COLUMN IT業界

開発とインフラの違いとは?未経験から目指すITエンジニアの選び方【2025年版】

IT業界への転職を考え始めたそこのあなた。求人票で「開発エンジニア」と「インフラエンジニア」という言葉を目にして、その違いが分からず戸惑ってませんか?

求人サイトを見ても、専門用語が並び、自分はどちらを目指すべきなのか判断できない方も多いでしょう。多くのIT未経験者が同じ悩みを抱えています。しかし、それぞれの仕事内容や特性を正しく理解すれば、あなたに合った道が見えてきます。

この記事では、転職エージェントとして日々企業の採用担当とやりとりしている私たちだからこそお伝えできる、開発とインフラの違いや未経験からの入りやすさ、そして具体的な学習方法まで詳しく解説します。あなたのキャリア選択に、ぜひお役立てください。

IT業界の基礎から学べて安心して転職できるエンジニア未経験向け相談バナー

開発エンジニアとインフラエンジニアの違い

ITエンジニアは大きく「開発系」と「インフラ系」の2つに分かれます。この2つは担当領域が異なり、求められるスキルや働き方にも違いがあります。まずは両者の基本的な役割を理解していきましょう。

開発エンジニアの仕事内容

開発エンジニアは、Webサイトやスマートフォンアプリなどユーザーが直接触れる「アプリケーション」を作る仕事です。プログラミング言語を使ってコードを書き、設計図をもとに機能を実装します。

具体的には、ECサイトの商品検索機能や決済システム、SNSアプリの投稿機能など、私たちが日常的に使っている便利な機能を開発します。仕事の流れは、要件定義から始まり、設計、実装、テスト、そしてリリースという流れです。

開発エンジニアの魅力は、自分が作ったものが形になり、多くの人に使ってもらえることです。目に見える成果を実感しやすく、ものづくりの楽しさを味わえる職種といえるでしょう。

関連記事:未経験から開発エンジニアへ!ゼロから目指すための完全ガイド

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアは、アプリケーションが安定して動くための「土台」を整える仕事です。サーバーやネットワーク、データベースといったITインフラ(基盤)の設計・構築・運用を担当します。

具体的には、Webサービスを動かすためのサーバーを準備したり、インターネットとの通信を可能にするネットワークを設定したりします。また、システムが24時間365日止まらないように監視し、障害時には迅速に復旧対応を行います。

近年はクラウドサービス(AWSやAzureなど)を使ったインフラ構築が主流です。物理サーバーではなく、クラウド上でサーバーやネットワークを設定・管理するスキルが求められています。

インフラエンジニアは「縁の下の力持ち」とも表現されます。普段は目立ちませんが、どんなに優れたアプリケーションもインフラなしでは動きません。社会のITシステムを支える重要な存在です。

関連記事:インフラエンジニアとは?IT初心者でも分かる職種解説と転職成功の全知識

身近なサービスで見る役割分担

Netflixで動画を見るとき、「再生ボタン」を押すと動画が流れ始めます。この操作画面や再生機能を作っているのが開発エンジニアです。一方で、動画データが保存されているサーバーや、何百万人が同時にアクセスしても落ちないシステム基盤を支えているのがインフラエンジニアです。

Amazonで買い物をする場面も同様です。商品検索やカート機能は開発エンジニアが作り、膨大な商品データを管理するデータベースやセキュリティを守る仕組みはインフラエンジニアが構築します。

このように、開発エンジニアは「ユーザーが触れる部分」インフラエンジニアは「その裏側で支える部分」を担当します。両者が協力し合うことで初めて快適なITサービスが実現するのです。

インフラ・開発の年収・スキル・将来性を徹底比較

年収や必要なスキル、将来性は重要な判断材料です。ここでは公的データをもとに、開発とインフラを多角的に比較していきます。

平均年収と年収レンジ(厚労省データ)

厚生労働省によると、システムエンジニアの平均年収は約550万円前後となっています。開発とインフラで大きな差はなく、経験年数やスキルレベルによって変動します。

未経験からスタートする場合、初年度は300万円〜350万円程度が一般的です。その後、実務経験を積むことで3年目で400万円台、5年目以降で500万円以上を目指せます。

特にクラウドスキル(AWS、Azure)を持つインフラエンジニアや、需要の高い言語(Java、PHP、Python、Go)を扱える開発エンジニアは市場価値が高まります。30代で年収700万円以上も十分実現可能です。

必要スキル・プログラミング言語

開発エンジニア
Java、JavaScript、Python、PHPなどのプログラミング言語習得が必須です。どの言語を選ぶかは作りたいサービスや就職先によって異なりますが、JavaScriptはWeb開発で広く使われており、Javaは企業の基幹システムで需要が高い言語です。

インフラエンジニア
サーバーOS(Linux、Windows Server)の操作、ネットワーク基礎知識(TCP/IP)、クラウドサービス(AWS、Azure)のスキルが求められます。最近はインフラもコードで管理する「Infrastructure as Code」という手法が広がっており、ShellやPythonといったスクリプト言語の知識も重要になっています。

近年では、開発とインフラの両方のスキルを持つ「DevOpsエンジニア」や「SRE(Site Reliability Engineer)」といった職種も生まれています。開発したアプリケーションを安定稼働させるために、開発者自身がインフラの知識を持つことが求められる場面が増えているのです。

将来性とキャリアパス

IT人材が不足すると言われる中で、開発・インフラを問わず、ITエンジニアの需要は今後も高まり続けるでしょう。

開発エンジニアは、フロントエンド、バックエンド、フルスタック、AIエンジニアなど幅広い分野でキャリアを築けます。技術の進化が早い分、常に学び続ける姿勢が求められますが、選択肢が豊富です。

インフラエンジニアは、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、クラウドエンジニア、セキュリティエンジニアなどに専門化できます。システムの安定稼働という重要な役割を担うため、需要は常に安定しています。特にクラウドインフラのスキルを持つエンジニアは引く手あまたの状況です。

働き方・残業時間の実態

開発エンジニアは、プロジェクトの進行状況によって業務量が変動します。リリース直前は残業が増えることもありますが、開発が一段落したタイミングでは比較的余裕があります。最近はアジャイル開発が主流になり、計画的に作業を進めやすくなっています。

インフラエンジニアは、システムを24時間365日安定稼働させる責任があるため、運用・監視業務ではシフト勤務や夜間対応が発生することがあります。未経験からスタートする場合、最初は運用・監視の現場に配属されることが多く、夜勤を含むシフト制になる可能性があります。

企業によって働き方の実態大きく異なるため、転職活動では注意しましょう。

未経験から3年後年収500万円を目指すエンジニア向け転職相談申し込みバナー

未経験から転職するならどっち?入りやすさを検証

未経験からITエンジニアを目指す方にとって、最も気になるのは「どちらが転職しやすいか」という点でしょう。ここでは求人市場の実態をもとに比較します。

求人数・採用難易度を比較

大手転職サイトで「未経験可」のエンジニア求人を検索すると、インフラエンジニアの求人数は開発エンジニアより多い傾向にあります。これはインフラ業務にマニュアル化された運用・監視業務が多く存在し、未経験者でも研修を経て段階的にスキルを身につけられる環境が整っているためです。

開発エンジニアの場合、未経験可の求人でも「何かしらプログラミングを学んだ経験」を前提としているケースが多いです。選考でコーディングテストを実施する企業もあり、完全な初心者よりも独学やスクールで基礎を学んだ人が優遇される傾向にあります。

インフラエンジニアの採用では、IT全般への興味関心や丁寧にコツコツと作業できる性格、資格取得への意欲が重視されます。実務経験がなくてもCCNAやLinuCといった資格を持っていると選考で有利です。

インフラエンジニアが未経験に有利な5つの理由

①マニュアル化された業務からスタートできる
運用・監視業務は手順が明確で、未経験者でも研修を受ければ対応できます

②資格で知識を証明しやすい
CCNAやLinuC、AWS認定資格など、体系的に学べる資格が充実しており、未経験でも勉強すれば取得が可能です。

③段階的にスキルアップできる環境がある
運用・監視から始まり、構築、設計と徐々にステップアップしていく明確なキャリアパスが整っています

④クラウド需要の高まり
多くの企業がクラウド移行を進めており、クラウドインフラのスキルを持つ人材が不足しています。未経験からでもクラウドスキルを身につければ市場価値が高まります。

⑤求人数の多さ
インフラエンジニアは常に一定数の需要があり、未経験可の求人も豊富です。選択肢が多い分、自分に合った企業を見つけやすいでしょう。

開発エンジニアで成功する人の共通点

開発エンジニアとして成功する人には4つの共通点があります。

①プログラミングが好きで自主的に学習を続けられる
技術の進化が早い分野なので、常に新しいことを学ぶ姿勢が求められます。

②ポートフォリオ(自作のアプリやWebサイト)を作成している
未経験でも「実際に手を動かしてコードを書いた経験」があることを示せれば、企業の評価は大きく変わります。

③問題解決能力が高い
開発では予期しないエラーやバグに直面することが日常的にあります。そうした課題に粘り強く取り組み、解決策を見つけられる人が活躍できます。

④チームでのコミュニケーション能力
開発は一人で完結する仕事ではなく、デザイナーや他のエンジニアと協力しながら進めます。技術力だけでなく、円滑にコミュニケーションを取れることが成功の鍵です。

年代別(20代・30代)の転職難易度

20代の方は、未経験からでも比較的転職しやすい年代です。企業側も「ポテンシャル採用」として、将来性を見込んで採用する傾向があります。開発・インフラどちらを選んでも、しっかり学習意欲を示せれば十分チャンスがあります

30代前半の方も、まだ未経験からの転職は可能です。ただし20代に比べると、より具体的な学習実績や資格が求められます。また、前職での経験(マネジメントやプロジェクト管理など)をどうITの仕事に活かせるかをアピールできれば、採用のチャンスは広がります。

年齢に関わらず重要なのは、本気でエンジニアになりたいという熱意と、そのための具体的な行動(学習や資格取得)を示すことです。

【適性診断チェックリスト】あなたに向いているのは?

エンジニア つまらない_チェックリスト

開発とインフラ、どちらが自分に向いているのか判断するために、性格や志向から適性を見ていきましょう。

開発エンジニア向いてる人

開発エンジニアに向いているのは、まず「ものづくりが好き」な人です。ゼロから何かを作り上げる過程にワクワクできる方は、開発の仕事を楽しめるでしょう。

次に「創造性を発揮したい」人です。ユーザーの課題を解決するために、どんな機能をどう実装するか考えることに面白さを感じられる方に向いています。

また「新しい技術に興味がある」人も適性があります。開発の世界は技術の進化が早く、常に新しいフレームワークや言語が登場します。それを楽しみながら学べる好奇心旺盛な方に合っています。

そして「論理的思考が得意」な人です。プログラムは論理の積み重ねです。物事を順序立てて考え、原因と結果を結びつけて考えられる力が求められます。

最後に「目に見える成果がほしい」人です。自分が作ったアプリが動く瞬間や、ユーザーに使ってもらえることに喜びを感じられる方には、開発が合っているでしょう。

インフラエンジニア向いてる人

インフラエンジニアに向いているのは、まず「コツコツ作業が好き」な人です。サーバー設定やネットワーク構築は、細かい作業を正確に積み重ねる仕事です。地道な作業を苦にしない方に適しています。

次に「安定を支えることにやりがいを感じる」人です。システムを24時間365日止めずに稼働させる責任ある仕事に誇りを持てる方に向いています。

また「仕組みや構造に興味がある」人も適性があります。「なぜこのシステムは動くのか」「どういう仕組みでデータが送られるのか」といった裏側の仕組みに興味を持てる方は、インフラの面白さを感じられるでしょう。

そして「計画的に物事を進められる」人です。インフラ構築は綿密な計画と確実な実行が求められます。リスクを予測し、トラブルを未然に防ぐ慎重さが大切です。

最後に「資格取得でスキルアップしたい」人です。インフラの世界には体系的な資格が充実しており、段階的に学習を進められます。明確な目標を持って学べる環境を好む方に合っています。

実際の転職成功事例2選

20代・元製造業から開発エンジニアへ
鉄鋼・製造業で業務改善を担当していたHさんは、独学でWordPress、Python、Excel VBA、Javaを学び、システム開発の面白さに目覚めました。面接では「独学での業務改善経験と主体性」が高く評価され内定を獲得しました。

入社後は2ヶ月の研修を経て、大規模物流開発案件でC#、React、TypeScriptを使用。現在はフルスタックエンジニアを目指して成長中です。

20代・元接客業からインフラエンジニアへ
接客・販売職だったNさんは、「手に職をつけて長く働けるスキルを身につけたい」とIT業界への転職を決意。入社までの4ヶ月間、ITの基礎からネットワーク(CCNA)を重点的に学習しました。面接では「コミュニケーション能力と向上心、将来の明確な目標意識」が評価されました。

入社後はCCNAを取得し、現在はネットワーク構築案件に参画。今後はCCNP、クラウド関連資格を取得し、インフラ構築のスペシャリストを目指しています。

自分らしい働き方を実現したいエンジニア向け転職相談申し込みバナー

未経験から始める学習ロードマップ

ここでは、未経験から開発・インフラそれぞれを目指す際の具体的な学習ステップをご紹介します。

開発エンジニアの学習ステップ

まず最初の1ヶ月は、プログラミングの基礎を学びましょう。Progateやドットインストールといったオンライン学習サービスでHTMLとCSSから始め、JavaScriptの基礎まで進めます。

2〜3ヶ月目は、プログラミング言語を一つ選んで集中的に学習します。Web開発ならJavaScriptとReact、バックエンドならPythonやJavaがおすすめです。Udemyなどの動画講座を活用しながら、実際に手を動かしてコードを書く経験を積みましょう。

4〜5ヶ月目は、ポートフォリオ作成に取り組みます。簡単でも良いので、自分でゼロから企画して作ったWebアプリやツールを一つ完成させましょう。これが転職活動での大きな武器になります。

6ヶ月目からは、転職活動を本格化させます。ポートフォリオをGitHubに公開し、応募書類に記載します。面接ではなぜエンジニアになりたいのか」「どんなサービスを作りたいのか」を自分の言葉で語れるよう準備しましょう。

インフラエンジニアの学習ステップ

最初の1〜2ヶ月は、IT基礎知識とネットワークの基本を学びます。書籍「インフラエンジニアの教科書」などで全体像を掴み、CCNAの参考書でネットワークの基礎を学習しましょう。

3〜4ヶ月目は、Linuxの操作とCCNA取得を目指します。VirtualBoxで仮想環境を構築し、実際にLinuxコマンドを操作する経験を積みます。並行してCCNAの試験対策を進め、可能であれば取得しましょう。

資格取得と並行して転職活動を開始します。取得した資格は必ず履歴書に記載し、面接ではなぜインフラエンジニアを目指すのか」「クラウドスキルを活かしてどう貢献したいか」を具体的に語れるよう準備します。

おすすめ資格と取得優先順位

インフラエンジニアを目指す場合、まず取得すべきはCCNA(Cisco Certified Network Associate)です。ネットワークの基礎知識を体系的に学べ、企業からの評価も高い資格です。

次にLinuC レベル1(Linux技術者認定)です。Linuxは多くのサーバーで使われているOSなので、基本操作を証明できる資格は重宝されます。余裕があればAWS認定クラウドプラクティショナーも取得しましょう。クラウドの基礎知識を証明でき、クラウド需要が高まる中で差別化につながります。

開発エンジニアを目指す場合、資格よりもポートフォリオ(実際に作ったアプリ)の方が重視されます。ただし基本情報技術者試験は、IT全般の基礎知識を証明でき、未経験者にとってはアピール材料になります。

資格取得の優先順位は、目指す職種と自分の状況に合わせて調整しましょう。大切なのは、資格を取ること自体ではなく、そのプロセスで得た知識を実務でどう活かせるか説明できることです。

関連記事:インフラエンジニア資格完全ガイド|未経験から年収アップまでの最短ルート
関連記事:必見!プログラマーが取得すべき資格まとめ|解説とメリット

転職活動で評価されるポイント

企業の採用担当が未経験者を評価するポイントは、まず学習意欲と行動力です。「エンジニアになりたい」と言う気持ちだけでなく、実際に資格を取得したり、独学で勉強したりした実績が重要です。

次に論理的に説明できるコミュニケーション能力です。技術的な質問に対して、自分の理解している範囲で筋道立てて説明できるかが見られます。分からないことは「分かりません」と正直に答え、その上で「こう考えました」と自分なりの思考プロセスを示せることが大切です。

またなぜエンジニアになりたいのか明確なビジョンを持っていることも評価されます。「給料が良さそう」「将来性がありそう」といった漠然とした理由ではなく、「こういうサービスを作りたい」「こういうエンジニアになりたい」という具体的な目標を語れることが重要です。

最後に前職の経験をどう活かせるかを説明できることです。営業経験があれば「顧客ニーズを引き出す力」、事務経験があれば「正確性と効率化の視点」など、前職で培ったスキルをエンジニアの仕事にどう結びつけるかを考えましょう。

面接では、技術的な知識だけでなく、人柄ややる気、将来性が総合的に評価されます。自分の強みを整理し、自信を持って伝えることが転職成功への近道です。

まとめ|あなたに合ったエンジニアの道を選ぼう

開発エンジニアとインフラエンジニア、それぞれに魅力があり、どちらも将来性のある職種です。開発は「作る楽しさを味わえ、インフラは「支える責任とやりがいを感じられます。

未経験から目指すなら、資格で知識を証明しやすく、段階的にスキルアップできるインフラエンジニアが入りやすい傾向にあります。一方で、ものづくりへの情熱があり、自主的に学習を続けられる方なら、開発エンジニアも十分目指せます。

大切なのは、どちらが「正解」かではなく、あなたの性格や志向に合った道を選ぶことです。この記事で紹介した適性診断や学習ロードマップを参考に、まずは一歩を踏み出してみましょう。

IT業界は常に人材を求めています。年齢や経験に関わらず、本気で学ぶ姿勢があれば、必ずチャンスは広がります。あなたのエンジニアとしての新しいキャリアを、心から応援しています。

面接前に評価基準を知りたいエンジニア向け転職相談申し込みバナー

ITキャリアサポートの
エキスパート

CAREER ACCOMPANYはあなたのITキャリアのステップアップを伴走サポートします。

ITキャリアサポートのエキスパート ITキャリアサポートのエキスパート
LINEで友だち追加

LINEから転職相談する