
IT転職に有利な資格は?職種別のおすすめと、未経験から取る順番・勉強中の伝え方
「IT業界に転職したいけれど、先に資格を取ったほうがいいのか」「どの資格なら転職で評価されるのか」。未経験からのIT転職を考えている方から、とても多くいただく相談です。
この記事では、当社の面談でお伝えしていることをもとに、職種別に有利な資格と、取る順番、応募書類での伝え方を、転職エージェントの立場から整理します。あわせて、当社がご紹介している求人で、資格がどのように扱われているかも参考として紹介します。
自分が応募できる求人と、必要な資格を確かめたい方へ
いまの経験と学習の状況をお聞きして、資格がなくても応募できる求人と、先に取っておくと有利な資格を、キャリアアドバイザーと一緒に整理できます(オンライン・60分)。
日程を選んで無料相談を予約する資格は、目指す職種に合っていてはじめて評価の材料になります。当社の面談では、職種ごとに次の資格をおすすめしています。
| 目指す職種 | 評価されやすい資格 |
|---|---|
| ネットワークエンジニア | CCNA |
| サーバーエンジニア | LPIC・LinuC(レベル1) |
| クラウドエンジニア | AWS認定(まずは入門〜アソシエイト) |
| ヘルプデスク・社内SE・IT事務 | ITパスポート、MOS |
| ITエンジニア全般(開発を含む) | 基本情報技術者 |
CCNAは、ネットワーク機器で世界的に使われているシスコ社の認定資格です。当社がご紹介しているインフラ系の求人でも、よく見かける資格です。応募の必須条件にしている求人もあれば、入社前の研修で全員が取得を目指す求人もあります。勉強時間の目安はCCNAの勉強時間はどれくらい?、取得後に応募できる求人はCCNA取得後の転職・就職先で解説しています。
LPICとLinuCは、どちらもLinuxの技術を証明する資格です。サーバーの構築や運用では、Linuxのコマンド操作が欠かせないため、未経験でもLinuxを学んでいることを示せます。「LPICもしくはLinuCのレベル1以上」を応募の必須条件にしている求人もあります。違いと選び方はLPICとは?とLinuCとは?で紹介しています。
AWS認定は、クラウドサービスのAWSに関する資格です。クラウドの求人では、入社前の研修でAWSの資格取得を目指すものや、AWS認定を歓迎条件にしているものがありました。ただし、クラウドの仕事は、ネットワークやサーバーの基礎の上に成り立っています。未経験の方は、先にインフラの基礎を学んでから進むと理解しやすくなります。取る順番はAWS資格ロードマップを参考にしてください。
ITパスポートは、ITの基礎知識を証明する国家資格です。ヘルプデスクやIT事務、社内のIT担当の求人で、歓迎条件や入社後の研修の目標としてよく出てきました。ITパスポートの取得を応募の条件にしている求人もあります。ただし、インフラ系の求人には「ITパスポートだけでは不可」としているものもあり、インフラエンジニアを目指すならCCNAやLPICへ進むのがおすすめです。試験の内容はITパスポートとは?で紹介しています。
基本情報技術者は、ITエンジニアとしての基礎を幅広く問う国家資格です。開発・インフラのどちらでも評価され、歓迎条件や資格手当の対象としてよく出てきました。範囲が広いため、職種が決まっている方は、先にその職種の資格を取ったほうが、転職では伝わりやすくなります。難易度は基本情報技術者試験の難易度で解説しています。
未経験の方が資格を複数そろえてから応募しようとすると、そのぶん転職活動が後ろにずれます。入社後に会社の支援で資格を取れる求人も多いので、最初の1つに集中するのがおすすめです。資格全体の地図はIT資格ロードマップにまとめています。
すでにIT業界で働いている方は、資格を「次の仕事に進むための証明」として使います。たとえば、運用監視からネットワークの構築に進みたいならCCNA、サーバーの構築に進みたいならLPIC・LinuC、というように、進みたい工程に合った資格を選びます。実務の経験に資格が加わると、未経験の方よりも具体的に評価されやすくなります。ヘルプデスクから次に進む道はヘルプデスクからインフラエンジニアになるには?で紹介しています。
資格の勉強を始める前に、次のような失敗に気をつけましょう。
当社の面談でいちばん多い質問のひとつが、「資格を取ってから転職したほうがいいですか?」というものです。当社では、基本的に、資格の取得を待たずに転職活動を始めることをおすすめしています。
| 考えること | 当社の面談でお伝えしていること |
|---|---|
| 未経験採用で見られる点 | 資格だけでなく、年齢、人柄、コミュニケーション、学習意欲などもあわせて評価される |
| 資格の位置づけ | 学習意欲や基礎知識を証明する手段のひとつ。取ること自体を目的にしない |
| おすすめの進め方 | 資格の勉強をしながら応募を進め、選考と学習を並行する |
| 資格を優先したほうがよい場合 | 応募したい求人で、資格の取得が応募の必須条件になっているとき |
資格の勉強を優先するあまり、「もう1つ取ってから」と応募を先延ばしにしてしまう方もいます。未経験採用では、資格の数よりも、ポテンシャルや学習を続ける姿勢を重視する求人もあります。資格の取得に時間をかけすぎるより、応募を進めながら必要な知識を身につけ、実務の経験を積める環境に早く進むほうが、結果としてキャリアの近道になることが多いと考えています。
資格は大切ですが、書類選考や面接で見られるのは資格だけではありません。次の3つは、資格がなくても準備できます。
スキルに自信がない方はスキル不足でも転職できる?企業が見るポイントと5つの対策、前職の経験の書き方はIT転職の職務経歴書の書き方を参考にしてください。
履歴書の免許・資格欄に、正式名称と取得年月を書きます。そのうえで、職務経歴書や自己PRで、資格の勉強で身につけたことを、志望する仕事とつなげて書くと伝わりやすくなります。
勉強中の資格は、資格名だけでなく、学習の期間・内容・いまの進み具合を具体的に伝えます。受験日が決まっている場合は、あわせて伝えましょう。
伝え方の例:「CCNAの取得に向けて毎日1時間学習しており、現在はIPアドレスとルーティングについて学んでいます。12月に受験する予定です。」
履歴書の免許・資格欄に書く場合は、取得済みと誤解されないよう「勉強中」「受験予定」と明記します。資格欄には書かず、自己PR欄や職務経歴書で学習の状況を書く方法もあります。ITパスポートの書き方はITパスポートは履歴書にどう書く?で詳しく紹介しています。
ここからは参考として、キャリアカンパニーのサイトに掲載している求人(2026年11月2日時点の133件)で、資格がどのように扱われているかを紹介します。掲載しているのは、当社が未経験の方におすすめしている求人で、インフラエンジニア(ネットワーク・サーバー・運用監視)の求人が中心です。IT業界の求人全体の傾向を示すものではない点にご注意ください。
掲載している求人133件のうち、主なIT資格(CCNA・ITパスポート・基本情報技術者・LPIC・LinuC・AWS認定など)に触れている求人は42件でした。その42件を1件ずつ読み、資格がどのように扱われているかを次の5つに分けました。
| 資格の扱い | 件数(掲載133件中) |
|---|---|
| 応募の必須条件(取得済みが条件) | 4件 |
| 取得済み、または勉強中・同等の知識でよい | 7件 |
| あれば歓迎(必須ではない) | 14件 |
| 入社後に、会社の研修や支援で取る | 16件 |
| その他(社内勉強会の紹介など) | 1件 |
| 資格に触れていない | 91件 |
いちばん多かったのは、「入社後に、会社の研修や支援で取る」求人です。入社前や入社直後の研修でCCNAやITパスポートの取得を目指すもの、受験料を会社が負担するもの、資格手当や合格時の奨励金があるものなどが含まれます。
一方で、取得済みが応募の必須条件になっていた4件は、CCNA、LPIC・LinuC、ITパスポート、インフラ系の資格のいずれか(ITパスポートだけでは不可)を求めるものでした。いずれも、ネットワークやサーバー、社内のIT機器の管理など、仕事の内容とはっきり結びついた資格です。
| 資格が必須条件だった求人の職種 | 求められていた資格 |
|---|---|
| サーバー・ネットワークエンジニア | LPICまたはLinuC(レベル1以上) |
| サーバー・ネットワークエンジニア | CCNA |
| インフラエンジニア(実務未経験可) | インフラ系の資格を1つ(LinuC・LPIC・CCNA・AWS系など。ITパスポートのみは不可) |
| 情報システム担当(未経験可) | ITパスポート |
このうち2件は、実務未経験でも応募できる求人でした。資格が、未経験からその職種に入るための条件になっている例です。
また、「取得済み、または勉強中でよい」とする求人も7件ありました。「資格の取得に向けて学習中の方」「具体的な取得の計画がある方」のように、勉強している事実そのものを応募の条件にしている求人です。
入社後に資格を取る前提の16件では、次のような支援が書かれていました(求人によって内容は異なります)。
こうした求人では、応募の時点で資格がなくても、入社後に資格を取りながら実務に進めます。未経験の方は、資格を先に取るか迷ったら、まずこうした支援のある求人を探してみるのもひとつの方法です。
42件の求人票で、名前が出てくる回数が多かった資格は次のとおりです(必須・歓迎・入社後の取得をすべて含みます)。
| 資格 | 名前が出てくる求人の数 |
|---|---|
| CCNA | 19件 |
| ITパスポート | 16件 |
| 基本情報技術者 | 15件 |
| LPIC | 11件 |
| LinuC | 9件 |
| AWS認定 | 7件 |
| 応用情報技術者 | 4件 |
CCNAやLPIC・LinuCが多いのは、当社がインフラエンジニアの求人を中心にご紹介しているためです。転職サイト全体の傾向とは異なります。
求人票の資格の書き方は、会社によってさまざまです。応募する前に、次の点を確認しましょう。
| 求人票の書き方 | 読み方 |
|---|---|
| 「必須」「応募条件」に資格名がある | 取得済みが前提。勉強中でよいかは、書き方を確認する |
| 「取得者、または同等の知識」「勉強中の方も可」 | 資格がなくても、学習の状況を示せば応募できる |
| 「歓迎」「尚可」「あれば」に資格名がある | 必須ではない。なくても応募できる |
| 「研修で取得」「資格取得支援」「資格手当」 | 入社後に会社の支援で取れる。未経験の方の入り口になりやすい |
「資格取得支援」がある会社は、入社後も学びながら働ける環境を用意していることが多く、未経験の方にとって確認しておきたいポイントです。ただし、支援の中身(受験料の負担、研修の時間、手当の額)は会社ごとに違うため、面接や面談で確認しましょう。
資格がなくても応募できる求人を探したい方へ
目指す職種と、いまの学習の状況をお聞きして、資格取得の支援がある求人や、勉強中でも応募できる求人を、キャリアアドバイザーと一緒に探せます(オンライン・60分)。
日程を選んで無料相談を予約する未経験歓迎の求人では、資格を必須にせず、「あれば歓迎」や入社後の取得としているものも多くあります。ただし、目指す職種に合った資格は、学習意欲や基礎知識の証明になります。応募したい求人の条件を確認しましょう。
目指す職種によって変わります。ネットワークならCCNA、サーバーならLPIC・LinuC、ヘルプデスクやIT事務ならITパスポートがおすすめです。職種が決まっていない場合は、基本情報技術者も候補になります。
当社では、資格の取得を待たずに、勉強と転職活動を並行して進めることをおすすめしています。応募したい求人で資格が必須条件になっている場合は、取得を優先します。
取得済みと誤解されないよう「勉強中」「受験予定」と明記すれば書けます。資格欄には書かず、自己PR欄や職務経歴書で、学習の期間・内容・進み具合を具体的に書く方法もあります。
応募できる求人はありますが、インフラ系の求人には「ITパスポートだけでは不可」としているものもあります。インフラエンジニアを目指すなら、CCNAやLPIC・LinuCに進むと、専門分野への意欲が伝わりやすくなります。
入社後に、受験料の負担や研修、資格手当などの支援を受けながら資格を取れることです。当社がご紹介している求人にも、入社後に会社の支援で資格を取る前提のものが多くあります。支援の中身は会社ごとに違うため、面接で確認しましょう。
自分の経験と目指す職種で、どの資格から始めるか、どの求人に応募できるかを、キャリアアドバイザーに無料で相談できます(オンライン・60分)。
「参考」の集計について:キャリアカンパニーのサイト(求人検索)に掲載している求人133件(2026年11月2日時点)を、当社で1件ずつ確認して分類しました。掲載しているのは当社が未経験の方におすすめしている求人で、IT業界の求人全体を代表するものではありません。1件の求人に複数の扱いがある場合は、応募のしやすさに最も影響する扱いで数えています。資格の名前が出てくる件数は、42件の求人票の本文に名前があるかで数えています。掲載中の求人は入れ替わるため、件数は時期によって変わります。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。