
CompTIAとは?資格の種類(A+・Network+・Security+など)と、未経験のインフラ・セキュリティ転職での使い方
CompTIA(コンプティア)は、IT分野の認定資格を提供している団体です。公式サイトでは、テクノロジー人材向けのベンダーニュートラル(特定のメーカーの製品に偏らない)な認定機関と紹介されています。
この記事では、CompTIAの公式サイト(確認日:2026年11月4日)の情報をもとに、CompTIAの資格の種類と試験の概要、国内資格やCCNA・LinuCとの違い、未経験からの取得順を解説します。IT転職で評価されやすい資格を全体で見たい方は、IT転職に有利な資格もあわせてご覧ください。
CompTIAは、IT業界の認定資格を提供している団体です。日本語の公式サイトもあります。
CompTIAの資格の大きな特徴は、特定のメーカーの製品を前提にしていないことです。たとえばCCNAはシスコシステムズの資格なので、シスコ製品を例に学びます。一方、CompTIAの資格は、どのメーカーの機器やサービスを使う現場でも共通する考え方を問う作りになっています。
ベンダーとは、機器やソフトウェアを作って売る会社のことです。ベンダーニュートラルとは、特定の会社の製品に偏らないという意味です。
| 種類 | 例 | 学ぶ内容の特徴 |
|---|---|---|
| ベンダーニュートラル資格 | CompTIA、LinuC、LPIC | 製品に関係なく使える、共通の知識 |
| ベンダー資格 | CCNA(シスコ)、クラウド各社の資格 | その会社の製品・サービスを使った知識 |
| 国家資格・国家試験 | ITパスポート、基本情報技術者、情報処理安全確保支援士 | 日本の制度にもとづく、幅広いITの知識 |
「どの職場で、何の仕事をしたいか」で選ぶ資格が変わると考えてください。
CompTIAの公式サイトには、多くの認定資格が掲載されています。ここでは、インフラ・セキュリティの仕事に関係が深い資格に絞って紹介します。対象分野は、公式サイトに書かれている職種をもとにしています。
| 資格 | 対象分野(公式サイトの職種) | 向いている人 |
|---|---|---|
| A+ | ヘルプデスクサポートスペシャリスト | パソコンやサポートの基礎から学びたい人 |
| Network+ | ネットワーク管理者など | ネットワークの基礎を、製品に偏らず学びたい人 |
| Security+ | セキュリティアナリスト、セキュリティエンジニア、システム管理者 | インフラ経験があり、セキュリティへ広げたい人 |
| Linux+ | Linuxシステム管理者、システムエンジニアなど | Linuxサーバーの運用経験がある人 |
| Cloud+ | システム管理者、クラウドエンジニアなど | サーバー・クラウドの実務経験がある人 |
| Server+ | ネットワーク管理者(公式サイトの分類) | サーバー機器の扱いを学びたい人 |
| CySA+ | セキュリティアナリスト | セキュリティ監視・分析の実務に進みたい人 |
| PenTest+ | ペネトレーション&脆弱性テスター/アナリスト | 脆弱性診断など、攻撃側の視点を学びたい人 |
このほか、AI・データなどの資格もあります。最新の一覧は公式サイトで確認してください。
A+は、公式サイトで「ITキャリアをスタートさせるために必要とされる業界標準のスキル」が網羅された資格と紹介されています。Core 1(ハードウェアとネットワーク)とCore 2(オペレーティングシステムとセキュリティ)の2つの試験に合格することで認定されます。
Network+は、ネットワークの接続・構成・クラウド・監視・トラブルシューティング・セキュリティなどのスキルを問う資格です。公式サイトでは、推奨される経験として、A+相当の知識と、ネットワーク管理・サポートでの9〜12か月の実務経験が挙げられています。
Security+は、公式サイトで、サイバーセキュリティの主要な業務に必要な実践的なスキルを証明する、グローバルに認知された資格と紹介されています。検索されることの多い資格ですが、推奨される経験は「Network+」とセキュリティ/システム管理の職務での2年間の経験です。未経験の最初の1つというより、インフラの経験を積んだ人が次に取る資格と考えるのが自然です。
Linux+は、クラウドやハイブリッド環境でLinuxシステムを管理・保護・自動化・トラブルシューティングする力を問う資格です。Cloud+は、クラウドインフラのスキルを評価する資格です。どちらも推奨経験に実務経験が挙げられており、未経験の最初の資格には向きにくいと考えられます。
公式サイトで今日確認できた試験の情報を、まとめます。受験料は国や時期で変わるため、この記事では書いていません。申し込み前に公式サイトで確認してください。
| 資格(バージョン・試験番号) | 問題数・試験時間・合格ライン | 日本語での受験 |
|---|---|---|
| A+(V15:220-1201/220-1202) | 各試験 最大90問・90分。合格ラインはCore 1が675、Core 2が700(100〜900のスコア) | 対応(V15の日本語試験は2025年11月6日に提供開始) |
| Network+(V9:N10-009) | 最大90問・90分・720(900点満点) | 対応(2024年8月27日に配信開始) |
| Security+(V7:SY0-701) | 最大90問・90分・750以上(100〜900のスコア) | 対応 |
| Linux+(V8:XK0-006) | 最大90問・90分・720(100〜900のスコア) | 公式サイトでは「英語のみの提供」 |
| Cloud+(CV0-004) | 最大90問・90分・750以上(100〜900のスコア) | 対応(2024年11月15日に配信開始) |
出題の形式は、選択式(1つまたは複数を選ぶ)に加えて、パフォーマンスベースの問題が含まれます。パフォーマンスベースとは、画面上で設定や操作をしたり、状況に合わせて答えを組み立てたりする形式のことです。
公式サイトでは、Security+の新しいバージョン(V8)が2026年11月17日頃に提供開始予定と案内されています。あわせて、今すぐ受験したい人にとっては、現行のV7も有力な選択肢だと書かれています。V8の日本語試験の提供時期は、公式サイトで最新情報を確認してください。
CompTIAの公式サイトでは、合格率は公表されていません。勉強時間の目安も公式には示されていません。ネット上の数字は、それぞれのサイトの推定です。自分の経験や学習の進み具合に合わせて計画を立てることをおすすめします。
CompTIAの資格には、3年間の更新サイクルがあります。公式サイトでは、資格を取得した日から3年が更新サイクルと説明されています。更新は「継続教育(CE)プログラム」で行います。
| 更新の方法 | 内容(公式サイトの説明) |
|---|---|
| CertMaster CEコースを修了する | A+・Network+・Security+が対象。コース費用に継続教育料金が含まれる |
| 最新版の試験に合格する | 最新バージョンのCompTIA試験に合格すると更新される |
| 上位の資格を取る | 上位レベルの認定を取得すると更新される(資格によって異なる) |
| 活動を証明して提出する | 承認された活動で単位(CEU)を集めて提出し、継続教育料金を払う |
一度取ったら終わりではない点は、国内の国家試験(ITパスポート・基本情報技術者など)との大きな違いです。必要な単位数や料金は資格によって異なるため、取得後は公式サイトで確認してください。
CompTIAを検討するとき、多くの人が迷うのが「国内の資格や、CCNA・LinuCとどちらを取るべきか」です。それぞれの位置づけを整理します。
| 資格 | 主な分野 | CompTIAとの違い |
|---|---|---|
| ITパスポート | ITの基礎知識(社会人全般) | 国家試験。IT全般の入門で、インフラの専門性は浅め |
| 基本情報技術者 | ITエンジニアの基礎 | 国家試験。プログラミングやアルゴリズムも含む |
| 情報処理安全確保支援士 | セキュリティ(高度) | 国家資格。国内のセキュリティ資格として名前が知られている |
| CCNA | ネットワーク | シスコの資格。国内のインフラ求人で目にすることが多い |
| LinuC | Linuxサーバー | 日本の団体(LPI-Japan)の資格。国内向けで日本語の教材が多い |
ITパスポートや基本情報技術者は、ITの土台を広く学ぶ国家試験です。一方、CompTIAは分野を選んで、その分野の実務に近い知識を問う作りです。ITの全体像をつかみたい段階なら、国家試験から始める方法もあります。くわしくはITパスポートは転職に役立つ?をご覧ください。
ネットワークならCCNA、LinuxならLinuCが、国内のインフラの求人や現場で話題にしやすい資格です。Network+やLinux+と学ぶ内容は重なる部分がありますが、国内の未経験向けの求人で名前が出やすいのはCCNA・LinuCというのが一般的な傾向です。CCNAはCCNAとは、LinuCはLinuCとはで解説しています。LPICと比べたい方はLPICとはもご覧ください。
情報処理安全確保支援士は、国内のセキュリティの国家資格です。セキュリティの専門職として名前が知られている一方、難しい試験です。Security+は、公式サイトで「グローバルに認知された」資格と紹介されており、世界共通の基準として示しやすいのが特徴です。くわしくは情報処理安全確保支援士の難易度で解説しています。
CompTIAは、外資系の企業や、海外とやり取りのあるセキュリティ部門などでは知られていることがあります。英語圏の求人では、Security+などの名前を見かけることもあります。
一方で、国内の未経験向けのインフラ求人では、CCNA・LinuC・LPICなどの名前のほうが多く見られます。CompTIAを持っている場合は、「何を学び、何ができるようになったか」を自分の言葉で説明できるようにしておくと、評価が伝わりやすくなります。
キャリアカンパニーの現場から|求人・選考での評価
Security+は、セキュリティの基礎知識を示す資格として、SOCやセキュリティ運用などの求人で評価の材料になる場合があります。一方で、国内企業では、求人によって認知度や評価が異なります。
当社では、未経験からインフラ・セキュリティを目指す方に、次のような順番をおすすめしています。
| 段階 | やること | 関係する資格の例 |
|---|---|---|
| 1. 基礎を固める | ネットワーク・Linuxの基本を学ぶ | CCNA、LinuC(LPIC)、ITパスポート |
| 2. 実務に入る | 運用・監視などで現場の経験を積む | 学んだ内容を現場で確かめる |
| 3. 分野を広げる | 構築・設計、クラウド、セキュリティへ | Security+、Cloud+、Linux+ |
| 4. 専門性を高める | セキュリティを専門にする | 情報処理安全確保支援士、CySA+など |
セキュリティの仕事は、ネットワークやサーバーの仕組みを知っていることが前提になります。どこからどんな通信が来ているのか、サーバーのどこに問題があるのかがわからないと、守る対象も見えません。
そのため、セキュリティを目指す方でも、まずはネットワーク・サーバーの基礎を学び、インフラの現場を経験することをおすすめしています。基礎を学ぶ方法は、インフラエンジニアの勉強法にまとめています。
なお、キャリアカンパニーでは、CCNA・LPICなどの無料学習カリキュラムを用意しています(/school/)。
Security+の推奨経験は、公式サイトで「Network+」とセキュリティ/システム管理の職務での2年間の経験とされています。情報処理安全確保支援士も、実務の知識がないと理解しにくい試験です。インフラの実務を経験したあとに取るほうが、内容が身につきやすく、面接でも経験と結びつけて話せます。セキュリティ資格の順番は、セキュリティ資格のロードマップでくわしく解説しています。仕事の大変さも知っておきたい方は、セキュリティエンジニアはやめとけ?もご覧ください。
キャリアカンパニーの現場から|セキュリティを目指す方に最初に勧める資格
当社では、まずネットワークの基礎を学べるCCNAをおすすめしています。セキュリティの知識を直接学びたい場合は、情報セキュリティマネジメント試験やSecurity+も選択肢になります。
次のような方は、CompTIAから学び始める選択もあります。
ヘルプデスクからインフラへ進む道は、ヘルプデスクからインフラエンジニアへで解説しています。
キャリアカンパニーの現場から|未経験の方にCompTIAを勧めるか
場合によります。セキュリティやITサポートを目指す方には選択肢になりますが、ネットワークエンジニア志望なら、CCNAなど希望の職種に直結する資格を優先することをおすすめしています。
CompTIAを受験すると決めたら、次の順番で進めるのがおすすめです。
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. 試験の範囲を確認する | 公式サイトで、試験番号・出題範囲・対応言語を確認する |
| 2. 基礎を学ぶ | 公式の教材や書籍で、範囲を一通り学ぶ |
| 3. 手を動かす | パフォーマンスベースの問題に備えて、実際に設定や操作を試す |
| 4. 問題演習をする | 間違えた問題の理由を説明できるまで復習する |
| 5. 受験日を決める | バージョンの切り替え時期も考えて、受験日を決める |
CompTIAの試験は、通常、配信開始から3年ほどで新しいバージョンに切り替わると公式サイトで案内されています。教材と試験のバージョンが合っていないと、学んだ内容と出題がずれることがあります。日本語で受験できるかどうかも、バージョンごとに確認してください。
面接では「なぜその資格を選んだのか」「学んで何がわかったのか」を聞かれることがあります。学んだ内容を、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
資格は「入社後の仕事につながるか」で選ぶ
当社では、未経験からインフラを目指す方に、まず入社後の仕事に直接つながる資格から取ることをおすすめしています。CompTIAは世界共通の基準で学べる良い資格ですが、国内の未経験向けの求人では、CCNAやLinuCのほうが話題にしやすい場面が多いのが実情です。
セキュリティは、インフラの経験の先にある
セキュリティを目指す方も、まずはネットワーク・サーバーの基礎と現場の経験を積むことが、遠回りに見えて近道になることがあります。どの資格から始めるか迷ったら、目指す職場と仕事から逆算して考えましょう。
資格の選び方とキャリアの順番を相談したい方へ
今の経験と目指したい分野から、どの資格をどの順番で取るとよいか、キャリアアドバイザーと一緒に整理できます(オンライン・60分)。
日程を選んで無料相談を予約するCompTIAは、IT分野の認定資格を提供している団体です。公式サイトでは、テクノロジー人材向けのベンダーニュートラル(特定のメーカーの製品に偏らない)な認定機関と紹介されています。A+・Network+・Security+などの資格があります。
資格とバージョンによって異なります。公式サイトでは、A+(V15)・Network+(V9)・Security+(V7)・Cloud+などは日本語に対応していると案内されています。Linux+(V8)は英語のみの提供です。受験前に、公式サイトで最新の対応言語を確認してください。
あります。公式サイトでは、資格を取得した日から3年が更新サイクルとされています。更新は、継続教育(CE)プログラムのコース修了、最新版の試験への合格、上位資格の取得、活動の証明の提出などの方法で行います。
公式サイトでは、推奨される経験として「Network+」とセキュリティ/システム管理の職務での2年間の経験が挙げられています。未経験の方は、まずCCNAやLinuCなどでネットワーク・サーバーの基礎を固め、実務を経験してから取ると、内容が身につきやすくなります。
国内のインフラの仕事を目指すなら、当社ではCCNAを先におすすめしています。国内の未経験向けの求人で名前が出やすく、入社後の仕事にもつながりやすいためです。外資系の企業を目指す場合など、CompTIAが合うケースもあります。
CompTIAの公式サイトでは、合格率や勉強時間の目安は公表されていません。ネット上の数字は各サイトの推定です。自分の経験や学習の進み具合に合わせて計画を立ててください。
目指す職場によって変わります。国内の企業では、情報処理安全確保支援士のほうが知られていることが多いと考えられます。外資系の企業や海外とやり取りのある部門では、Security+が知られていることがあります。どちらも、インフラの実務を経験してから取ると理解しやすい資格です。
試験の情報は、2026年11月4日にCompTIAの公式サイトで確認した内容です。試験のバージョン・対応言語・受験料は変わることがあるため、受験前に公式サイトで最新情報を確認してください。資格の評価や取得順は、キャリアカンパニーの考え方と一般的な傾向をまとめたもので、集計した数字ではありません。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。