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ITパスポートとは?難易度・合格率・勉強時間と、転職での活かし方【未経験向け】

ITパスポートとは?難易度・合格率・勉強時間と、転職での活かし方【未経験向け】

ITパスポートの難易度と合格率|勉強の進め方と、転職での活かし方

目次

結論|ITパスポートは、ITの基礎を広く学べば届く国家試験。合格率は約5割

ITパスポート試験は、ITを使うすべての人に向けた、情報処理技術者試験の入口となる国家試験です。IPA(情報処理推進機構)の公表では、令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の合格率は48.6%でした。

  • 難易度:IT系の仕事をしていない社会人の合格率は51.4%(令和7年度)。ITの仕事の経験がなくても、出題範囲を一通り学べば届く水準です。ただし、受験者の約半分は不合格なので、準備なしで受かる試験ではありません。
  • つまずきやすい点:3つの分野それぞれに基準点があり、苦手な分野を残すと、合計点が足りていても不合格になります。
  • 転職での評価:ITを学び始めたことを示す材料になります。一方で、ITパスポートだけで採用が決まるわけではありません。エンジニアを目指す方は、次に学ぶ資格まで決めておくと、選考で説明しやすくなります。

この記事では、試験の内容・合格率・勉強の進め方と、未経験からIT転職を目指す方が、ITパスポートをどう活かせばよいかを整理します。

ITパスポートとは|ITを使う人のための国家試験

ITパスポート試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験で、情報処理技術者試験の試験区分のひとつです。エンジニアだけでなく、ITを使って働くすべての人に向けて、ITの基礎知識に加えて、経営・法務・プロジェクト管理などの知識を幅広く問います。

情報処理技術者試験の中では、最も基礎的な位置づけです。エンジニアとして働くための知識を学ぶ試験としては、その一つ上に基本情報技術者試験があります。

試験の概要

項目内容
実施方式CBT方式(パソコンで解答)。年間を通じて随時実施
試験時間120分
出題数100問(うち、総合評価に使われるのは92問。残り8問は今後出題する問題の評価に使われる)
出題形式四肢択一式
出題分野ストラテジ系(経営全般)35問程度/マネジメント系(IT管理)20問程度/テクノロジ系(IT技術)45問程度
採点方式IRT(項目応答理論)に基づいて評価点を算出
合格基準総合評価点600点以上(1,000点満点)、かつ、3分野それぞれの分野別評価点が300点以上(各1,000点満点)
受験料7,500円(消費税込み)
受験資格特になし

出題範囲は、IPAが公開している「シラバス」で定められています。2026年1月には、法改正などを反映したシラバス(Ver.6.5)が公開されています。また、IPAは2027年度から始まる予定の新しい試験制度のシラバス案も公表しています(内容は変わる可能性があるとされています)。受験の前に、最新の情報を公式サイトで確認してください。

分野ごとの出題範囲と、押さえるポイント

ITパスポート試験の出題範囲は、3つの分野に分かれています。分野ごとに基準点(300点)があるため、それぞれの分野で何が問われるかを、先に把握しておきましょう。

分野主な出題の範囲(IPAの出題範囲の分類)
ストラテジ系(経営全般)企業と法務(企業活動・法務)
経営戦略(経営戦略マネジメント・技術戦略マネジメント・ビジネスインダストリ)
システム戦略(システム戦略・システム企画)
マネジメント系(IT管理)開発技術(システム開発技術・ソフトウェア開発管理技術)
プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント(サービスマネジメント・システム監査)
テクノロジ系(IT技術)基礎理論(基礎理論・アルゴリズムとプログラミング)
コンピュータシステム(コンピュータ構成要素・システム構成要素・ソフトウェア・ハードウェア)
技術要素(情報デザイン・情報メディア・データベース・ネットワーク・セキュリティ)

ストラテジ系のポイント

会社の仕組み、会計、法律(知的財産・個人情報の保護など)、経営の考え方が出題されます。用語が日常で使う言葉と近いため、なんとなく分かった気になりやすい分野です。用語の意味を、具体的な例と一緒に説明できるかを確認しながら学びます。

マネジメント系のポイント

システムを作る流れ、プロジェクトの進め方、ITサービスの運用と監査が出題されます。手順の順番や、それぞれの工程の目的を問う問題が多いため、流れ図のように順番で覚えると整理しやすくなります。

テクノロジ系のポイント

コンピュータの仕組み、ネットワーク、セキュリティ、データベース、簡単な計算やアルゴリズムが出題されます。問題数が最も多い分野です。ITに触れたことが少ない方は、ここに最も時間を使う計画にするとよいでしょう。セキュリティとネットワークは、インフラエンジニアを目指す場合に、入社後もそのまま役立つ知識です。

合格率から見る難易度

IPAが公表している試験結果から、受験者の区分ごとの合格率を見てみます。

区分令和7年度(2025年4月〜2026年3月)令和8年度(2026年4月〜9月の累計)
全体48.6%(受験者271,352人・合格者132,012人)48.9%(受験者109,986人・合格者53,815人)
社会人50.9%52.1%
 うちIT系の仕事48.9%50.9%
 うちIT系以外の仕事51.4%52.4%
学生41.0%38.9%

表から分かるのは、次の2点です。

  • ITの仕事をしていない社会人でも、合格率はIT系の仕事の社会人と同じくらいかやや高い:ITパスポートは、仕事でITを使っているかどうかより、出題範囲を学んだかどうかで結果が分かれる試験だと考えられます。
  • それでも、約半分は不合格:「簡単な試験」と考えて準備を怠ると、落ちることがあります。

なお、エンジニア向けの基本情報技術者試験の合格率は、令和7年度で38.3%(IPA公表)でした。ITパスポートは、その手前の基礎を学ぶ試験と考えると、位置づけがつかみやすくなります。

「難しい」と感じやすいポイント

1. 分野ごとの基準点がある

合計点が600点以上でも、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のどれかが300点に届かないと、不合格になります。得意な分野だけを伸ばすのではなく、3分野をまんべんなく学ぶ必要があります。

2. ITの技術以外の知識も問われる

ストラテジ系では、経営戦略・会計・法務(知的財産や個人情報の保護など)が出題されます。ITの技術に関心があって受験する方ほど、この分野でつまずきやすくなります。反対に、ITに触れたことが少ない方は、テクノロジ系(ネットワーク・セキュリティ・データベースなど)の用語に苦労しやすい傾向があります。

3. 用語の量が多く、新しい分野も出る

出題範囲が広いため、覚える用語が多くなります。また、AIやセキュリティ、法改正など、新しい内容もシラバスに追加されます。古い教材だけで学ぶと、最新の出題範囲とずれることがあります。

勉強時間の目安と、学習計画の立て方

IPAは、合格に必要な勉強時間の目安を公表していません。必要な時間は、ITや仕事での経験によって大きく変わります。たとえば、事務職でパソコンを日常的に使っている方と、パソコンにほとんど触れない方とでは、テクノロジ系の理解にかかる時間が違います。

ここでは、ITの仕事の経験がない社会人が、平日に少しずつ学ぶ場合の計画の一例を紹介します。自分の理解度に合わせて、期間を調整してください。

時期(一例)学ぶことポイント
1〜2週目テクノロジ系の基礎(コンピュータの仕組み、ネットワーク、セキュリティ)用語は、仕組みとあわせて理解する
3週目マネジメント系(プロジェクト管理、サービス管理、システム監査)流れ・手順で覚える
4週目ストラテジ系(経営戦略、会計、法務)法律や会計は、出題されやすい用語から
5週目過去問題(公開問題)を、分野ごとに解く間違えた分野の教材に戻る
6週目過去問題を、本番と同じ120分で解く3分野すべてで基準点を超えているか確認する

勉強時間をつくるコツは、「毎日決まった時間に、短くても続ける」ことです。通勤時間に用語を覚え、休日に問題をまとめて解く、という分け方もおすすめです。

おすすめの勉強方法

  • 最新のシラバスに対応した教材を1冊選ぶ:教材を何冊も使うより、1冊を繰り返すほうが、出題範囲を一通り押さえやすくなります。
  • IPAの公開問題を使う:IPAの公式サイトでは、過去に実際に出題された問題(公開問題)と解答例が公開されています。
  • CBTの操作に慣れておく:公開問題は、IPAの疑似体験用ソフトウェアにも登録されています。本番と同じ形式で、時間配分を練習できます。
  • 分野別の得点を確認する:模擬問題では、合計点だけでなく、3分野それぞれが基準点に届いているかを確認します。

試験当日の時間配分

試験時間は120分で、出題は100問です。単純に割ると、1問あたり1分強の計算になります。

  • 1周目は、分かる問題から解く:迷う問題には印をつけて先に進み、最後まで一通り解きます。
  • 計算問題は、後回しにしてもよい:時間がかかる計算問題で止まらないようにします。
  • 見直しの時間を残す:最後に、印をつけた問題と、解答の入力もれを確認します。

CBTの操作に不安がある方は、IPAの疑似体験用ソフトウェアで、本番と同じ画面の動きに慣れておくと安心です。

よくある失敗と対策

よくある失敗対策
得意な分野だけ勉強して、苦手な分野が基準点に届かない3分野それぞれの得点を、模擬問題で確認する
古い教材で勉強して、新しい出題範囲とずれる最新のシラバスに対応した教材を選ぶ
用語を覚えただけで、問題の形式に慣れていない公開問題を、本番と同じ時間で解く
受験日を決めずに、学習がだらだら続く先に受験日を予約し、そこから逆算して計画を立てる
「簡単な試験」と考えて、準備が足りない合格率が約5割であることを前提に、計画的に準備する

働きながら、学習の時間をつくるコツ

  • 平日は短く、毎日続ける:仕事の後に20〜30分でも続けると、用語を忘れにくくなります。
  • 通勤時間は、用語と一問一答に使う:スマートフォンで用語を確認し、まとまった時間は過去問題に使います。
  • 休日に、模擬試験をまとめて解く:120分の通しの演習は、休日に行います。
  • 学んだことを記録する:苦手な用語や間違えた問題を記録しておくと、直前の見直しと、面接で学習の様子を話す材料になります。

申し込みから試験当日まで

  1. ITパスポート試験の公式サイトから、受験を申し込みます(受験日と会場を選びます)。
  2. 試験当日は会場のパソコンで解答します。試験が終わると、受験者の画面に結果が表示されます。ただし、この時点では合格は確定しません。合格者は、経済産業大臣による決定のあと、月ごとに発表されます。
  3. 不合格だった場合も、再受験までの待機期間や回数の制限はありません(申し込み済みの試験を受け終えてから、次の申し込みができます)。

転職での活かし方|未経験からIT業界を目指す方へ

ITパスポートは、転職でどう見られるか

ITパスポートは、ITの基礎を一通り学んだことを示す資格です。未経験からIT業界を目指す方にとっては、「ITの学習を、実際に始めている」ことを示す材料になります。

一方で、エンジニアの採用では、ITパスポートだけで評価が大きく変わることは多くありません。採用する側が知りたいのは、なぜITの仕事に就きたいのかと、入社後も学び続けられるかです。ITパスポートは、その学習の成果を示す材料のひとつとして使いましょう。

CAの現場から|面談で見えること

キャリアカンパニーのキャリアアドバイザー(CA)が、面談で見ている実態です。

  • ITパスポートを持っている方は多い:当社の面談に来る未経験の方のうち、ITパスポートを持っている方・勉強中の方は多くいます。20代中盤以降の方が中心で、前職はさまざまです。「IT業界に転職するなら、まずITパスポート」と考えて勉強を始める方が多い印象です。
  • 企業からは「学習意欲の証明」と見られる:採用する企業からは、ITパスポートは学習意欲の証明にはなっても、技術力の証明とは見られにくいのが実態です。実際の選考では、CCNAや基本情報技術者試験など、もう一段上の資格の勉強を求められることが多くあります。
  • 次の資格は、目指す職種で分かれる:インフラエンジニア志望の方はCCNAやLPIC、開発エンジニア志望の方は基本情報技術者試験に進むことが多いです。
  • 取る前から応募してよい:ITパスポートに合格してから応募する必要はありません。まだ勉強を始めていない方は、先に目指す職種の方向性を固め、その職種に合う資格から勉強を始めるほうが、遠回りになりません。

書類や面接では、資格の名前だけでなく、いつから勉強しているか・1日の勉強時間・勉強してみての感想・エンジニアへの意欲の4つを伝えるよう、お伝えしています。

目指す職種で、次に学ぶものを決める

目指す方向ITパスポートの次の例参考記事
インフラエンジニア(サーバー・ネットワーク)CCNA(ネットワーク)、LPIC/LinuC(Linux)CCNAとは?/LinuC(リナック)の難易度は?
開発・ITの基礎をさらに深める基本情報技術者試験基本情報技術者試験の難易度は?
まずITの現場に入る(ヘルプデスクなど)入社後の実務と並行して学ぶITヘルプデスクとは?

資格の全体的な順番は、IT資格ロードマップでまとめています。インフラエンジニアへの転職の流れ全体は、インフラエンジニアへ未経験で転職する方法で解説しています。

ITパスポートの次に学ぶ方へ:無料の学習カリキュラム

キャリアカンパニーでは、CCNA・LPICなどの無料学習カリキュラムを用意しています。インフラエンジニアを目指す方は、ITパスポートで学んだ基礎の次に、ネットワーク(CCNA)やLinux(LPIC)を順に学べます。転職の相談とあわせて利用できます。

オンライン IT スクールを見る

履歴書・職務経歴書での書き方

合格している場合は、資格欄に「ITパスポート試験 合格」と、合格年月をあわせて書きます。正式な書き方、合格前(受験予定・学習中)の書き方、面接での伝え方の例文は、ITパスポートは転職で評価される?履歴書の書き方・面接での伝え方で詳しく解説しています。

書類全体の書き方は、IT業界の職務経歴書の書き方も参考にしてください。

ITパスポートの次に、何から始めるか相談したい方へ

いまの経験と目指す仕事をお聞きして、次に学ぶ資格と、応募を始めるタイミングを、キャリアアドバイザーと一緒に整理できます(オンライン・60分)。

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よくある質問(FAQ)

Q1. ITパスポートは、未経験でも合格できますか?

はい、目指せます。IPAの公表では、令和7年度のIT系以外の仕事をしている社会人の合格率は51.4%で、IT系の仕事をしている社会人(48.9%)と同じくらいでした。ただし、受験者の約半分は不合格なので、3分野をまんべんなく学ぶ準備が必要です。

Q2. ITパスポートの合格率はどのくらいですか?

IPAの公表では、令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の合格率は48.6%でした。令和8年度は、4月〜9月の累計で48.9%です。最新の数字は、IPAの公式サイトで確認してください。

Q3. 勉強時間はどのくらい必要ですか?

IPAは、勉強時間の目安を公表していません。必要な時間は、ITや仕事での経験によって変わります。この記事では、ITの仕事の経験がない社会人が、6週間で学ぶ計画の一例を紹介しています。

Q4. ITパスポートと基本情報技術者は、どちらを先に取るべきですか?

ITの全体像から始めたい場合は、ITパスポートが入りやすいです。エンジニアを目指すなら、基本情報技術者のほうが、実務に近い基礎を学べます。知識に自信があれば、基本情報から挑戦しても構いません。

Q5. ITパスポートは、何点取れば合格ですか?

総合評価点が1,000点満点中600点以上で、かつ、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の分野別評価点がそれぞれ1,000点満点中300点以上で合格です。合計点が足りていても、1つの分野が300点に届かないと不合格になります。

Q6. ITパスポートは、いつ受験できますか?

CBT方式で、年間を通じて随時実施されています。公式サイトから、受験したい日と会場を選んで申し込みます。不合格だった場合も、再受験までの待機期間や回数の制限はありません。

Q7. ITパスポートを取れば、IT業界に転職できますか?

ITパスポートは、ITの学習を始めていることを示す材料になりますが、それだけで採用が決まるわけではありません。志望の理由と、次に何を学んでいるかをあわせて伝えることが大切です。

まとめ|ITパスポートは、IT転職の「最初の一歩」として活かす

  • ITパスポートは、ITを使う人のための国家試験です。令和7年度の合格率は48.6%で、IT系以外の仕事をしている社会人でも51.4%が合格しています。
  • 3分野それぞれに基準点があるため、苦手な分野を残さないように学びます。
  • 転職では、ITの学習を始めたことを示す材料になります。エンジニアを目指す方は、次に学ぶ資格まで決めて、選考で説明できるようにしておきましょう。

ITパスポートの次に何を学ぶか、どの職種から目指すかは、いまの経験や希望によって変わります。自分の場合の進め方を、キャリアアドバイザーに無料で相談できます(オンライン・60分)。

まず質問だけしたい方はこちら

出典・公式情報(確認日:2026年10月29日):IPA「ITパスポート試験」公式サイト(試験内容・出題範囲/受験要領/統計情報(試験結果:令和8年3月度・令和8年9月度)/FAQ/過去問題)。基本情報技術者試験の合格率はIPA公表の令和7年度の値。

この記事の監修者
百瀬将悟 プロフィール写真

株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者

百瀬 将悟

大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。

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