💬
チャットでアドバイザーに
相談してみる
転職相談したい 情報収集したい

COLUMN

SESから自社開発への転職は可能か?成功のポイントと注意点

SESから自社開発への転職は可能か?成功のポイントと注意点
更新日:2026.10.18

目次

SESから自社開発企業への転職は可能ですが、実務経験の年数だけでなく「開発への当事者意識」が問われます。評価されやすいのは、担当工程の広さ・自主学習の実績・自社サービスへの理解です。

SESから自社開発への転職、実際どうなのか

可能ではあるが「無条件」ではない

SES経験者が自社開発企業へ転職する事例は珍しくありません。ただし、自社開発企業は採用にかける時間とコストが大きいため、実務経験の年数だけでなく「入社後にどう活躍してくれるか」を見極めようとする傾向があります。

自社開発企業が気にするポイント

自社開発企業は、他社の指示のもとで作業する経験より、自ら課題を見つけて改善した経験や、プロダクトへの興味関心を重視する傾向があります。SES経験そのものがマイナスになるわけではなく、「その経験から何を学び、何を語れるか」が問われます。

キャリアカンパニーが直近1年間に支援した、SESから自社開発企業への転職実績は15名。準備期間の目安は3ヶ月〜半年で、転職先は社内SEが多い傾向にあります。

セルフチェック:自社開発企業への転職適性

以下のうち当てはまるものが多いほど、自社開発企業への転職で評価されやすい傾向があります。

  • テスト・運用だけでなく、要件定義や設計に部分的にでも関わった経験がある
  • 業務外での学習や、簡単なアプリケーション制作、技術ブログの発信などをしている
  • 応募したい自社開発企業のサービスを実際に使ったことがあり、良い点・改善点を自分の言葉で語れる

よくある失敗パターン

準備不足のまま応募してしまう

SESでの不満から「とにかく今の環境を出たい」という気持ちだけで応募すると、志望動機が曖昧になりがちです。まずは自分が何を実現したいのかを整理することが先決です。

SESでの経験をうまく言語化できていない

「ただ言われた作業をこなしていた」という自己認識のままだと、面接でも経験を魅力的に伝えられません。担当業務を分解し、工夫した点・苦労した点を棚卸しする作業が必要です。

技術力とカルチャーフィットの両方を見落とす

自社開発企業は技術力だけでなく、チームでの働き方や価値観の一致も重視します。企業研究を怠ると、選考が進んでもミスマッチが起きやすくなります。

SESと自社開発の違いを整理する

項目SES(客先常駐)自社開発企業
仕事の進め方取引先に常駐し、取引先の指示のもとで業務を行う自社のサービス・製品を、自社のチームで開発・改善する
関わる範囲配属先によって、担当工程が決まる(運用・テストが中心の案件もある)企画・設計・開発・運用まで、プロダクトに継続して関わる
求められること指示された業務を正確に行う力、取引先との調整課題を自分で見つけ、改善する力。プロダクトへの理解
キャリアの決まり方配属案件によって経験が左右されやすい担当領域を、チーム内で広げやすい

どちらが優れているということではなく、SESでの経験の「質」と、本人の準備次第で、自社開発企業への道が開けるかが決まります。

自社開発企業が見る5つのポイント

SESの経験を「言葉」にする方法

SES経験は、書き方次第で評価が変わります。「言われた作業をした」ではなく、「何を考え、どう動いたか」に直しましょう。

書き方(弱い)書き方(伝わる)
テスト業務を担当したテスト項目の漏れを防ぐため、チェックリストを作成してチームに共有した
運用業務を担当した障害対応の手順を見直し、一次対応の抜け漏れを減らすフローを作った
開発の一部を担当した要件の不明点を自分から確認し、仕様の食い違いを早い段階で解消した
職務経歴書の書き方の例(架空の例)

株式会社〇〇(SES) 20XX年4月〜現在 〇〇社に常駐(メンバー〇名)

・担当:Webシステムの機能追加(設計の一部、実装、単体テスト)

・工夫:レビューでの指摘を一覧にまとめ、同じ指摘が繰り返されないよう、チェックリスト化

・学習:業務外でJavaScriptのアプリを個人制作し、GitHubで公開

・志望:自社サービスの改善に継続して関わり、プロダクトの成長に貢献したい

準備期間の進め方|3か月〜半年の目安

時期やること
1か月目経験の棚卸し(担当工程・工夫・成果)。志望理由の整理。応募したい企業の条件を決める
2〜3か月目業務外の学習・個人制作。応募企業のサービスを使い、感想・改善点をメモする
4〜6か月目職務経歴書の仕上げ、応募、面接対策。必要なら転職エージェントに相談する

面接で聞かれやすい質問

質問答えの方向性
なぜSESから自社開発に移りたいのですか?不満ではなく、「プロダクトに継続して関わりたい」という目的で話す
SESでどんな工夫をしましたか?具体的な行動と、その結果・学びを話す
当社のサービスをどう思いますか?実際に使った感想と、改善提案を話す
入社後、どんな役割を担いたいですか?段階を踏んで、担当範囲を広げるイメージを話す
技術の学習は、どう進めていますか?教材・期間・作ったものを具体的に話す

面接全体の準備は未経験IT転職の面接でよく聞かれる質問と答え方、退職理由の伝え方はIT転職の退職理由の伝え方も参考にしてください。

✅ 自社開発への転職チェックリスト

  • ☐  担当した工程と、工夫した点を書き出した
  • ☐  業務外の学習・個人制作の事実がある
  • ☐  応募先のサービスを、実際に使った
  • ☐  SESを離れる理由を、前向きな目的で話せる
  • ☐  応募企業の技術スタック・チームの働き方を調べた
  • ☐  転職エージェントに、自社開発企業の求人傾向を確認した

あわせて読みたい関連記事

SESと自社開発でよく出る用語

用語かんたんな説明
SES(客先常駐)技術者が、取引先に常駐し、技術を提供する契約形態
受託開発顧客の依頼を受けて、システムを開発する形態
自社開発自社のサービス・製品を、自社で開発・運営する形態
プロダクト自社で開発・運営するサービスや製品
要件定義何を作るのかを、整理して決める工程
スクラム短い期間で、計画・開発・振り返りを繰り返す開発の進め方
技術スタック使っている言語・フレームワーク・インフラなどの技術の組み合わせ
カルチャーフィット会社の価値観・働き方と、本人が合っているか

よくある疑問|補足Q&A

Q. SESから自社開発に転職するには、何が必要ですか?

担当工程・工夫した経験、業務外の学習・成果物、応募先サービスへの理解、そして、志望動機の一貫性です。準備期間は、3か月〜半年が目安です。

Q. SESの経験は、不利になりますか?

経験自体は不利にはなりません。「その経験から何を学び、何を語れるか」が問われます。

Q. 自社開発のほうが、年収は高いですか?

一概には言えません。会社の規模・業績・評価制度によって異なります。年収の総額と評価制度を、個別に確認しましょう。

Q. 社内SEは、自社開発の一種ですか?

自社のシステムを担当する点では近いですが、社内向けのシステムの運用・改善が中心の場合が多く、役割が異なります。

Q. 転職先は、どう探せばよいですか?

求人サイトに加え、転職エージェントを通して、企業の内部情報を確認する方法があります。応募前に、サービスを使い、感想・改善点をまとめましょう。

自社開発企業の選考フロー(一般的な例)

企業によって、フローは大きく異なります。応募前に、エージェントを通して、「選考の回数」「技術課題の有無」「カジュアル面談の位置づけ」を確認しておくと、準備しやすくなります。

技術面接の準備|聞かれやすいこと

テーマ聞かれ方の例準備のしかた
経験した技術の深掘り「そのとき、なぜその設計にしましたか」担当した機能の目的・設計の理由・代替案を、整理する
トラブル対応「一番大変だった不具合は何ですか」原因の調べ方・解決策・再発防止を、順に話せるようにする
コードの読み書き簡単なコーディング課題・コードレビュー基本的なアルゴリズム・SQLを、手を動かして練習する
サービスの理解「当社のサービスで、改善したい点は」実際に使い、具体的な改善案を1〜2つ用意する

SESで働きながら、転職準備の期間に積むべき経験

経験具体例転職での見せ方
担当範囲を広げる設計書のレビュー参加、要件の確認、テスト設計に関わる「実装だけでなく、設計・テスト設計も担当」と書く
改善提案を出す手順の自動化、チェックリスト化、レビュー観点の整理課題・工夫・結果(実際の数字だけ)を書く
技術を深める使っている言語・フレームワークの内部の仕組みを学ぶ学習の記録・勉強会の発表を示す
個人開発小さなサービスを作り、公開するサービスの目的・工夫・改善履歴を、READMEにまとめる

3か月〜半年の準備スケジュール(目安)

時期やること成果物
1か月目経験の棚卸し、志望理由の整理、応募したい企業の条件決め経験メモ、志望理由の下書き
2か月目個人開発・技術学習、応募先のサービスの利用成果物(公開済み)、サービスの感想・改善案メモ
3か月目職務経歴書の作成、エージェントへの相談、応募職務経歴書、応募先リスト
4〜6か月目面接・技術面接、条件確認、退職の準備内定、退職・入社日の調整

志望動機の例|SESから自社開発へ(2パターン)

パターン1:サービスの改善に関わりたい(架空の例)

現職では、SESとして複数の案件で、機能追加とテストを担当してきました。納品した機能が、その後どう使われ、どう改善されたかを知る機会がなく、一つのサービスを継続して育てる仕事に、関心を持つようになりました。御社のサービスを実際に使い、〇〇の画面の操作に、改善の余地を感じました。業務外で作った〇〇アプリの経験も活かし、サービスの改善に貢献したいです。

パターン2:技術を深めたい(架空の例)

現職では、運用・テスト中心の案件が多く、設計や技術選定に関わる機会が限られていました。自社開発で、技術を選び、設計から運用まで一貫して経験し、専門性を深めたいと考えています。業務外でJavaとSpringを学び、会員管理アプリを作成しました。御社では、レビューを通じて学べる環境に魅力を感じています。

⚠ 注意

「SESが嫌だから」という理由だけの志望動機は、評価されにくくなります。不満ではなく、「何を実現したいか」を軸に、応募先の事業・サービスと結びつけて話しましょう。

面接全般の準備は未経験IT転職の面接でよく聞かれる質問と答え方、自社開発の特徴は自社開発のメリットを徹底解説が参考になります。

SESから転職を考えるときの、会社選びの見方

SESから転職する場合、「次の会社で、何を得たいのか」を先に決めることが大切です。当社の面談では、次の点を確認しています。

  • 商流の深さ|二次受け・三次受けと商流が深くなるほど、単価と給与が上がりにくい傾向があります。会社の規模、設立からの年数、エンジニアの配属、営業の強さが、判断材料になります
  • 還元率のうたい方|「マージンの○割を還元」とうたう会社は、基本的に注意が必要です。キャリアとして評価される会社の方が、長く続けやすい傾向があります
  • 次のキャリアの目標|商流の浅い会社(SES・SIer)で、構築・設計・要件定義などの上流工程を目指し、その先のPM・コンサルへ進む、という道があります
  • 社内SEの位置づけ|社内SEは「最終着地」になりやすく、スキルが止まりやすいことがあります。構築・設計・要件定義を一通り経験してから目指す方が、年収もキャリアも伸びやすいと考えています

また、直近で正社員としての経験が1年以上あるかどうかで、受けられる会社の幅が変わります。転職のタイミングは、この点も踏まえて考えてください。確認ポイントはブラックなIT企業の見分け方、キャリアの考え方はITエンジニアの年収が上がりにくい理由をご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. SESから自社開発企業への転職は可能ですか?

SESから自社開発企業への転職は可能です。SESで複数の現場を経験したことを強みに、開発スキルの習得と実績の整理を進めれば、自社開発企業の選考でも評価されます。ただし採用のハードルは高めなので、学習と応募準備を計画的に進めることが大切です。

Q2. SESから自社開発への転職でよくある失敗は何ですか?

SESでの不満から「とにかく今の環境を出たい」という気持ちだけで応募すると、志望動機が曖昧になりがちです。

まとめ:SESから自社開発への転職は「準備の質」で決まる

SESから自社開発企業への転職は十分に可能な選択肢ですが、経験年数以上に「何を考え、どう準備してきたか」が問われます。一人での準備に不安がある場合は、客観的な視点を借りながら進めるのも有効です。

関連記事

自社開発企業への転職に向けて経験の整理を進めたい方は、無料キャリア診断や無料相談をご活用ください。

この記事の監修者
百瀬将悟 プロフィール写真

アドバイザー

百瀬将悟

大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。

ITキャリアサポートの
エキスパート

CAREER ACCOMPANYはあなたのITキャリアのステップアップを伴走サポートします。

ITキャリアサポートのエキスパート ITキャリアサポートのエキスパート
LINEで友だち追加

LINEで簡単!転職相談する