
介護職を辞めたい人の転職先|IT・インフラエンジニアという選択肢と、介護の経験の活かし方
介護を辞めたい、もうしんどい。そう感じるのは、あなたが弱いからではありません。介護は、利用者さんの体と心を支え、ご家族や多くの職種と連携しながら、命と暮らしに向き合う仕事です。体にも心にも負担がかかるのは、自然なことです。

この記事では、介護を辞めたい理由の整理、辞める・続ける・職場を変えるの判断軸、転職先の選択肢、介護の経験がIT職でどう活きるか、IT・インフラに合う人と合わない人、年収、進め方を順番に解説します。
介護の仕事がつらいと感じる理由は、人によって違います。一般によく挙がるものを整理しました。
| 理由 | よくある場面 | 見直す方向 |
|---|---|---|
| 体への負担 | 移乗や入浴の介助で腰や肩が痛む。疲れが抜けない | 介助の負担が少ない職場や、体を使わない職種を考える |
| 夜勤・不規則な勤務 | 夜勤明けに眠れない。生活のリズムが崩れる | 日勤だけの職場や、勤務の形が決まった仕事を探す |
| 人間関係 | 職員同士の関係、上司との相性、利用者さんやご家族への対応 | 同じ介護でも、施設や事業所を変えると変わることがある |
| 給与・評価への不満 | 頑張りが給与に反映されている実感がない | 評価の仕組みや、経験を積むと伸びる仕事かを確かめる |
| 将来への不安 | 体力が続くか心配。この先のキャリアが見えない | 経験を言葉にして、次に積み上げたいことを決める |
表を上から見ていくと、職場を変えれば和らぎそうなものと、介護の仕事を続ける限り残りそうなものが混ざっていることに気づくはずです。
たとえば、職員同士の関係や運営の方針がつらいなら、介護の仕事そのものではなく、今の職場の問題かもしれません。一方で、「体を使う介助を続けるのが難しい」「夜勤のある生活から離れたい」と感じるなら、職種を変えることも考えてよいでしょう。
紙に「つらいこと」を書き出し、それぞれに「職場を変えれば変わる」「職種を変えないと変わらない」と印をつけてみてください。それだけでも、頭の中が少し整理されます。
眠れない日が続く、腰や体の痛みが引かない、出勤前に気持ちが沈む。こうしたサインがあるときは、転職の判断より先に、休むことと医療機関への相談を優先してください。休職や退職の手続き、雇用保険などの制度は、勤め先の担当者や公的機関の窓口で確認しましょう。
介護は暮らしに欠かせない、必要とされ続ける仕事です。不安の正体は「仕事がなくなること」より、自分の体力や収入、キャリアの先行きが見えないことかもしれません。今の職場で先が見えるか、別の道で積み上げたいかを考えることが、次の一歩になります。
介護を辞めたいと感じたとき、選択肢は「介護をやめる」だけではありません。大きく分けると、次の3つです。
| 選択肢 | 向いている状況 | 確認すること |
|---|---|---|
| 今の職場で続ける | つらさの原因が一時的。配置換えや人の入れ替わりで変わりそう | いつまで様子を見るか、期限を決める |
| 介護の中で職場や職種を変える | 介護の仕事は好きだが、今の施設や働き方が合わない | 施設の種類、勤務の形、相談員やケアマネジャーなど別の職種の道 |
| 介護以外の仕事に移る | 体の負担や夜勤のある生活から離れたい。別の専門性を積みたい | 何を変えたいのかを一言で言えるか |
同じ介護でも、施設の種類や事業所によって、介助の内容や勤務の形は変わります。日勤中心の事業所もあります。
また、生活相談員やケアマネジャー(介護支援専門員)のように、現場での介助より、相談や計画づくりが中心になる職種もあります。資格や受験の条件は、公的機関や団体の案内で確認してください。「介護の仕事は好き。でも今の働き方がつらい」という方は、まずこの道を考えてみるのがおすすめです。
キャリアカンパニーの現場から|介護出身の方が話す「辞めたい理由」
面談でよく聞くのは、夜勤、体力的な負担、給与、人手不足です。ITへの興味や学ぶ意欲がある方には、IT転職を提案しています。一方で、介護の仕事そのものが好きな方には、介護業界の中で職場を変えることも提案しています。
当社では、IT転職をすすめやすいのは技術を学ぶ意欲がある方だとお伝えしています。目的が「今の職種から離れること」だけの場合は、同じ介護職で施設や事業所を変える転職もあわせて検討することをおすすめしています。
介護を辞めたいと言っても、「介護がまるごと嫌」とは限りません。つらさの原因によって、合う転職先は変わります。
| 転職先 | 特徴 | 合いやすい人 |
|---|---|---|
| 別の施設・事業所の介護職 | 経験をそのまま使える。施設の種類で働き方が変わる | 介護は好きだが、職場や勤務の形が合わない人 |
| 相談員・ケアマネジャーなど | 相談や計画づくりが中心。介護の知識が活きる | 介護に関わり続けたいが、介助の負担を減らしたい人 |
| 介護・医療向けの企業の仕事 | 介護の現場を知っていることが強みになる仕事がある | 介護の知識を、別の立場で活かしたい人 |
| 事務・接客など | 体の負担が比較的少ない仕事もある。人と関わる力が活きる | 体を使う仕事から離れたい人 |
| ITエンジニア(インフラなど) | 技術を積み上げる仕事。未経験の入り口がある | 新しい専門性を身につけたい人 |
「体を使う仕事から離れたい」「これから専門性を身につけたい」という方には、ITエンジニア、特にインフラエンジニアが候補になります。インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなど、システムの土台を支える仕事です。未経験からの入り口として、システムの状態を見守る運用・監視の仕事があります。仕事の中身は監視業務とはで紹介しています。
当社の紹介実績では、インフラ職に入社した178名のうち140名が、前職がIT以外の方でした。IT以外の仕事から移ってくる方は少なくありません。
「介護しかしてこなかったから、ITでは役に立たない」と考える必要はありません。インフラの運用・監視の仕事には、介護の現場で毎日していることと似た場面が多くあります。
| 介護での経験 | IT職での活かし方 |
|---|---|
| 観察(顔色や様子の小さな変化に気づく) | システムの数値や画面の「いつもと違う」に気づく |
| 記録(介護記録を正確に残す) | 作業の内容や障害の経過を、後から読める形で記録する |
| 申し送り(次の勤務の人に伝える) | 交代するときに、対応中の案件や注意点を引き継ぐ |
| 緊急時の対応(急変時に手順どおり動く) | 障害が起きたとき、手順書に沿って落ち着いて対応・連絡する |
| チームでの連携(看護師や相談員と協力) | 上位の担当者やお客さまと、決められた順番で連絡を取り合う |
| 相手に合わせた説明 | 専門用語を使わず、状況をわかりやすく伝える |
運用・監視の仕事は、システムが正常に動いているかを見守り、異常があれば決められた手順で対応し、必要な人に連絡する仕事です。利用者さんの小さな変化に気づき、記録し、申し送りでつないできた介護の経験は、この仕事の基本と重なります。
慌てずに手順を確かめ、事実を正確に報告する。介護の現場で身につけたこの姿勢は、ITの現場でも大切にされます。
キャリアカンパニーの現場から|介護の経験がITで評価されやすい点
特に、インフラの監視・運用での障害対応やチームでの連携に活かしやすい経験です。

インフラの仕事は、介護とは別の大変さがあります。合う人・合わない人を正直にまとめました。
| 観点 | 合いやすい人 | 慎重に考えたい人 |
|---|---|---|
| 学び続けること | 新しい知識を覚えるのが苦にならない | 勉強を続けることに強い抵抗がある |
| 手順を守ること | 決められた手順どおりに進めるのが得意 | 自分の判断で自由に動きたい |
| 勤務の形 | 夜勤やシフトを受け入れられる、または日勤の求人を選んで探せる | 夜勤も、最初の数年の土日祝出勤も受け入れられない |
| 仕事の中身 | パソコンに向かう仕事に興味がある | 人と直接ふれあう仕事にやりがいを感じる |
「夜勤がつらいから介護を辞めたい」という方には、正直にお伝えしたいことがあります。インフラの運用・監視の仕事にも、夜勤がある求人が多くあります。 システムは夜も動き続けるため、交代で見守る職場があるからです。
当社の面談では、夕方17〜18時から翌朝9〜10時まで勤務して翌日は休み、という夜勤の例をお伝えしています。夜勤と日勤が混ざる場合もあります。また、最初の数年は土日祝休みが難しい場合があります。一方で、年間休日は120日を超えるケースが多いこともお伝えしています。
ただし、インフラ職のすべてに夜勤があるわけではありません。日勤だけの求人もあります。夜勤を避けたい方は、応募の前に勤務の形を求人票と面接で確かめることが大切です。夜勤の実情はインフラエンジニアの夜勤でくわしく解説しています。
キャリアカンパニーの現場から|夜勤から離れたい方への求人の選び方
インフラ職にも夜勤があるため、日勤中心の求人を優先して探します。応募の前に、配属先の勤務時間、夜勤・休日出勤・オンコール(夜間や休日の呼び出し)の有無を企業に確認するようお伝えしています。
ITの仕事にも、障害対応や締め切りのプレッシャーがあります。体の負担は減っても、「システムを止めない」「期限までに作業を終える」といった別の責任があります。また、介護のように利用者さんの顔を見てやりがいを感じる場面は少なくなります。
大切なのは、どのつらさなら受け止められて、どのつらさは避けたいのかを、自分の中ではっきりさせておくことです。向き不向きはインフラエンジニアに向いている人も参考にしてください。
当社では、ITが合わないと感じる方には、ITへの興味、学習への抵抗感、希望する働き方を確認し、IT以外の仕事とも比べるようお伝えしています。
転職サービスのdodaが公開している「平均年収ランキング2025」で、インフラに関係する職種の平均年収は次のとおりです。
| 職種(doda) | 平均年収 |
|---|---|
| ヘルプデスク | 362万円 |
| 運用/監視/保守 | 389万円 |
| テクニカルサポート | 432万円 |
| ネットワークエンジニア | 455万円 |
| サーバーエンジニア | 469万円 |
| (参考)全職種 | 429万円 |
これは経験者を含めた平均です。未経験で入社した直後の年収とは違います。
当社の紹介実績では、前職がIT以外でインフラ職に入社した未経験者140名の、入社時の想定年収の中央値は320万円でした(前職の中央値は300万円)。夜勤手当などがある今の職場と比べると、入社時は下がる場合もあります。今の給与の内訳を確かめたうえで比べましょう。
一方で、IT経験者としてインフラ職に転職した38名は、年収の中央値が330万円から420万円になっていました。入社時の金額より、入社後にどんな経験を積めるかで、その先の年収が変わる仕事です。くわしくはインフラエンジニアの年収をご覧ください。
なお、商流が深い会社では、単価と給与が上がりにくい傾向があります。会社選びの見方はホワイト企業の見分け方で紹介しています。

| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 仕事を知る | 運用・監視の中身と、夜勤やシフトの有無を調べる | 「夜勤から離れたい」なら勤務の形を最初に確かめる |
| 2. 学習を始める | ITの基礎、CCNA・LinuCなどの勉強を始める | 合格前でも「学習中」は伝えられる |
| 3. 書類を整える | 介護の経験をIT職の言葉に置き換える | 観察・記録・申し送り・緊急対応を具体的に書く |
| 4. 応募・面接 | 「なぜIT」「なぜインフラ」を説明する | 強み・理由・学習内容をセットで話す |
運用・監視は、プログラミングを書く仕事ではありません。手順書に沿ってシステムを見守り、異常があれば決められた方法で対応・連絡する仕事です。先に書いたとおり、夜勤のある職場もあります。自分の希望する働き方と合うかを、最初に確かめましょう。
未経験からの転職では、面接で「ITの勉強は何かしていますか」と聞かれることがよくあります。ネットワークを学ぶならCCNA、サーバーを学ぶならLinuCが候補です。資格の選び方はIT転職に有利な資格で解説しています。当社では、CCNA・LPICなどの無料学習カリキュラムも用意しています。あわせて、タイピングやExcelなどのパソコン操作にも慣れておきましょう。
当社では、在職中にIT学習と転職活動を始め、内定が出てから退職することを基本としておすすめしています。シフト勤務の中で時間を取るのは大変ですが、収入が途切れない状態で準備すると、気持ちに余裕を持って選べます。退職の申し出に必要な期間と引き継ぎを確認し、入社できる日を企業に正確に伝えましょう。
当社の紹介実績では、面談から内定までの中央値は40日、応募は平均5社、内定は平均4社でした。進め方は在職中と退職後、どちらで転職活動をするかをご覧ください。
面接では、「介護がつらいから」だけを退職理由にしないことが大切です。当社では、①介護で培った強み、②ITを選んだ理由、③いま進めている学習の内容、の3つをセットで話すよう助言しています。未経験の採用では、経歴だけでなく、学習への意欲や仕事への姿勢も見られます。
志望動機の例文(一例)
「介護職として、利用者さんの体調や様子の変化を観察し、記録と申し送りで次の勤務者や看護師につなぐ仕事をしてきました。急な体調の変化にも、手順に沿って落ち着いて対応することを大切にしてきました。その中で、新しい専門性を身につけたいと考え、ITの仕組みに興味を持ちました。現在はCCNAの勉強を進めています。運用・監視の仕事では、小さな変化に気づく力と、正確に記録し伝える力を活かしたいと考えています。」
例文はそのまま使わず、ご自身の経験に合わせて書き直してください。作り方はインフラエンジニアの志望動機でも紹介しています。
当社では、最初の3年は現場の経験を積む前提で考え、1〜2年での早い転職は避けるようお伝えしています。当社の紹介実績では、入社後1年以内の定着率は98%でした。入社前に仕事の中身と働き方を確かめておくことが、長く働くことにつながります。未経験からの全体の流れは未経験からのインフラエンジニア転職ガイドをご覧ください。
介護からの転職先を相談したい方へ
今のつらさの原因を整理し、介護の経験が活きる職種や夜勤の少ない求人の探し方を、キャリアアドバイザーと一緒に考えられます(オンライン・60分)。
日程を選んで無料相談を予約する甘えではありません。介護は体への負担が大きく、利用者さんやご家族、多くの職種と関わりながら進める仕事です。つらさを感じるのは自然なことです。大切なのは、原因が「介護という仕事」なのか「今の職場や働き方」なのかを分けて考えることです。心や体に不調があるときは、休むことと医療機関への相談を優先してください。
つらさの原因によって変わります。職場や勤務の形が合わないなら別の施設・事業所の介護職、介助の負担を減らしたいなら相談員やケアマネジャーなど、体を使う仕事から離れて専門性を積みたいならITエンジニアなどが候補になります。資格や受験の条件は、公的機関や団体の案内で確認してください。
目指すことはできます。インフラの分野では、運用・監視など未経験から採用する求人があります。当社の紹介実績でも、インフラ職に入社した178名のうち140名は、前職がIT以外の方でした。ただし、学び続ける姿勢や、夜勤を含む働き方を受け入れられるかは、事前に考えておきましょう。
インフラの運用・監視には、夜勤がある求人が多くあります。当社の面談では、夕方17〜18時から翌朝9〜10時まで勤務して翌日は休み、という例をお伝えしています。一方で、すべてのインフラ職に夜勤があるわけではなく、日勤だけの求人もあります。夜勤を避けたい方は、応募の前に勤務の形を確かめましょう。
下がる場合もあります。当社の紹介実績では、前職がIT以外の未経験者140名の入社時の想定年収の中央値は320万円で、前職の中央値は300万円でした。夜勤手当などを含めた今の給与と比べると、入社時に下がることもあります。経験を積んで構築・設計に進むほど、年収は上がりやすくなります。
伝え方しだいで評価されます。観察、記録、申し送り、緊急時の対応、チームでの連携は、インフラの運用・監視でも使う力です。「介助をしていた」だけでなく、「変化に気づいて記録し、次の担当者に正確に伝えた」のように、仕事の進め方が伝わる話し方を意識しましょう。
まずは、つらいことを書き出して原因を整理することから始めましょう。ITに関心があるなら、ITの基礎やCCNAなどの勉強、タイピングやパソコン操作の練習を在職中に始めておくと、転職活動で話せることが増えます。当社の紹介実績では、面談から内定までの中央値は40日でした。
働き方の注意点は、キャリアカンパニーの面談でお伝えしている内容をまとめたもので、集計した数字ではありません。自社集計の数字は当社の紹介実績であり、業界全体の数字ではありません。介護の資格・制度・給与については、本記事では数字や条件を書いていません。公的機関や団体の案内で確認してください。例文は一例です。ご自身の経験に合わせて書き直してください。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。