
エンジニアとして働いているのに、給料が安すぎると悩んでいる方に向けて、平均年収の実態や年収を上げる方法を解説します。
この記事では、具体的な平均年収のデータや、給料が上がりにくい理由を詳しく掘り下げます。読み終わると、自分の市場価値を正しく把握し、年収アップに向けた具体的な行動が取れるようになります。


ITエンジニアの給料は、世間一般のイメージとは裏腹に、所属する企業や担当する業務によって大きな差があります。ここでは、客観的なデータをもとに、エンジニアの平均年収の実態について確認していきます。
まずは以下の表で、世代別の平均年収の目安を見てみましょう。
| 世代 | 技術系(IT/通信)の平均年収(doda) |
|---|---|
| 20代 | 約398万円 |
| 30代 | 約519万円 |
| 40代 | 約649万円 |
| 50代以上 | 約716万円 |
出典:doda「平均年収ランキング2025」(集計期間:2024年9月〜2025年8月)の「技術系(IT/通信)」の年代別平均年収。技術系(IT/通信)全体の平均は469万円です。個別の年収を保証するものではありません。
このように、全体平均と比較するとエンジニアの年収は各世代で高めの傾向にあります。
エンジニア全体の平均年収は、20代のうちは実務経験が浅いため、他業種と比べてそこまで大きな差は生まれません。
しかし、30代や40代と経験を重ねるにつれて、専門スキルやプロジェクトの推進力が評価されるようになります。その結果として、平均年収は順調に上がっていく傾向があります。
そのため、若手のうちは給料が安いと感じても、今後の努力次第で十分に収入を増やすことが可能です。
同じITエンジニアというくくりでも、担当する職種によって給料は大きく変わります。
例えば、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントといった上流工程を担当する職種は、顧客との折衝や予算管理の責任を負うため、高い報酬を得やすい傾向にあります。一方で、運用監視や下流工程のプログラミングをメインとする職種は、比較的給与が低く設定されることが多いです。
また、世代が上がるにつれて求められる役割も変化します。プレイヤーとしての技術力だけでなく、チームをまとめてプロジェクトを成功に導く力が給料に大きく影響します。
自身の職種が市場でどのように評価されているのかを知ることが大切です。
【関連記事】エンジニア3年目の年収相場は?年収アップを目指す3つの手段

全体の平均年収が低くないにもかかわらず、給料が安すぎると感じる人が多いのには明確な理由があります。それは、IT業界特有のビジネス構造や、働く環境の評価基準が関係しているからです。
以下の表に、主な理由とそれぞれの特徴をまとめました。
| 理由の分類 | 具体的な特徴や課題 |
|---|---|
| 業界の構造 | 多重下請け構造により、利益が中抜きされやすい |
| 評価制度 | 技術力や成果が給与に直結しない仕組みになっている |
| スキル評価 | 自身の持っているスキルと企業が求めるスキルにズレがある |
IT業界には、一つのプロジェクトを複数の企業で分担する多重下請け構造が存在します。

元請け企業が大きな予算で案件を受注しても、下請け企業に発注されるたびにマージンが引かれます。そのため、末端の下請け企業で働くエンジニアの元に入る報酬は、どうしても少なくなってしまいます。
現場でどれだけ質の高い仕事をしても、会社に入る利益が少なければ給料には反映されにくく、この構造の深い部分にいる限り大幅な年収アップは難しい傾向にあります。
給料が上がらない理由として、会社の評価制度が曖昧であることも挙げられます。
エンジニアの仕事は専門性が高いため、技術に明るくない上司からは成果が正しく評価されにくいことがあります。また、年功序列の風土が強い企業では、若手が高い成果を出しても給料が据え置きになるケースがあります。
目標管理制度や定期的な1on1ミーティングなどが導入されておらず、フィードバックが得られない環境では、どれだけ努力しても報われないと感じてしまうのも無理はありません。頑張りが正当に給与へ反映される仕組みがあるかどうかは、重要なポイントです。
自分では高い技術力を持っているつもりでも、市場が求めるスキルと合致していないケースがあります。
特定の古い技術だけに特化していると、世の中の需要が減り、給料が上がりにくくなります。逆に、最新のクラウド技術やマネジメント経験を持つ人材は、多くの企業から求められ、市場価値が高く評価されます。
自分が今持っているスキルが、世の中でどれくらいの価値があるのかを客観的に見つめ直すことが重要です。市場のニーズに合わせてスキルをアップデートすることが、収入を上げるための第一歩となります。

現状の給料に不満を持ちながらも、今の環境に留まり続けることには大きなリスクが伴います。収入面だけでなく、エンジニアとしての今後のキャリア全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、給料が安い環境に居続けることで生じるデメリットを表に整理しました。
| デメリットの項目 | 今後のキャリアに与える影響 |
|---|---|
| モチベーションの低下 | 新しい技術を学ぶ意欲が失われ、市場価値が下がる |
| スキルアップの停滞 | 単調な業務ばかりになり、高度な経験が積めない |
| 生涯年収の減少 | 昇給の機会を逃し、同世代との収入格差が広がる |
給料が安い状態が続くと、日々の業務に対するモチベーションを維持するのが困難になります。
エンジニアは常に新しい技術を学び続けることが求められる職業です。しかし、努力が給料に結びつかない環境では、休日に自己研鑽をする気力も湧かなくなってしまいます。その結果として、新しい知識を吸収する機会が減り、スキルが停滞してしまいます。
モチベーションを高く保ちながら成長を続けるためには、正当な対価が得られる環境に身を置くことが大切です。
若いうちの給料の差は少しであっても、年月が経つにつれてその差は大きく開いていきます。
給与水準が低い企業に長く留まると、退職金や将来的な年金も含めた生涯年収に影響を及ぼす可能性があります。同世代のエンジニアがキャリアアップして高収入を得ている中で、金銭面でも経験面でも取り残されてしまうかもしれません。
将来の自分を守るためにも、早い段階で自身の労働環境や年収を見直し、適切な行動を起こすことが大切です。
給料が安すぎると悩む方へ向けて、実際に年収アップを成功させたエンジニアの事例をご紹介します。今回は、転職によって年収が100万円上がった2名のケースを見ていきましょう。

T.I様は、前職でSalesforceを用いたシステム実装・運用保守に加え、Azureとの連携業務などにも携わっていました。一方で、特定の領域に偏った業務が中心だったことから、より幅広い技術スタックに触れながらキャリアアップしたいと考えるようになり、転職を決意されました。
転職活動では、これまでのSalesforceの実装経験やクラウド連携の実務、さらにBlazorや基本情報技術者試験の学習など継続的な自己研鑽を整理し、自身の強みとして言語化。
特定領域の経験しかないと思っていても、実務の棚卸しと伝え方次第で市場価値は大きく変わります。年収アップを狙うなら、自分の経験を客観的に整理したうえで転職市場に出ることが重要です。

A.S様は、製造業から未経験でIT業界へ転職後、インフラエンジニアとして約2年半、サーバー保守・監視の現場で経験を積みました。インシデント対応や手順書整備だけでなく、サブリーダー・チームリーダーとして新人教育や品質管理も担当し、さらにLPICやAZ-305系資格の取得にも力を入れてきました。
しかし、スキルを積み上げられている実感がある一方で、案件レベルや年収アップには限界があると感じ、初めてのエンジニア転職を決意しました。
未経験からのスタートでも、実務経験を土台にしながら、資格取得・改善実績・リーダー経験まで積み上げていけば、市場価値は着実に上げられます。今の環境で給料が伸びにくいと感じているなら、自分では当たり前だと思っている経験を一度棚卸しし、より評価される企業に目を向けることが年収アップへの近道になります。
【関連記事】未経験からIT業界へ。2年のインフラ経験を武器に年収100万円アップを実現
現状の給料に不満がある場合、ただ待っているだけでは状況は改善しません。自分から積極的に行動を起こすことで、年収アップへの道が開かれます。
以下の表に、給料を上げるための具体的なアプローチ方法をまとめました。
| アプローチ方法 | 具体的な行動内容 |
|---|---|
| 社内でのアピール | 業務改善の実績や資格取得を上司に報告し、交渉する |
| スキル領域の拡大 | フロントエンドだけでなくバックエンドも学ぶなど幅を広げる |
| 転職活動の開始 | 転職エージェントに登録し、自分の市場価値を確認する |
今の会社で給料を上げるためには、目に見える形で成果をアピールすることが大切です。
単に与えられた仕事をこなすだけでなく、業務の効率化やシステムの品質向上につながる提案を行ってみてください。また、実務に役立つ新しい資格を取得したり、若手の指導役を買って出たりすることも効果的です。
その上で、評価面談の場などを活用して、自身の貢献度を上司にしっかりと伝えることが大切です。会社側も、自社にとって有益な人材は手放したくないと考えるため、交渉次第で給料が上がる可能性があります。
社内での給料アップに限界を感じた場合は、転職を視野に入れるのが効果的です。
前述のような業界構造の影響で、個人の努力だけでは報酬が上がりにくい場合もあります。そのような時は、より上流の工程を担当できる自社開発企業や、直接契約を持つ元請けの企業を目指すことをおすすめします。
まずは自分のスキルが他社でどれくらい通用するのか、私たちにご相談ください。すぐに転職を決める必要はありません。選択肢があることを知るだけでも、心にゆとりを持って日々の業務や今後のキャリアに向き合いやすくなります。
【関連記事】エンジニアは本当に激務?職種別の現実と“働きやすい職場”を見抜くポイント
dodaの「平均年収ランキング2025」(調査期間: 2024年9月〜2025年8月)から、IT関連の主な職種の平均年収を抜粋します(出典: doda)。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| プロジェクトマネージャー | 707万円 |
| セキュリティコンサルタント | 649万円 |
| ITコンサルタント | 601万円 |
| サーバーエンジニア | 469万円 |
| ネットワークエンジニア | 455万円 |
| SE・プログラマー | 435万円 |
| テクニカルサポート | 432万円 |
| 運用監視・保守 | 389万円 |
| ヘルプデスク | 362万円 |
当社の自社集計(2025年8月〜2026年7月入社)では、インフラ職に入社した170名の入社時年収の中央値は320万円で、転職前の中央値は300万円でした。年収が上がった方は60%です(業界全体の傾向を示す数字ではありません)。dodaの数字は、幅広い年代・経験の「平均」、当社の数字は、未経験・若手が中心の「入社時の中央値」で、対象が異なる点に注意してください。
インフラ職の実態データはインフラエンジニア転職の実態データ、年収交渉はIT転職の年収交渉の進め方で解説しています。
ITエンジニアの給料は、世間一般のイメージとは裏腹に、所属する企業や担当する業務によって大きな差があります。
全体の平均年収が低くないにもかかわらず、給料が安すぎると感じる人が多いのには明確な理由があります。
現状の給料に不満を持ちながらも、今の環境に留まり続けることには大きなリスクが伴います。収入面だけでなく、エンジニアとしての今後のキャリア全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
現状の給料に不満がある場合、ただ待っているだけでは状況は改善しません。自分から積極的に行動を起こすことで、年収アップへの道が開かれます。
※年収の金額はあくまで目安です。実際の年収は、企業・職種・経験・地域によって異なります。職種別の平均年収は、doda「平均年収ランキング」や、厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)などで最新の数値をご確認ください。
この記事の要点
エンジニアの給料が安すぎると感じるのは、スキル不足だけが理由ではありません。所属企業の商流や評価制度、担当工程によって、収入の伸びやすさは大きく変わります。
年収を上げるには、スキル習得だけでなく、業務改善や後輩指導など、他社でも評価される経験を積み重ねることが大切です。今の環境で昇給に限界を感じるなら、正当に評価される企業へ移ることも有効な選択肢です。
実際に転職によって年収アップを実現した事例もご紹介しています。インフラエンジニアからクラウドエンジニアへキャリアアップし、年収340万円から450万円へのアップを実現した事例もぜひご参考ください。
もし今の給料に納得できていないなら、まずは自分の市場価値を把握してみてください。私たちは、今すぐの転職だけでなく、今後のキャリアを見据えた相談も含めてサポートしています。今の経験がどう評価されるのかを知ることが、年収アップへの第一歩です。

この記事の内容をふまえて、自分の場合はどうなのかを知りたい方は、キャリアカンパニーの無料相談をご利用ください。経験や希望に合わせて、キャリアアドバイザーがご相談に対応します。
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アドバイザー
百瀬将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。