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情報処理安全確保支援士試験とは?難易度・合格率・2026年度からの試験方式と、転職での評価

情報処理安全確保支援士試験とは?難易度・合格率・2026年度からの試験方式と、転職での評価

情報処理安全確保支援士の難易度と合格率は?2026年度からの試験方式と、転職での評価

目次

結論|合格率は約2割。実務経験のあるエンジニア向けの、セキュリティの国家試験

情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティの専門知識を問う国家試験です。令和7年度秋期の合格率は22.3%で、合格者の平均年齢は34.4歳でした(IPA公表)。

  • 難易度は高い:IPAの試験の中でも、応用情報技術者試験より上の「高度試験」と同じ水準です。記述式の科目Bがあり、知識だけでなく、事例を読んで対策を考える力が問われます。
  • 2026年度から試験方式が変わった:紙の試験からCBT方式(パソコンで解答)になり、前期・後期の年2回、期間内に会場と日時を選んで受験します。
  • 合格後に登録すると「登録セキスペ」になれる:登録には費用がかかり、3年ごとの更新と、毎年の講習の受講が必要です。
  • 未経験からいきなり目指す資格ではない:まずはITパスポートや基本情報技術者試験、ネットワークやサーバーの実務で土台をつくり、そのあとに目指すのが現実的です。

この記事では、試験の概要と難易度に加えて、転職でどう評価されるか、どの順番で目指すかを、転職支援の立場から整理します。

情報処理安全確保支援士とは|セキュリティの「登録制」の国家資格

情報処理安全確保支援士は、2016年10月の「情報処理の促進に関する法律」の改正で生まれた国家資格です。略称は登録セキスペ(Registered Information Security Specialist)です。

項目内容
試験の名称情報処理安全確保支援士試験(略号:SC)
資格の名称情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
資格の種類国家資格(名称独占)。試験に合格し、IPAに登録して名乗れる
対象者像組織のセキュリティ対策を企画・推進し、技術と管理の両面から助言できる人
主な仕事セキュリティ方針の策定、リスク評価、システム開発でのセキュリティ確保、インシデント対応の体制づくり

ポイントは、試験に合格しただけでは「情報処理安全確保支援士」を名乗れないことです。合格後にIPAへ登録の申請をして、はじめて資格保持者になります。合格者には経済産業大臣から合格証書が交付されるので、登録しない場合も「試験に合格した」ことは書類で伝えられます。

情報セキュリティマネジメント試験との違い

名前が似ている「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」とは、対象者も難易度も大きく違います。

比べる点情報セキュリティマネジメント試験(SG)情報処理安全確保支援士試験(SC)
主な対象者ITを使う部門で、セキュリティ管理を担う人セキュリティの専門家(エンジニア・コンサルタント)
試験のレベル基本情報技術者試験と同じ水準高度試験と同じ水準
出題形式選択式選択式+記述式
実施方式CBT方式で通年実施CBT方式で前期・後期の年2回(2026年度)
合格後の登録なし登録すると国家資格「登録セキスペ」

セキュリティの勉強を始めたばかりの方は、SGで用語と考え方に慣れてから、SCに進む方法もあります。

試験の概要|2026年度からCBT方式・年2回に

2026年度(令和8年度)から、情報処理安全確保支援士試験はCBT方式になりました。試験会場のパソコンで解答し、実施期間の中から、空いている会場と日時を選んで受験します。

試験科目と出題形式

科目試験時間出題形式と問題数
科目A-1(旧:午前Ⅰ)50分四肢択一・30問(すべて解答)
科目A-2(旧:午前Ⅱ)40分四肢択一・25問(すべて解答)
科目B(旧:午後)150分記述式・4問から2問を選んで解答

科目の名前は変わりましたが、IPAは、問う知識・技能の範囲、出題形式、配点、合格基準に変更はないとしています。

2026年度の日程

項目前期後期
申込受付期間2026年10月6日〜10月24日2027年1月27日〜2月27日
科目A-1・A-2の実施期間2026年10月17日〜10月27日2027年2月20日〜3月2日
科目Bの実施期間2026年11月11日〜11月23日2027年3月16日〜3月28日
  • 受験手数料:7,500円(情報処理安全確保支援士試験は非課税)
  • 合格発表:前期は2027年2月頃、後期は2027年6月頃の予定です。
  • 科目A-1の免除:一定の期間内に、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験に合格した人などは、科目A-1の免除を申請できます。対象の回は、IPAの案内で確認してください。

なお、IPAは2027年度から新しい試験制度に移行する予定としています。2027年度以降に受験する方は、IPAの「試験制度の見直しについて」のページで、最新の出題範囲とサンプル問題を確認しましょう。

難易度|合格率と合格基準から見る

合格率

項目情報処理安全確保支援士試験応用情報技術者試験(参考)
受験者数18,816人44,005人
合格者数4,199人10,792人
合格率22.3%24.5%
合格者の平均年齢34.4歳28.6歳

(令和7年度秋期。IPA公表)

合格者の平均年齢が34歳台であることから、受験者の多くは、すでにIT業界で実務経験を積んでいる人だと考えられます。経験者が受けても、合格するのは約5人に1人です。

合格基準

科目配点基準点
科目A-1100点満点60点
科目A-2100点満点60点
科目B100点満点60点

3つの科目の得点がすべて60点以上で合格です。採点は素点方式で、問題の難易差が認められた場合には、基準点が変更されることがあります(IPA「試験要綱」)。どれか1つでも60点に届かなければ不合格になるため、苦手な科目をつくらないことが大切です。

「難しい」と感じやすいポイント

  • 科目Bが記述式:選択肢から選ぶのではなく、事例を読んで、原因や対策を自分の言葉で書きます。用語を覚えているだけでは得点しにくい科目です。
  • 出題範囲が広い:ネットワーク、暗号、認証、Webアプリケーションの脆弱性、マルウェア対策、セキュリティマネジメント、法律まで、幅広く問われます。
  • 長文を読む時間との勝負:科目Bは150分で2問ですが、1問あたりの問題文が長く、読む速さも求められます。

勉強の進め方|未経験からなら、まず土台づくり

目指す順番の目安

段階目指す資格・経験の例ねらい
1. ITの基礎ITパスポート、情報セキュリティマネジメント試験ITとセキュリティの用語に慣れる
2. エンジニアの基礎基本情報技術者試験ネットワーク・データベース・アルゴリズムの基礎を固める
3. 技術の土台CCNA(ネットワーク)、LinuC/LPIC(Linux)と、運用・監視などの実務仕組みを手を動かして理解する
4. 応用応用情報技術者試験科目A-1の免除にもつながる
5. 専門情報処理安全確保支援士試験セキュリティの専門性を証明する

未経験の方が、いきなり情報処理安全確保支援士を目指すのはおすすめしません。科目Bは、ネットワークやサーバーの仕組みを知っている前提で書かれているため、実務や下位の資格で土台をつくってからのほうが、結果的に近道になります。

応用情報技術者試験の難易度や試験方式、合格後の科目A-1の免除については、応用情報技術者試験とは?難易度・合格率・2026年度からの試験方式と、転職での評価で詳しく解説しています。

勉強方法

  • 過去問題を中心に進める:IPAは過去問題を公開しています。選択式の科目A-1・A-2は、過去問題を繰り返し解いて、出題の傾向と用語に慣れておきましょう。
  • 科目Bは「書いて」練習する:解答例を読むだけでなく、制限字数の中で自分で書いてから、解答例と比べます。
  • CBT方式に慣れておく:2026年度から、画面上で問題を読み、解答します。試験画面にはメモ・電卓の機能があり、メモ用紙1枚と筆記用具も配布されます(IPA案内)。
  • ネットワークの基礎を固め直す:TCP/IP、DNS、HTTP、ファイアウォールなどの理解が浅いと、科目Bで問題文が読めません。CCNAで学ぶ内容は、そのまま土台になります。

働きながら合格を目指す、学習計画の例

学習にかかる時間は、これまでの経験によって大きく変わります。ここでは、基本情報技術者試験に合格していて、ネットワークやサーバーの実務経験がある方が、後期試験を目指す場合の進め方の一例を示します。

時期の目安やること
最初の1か月出題範囲を確認し、ネットワーク・暗号・認証の基礎を復習する
2〜3か月目科目A-2の過去問題を分野ごとに解き、苦手分野を洗い出す
4〜5か月目科目Bの過去問題を1問ずつ解き、解答例と比べて書き方を身につける
試験前の1か月時間を計って本番どおりに解く。CBTの画面での読み方に慣れる

科目A-1の免除を使える方は、その分の時間を科目Bの練習に回せます。逆に、ネットワークの基礎に不安がある方は、最初の段階に時間をかけましょう。

よくある失敗と対策

よくある失敗対策
選択式の対策ばかりで、記述の練習が足りない早い段階から、科目Bを実際に書いて練習する
用語は覚えたが、仕組みを説明できない「なぜその対策が有効か」を自分の言葉で説明してみる
長文の問題文を読み切れない設問を先に読み、何を探すかを決めてから本文を読む
範囲が広く、計画が崩れる分野ごとに期限を決め、週単位で進み具合を確認する

合格後の登録と更新|費用と講習

情報処理安全確保支援士として登録するには、次の手続きと費用が必要です(IPA公表)。

項目内容
登録日年2回(4月1日、10月1日)
登録にかかる費用登録免許税 9,000円+登録手数料 10,700円
登録の有効期限登録日(または更新日)から3年
更新の条件毎年義務づけられた講習をすべて修了し、更新期限の60日前までに申請する
更新手数料かからない

講習は、オンライン講習と、IPAや民間事業者が行う実践講習の組み合わせです。登録すると、講習の受講が毎年必要になるため、会社が費用や時間を支援してくれるかも、登録するかどうかの判断材料になります。

登録するか迷ったときの考え方

登録したほうがよい場合試験の合格だけでもよい場合
セキュリティの専門職として、資格の名称を名乗って仕事をしたいまずは知識の証明として、合格の事実を書類に書ければ十分
会社が登録や講習の費用・時間を支援してくれる講習の時間や費用の負担が、いまは大きい
顧客や社内に、有資格者として説明する立場になる転職の書類で、合格を学習の成果として伝えたい

合格の事実は、登録しなくても合格証書で証明できます。転職の書類では、登録していない場合は「情報処理安全確保支援士試験 合格」、登録している場合は「情報処理安全確保支援士 登録」のように、状態がわかる書き方にしましょう。

転職での評価|どんな人に効く資格か

評価されやすい人

状況評価されるポイント
インフラ・開発の実務経験があり、セキュリティに専門を移したい経験に加えて、セキュリティの体系的な知識を証明できる
セキュリティエンジニア・セキュリティコンサルタントを目指す国家資格として、専門性の目安になる
社内SE・情報システム部門で、セキュリティ対策を担う社内規程やリスク評価など、管理面の知識も示せる

評価されにくい人

  • 実務経験がまったくない場合:資格だけで、セキュリティの専門職に採用されることは多くありません。未経験の場合は、まず運用・監視などの仕事でインフラの経験を積むことが先になります。
  • 資格と志望先が結び付いていない場合:セキュリティと関係の薄い職種に応募するときは、「なぜこの資格を取ったのか」「仕事でどう生かすか」を説明できるようにしましょう。

セキュリティの仕事に近づく、最初の職場の選び方

当社の面談では、将来セキュリティエンジニアを目指す方に、最初の職場として次のような仕事をおすすめしています。

仕事身につくこと
インフラエンジニア(ネットワーク・サーバーの運用保守)ネットワークやサーバーの仕組みと、障害対応の基本
セキュリティの運用・監視(SOCアナリストなど)ログやアラートを見て、攻撃の兆候を判断する経験
社内SE・情報システム部門のセキュリティ関連業務社内のルールづくりや、アカウント・端末の管理など、管理面の経験

特に未経験の方には、ネットワークやサーバーの基礎を実務で学べる環境をおすすめしています。情報処理安全確保支援士の科目Bは、インフラの仕組みを知っている前提で書かれているため、こうした経験は、資格の勉強にも、その先のセキュリティの仕事にも役立ちます。

CAの現場から

当社のキャリアアドバイザー(CA)が、面談や企業とのやり取りで感じている傾向です。

  • 持っている方は、実務経験者が中心:情報処理安全確保支援士の資格を持つ求職者は、未経験の方では少なく、IT業界で実務経験を積んでいる方が中心という印象です。セキュリティ分野への関心が高く、専門性を高めたいと考えている方が多くいます。
  • 評価はされるが、決め手は実務経験:セキュリティエンジニアやインフラエンジニアの採用では、専門知識を示す資格として評価されやすい一方、資格だけで採用が決まることは少なく、実務経験や技術力が重視されます。特に経験者採用では、資格と実務経験の両方がある方が評価されやすいと考えています。
  • 未経験の方には、最初から目指さなくてよいと伝えている:まずはITパスポート、基本情報技術者試験、CCNA、LinuCなどで基礎知識を身につけることをおすすめしています。資格取得だけに時間をかけるより、早い段階でIT業界に入り、実務経験を積むことが大切です。

セキュリティエンジニアへの転職の全体像は、セキュリティエンジニアとは?、資格の順番はセキュリティエンジニア資格完全ガイドで解説しています。未経験から目指す方は、未経験からセキュリティエンジニアになる方法も参考にしてください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 情報処理安全確保支援士試験の合格率はどのくらいですか?

令和7年度秋期は、受験者18,816人のうち4,199人が合格し、合格率は22.3%でした(IPA公表)。

Q2. 合格点は何点ですか?

科目A-1、科目A-2、科目Bのすべてで、100点満点中60点以上が合格の基準です。問題の難易差が認められた場合には、基準点が変更されることがあります。

Q3. 2026年度から、試験はどう変わりましたか?

紙の試験からCBT方式に変わり、前期・後期の年2回、実施期間の中から会場と日時を選んで受験します。科目名は「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後」から「科目A-1・科目A-2・科目B」に変わりましたが、出題範囲・出題形式・配点・合格基準は変わりません。

Q4. 受験料はいくらですか?

7,500円です(情報処理安全確保支援士試験は非課税)。

Q5. 合格すれば、すぐに「情報処理安全確保支援士」を名乗れますか?

いいえ。合格後にIPAへ登録の申請をして、登録されてから名乗れます。登録には登録免許税9,000円と登録手数料10,700円が必要です。

Q6. 登録したあと、更新は必要ですか?

登録の有効期限は3年です。毎年義務づけられた講習をすべて修了し、更新期限の60日前までに申請する必要があります。更新手数料はかかりません。

Q7. 未経験から、いきなり受験してもよいですか?

受験資格の制限はありませんが、合格者の平均年齢は34歳台で、実務経験のある人が多く受験しています。未経験の方は、最初から目指す必要性は高くありません。ITパスポートや基本情報技術者試験、CCNA、LinuCなどで基礎を身につけ、早めにIT業界に入って実務経験を積むほうが現実的です。

Q8. 応用情報技術者試験とどちらを先に受けるべきですか?

応用情報技術者試験に合格すると、一定の期間、情報処理安全確保支援士試験の科目A-1の免除を申請できます。ITの幅広い基礎を固める意味でも、応用情報技術者試験を先に受ける方法があります。

まとめ|「経験+資格」で、セキュリティの専門性を示す

  • 情報処理安全確保支援士試験の合格率は22.3%(令和7年度秋期)。合格基準は全科目で60点以上
  • 2026年度からCBT方式・前期と後期の年2回。2027年度からは新しい試験制度に移行予定
  • 合格後に登録すると登録セキスペ。登録の費用と、3年ごとの更新・毎年の講習が必要
  • 転職では、実務経験と組み合わせたときに評価されやすい。未経験の方は、土台づくりから順に目指す

まず質問だけしたい方はこちら

出典・公式情報(確認日:2026年11月2日):IPA「情報処理安全確保支援士試験」/「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」/「令和7年度秋期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表について」/「試験要綱 Ver.5.6」(採点方式・配点・合格基準)/「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」・更新について・よくあるご質問/「試験制度の見直しについて」。

この記事の監修者
百瀬将悟 プロフィール写真

株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者

百瀬 将悟

大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。

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