |
| 年収が下がる不安 | 生活が苦しくなったら困る | 今の給与の内訳と、生活に必要な額を知る |
| 人間関係の不安 | 新しい職場になじめるか心配 | 面接や職場の説明で、チームの様子を聞く |
| 自分に何ができるかの不安 | 自分には売りになるものがない | 今の仕事でしてきたことを書き出す |
| 年齢の不安 | もう遅いのではないか | 年齢ごとに見られやすい点を知る |
| 周りの目の不安 | 家族や同僚にどう思われるか | 決めるのは自分。話す順番と時期を考える |
6つのうち、どれが一番大きいかが分かるだけで、次にすべきことはかなり絞れます。すべてを一度に片づける必要はありません。
一番多いのが、この不安です。転職先が合わなかったら、もう戻れない。そう考えると、足がすくみます。
ただ、失敗の多くは「入る前に確かめなかったこと」から起きます。勤務時間、休日、残業の扱い、仕事の中身。こうした点を応募の前と面接で確かめれば、ずれはかなり減らせます。
たとえば、厚生労働省は、固定残業代を賃金に含める場合、基本給の額、固定残業の時間数と金額、超える分は追加で払うことを、はっきり示すよう求めています。求人票にこうした書き方があるかを見るだけでも、会社選びの目が育ちます。見分け方はブラック企業の見分け方でも紹介しています。
転職で年収が上がるか下がるかは、職種や会社、経験によって変わります。未経験の仕事に移るときは、入社時に下がることもあります。
ここで大切なのは、「下がるかどうか」だけで考えないことです。今の給与のうち、基本給・手当・残業代がいくらずつかを分けてみてください。そのうえで、毎月の生活に最低いくら必要かを出しておくと、「ここまでなら下がっても大丈夫」という線が引けます。線が引けると、不安はぐっと具体的になります。
新しい職場では、誰でも最初は「新人」です。人間関係の不安は、入ってみないと分からない部分もあります。
一方で、面接は会社があなたを見る場であると同時に、あなたが会社を見る場でもあります。「配属先は何人くらいのチームですか」「入社後は誰に教わりますか」と聞くのは、失礼なことではありません。答え方から、職場の雰囲気が見えることもあります。
「自分には特別なスキルがない」と感じる方は多いです。ただ、毎日の仕事の中には、他の職場でも使える力が隠れています。
決められた手順を守る、ミスなく記録する、お客さまや同僚に分かりやすく伝える、急なトラブルに落ち着いて対応する。これらは、どの職場でも大切にされる力です。まずは、今の仕事で「毎日していること」を10個書き出してみてください。
20代でも30代でも、「もう遅いのでは」と感じる方はいます。年齢によって見られやすい点は変わりますが、それは「遅い」ということではありません。くわしくは、この後の「20代・30代の違い」で整理します。年齢と未経験転職の関係は未経験転職は何歳まででも解説しています。
家族に反対されたら、職場の人に知られたら。こうした不安も、動けない理由になりがちです。
転職活動は、内定が出るまで職場に話す必要はありません。家族には、考えがまとまった段階で、理由と見通しをセットで話すと伝わりやすくなります。ただし、内定が出る前に「辞めます」と伝えるのは避けましょう。退職の時期を自分で選べなくなることがあるからです。
転職が怖いと感じる方からは、一般的に「転職先が決まるか」「今より環境が悪くならないか」「未経験でも通用するか」といった不安がよく聞かれます。求人の選択肢や選考の進め方を具体的に知るだけでも、不安が小さくなることがあります。
怖さは、考えているだけではなかなか小さくなりません。逆に、小さく動くと、少しずつ軽くなります。ここでは、今の仕事を続けながらできる4つの行動を紹介します。

| 行動 | 具体的にすること | 怖さが小さくなる理由 |
|---|---|---|
| 1. 在職中に動く | 辞めずに、情報集めや書類づくりから始める | 収入が途切れず、断る選択肢も残る |
| 2. 情報を集める | 求人を見て、仕事の中身・給与・休日を比べる | 「分からない」が「知っている」に変わる |
| 3. 小さく試す | 職務経歴書を書く、1社だけ話を聞く、学習を始める | 実際にやると、思ったより進められると分かる |
| 4. 相談する | 信頼できる人や転職の相談先に話す | 頭の中が整理され、見落としに気づける |
怖さを小さくするうえで一番大きいのが、今の仕事を辞めずに動き始めることです。収入が続いているので、焦って決める必要がありません。合う会社が見つからなければ、今の職場に残るという選択もできます。
退職してから活動すると、時間はとりやすい反面、「早く決めないと」という焦りが生まれます。焦りは、会社選びの目を曇らせます。在職中の進め方は在職中の転職活動でくわしく解説しています。
人は、知らないことを大きく怖がります。転職サイトで、気になる職種の求人を10件ほど眺めてみてください。仕事の中身、給与の幅、休日、勤務時間。見比べるうちに、「この条件なら今と変わらない」「ここは今より良さそう」と、自分の基準ができていきます。
この段階では、応募しなくてかまいません。「見るだけ」でも、転職は少し身近なものになります。
いきなり応募するのが怖ければ、失うもののない一歩から始めましょう。
職務経歴書を書くと、自分の経験が言葉になります。「何もない」と思っていた人も、書き出すと意外に材料があることに気づきます。書き方はIT転職の職務経歴書も参考にしてください。
怖さは、一人で考えていると大きくなりやすいものです。家族や友人、信頼できる先輩に話すだけでも、気持ちは整理されます。
転職エージェントのような相談先を使う方法もあります。求人の見方や、自分の経験の伝え方を一緒に考えられます。相談したからといって、転職しなければならないわけではありません。話を聞いたうえで「今は動かない」と決めてもよいのです。
同じ「転職が怖い」でも、20代と30代では、気になる点や見られやすい点が少し違います。
| 観点 | 20代 | 30代 |
|---|---|---|
| よくある怖さ | 経験が浅く、何をアピールすればよいか分からない | 年齢が上がり、未経験の仕事に移れるか不安 |
| 見られやすい点 | 学ぶ意欲、素直さ、これからの伸びしろ | これまでの経験、仕事の進め方、続ける覚悟 |
| 進め方のコツ | やりたい方向を一つ決め、学習を始める | 今の経験の何が次で使えるかを言葉にする |
20代の転職では、経験の長さより、学ぶ姿勢やこれからの伸びしろを見てもらえることが多いです。「まだ何もできない」と感じていても、それ自体は大きな弱みになりにくい時期です。
一方で、短い期間で何度も職場を変えていると、「次もすぐ辞めるのでは」と心配されることがあります。今の職場を辞めたい理由と、次で何をしたいかを、筋の通った形で話せるようにしておきましょう。20代から未経験でITを目指す話は20代未経験からインフラエンジニアにまとめています。
30代になると、「未経験の仕事に移るのは遅いのでは」という怖さが強くなりがちです。たしかに、20代より、これまでの経験や仕事の進め方を見られやすくなります。
ただ、それは裏を返せば、30代には、20代にはない「現場で積んだ経験」という材料があるということです。後輩への指導、トラブル対応、お客さまとの調整。こうした経験を、次の仕事の言葉に置き換えて伝えることが大切です。30代からの進め方は30代未経験からIT転職をご覧ください。
ここまで「怖さを小さくして動く」話をしてきましたが、転職がいつも正解とは限りません。次のような場合は、今は動かないほうがよいこともあります。

| 状況 | 今は待ちたい理由 | 先にしたいこと |
|---|---|---|
| 心や体が疲れきっている | 疲れた状態では、判断がぶれやすい | 休むこと、医療機関への相談 |
| 不満が今の職場で解決できそう | 部署異動や上司との相談で変わることがある | 社内で相談できる人に話す |
| 「今から逃げたい」だけで、次がない | 次の職場でも同じ不満が出やすい | 次にしたいこと、避けたいことを書き出す |
| 生活の見通しが立っていない | お金の不安が、焦った決断につながる | 生活に必要な額と、今の蓄えを確かめる |
眠れない日が続く、朝になると体が動かない、出勤を考えると涙が出る。こうしたサインがあるときは、転職の判断より先に休むことを優先してください。医療機関や、公的な相談窓口に相談することも大切です。休職や退職の手続きは、勤め先の担当者や公的機関の窓口で確認しましょう。
情報を集めて、話を聞いて、それでも「今の職場で続けよう」と決めたなら、それは逃げではありません。比べたうえで選んだ答えです。外の求人を知ったことで、今の職場の良い点に気づく人もいます。
キャリアカンパニーの現場から|「今は急がなくてよい」とお伝えする場面
まだ転職を慎重に考えている段階の方には、早まって動かないほうがよいとお伝えしています。体調がすぐれないときも同じです。
今の職場で希望する経験が積める場合や、転職の理由・希望の条件がまだ整理できていない場合は、急いで退職せず、まず情報を集めるところから始めることをおすすめしています。
転職先を考えるとき、選択肢の一つになるのがIT職です。プログラミングのイメージが強いかもしれませんが、IT職の中には、未経験から入りやすい仕事もあります。
未経験からの入り口として代表的なのが、次の2つです。
当社の面談では、運用・監視の求人はプログラミングを書く仕事ではないとお伝えしています。当社の紹介実績では、インフラ職に入社した178名のうち140名が、前職がIT以外の方でした。IT以外の仕事から移ってくる方は少なくありません。
IT職に移れば、今の悩みが全部なくなるわけではありません。ITにはITの大変さがあります。正直にまとめます。
| 観点 | 合いやすい人 | 慎重に考えたい人 |
|---|---|---|
| 学ぶこと | 新しい知識を少しずつ覚えるのが苦でない | 勉強を続けることに強い抵抗がある |
| 仕事の進め方 | 手順どおりに、正確に進めるのが得意 | 決まりより、自分のやり方で動きたい |
| 働き方 | 夜勤やシフトを受け入れられる、または日勤の求人を選んで探せる | 夜勤も土日の出勤も、どうしても避けたい |
| 仕事の相手 | パソコンに向かう時間が長くても平気 | 人と直接ふれあう仕事にやりがいを感じる |
当社の面談では、運用・監視の仕事には夜勤がある場合があり、夕方17〜18時から翌朝9〜10時まで勤務して翌日は休み、という例をお伝えしています。夜勤と日勤が混ざる場合や、最初の数年は土日祝休みが難しい場合もあります。一方で、年間休日は120日を超えるケースが多いこともお伝えしています。夜勤の実情はインフラエンジニアの夜勤で解説しています。向き不向きはインフラエンジニアに向いている人も参考にしてください。
転職サービスのdodaが公開している「平均年収ランキング2025」では、関係する職種の平均年収は次のとおりです。これは経験者を含めた平均で、未経験で入社した直後の年収とは違います。
| 職種(doda) | 平均年収 |
|---|---|
| ヘルプデスク | 362万円 |
| 運用/監視/保守 | 389万円 |
| (参考)全職種 | 429万円 |
当社の紹介実績では、前職がIT以外でインフラ職に入社した未経験者140名の、入社時の想定年収の中央値は320万円でした(前職の中央値は300万円)。今の給与によっては、入社時に下がる場合もあります。年収の伸び方はインフラエンジニアの年収でくわしく紹介しています。
また、当社では、最初の3年は現場の経験を積む前提で考え、1〜2年での早い転職は避けるようお伝えしています。当社の紹介実績では、入社後1年以内の定着率は98%、面談から内定までの中央値は40日でした。入社した方の全体像は入社201名の実態データで公開しています。
キャリアカンパニーの現場から|最初の一歩としておすすめしていること
転職活動を始めても、転職すると決めなければいけないわけではありません。まずは、自分の市場価値を知ることから始めてみてください。
甘えではありません。転職は、収入や生活、人間関係がまとめて変わる出来事です。怖いと感じるのは自然なことです。大切なのは、怖さを失敗・年収・人間関係・自分に何ができるか・年齢・周りの目などに分けて、どれが一番大きいかを知ることです。分けると、打てる手が見えてきます。
今の仕事を辞めずに、失うもののない一歩から始めましょう。怖さの正体を紙に書き出す、気になる職種の求人を見比べる、職務経歴書を下書きする、といった行動です。応募しなくてもかまいません。小さく動くと、「思ったより進められる」と感じやすくなります。
気になる点が少し違います。20代は「経験が浅く、何をアピールすればよいか分からない」、30代は「未経験の仕事に移れるか」という不安が多く聞かれます。20代は学ぶ意欲やこれからの伸びしろ、30代はこれまでの経験や仕事の進め方を見られやすい傾向があります。
入る前に確かめることで、ずれはかなり減らせます。勤務時間、休日、残業の扱い、仕事の中身を、求人票と面接で確かめましょう。固定残業代がある場合は、基本給の額や固定残業の時間数と金額、超える分の支払いが示されているかを見ることも大切です。
心や体が疲れきっているとき、不満が今の職場で解決できそうなとき、「今から逃げたい」だけで次にしたいことがないとき、生活の見通しが立っていないときです。まず休む、社内で相談する、次にしたいことを書き出すなど、先にしたいことがあります。
怖さを感じるのは自然です。運用・監視やヘルプデスクは、未経験から入りやすい仕事です。当社の紹介実績では、インフラ職に入社した178名のうち140名が、前職がIT以外の方でした。ただし、学び続けることや、夜勤を含む働き方が合うかは、事前に考えておきましょう。
そんなことはありません。相談は、怖さの整理や、求人の見方、自分の経験の伝え方を考えるための場です。話を聞いたうえで「今は動かない」「今の職場で続ける」と決めてもかまいません。
出典(確認日:2026年11月4日):doda「平均年収ランキング」職種別/全体(調査期間2024年9月〜2025年8月・経験者を含む平均)。厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」(PDF)。キャリアカンパニー自社集計(2025年8月〜2026年7月入社の201名)は当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではありません。夜勤・休日などの働き方は、当社の面談でお伝えしている内容をまとめたもので、集計した数字ではありません。休職・退職の手続きや制度は、勤め先の担当者や公的機関の窓口で確認してください。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。