
IT転職エージェントの面談で聞かれるのは、主に「転職のきっかけ」「これまでの経験」「希望条件」「転職の時期と活動状況」「不安なこと」の5つです。面談は「選考」ではなく、あなたに合う求人を探すための相談の場です。うまく話そうとするより、事実を正直に話すことが、合う求人に出会う近道になります。この記事では、面談の流れ、5つの質問への答え方(伝え方の例つき)、正直に伝えたほうがよいこと、事前準備のシート、逆質問、面談後の流れ、よくある不安までまとめました。
この記事のポイント
面談の進め方はエージェントごとに違いますが、全体の流れは、おおむね次のようになります。時間は、30分〜1時間程度が目安です。
自己紹介・サービスの説明 最初の5〜10分
担当者の自己紹介、サービスの内容、面談の進め方の説明。緊張をほぐす雑談から始まることも多い
経歴・転職の軸のヒアリング 10〜20分
これまでの仕事内容、転職を考えたきっかけ(本音も含めて)、将来像(ぼんやりしていてよい)を聞かれる
希望条件の確認 5〜10分
夜勤・勤務地・年収・入社時期など。優先順位も聞かれる
IT業界・職種の説明 10〜20分
職種(インフラ・開発・ヘルプデスクなど)の違い、企業の種類、求人票の見方の説明を受ける
求人の提案・今後の流れ 5〜10分
合いそうな求人の方向性と、書類作成から入社までのスケジュールの共有
IT業界の知識がなくても、問題ありません。むしろ、「分からない」を、そのまま伝えることが大切です。分からない部分を、面談で説明してもらうことが、面談の目的の一つです。
聞かれる内容は、大きく5つです。それぞれ、聞かれる理由と、伝え方の例をまとめます(例は架空です)。
聞かれる理由:現状への不満だけでなく、何を実現したいのか(転職の軸)を知るため。
面談では、「本音」まで話して大丈夫です。面接のように、きれいな言い方に整えなくて構いません。本音を話すほど、本当に合う求人を探してもらえます。面接での伝え方は、別途一緒に作ります。
聞かれる理由:経歴を踏まえて、紹介できる職種や企業の範囲を考えるため。
経験の詳細(担当業務、工夫したこと)や、学習の進み具合を、できるだけ具体的に話します。数字や、経歴の細かい部分は、後日、書類を作るときに整理するので、面談では覚えている範囲で大丈夫です。
聞かれる理由:紹介できる求人を絞るため。条件が合わないまま進むと、お互いに時間が無駄になるため。
夜勤・シフト・勤務地・年収・働き方は、面談の段階で、正直に、はっきり伝えます。あとから「夜勤は難しい」と分かると、紹介できる求人が変わってしまいます。譲れない条件と、柔軟にできる条件を分けて話しましょう。
聞かれる理由:選考のスケジュール、企業への入社日の調整、他社の状況を把握するため。
在職中か、退職済みかで、進め方が変わります。他社の応募状況も、隠さず伝えて大丈夫です。選考の日程管理が、しやすくなります。
聞かれる理由:不安の内容に合わせて、情報提供やサポートを組み立てるため。
不安は、具体的であるほど、解決策を提案してもらえます。「全部不安」という状態でも構いません。話しながら整理することもできます。
| 項目 | 伝える理由 |
|---|---|
| 夜勤・シフト・出張の可否 | 求人の募集要件に影響する。面接で曖昧に答えると、不合格の原因になることもある |
| 勤務地・通勤時間の希望 | 紹介できる範囲が決まるため |
| 年収の希望と、下限 | 求人の条件との整合を取るため。譲れない最低ラインを明確にする |
| 入社可能な時期 | 企業の採用計画との調整のため。在職中の場合は、退職にかかる期間も |
| 他社の応募・選考状況 | 日程管理と、内定時期の調整のため |
| 学習の状況(資格・期間・内容) | 本気度と、現在のレベルを把握するため |
| 経歴の不安要素(短期離職・ブランクなど) | 面接対策や、書類での補足の準備ができるため |
面談の内容は、応募先の企業に、そのまま伝わるわけではありません。応募する前に、書類の内容や、企業に伝える情報は確認します。個人情報の扱いに不安があるときは、面談の最初に確認しましょう。
5つの基本質問のほかにも、次のような質問をされることがあります。答えを一言で終えず、背景も添えると、より合う求人を探してもらえます。
聞かれる理由:学習のレベルと、継続力を知り、紹介できる職種・企業の範囲を考えるため。
「まだ始めたばかり」でも問題ありません。始めたきっかけと、続けている事実があれば、評価されます。学習していない場合は、正直に「これから始めたい」と伝え、何から始めればよいか相談しましょう。
聞かれる理由:働き方の希望(シフト・残業・在宅など)と、企業のタイプを合わせるため。
「できるだけ楽な環境」ではなく、「長く成長できる環境」という言い方にすると、意欲が伝わります。
聞かれる理由:キャリアの方向性を知り、将来につながる企業を提案するため。
「ぼんやり」でも構いません。面談の中で、一緒に具体化していきます。「まだ決まっていない」と、正直に伝えて大丈夫です。
聞かれる理由:条件以外の価値観(社風・研修・チーム・成長環境)を知り、企業の選び方に反映するため。
社風や研修は、求人票だけでは分かりにくい情報です。エージェントが持つ、企業の内部情報と照らし合わせるために聞かれます。
聞かれる理由:現在の理解と興味の方向を知り、職種の説明の深さを調整するため。
分からないことは、そのまま伝えます。面談の目的の一つが、職種の違いを理解して、自分に合う方向を決めることです。
| よくある失敗 | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| 良く見せようとして、事実を盛る | 書類・面接で矛盾し、評価を落とす。合わない求人が紹介される | 事実を、そのまま話す。足りない部分は、準備で補う |
| 希望条件を、あいまいにする | 希望と違う求人が続き、紹介が進まない | 譲れない条件を2〜3個に絞って、はっきり伝える |
| 受け身で、質問をしない | 提案の理由が分からず、納得して応募できない | 聞きたいことのリストを用意して、質問する |
| 連絡が遅れる・日程調整が進まない | 選考の機会を逃し、信頼を損なう | 返信は当日中に。日程は、候補日をまとめて出す |
| 面談を、遅刻・無断欠席する | 信頼を失い、紹介の優先度が下がる | 遅れそうなときは、事前に必ず連絡する |
面談が終わったら、当日中か翌日に、お礼と今後の確認を送ると、丁寧な印象になります。
面談のあとは、書類作成と面接対策に進みます。書類はIT転職の職務経歴書の書き方、面接は未経験IT転職の面接でよく聞かれる質問と答え方を参考に、準備を始めましょう。
面談では、職種や企業の種類の説明を受けることが多くあります。事前に、次の違いを知っておくと、理解が早くなります。
| 職種 | 主な仕事 | 未経験からの入りやすさの目安 |
|---|---|---|
| インフラエンジニア | サーバー・ネットワークなどの設計・構築・運用・監視 | 運用・監視から始める求人が多く、未経験歓迎の求人がある |
| ヘルプデスク・ITサポート | 社内外からの、PCやシステムの問い合わせ対応 | 未経験歓迎の求人が多い入口の職種 |
| 開発エンジニア(プログラマー) | プログラムを書いて、システム・アプリを作る | 学習の実績(成果物)が見られることが多い |
| IT事務 | ITに関わる事務作業、資料作成、問い合わせの一次対応など | 事務経験を生かしやすい |
| 企業の種類 | 特徴 |
|---|---|
| SES(客先常駐) | 技術者が、取引先の企業に常駐して、業務を行う契約形態。配属先で経験が決まる |
| SIer(システムインテグレーター) | 顧客のシステムの設計・開発・運用を、請け負って進める企業 |
| 自社開発 | 自社のサービスや製品を、自社で開発・運営する企業 |
✔ ポイント
企業の種類や、職種の違いによって、働き方・学べる内容・キャリアの進み方は大きく変わります。求人票だけでは判断しにくい部分なので、面談で遠慮なく質問しましょう。
完璧な準備は必要ありません。次の3つを、メモにまとめておくだけで、面談がスムーズになります。
| 質問 | 聞く理由 |
|---|---|
| IT業界の職種の違い(インフラ・開発・ヘルプデスク)を教えてください | 自分に合う職種を、納得して選ぶため |
| 私の経歴で、紹介できる求人の傾向はどのようなものですか | 現実的な見通しを知るため |
| 紹介する求人は、どうやって選んでいるのですか | 「なぜその企業なのか」の説明の質を確認するため |
| 面接対策は、企業ごとにしてもらえますか。模擬面接はできますか | 選考対策の手厚さを知るため |
| 担当者は、IT企業の採用に関わった経験がありますか | 採用側の視点を持っているかを確認するため |
| 入社後のフォローは、ありますか | 定着へのサポートの有無を知るため |
| 個人情報は、企業に出す前に確認してもらえますか | 個人情報の扱いを確認するため |
| 連絡手段と、連絡の頻度はどうなりますか | 自分に合うやり取りかを確認するため |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 求職者は無料。有料職業紹介事業者は、求職者から手数料を取ることはできません(厚生労働省の案内) |
| 時間 | 30分〜1時間程度が目安(エージェントによって異なる) |
| 形式 | オンライン(ビデオ通話)か、対面か、電話。希望を伝えられることが多い |
| 持ち物 | 履歴書・職務経歴書があれば手元に。なくても面談は可能 |
| 服装 | 指定がなければ、普段の清潔感のある服装でよい |
初回の面談は、「完成した状態で臨む場」ではなく、「状況を整理していく場」です。肩の力を抜いて、気軽に相談してみましょう。
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 書類作成 | 履歴書・職務経歴書の作成・添削 | 1〜2週間 |
| 求人紹介 | 希望に合う求人の提案 | 随時 |
| 応募・選考 | 書類選考 → 面接(1〜3回) | 2〜4週間 |
| 面接対策 | 企業ごとの対策、模擬面接 | 面接前に随時 |
| 内定・条件確認 | 内定の確認、条件の確認・交渉 | 3〜5日 |
| 退職手続き | 退職交渉のアドバイス、引き継ぎの調整 | 1〜2か月 |
キャリアカンパニーで2025年8月〜2026年7月に入社が決まった方の自社集計では、面談から内定までの期間は中央値で40日でした。詳しい流れと期間はIT転職エージェントの登録から内定までの流れと期間で解説しています。
大丈夫です。面談の中で、職種の違いや、企業の種類(SES・SIer・自社開発など)、求人票の見方などを、説明してもらえます。基礎から教えてもらえるエージェントを選ぶのが、安心です。
受けて問題ありません。情報収集の段階でも、市場の状況や、自分の経歴で可能な選択肢を聞くことができます。「まだ迷っている」と、正直に伝えましょう。
応募を強制されることはありません。紹介された求人に納得できなければ、断って構いません。断るときは、理由を添えて伝えると、次の提案の質が上がります。
併用は一般的です。担当者の質や、求人の傾向を比べられます。同じ求人に二重で応募しないよう、応募状況を管理しておきましょう。エージェントの選び方は未経験からのIT転職エージェントおすすめ、使うときの注意点は転職エージェントのデメリットと注意点で解説しています。
面談・面接の服装については、こちらで詳しく解説しています。
▶ 中途採用の面接の服装|スーツ・私服・オンラインの選び方
次にやること
あわせて読みたい:IT転職エージェントの登録から内定までの流れと期間|在職中でも進められる?
面談から内定までの期間は、人によって異なります。キャリアカンパニーで2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名の集計です。
出典:キャリアカンパニー自社集計(2025年8月〜2026年7月に入社が決まった201名。定着率は、入社後1年以内に退職しなかった方の割合(201名が対象))
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 面談から内定までの期間(中央値) | 40日 |
| 内定までに応募した会社数/内定をいただいた会社数(1人あたり平均) | 5社/4社 |
| 前職がIT以外だった方の割合(全体201名) | 90% |
※自社集計(2025年8月〜2026年7月に入社が決まった方。定着率は、入社後1年以内に退職しなかった方の割合(201名が対象))。
厚生労働省の案内では、有料職業紹介事業者は、求職者から手数料を取ってはならないとされています。登録前に、手数料や条件の説明があるかを確認しておくと安心です。
迷っている段階でも相談できるエージェントはあります。ただし対応はエージェントによって異なるため、申し込み時に「情報収集の段階であること」を伝えて確認しましょう。
希望額と、最低限ほしいラインの両方を伝えるのがおすすめです。希望だけを高く伝えると、紹介される求人の幅が狭くなることがあります。
面談は企業の選考とは別で、希望や経験を整理する場です。うまく話せなくても、一緒に整理してもらえます。準備メモを見ながら話しても問題ありません。
問題ありません。複数のエージェントを比較すると、紹介される求人や担当者との相性の違いが分かります。ただし、同じ企業に重複して応募しないよう、応募状況は自分で管理しましょう。
この記事の内容をふまえて、自分の場合はどうなのかを知りたい方は、キャリアカンパニーの無料相談をご利用ください。経験や希望に合わせて、キャリアアドバイザーがご相談に対応します。
アドバイザー
百瀬将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。