
応用情報技術者試験とは?難易度・合格率・2026年度からの試験方式と、転職での評価
応用情報技術者試験は、ITエンジニアとしての応用的な知識・技能を問う国家試験です。令和7年度秋期の合格率は24.5%、合格者の平均年齢は28.6歳でした(IPA公表)。
この記事では、試験の概要と難易度に加えて、転職でどう評価されるかと、どのタイミングで取るとよいかを、転職支援の立場から整理します。
応用情報技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づく情報処理技術者試験の一つです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験の名称 | 応用情報技術者試験(略号:AP) |
| 対象者像 | ITを活用したサービスやシステムを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した人 |
| 期待される役割 | 戦略の立案・システムの企画、設計・開発、サービスの安定運用のいずれかを、独力で担う |
| 出題の範囲 | 技術(ネットワーク・データベース・セキュリティなど)から、管理(プロジェクト・サービス)、経営・戦略まで |
ポイントは、技術だけでなく、管理や経営まで幅広く問われることです。エンジニアとして、自分の担当範囲より一歩広い視点を持っていることを示せる試験です。
| 比べる点 | 基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) |
|---|---|---|
| 主な対象者 | ITエンジニアを目指す人・若手 | 基本を身につけ、次の段階に進むエンジニア |
| 科目Bの形式 | 選択式 | 記述式 |
| 実施方式 | CBT方式で通年実施 | CBT方式で前期・後期の年2回(2026年度) |
| 採点 | IRT(項目応答理論)に基づく評価点 | 素点方式 |
| 合格率の目安 | 38.3%(令和7年度) | 24.5%(令和7年度秋期) |
基本情報で基礎を固めてから、応用情報に進むのが一般的な順番です。基本情報の詳しい内容は、基本情報技術者試験の難易度は?で解説しています。
2026年度(令和8年度)から、応用情報技術者試験はCBT方式になりました。試験会場のパソコンで解答し、実施期間の中から、空いている会場と日時を選んで受験します。
| 科目 | 試験時間 | 出題形式と問題数 |
|---|---|---|
| 科目A(旧:午前) | 150分 | 四肢択一・80問(すべて解答) |
| 科目B(旧:午後) | 150分 | 記述式・11問から5問を解答 |
科目Bは、問1(情報セキュリティ)が必須で、問2〜問11の10問から4問を選んで解答します。選べる分野は、経営戦略、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、情報システム開発、プログラミング(アルゴリズム)、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査です(IPA「試験要綱」)。
IPAは、CBT方式への変更後も、問う知識・技能の範囲、出題形式、出題数、配点、合格基準に変更はないとしています。
| 項目 | 前期 | 後期 |
|---|---|---|
| 申込受付期間 | 2026年10月6日〜11月7日 | 2027年1月27日〜2月16日 |
| 科目Aの実施期間 | 2026年10月28日〜11月10日 | 2027年2月6日〜2月19日 |
| 科目Bの実施期間 | 2026年11月24日〜12月6日 | 2027年3月3日〜3月15日 |
なお、IPAは2027年度から新しい試験制度に移行する予定としています。2027年度以降に受験する方は、IPAの「試験制度の見直しについて」のページで、最新の出題範囲とサンプル問題を確認しましょう。
| 項目 | 応用情報技術者試験 | 情報処理安全確保支援士試験(参考) |
|---|---|---|
| 受験者数 | 44,005人 | 18,816人 |
| 合格者数 | 10,792人 | 4,199人 |
| 合格率 | 24.5% | 22.3% |
| 合格者の平均年齢 | 28.6歳 | 34.4歳 |
(令和7年度秋期。IPA公表)
合格者の平均年齢は28歳台で、IT業界で数年の経験を積んだ人や、情報系の学生が多く受験していると考えられます。基本情報の合格率(令和7年度 38.3%)と比べると、合格者の割合は大きく下がります。
| 科目 | 配点 | 基準点 |
|---|---|---|
| 科目A | 100点満点 | 60点 |
| 科目B | 100点満点 | 60点 |
科目A・科目Bの得点がどちらも60点以上で合格です。採点は素点方式で、問題の難易差が認められた場合には、基準点が変更されることがあります(IPA「試験要綱」)。
科目Bの選択問題は、これまでの経験や目指す仕事に近い分野を選ぶと、問題文の状況をイメージしやすくなります。
| 経験・目指す仕事 | 選びやすい分野の例 |
|---|---|
| インフラ(ネットワーク・サーバー)の運用・構築 | ネットワーク、システムアーキテクチャ、サービスマネジメント |
| 開発(プログラミング・システム開発) | プログラミング(アルゴリズム)、情報システム開発、データベース |
| 管理・企画寄りの仕事 | 経営戦略、プロジェクトマネジメント、システム監査 |
出題範囲は広いため、準備する分野をあらかじめ絞っておくほうが、学習の時間を有効に使えます。ただし、本番の問題が苦手な内容だった場合に備えて、選ぶ数より少し多めに準備しておくと安心です。どの分野も、過去問題を解いて、自分が書きやすいかを確かめてから決めましょう。
学習にかかる時間は、これまでの経験によって大きく変わります。ここでは、基本情報技術者試験に合格していて、実務経験がある方が、後期試験を目指す場合の進め方の一例を示します。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 最初の1か月 | 出題範囲を確認し、科目Aの過去問題を分野ごとに解いて、苦手分野を洗い出す |
| 2〜3か月目 | 科目Aの苦手分野を補強し、科目Bで選ぶ分野を決める |
| 4〜5か月目 | 科目Bの過去問題を、選んだ分野と問1(情報セキュリティ)を中心に解き、書き方を身につける |
| 試験前の1か月 | 時間を計って本番どおりに解く。CBTの画面での読み方に慣れる |
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| 科目Aの対策ばかりで、科目Bの記述に慣れていない | 早い段階から、科目Bを実際に書いて練習する |
| 必須の情報セキュリティの対策が手薄 | 問1は全員が解く必須問題なので、セキュリティを重点的に学ぶ |
| 選択分野を決めきれず、範囲が広がる | 過去問題で書きやすさを確かめ、準備する分野を絞る |
| 長文の問題文を読み切れない | 設問を先に読み、何を探すかを決めてから本文を読む |
応用情報技術者試験に合格すると、その後2年間、高度試験と情報処理安全確保支援士試験の科目A-1が免除されます(IPA「試験要綱」)。
| 目指す方向 | 次の試験の例 |
|---|---|
| ネットワークの専門性を高める | ネットワークスペシャリスト試験 |
| データベースの専門性を高める | データベーススペシャリスト試験 |
| セキュリティの専門職を目指す | 情報処理安全確保支援士試験 |
| プロジェクトを率いる立場を目指す | プロジェクトマネージャ試験 |
セキュリティの専門職を目指す方は、情報処理安全確保支援士試験とは?も参考にしてください。
| 状況 | 評価されるポイント |
|---|---|
| IT業界で数年の実務経験があり、次の段階に進みたい | 担当範囲を超えた、幅広い知識を体系的に身につけていることを示せる |
| 開発・インフラから、設計や上流工程に進みたい | 技術に加えて、管理・企画の知識も問われる試験に合格していることを伝えられる |
| 情報系の学生・若手で、経験の少なさを補いたい | 基本情報より一段上の知識を、客観的に示せる |
当社の支援で、応用情報の知識をアピールしやすいと感じている職種です。
| 職種 | アピールしやすいこと |
|---|---|
| システムエンジニア(SE) | システムの設計や開発に必要な、幅広いITの知識 |
| プログラマー | アルゴリズムやデータベースなどの基礎知識 |
| インフラエンジニア | ネットワーク、サーバー、セキュリティなどの基礎知識 |
| 社内SE・情報システム部門 | IT全般の知識に加えて、業務改善やシステム管理への理解 |
ただし、応用情報は幅広いITの知識を証明できる資格ですが、特定の職種に必要な実務スキルを直接証明するものではありません。資格の有無だけでなく、希望する職種に関連した学習や経験を積んでいるかが大切です。
当社のキャリアアドバイザー(CA)が、面談や企業とのやり取りで感じている傾向です。
資格全体の順番は、IT資格ロードマップでまとめています。
資格の取り方と、転職のタイミングを相談したい方へ
いまの経験と目指す仕事をお聞きして、次に取る資格と、応募を始めるタイミングを、キャリアアドバイザーと一緒に整理できます(オンライン・60分)。
日程を選んで無料相談を予約する令和7年度秋期は、受験者44,005人のうち10,792人が合格し、合格率は24.5%でした(IPA公表)。
科目Aと科目Bのどちらも、100点満点中60点以上が合格の基準です。問題の難易差が認められた場合には、基準点が変更されることがあります。
紙の試験からCBT方式に変わり、前期・後期の年2回、実施期間の中から会場と日時を選んで受験します。科目名は「午前・午後」から「科目A・科目B」に変わりましたが、出題範囲・出題形式・配点・合格基準は変わりません。
7,500円(税込)です。
問1(情報セキュリティ)は必須です。残りの10問から4問を選びます。これまでの経験や目指す仕事に近い分野を選ぶと、問題文の状況をイメージしやすくなります。
受験資格の制限はありません。ただし、応用情報の科目Bは記述式で出題範囲も広いため、未経験の方は、基本情報で基礎を固めてから受けるほうが現実的です。また、未経験からITエンジニアを目指す場合は、応用情報の取得を優先するより、転職活動と学習を並行するほうが、早く実務経験を積めます。
基本情報より一段上の知識を客観的に示せるほか、合格後2年間、高度試験と情報処理安全確保支援士試験の科目A-1が免除されます。
幅広い知識の証明として評価されやすい資格です。ただし、実務経験と組み合わせて、「仕事でどう生かしてきたか・生かすか」を伝えられると、評価につながりやすくなります。
出典・公式情報(確認日:2026年11月2日):IPA「応用情報技術者試験」/「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」/「令和7年度秋期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表について」/「試験要綱 Ver.5.6」(採点方式・配点・合格基準、科目Bの分野別出題数、免除制度)/「試験制度の見直しについて」。基本情報技術者試験の合格率は、既存記事(IPA公表の令和7年度の値)による。
株式会社エンデバース 代表取締役
キャリアカンパニー責任者
百瀬 将悟
大学卒業後、不動産会社に入社。その後、求人広告営業・キャリアアドバイザーを経験。現在は両面型のアドバイザーとIT企業の採用コンサルティングに従事。
採用と転職市場の両方を理解している点を強みとし、「市場価値を高めながら活躍できるエンジニア」になるためのを転職サポート。