
執筆:百瀬将悟(キャリアアドバイザー/株式会社エンデバース)|情報の確認日:2026年10月21日
英語が話せなくても、未経験からインフラエンジニアを目指せます。一方で、仕事で読む技術情報の原典は英語のものが多く、「英語を読むことへの抵抗の少なさ」は入社後に効いてきます。この記事では、次の3点を軸に整理します。
英語力や専門知識が入社の条件ではなかったことを示唆しますが、英語力そのもののデータはありませんので、「英語ができなくても全員入社できる」とは言えません。
この記事の根拠について:公式ページで確認できた事実(試験の提供言語、ドキュメントの言語)と、筆者の整理・考え方を分けて書いています。「TOEICは◯点必要」「◯年目から英語が重くなる」といった数字は、確認できる統計がないため書きません。
「英語が必要か」という悩みは、実はこの3つが混ざっています。分けて考えると、不安がかなり小さくなります。
| 種類 | 具体例 | 考え方(筆者の整理) |
|---|---|---|
| 読む | エラーメッセージ、ログ、公式ドキュメント、製品マニュアル | 多くのインフラの仕事で関わります。辞書や翻訳を併用して「意味が取れる」ことが目安です |
| 書く | ベンダーのサポートへの問い合わせ、英語のチケット | 担当する製品や契約によります。日本語の窓口があるかは製品ごとに違うため、一律には言えません |
| 話す | 海外拠点・外資系の親会社との会議や電話 | 一部の求人に限られます。該当する場合は求人票に書かれていることが一般的です |
未経験の方が転職前に気にするべきなのは、まず「読む」と、応募先が「話す」を求めているかの2点です。
「英語が必要」という話を、印象ではなく公式ページで確認しました。確認日はすべて2026年10月21日です。
| 資格・試験 | 公式ページで確認できた提供言語 |
|---|---|
| Cisco CCNA(200-301) | 日本語、英語 |
| AWS Certified Cloud Practitioner | 日本語を含む複数言語(アラビア語、英語、日本語、韓国語など) |
| AWS Certified Solutions Architect – Associate | 日本語を含む複数言語 |
| Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900) | 日本語を含む複数言語(英語、日本語、簡体中国語など) |
| LPIC-1/LPIC-2 | 日本語、英語ほか(LPIC-3も英語・日本語) |
試験の提供言語は変更されることがあります。受験前に、各社の公式ページで最新の状態を確認してください。資格ごとの学習順や難易度は、AWS資格ロードマップ、Azure資格ロードマップ、CCNAとは、LinuCとはで扱っています。
日本語で受験できても、英語と無縁になるわけではありません。たとえば、Microsoftの日本語の試験案内ページでも、出題範囲に「Compute」「Storage」のように、英字のままのサービス用語が並びます。AWSの試験案内では、日本語などの翻訳版を受験する場合も、試験中に英語の問題文を見られる切り替え機能があると書かれています。
つまり、資格学習では、日本語で理解し、用語は英字表記も一緒に覚えるのが、いちばん現実的な進め方です。
| 対象 | 確認できたこと | 意味すること |
|---|---|---|
| AWSドキュメント | 日本語版が公開されています。一部のページには「機械翻訳であり、英語版と食い違いがある場合は英語版が優先される」という趣旨の注記があります(すべてのページに同じ注記があるかは確認できていません) | 日本語で読めますが、正確さを確かめたいときは英語版を見る場面があります。URLの言語表記(ja_jp)をen_usに変えると英語版が開きます |
| Microsoft Learn | 日本語版と英語版が同じ構成で公開されています。確認した日本語ページのメタ情報には機械翻訳(MT)の表示があります | URLのja-jpをen-usに変えると英語版が開きます |
| Kubernetes公式ドキュメント | 日本語を含む翻訳版があります。翻訳版は英語版を元に作られ、翻訳を保つ役割は各言語のチームにある、と書かれています。英語版の誤りはまず英語版で直す、とも書かれています | 英語版が原典で、翻訳は後から作られる位置づけです |
ここから言えるのは、「日本語で読める情報は多いが、原典は英語」という点です。日本語版で調べ、迷ったら英語版を見比べる。この習慣があれば、英語が得意でなくても十分に前へ進めます。
| 場面 | 具体例 | 備え方 |
|---|---|---|
| エラーメッセージ・ログ | OSや機器が出力する短い英文 | よく出る単語を覚え、キーワードだけ拾う(次項) |
| 公式ドキュメント・製品マニュアル | クラウドのユーザーガイド、機器の設定ガイド | 日本語版→迷ったら英語版、の順で読む。機械翻訳の注記に注意 |
| ベンダーへの問い合わせ | サポートケース、障害報告 | 日本語窓口の有無は製品・契約で異なる。配属後に先輩のやり方を確認 |
| 外資系・グローバル案件 | 海外拠点との会議、英語での報告 | 求人票の記載で見分け、応募前に必要な水準を確認する |
| 調べものの検索結果 | エラー文で検索すると英語の情報に当たることがある | 全文でなくキーワードで判断し、翻訳機能を併用する |
Linuxの公式マニュアル(man-pages)には、エラーを表す標準の英文が載っています。短い表示の代表例を、最初に疑う場所とあわせて見てみましょう。
| 表示される英文(man-pagesに記載) | 単語の意味 | 最初に疑う場所(一般的な切り分けの例) |
|---|---|---|
| Permission denied | permission=権限、denied=拒否された | 実行するユーザーの権限、ファイルの権限設定 |
| No such file or directory | そのようなファイルやディレクトリはない | ファイル名・場所(パス)の打ち間違い |
| Connection timed out | connection=接続、timed out=時間切れ | 相手に届いていない、応答がない。ネットワークや相手側の状態 |
| Connection refused | refused=断られた | 相手側でサービスが動いていない、ポートが開いていない |
どれも長い文章ではありません。必要なのは文章力ではなく、頻出する単語に見慣れていることです。ここは練習で伸びる部分です。
「個人差が大きい」としか言えません。 年次ごとの英語の必要度を示す公的な統計や、自社の集計は確認できていません。確認できないまま「3年目から英語が必須」などと書くことはしません。
何年目かより、次の条件のほうが英語の重さを左右します(筆者の整理です)。
| 条件 | 英語が重くなりやすいケース | 軽いケース |
|---|---|---|
| 担当する製品 | 海外ベンダー製品の設定・障害対応が中心 | 日本語のマニュアルや日本語窓口が整った製品が中心 |
| お客様・組織 | 外資系、海外拠点とやり取りがある | 国内中心の運用チーム |
| 役割 | 設計・検証で新しい機能を調べる | 手順書に沿った運用・監視(手順書が日本語の場合) |
| 会社の体制 | 英語の窓口担当が決まっていない | 英語の対応を担当する人やチームがいる |
入社後に英語が必要になったとしても、多くの場合、「読む」から段階的に慣れていけます。気になる場合は、配属先の製品とお客様について、応募前に確認しておきましょう。仕事内容や配属の考え方は、インフラエンジニアの仕事内容と運用・監視から構築・設計へ進む方法にまとめています。
英語学習は、TOEICの点数を狙うより、インフラの文章を読む練習のほうが、仕事に直結します。目安は1日15〜30分です。
| 週 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 1週目 | エラー・ログによく出る単語を自分用の用語帳にまとめる(error、failed、denied、timeout、permission、service、restart、warning、log など) | 見慣れる |
| 2週目 | 資格(AZ-900、AWS Cloud Practitioner、CCNAなど)を日本語で学びながら、サービス名・用語の英字表記もメモする | 日本語の理解と英字表記を結びつける |
| 3週目 | AWSやMicrosoft Learnの同じページを、日本語版と英語版で見比べる(URLの言語表記を変える) | 英語版の読み方に慣れる |
| 4週目 | 自分の学習環境で出たエラー文を検索し、原因と対処を自分の言葉で1〜2行にまとめる | 「調べて直す」流れを体験する |
翻訳ツールを使うときの注意
英語より先に身につけたいのは、LinuxとネットワークとIT全体の基礎です。優先順位と学習の進め方はインフラエンジニアへ未経験で転職する方法とエンジニアの学習ガイドをご覧ください。プログラミングが必要かどうかはこちらで扱っています。
求人票の一般的な見方はインフラエンジニアへ未経験で転職する方法に書いています。ここでは「英語」の欄に絞ります。表記の意味は企業ごとに違うので、下の表は読み方の目安として使い、最終的には応募前の確認で決めます。
| 求人票の表記 | 読み方の目安 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 英語不要・英語力不問 | 英語を条件としていない | 実務で英語のマニュアルを読む場面があるか |
| 英語力歓迎・あれば尚可 | 条件ではないが、あると評価される | 評価される場面(英語手当、担当範囲の広がりなど)があるか |
| 英語必須・ビジネスレベル | 会話や文書作成が仕事に含まれる可能性が高い | 求められるのは読む・書く・話すのどれか、割合はどれくらいか |
| 外資系・グローバル案件 | 海外拠点とのやり取りがある場合がある | 面接の言語、入社後に英語を使う頻度 |
| 英語の記載なし | 条件ではない可能性が高いが、断定はできない | 実務で英語の資料を読むことがあるか |
未経験で応募できる求人かを見るときのポイント
面接での聞かれ方は、求人側の英語の位置づけで変わります(一般的な整理です。企業ごとの実際の運用は異なります)。
| 求人の英語の位置づけ | 面接での聞かれ方の考え方 | 準備 |
|---|---|---|
| 英語不要 | 英語は話題にならないか、軽く聞かれる程度 | 英語より、学習の姿勢や基礎知識をしっかり話せるようにする |
| 英語歓迎 | 学んでいるか、読む経験があるかを聞かれることがある | 読む練習の内容を、具体的に話せるようにする |
| 英語必須・外資系 | 英語での自己紹介や会話を求められることがある | 選考案内で言語を確認し、英語の自己紹介を準備する |
英語での会話には自信がありませんが、エラーメッセージや公式ドキュメントは、翻訳も使いながら読んでいます。わからない用語は調べて用語帳にまとめ、意味を確認する習慣をつけています。入社後も、この読む力を伸ばしていきたいです。
※ これは書き方の例であり、実在の方の発言ではありません。実際にやっていないこと(用語帳をつけていない、など)を話さないことが大切です。面接の一般的な質問と答え方は、未経験IT転職の面接でよく聞かれる質問と答え方にまとめています。
キャリアカンパニーでは、応募企業ごとに面接対策や模擬面接を行っています(既存記事より)。また、当社の面談では、ご経験や希望を伺ったうえで、求人の中身を一緒に確認しています。
言えること
言えないこと
出典: キャリアカンパニー(株式会社エンデバース)自社集計(2025年8月〜2026年7月入社の201名)。業界全体の数字ではなく、自社の紹介実績です。詳しい定義はインフラエンジニア転職の実態データをご覧ください。
自分の経験で、どの職種から始められるか、無料で相談できます。 英語の不安も含めて、求人の中身を一緒に確認します。
求人によります。英語を条件にしない求人もあります。入社後は、読む英語(エラーメッセージや公式ドキュメント)に少しずつ慣れていく形が現実的です。応募前に、求人票の「英語」の欄と応募条件を確認してください。
一律の点数は示せません。点数の目安を書いたページはありますが、根拠が示されていないものが多く、ページ同士でも食い違っています。点数よりも、エラーメッセージや公式ドキュメントを、翻訳も使って読めるかを基準にしてください。
英語の資格より、まずはインフラの基礎とITの資格(CCNA、LPIC、AWS、Azureなど)が優先です。これらは日本語で受験できます。外資系やグローバル案件を目指す場合は、英語力を示す資料があると有利になる場面があるため、応募先の求人票で確認してください。
求人によって異なります。選考が英語で行われる場合もあります。求人票の英語の記載と、選考案内の言語を確認し、必要な水準を応募前に問い合わせるのが確実です。
英語の不安や、どの求人が自分に合うかは、無料で相談できます。
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アドバイザー
百瀬将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。