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SESの待機とは?給与の扱い・待機中にやること・案件ガチャと給料が上がらないときの判断

SESの待機とは?給与の扱い・待機中にやること・案件ガチャと給料が上がらないときの判断

SESの待機とは?給与の扱いと過ごし方|案件ガチャ・給料が上がらないときの判断

目次

結論|SESの待機は珍しくない。大切なのは「待機の理由」と「続くかどうか」

SESの「待機」とは、客先での案件が終わり、次の案件が決まるまで、自社で待っている状態のことです。SESの働き方では、案件の切れ目に待機が生じることは珍しくありません。

  • 給与:会社の指示で研修や社内の業務をしていれば、通常は勤務として扱われます。会社の都合で休ませる場合、労働基準法では、平均賃金の60%以上の休業手当を支払うことが定められています。実際の扱いは、雇用契約と就業規則で確認します。
  • 待機中にやること:学習と資格の準備、経験の棚卸し、次の案件の希望を会社に伝えることです。
  • 見直したいサイン:待機が長く続く、くり返す、希望と違う案件ばかりになる(案件ガチャ)、給料が上がらない、という状態が重なるときは、会社選びを見直すタイミングです。

この記事では、SESの待機が起きる理由、待機中の給与の考え方、待機期間の使い方、案件ガチャや給料が上がらないときの判断のしかたを、転職エージェントの立場から整理します。SESという働き方そのものについては、SESはやめとけ?未経験が後悔しないための事実とキャリア戦略で解説しています。

SESの待機とは|なぜ起きるのか

SES(システムエンジニアリングサービス)では、エンジニアは自社に雇用されたまま、客先の現場で技術を提供します。そのため、客先との契約が終わると、次の案件が始まるまでの間、自社で待つ期間が生じることがあります。これが「待機」です。

待機が起きる主な理由内容
案件の契約が終わったプロジェクトの終了や、客先の予算の都合で、契約が終わる
次の案件が決まらない本人の経験や希望と、募集中の案件が合わない
面談で決まらない客先との面談(顔合わせ)で、別の候補者が選ばれる
時期の影響年度の切り替えなど、案件が動きにくい時期に重なる

待機は、本人の能力だけで起きるものではありません。ただし、同じ理由で何度も待機になる場合は、経験の積み方や、会社の案件の取り方に原因がある可能性があります。

待機中の給与はどうなる?

SESの会社に正社員として雇われている場合、待機中も雇用は続いています。給与の扱いは、待機中に何をしているかと、会社の規程によって変わります。

待機中の状況給与の扱い(一般的な考え方)
会社の指示で、研修・学習・社内の業務をしている勤務として扱われ、通常の給与が支払われるのが一般的
会社の都合で、休むよう指示された(休業)労働基準法第26条により、会社は平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要がある
「待機手当」などの規程がある支給の額や条件は会社ごとに異なる。雇用契約と就業規則で確認する

厚生労働省は、会社の都合(使用者の責めに帰すべき事由)で労働者を休ませた場合、休業期間中、平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払う必要があると案内しています。受注の減少など、経営上の理由による休業も、原則としてこれに当たるとされています。

待機中の給与が減った、説明がないまま休むよう言われた、という場合は、まず雇用契約書と就業規則を確認し、会社に説明を求めましょう。それでも分からないときは、都道府県労働局や労働基準監督署の相談窓口で相談できます。

待機中に「有給休暇を使って」と言われたら

年次有給休暇は、原則として、労働者が請求した時季に与えるものです。厚生労働省は、有給休暇は会社に命じられて取得するものではないと案内しています。ただし、会社によっては、労使協定にもとづいて有給休暇の日をあらかじめ決める制度(計画的付与)を設けている場合があります。

待機中に有給休暇の取得を求められたときは、それが自分の希望なのか、会社の制度にもとづくものなのかを確認しましょう。判断に迷うときは、就業規則を確認したうえで、相談窓口に相談できます。

待機中の働き方で、確認しておきたいこと

確認すること確認する理由
出社か、自宅での待機か勤務の扱い(勤務時間・連絡の方法)が変わるため
待機中にする業務・研修の内容勤務として扱われるかを確認し、学習の計画も立てやすくするため
次の案件の候補と、面談の予定待機の見通しを知り、準備を進めるため
待機中の給与・手当の扱い雇用契約・就業規則と食い違いがないかを確かめるため

待機期間にやること|次の案件と、自分の市場価値のために

1. 学習と資格の準備を進める

待機期間は、まとまった学習の時間をつくれる機会です。インフラ系の現場を目指すなら、Linux(LPIC・LinuC)やネットワーク(CCNA)など、次の案件の条件になりやすい知識を優先します。

2. これまでの経験を棚卸しする

担当した業務、使ったOSやツール、規模、自分が担当した範囲を、案件ごとに書き出しておきます。社内の営業が次の案件を探すときにも、自分で転職を考えるときにも、そのまま使える材料になります。

3. 次の案件の希望を、具体的に伝える

「どんな案件でもよい」と伝えると、経験につながらない案件に入ることがあります。「サーバーの構築に関わりたい」「夜勤のない現場を希望する」など、希望と、その理由を具体的に会社に伝えましょう。

伝え方の例:「これまで2年間、サーバーの運用・監視を担当してきました。次は、構築の作業に関われる案件を希望します。待機中はLinuxの学習を進めていて、来月LPIC-1の102試験を受ける予定です。条件に近い案件があれば、面談に進みたいと考えています。」

このように、これまでの経験・次に希望すること・いま準備していることをセットで伝えると、営業担当も案件を探しやすくなります。

4. 待機の状況を記録しておく

待機が始まった日、会社から受けた指示、紹介された案件、給与の扱いを、メモに残しておきます。あとで状況を説明するときや、相談するときの材料になります。

待機中の1週間の過ごし方(例)

曜日(例)過ごし方
月曜日会社の指示を確認する。経験の棚卸し(案件ごとの業務・ツール・担当範囲)を始める
火曜日〜水曜日資格や技術の学習。自分の環境で、手を動かして確認する
木曜日スキルシート(経歴のまとめ)を更新し、営業担当と次の案件の希望をすり合わせる
金曜日1週間の学習を振り返り、次の週の計画を立てる。待機の状況をメモに残す

会社から研修や社内の業務を指示されている場合は、その指示を優先します。上の表は、自分で使える時間の使い方の一例です。

次の案件の面談(顔合わせ)に向けた準備

SESでは、案件に入る前に、客先の担当者と面談をすることが一般的です。待機を短くするためには、この面談の準備が大切です。

  • スキルシートを最新にする:これまでの案件で担当した作業、使ったOS・ツール、規模、期間を、具体的に書きます。
  • 1分の自己紹介を準備する:経験・得意なこと・次に挑戦したいことを、1分程度で話せるようにします。
  • 案件について質問を用意する:作業の範囲、体制、勤務時間(夜間作業の有無)などを、面談で確認します。
  • 学習中のことも伝える:資格の勉強や、自分の環境で試していることは、経験が浅い場合ほど評価の材料になります。

SESで働くよさも、整理しておく

待機や案件ガチャが続くと、SESという働き方そのものに不安を感じやすくなります。一方で、SESには、未経験から現場に入りやすい、さまざまな現場や技術に触れられる、といった面もあります。

大切なのは、「SESかどうか」より、「その会社で、経験が積み上がる案件に入れているか」です。いまの会社でそれが難しいと感じたら、案件の選び方や商流を重視して、会社を選び直す方法があります。

待機が長いとき・くり返すときに、見直したいサイン

サイン考えられること
待機が長く続き、次の案件の見通しが説明されない会社の案件の取り方や、営業の体制に課題がある可能性
待機と短い案件を、何度もくり返している経験が積み上がらず、次の案件の条件を満たしにくくなっている
紹介される案件が、希望や経験と合わない案件を選べる仕組みがない、または希望が伝わっていない
待機中の給与の扱いが、契約や説明と違う雇用契約・就業規則の確認と、会社への説明の要求が必要

1つだけで判断する必要はありませんが、いくつかが重なる場合は、社内で状況を変えられるか、会社を変えるかを考えるタイミングです。

案件ガチャとは|希望と違う現場に入る不安

「案件ガチャ」とは、SESで、どの現場に入るかを自分で選べず、運しだいのように感じることを指す言葉です。希望と違う作業や、経験につながりにくい作業が続くと、キャリアへの不安が大きくなります。

案件ガチャを避けるために、確認したいこと

  • 案件を選べる仕組みがあるか:複数の案件から選べるか、希望を出せるか、断ることができるかを確認します。
  • 入る前に、作業の内容を確認できるか:客先との面談の前に、担当する作業・体制・期間を聞けるかを確認します。
  • 社内の誰に相談できるか:営業担当や上司と、定期的に面談できるかを確認します。

転職先を選ぶときは、面接で「案件はどのように決まりますか」「希望はどこまで反映されますか」と聞いておくと、入社後のずれを防げます。会社選びの確認点は、ブラックなIT企業の見分け方でも整理しています。

入った案件が、合わないと感じたとき

  • 合わない点を具体的にする:作業の内容、勤務時間、人間関係、通勤など、何が合わないのかを書き出します。
  • 期間の区切りを確認する:SESの契約には期間があることが多く、更新のタイミングで案件を変えられる場合があります。
  • 営業担当や上司に相談する:合わない点と、次に希望することをあわせて伝えます。体調に関わる場合は、早めに相談しましょう。

同じ悩みが案件を変えてもくり返す場合は、案件そのものより、会社の案件の取り方に原因がある可能性があります。

給料が上がらないとき|単価・商流・評価を確認する

SESで給料が上がりにくいと感じるときは、次の3つを確認します。

確認すること見るポイント
商流(客先との間に何社入っているか)間に入る会社が多いほど、自社に入る単価が少なくなり、給与が上がりにくい傾向がある
単価と給与の関係自分の案件の単価や、給与に反映される仕組みを、会社が説明しているか
評価の仕組み何をすれば評価が上がるのか(資格、担当範囲、客先の評価など)が、はっきりしているか

当社の面談では、商流が深いSESでは、単価や給与が上がりにくい傾向があることをお伝えしています。会社を選ぶときは、会社の規模、設立からの年数、エンジニアの配属のしかた、営業の強さも、判断の材料にします。

いまの会社で、給料を上げるためにできること

  • 評価の基準を確認する:上司や営業担当に、何ができれば評価が上がるのかを具体的に聞きます。
  • 担当範囲を広げる:運用・監視の中でも、手順書の作成や、構築の一部など、任される範囲を広げると、次の案件の単価につながりやすくなります。
  • 資格を、評価につなげる:資格手当や、資格を条件にした案件があるかを確認し、学習の目標にします。

これらを試しても給与の仕組みが変わらない場合は、単価が給与に反映されやすい会社への転職も、選択肢になります。

判断の目安|いまの会社に残るか、社内で動くか、転職するか

状況考えたい選択肢
待機は一時的で、次の案件の見通しが説明されているいまの会社で、待機期間を学習にあてる
案件は続いているが、希望と違う作業が多いまず社内で希望を具体的に伝え、案件の変更を相談する
待機や短い案件をくり返し、経験が積み上がらない案件の選び方や、商流の浅さを重視して、転職を検討する
給与の扱いが契約と違う、説明がない雇用契約・就業規則を確認し、会社や相談窓口に相談する

当社の面談では、1〜2年での早い転職をくり返さず、まずは3年ほど経験を積むことを目安にお伝えしています。ただし、経験が積み上がらない状態が続く場合は、早めに次の進み方を考えたほうがよいこともあります。

次の会社を選ぶときに、面接で聞きたいこと

SESから、または別のSESへ転職する場合、待機・案件ガチャ・給料のくり返しを防ぐには、入社前の確認が大切です。面接や面談で、次のように聞いてみましょう。

確認したいこと質問の例
案件の決まり方「案件は、どのように決まりますか。複数の候補から選ぶことはできますか」
商流「主な取引先とは、直接の契約が多いですか。間に入る会社はどのくらいありますか」
待機の扱い「案件の切れ目がある場合、その間の業務と給与は、どのような扱いになりますか」
評価と給与「どのような点が評価され、給与に反映されますか。資格の手当はありますか」
キャリアの相談「次に希望する案件について、誰と、どのくらいの頻度で話せますか」

答えが具体的で、制度として説明できる会社ほど、入社後のずれが起きにくい傾向があります。逆に、「入ってから決めます」「人によります」と、具体的な説明がない場合は、追加で確認しましょう。

CAの現場から|面談で見えること

キャリアカンパニーのキャリアアドバイザー(CA)が、SESで働く方との面談で見ている実態です(個人が特定されないよう、傾向としてまとめています)。

  • 相談に来る方の待機期間は、1〜3か月が多い:「待機が続いている」と相談に来る方は、待機が1〜3か月になっている方が多くいます。
  • 「給与が減額されている」という相談が多い:待機中の給与については、減額されているという相談が多く寄せられます。減額の扱いが雇用契約や就業規則どおりか、会社の都合で休まされている場合は休業手当(平均賃金の60%以上)が支払われているかを、まず確認するようお伝えしています。
  • 案件ガチャが続くなら、会社の仕組みの問題:希望と違う案件が一度だけなら、めぐり合わせのこともあります。しかし、同じことが続くなら、本人の問題ではなく、会社の案件の取り方や仕組みの問題だとお伝えしています。
  • 次の会社選びで特に確認するのは「商流の深さ」と「評価の仕組み」:SESから転職する方の会社選びでは、この2つを特に確認しています。
  • うまくいく方は「早めに相談」「資格の勉強を進めていた」:待機中に転職活動を始めてうまくいった方に共通するのは、早めに相談に来たことと、待機中に資格の勉強を進めていたことです。

どの相談でも、すぐに転職をすすめるのではなく、いまの会社で状況を変えられるかを先に一緒に考えます。そのうえで、転職したほうがよい場合は、次の会社の選び方まで整理します。

転職を考えるときの進め方

  • 経験を、案件ごとに書き出す:待機期間に棚卸しした内容を、職務経歴書にまとめます。書き方はIT業界の職務経歴書の書き方を参考にしてください。
  • 次の会社で確かめる点を決める:案件の決まり方、商流、待機中の給与の扱い、評価の仕組みを、面接で確認します。
  • 目指す仕事を決める:運用・監視の経験がある方は、運用・監視から構築・設計へ進む方法も参考になります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. SESの待機中は、給料が出ないのですか?

会社の指示で研修や社内の業務をしていれば、通常は勤務として給与が支払われます。会社の都合で休ませる場合は、労働基準法第26条により、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります。実際の扱いは、雇用契約と就業規則で確認してください。

Q2. 待機期間は、どのくらい続くのが普通ですか?

会社や時期、本人の経験によって異なるため、決まった目安はありません。次の案件の見通しが説明されないまま長く続く場合や、待機をくり返す場合は、会社に状況を確認しましょう。

Q3. 待機が続くと、クビになることはありますか?

待機を理由に、すぐに解雇できるわけではありません。退職を勧められた場合も、応じるかどうかは本人が決めます。不安な場合は、都道府県労働局などの相談窓口で相談できます。

Q4. 待機中に転職活動をしてもよいですか?

在職中の転職活動は可能です。待機期間に経験を棚卸しし、学習を進めておくと、書類や面接で伝えやすくなります。会社の業務の指示がある時間は、業務を優先しましょう。

Q5. 案件ガチャを避けるには、どうすればよいですか?

案件を選べる仕組みがあるか、入る前に作業内容を確認できるか、希望を相談できる人がいるかを、入社前の面接で確認します。いまの会社では、希望と理由を具体的に伝えることが第一歩です。

Q6. 待機中に、有給休暇を使うように言われました。従う必要はありますか?

年次有給休暇は、原則として労働者が請求した時季に与えるもので、会社に命じられて取得するものではありません。ただし、労使協定による計画的付与の制度がある会社もあります。就業規則を確認し、迷うときは相談窓口に相談しましょう。

Q7. スキルシートとは何ですか?

SESで、客先に経歴を伝えるために使う書類です。担当した作業、使ったOSやツール、規模、期間を案件ごとにまとめます。待機期間に最新の内容にしておくと、次の案件の面談に進みやすくなります。

Q8. SESで給料が上がらないのは、なぜですか?

商流が深い(客先との間に多くの会社が入っている)と、自社に入る単価が少なくなり、給与が上がりにくい傾向があります。単価と給与の関係や、評価の仕組みを会社に確認しましょう。

まとめ|待機を、次の一手を考える時間にする

  • SESの待機は、案件の切れ目に起きる珍しくない状態です。会社の指示で研修や業務をしていれば、通常は勤務として扱われます。
  • 会社の都合で休ませる場合、労働基準法では、平均賃金の60%以上の休業手当が定められています。実際の扱いは、契約と就業規則で確認します。
  • 待機の長さ・くり返し、案件ガチャ、給料が上がらないことが重なるときは、社内で動くか、会社を変えるかを考えるタイミングです。

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出典・公式情報(確認日:2026年10月29日):厚生労働省「会社の都合で仕事を休まされている。休んでいる分の補償はないのか。」/「確かめよう労働条件:会社都合で休みをとらされましたが、給料なしは労基法上ありですか?」/「確かめよう労働条件:年次有給休暇」。給与の扱いは一般的な考え方であり、個別の判断は雇用契約・就業規則と、労働局・労働基準監督署で確認してください。

この記事の監修者
百瀬将悟 プロフィール写真

株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者

百瀬 将悟

大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。

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