COLUMN IT業界

組み込みエンジニアはやめとけ?迷ったときの判断ポイントと後悔しない道の選び方

2025.09.29

組み込みエンジニアという職種は、IoTやAIの普及とともに需要が高まり続けています。一方で、ネット上では「やめとけ」「きつい」「後悔する」といった声も少なくありません。この記事では、組み込みエンジニアの現実的な厳しさとやりがい、向き不向き、年収やキャリアパス、未経験から目指すためのステップをわかりやすく解説します。

組み込みエンジニア「やめとけ」と言われる主な理由

組み込みエンジニアは需要の高い職種ですが、一部では「やめとけ」と言われることもあります。その背景には、開発環境の制約や納期の厳しさ、ハードとソフト両方の知識が求められる負担感などが挙げられます。

人手不足による業務負担や残業の多さ

組み込みエンジニアの現場は、慢性的な人手不足が続いています。IoT機器や家電、自動車、産業機器など「組み込みシステム」が活躍する領域が拡大する一方で、エンジニアの供給が追いついていません。その結果、1人あたりの業務量が多くなり、残業や休日出勤が発生しやすい環境となっています。特に納期前やトラブル発生時には、長時間労働が常態化しやすい状況にあります。

厳しい納期・頻繁な仕様変更

組み込み開発は、クライアントの要望や市場の変化に応じて、開発途中で仕様変更が発生することがあります。納期は厳守が基本で、途中の仕様追加や変更にも柔軟に対応しなければなりません。計画通りに進まないストレスや、急なスケジュール調整に追われるプレッシャーも、この職種の難しさの一つです。

ハードウェアとソフトウェア両方の高いスキルが求められる

組み込みエンジニアは、プログラミングだけでなく、ハードウェア(マイコン・回路・センサー等)の知識も不可欠です。C言語やC++など難易度の高い言語を使いこなしつつ、限られたリソースで動作するプログラムを設計・実装する必要があります。ソフトとハード両方の知識が求められるため、学習やスキルアップのハードルが高いと感じる人も多いでしょう。

継続的な学習負担

IoTやAI、5Gなど技術革新が非常に速い分野のため、組み込みエンジニアは常に新しい知識をキャッチアップし続ける必要があります。仕事と並行した自主学習が欠かせず、プライベートの時間を削って勉強する場面も珍しくありません。

新しい技術を身につけても評価されにくい場合がある

組み込み分野は、安定性や信頼性を重視するため、最新技術の導入に慎重な企業も多い傾向があります。そのため、せっかく新しいスキルや知識を身につけても、現場で活かせなかったり、評価につながりにくいケースもあります。 成長実感や達成感を得づらいと感じる人もいるかもしれません。

責任の重さや精神的プレッシャー

組み込みシステムは一度製品に組み込まれると、後から簡単に修正ができません。納品後に不具合が見つかれば、製品のリコールや大規模な損失につながることも。ミスが許されない現場で、常に高い品質と責任感が求められるため、精神的なプレッシャーも大きい職種です。

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組み込みエンジニアのやりがい

組み込みエンジニアならではのやりがいも紹介しましょう。

自分の関わった製品が世の中に出る達成感

自分が設計・開発したシステムが、家電や自動車、医療機器など日常生活や社会インフラで実際に使われる――この達成感は組み込みエンジニアならではです。製品が店頭に並ぶ姿や、利用者の反応を目にしたときの喜びは大きなモチベーションになります。

IoTやAIなど最先端技術に携われる

IoTやAI、5Gの発展により、組み込みエンジニアは最先端の技術領域で活躍できます。新しいセンサーや通信技術、AIアルゴリズムの実装など、技術革新の現場を体感できる点は大きな魅力です。

市場価値・将来性の高さ

組み込みエンジニアは人材不足が続いており、今後も需要が高いと見込まれています。スキルと経験を積めば、年齢を問わず長く活躍できる職種です。特に20代~40代の若手エンジニアは重宝されやすく、市場価値も高くなっています。

社会貢献や幅広い業界で活躍できる

医療・自動車・家電・産業ロボットなど、社会を支える多様な分野で活躍できるのも組み込みエンジニアの特徴です。自分の仕事が社会の安全や便利さに直結するという誇りや責任感を持てる点も、やりがいの一つです。

組み込みエンジニアに向いている人・向いていない人

やりがいのある「組み込みエンジニア」は、どのような資質が求められるでしょうか。

組み込みエンジニアに向いている人

  • モノづくりが好きで、完成品を自分の目で確かめたい人
  • 論理的思考力や問題解決力に自信がある人
  • コツコツと地道な作業を続けられる人
  • 新しい技術や知識の習得に前向きな人
  • チームで協力しながら仕事を進められる人
  • IoTやAIなど最先端分野に興味がある人

組み込みエンジニアに向いていない人

  • 機械やハードウェアへの興味が薄い人
  • 勉強やスキルアップの意欲がない人
  • 論理的な思考や細かい作業が苦手な人
  • 変化やイレギュラー対応がストレスになる人
  • チームワークよりも単独作業を好む人

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組み込みエンジニアの年収・キャリアパスの現実

気になる年収相場と、キャリア構築の例も紹介しましょう。

平均年収の目安や待遇の特徴

組み込みエンジニアの平均年収は、20代で350万~450万円、30代で500万~600万円前後が目安です。スキルや経験、担当する業界・企業規模によって大きく差が出ます。マネジメントや上流工程、専門性の高い分野で活躍できれば、年収800万円以上も目指せますが、下流工程や保守系の仕事が中心だと伸び悩む場合もあります。

キャリアアップや転職の選択肢

キャリアアップの道としては、以下のような選択肢があります。

  • 上流工程(要件定義・設計)へのステップアップ
  • プロジェクトマネージャーやリーダー職への昇進
  • IoTやAIなど新分野への専門特化
  • フリーランスやコンサルタントとして独立
  • 他業界やIT職種へのキャリアチェンジ

自分の強みや興味を活かしたキャリア設計が重要です。

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未経験から組み込みエンジニアを目指すためのステップ

未経験から組み込みエンジニアを目指す場合、どんな準備や学習が必要なのでしょうか。

必要なスキル・知識の身につけ方

  • C言語やC++など組み込み向けプログラミング言語の基礎
  • マイコンや回路、OS(リアルタイムOSなど)の基本知識
  • ハードウェアとソフトウェアの連携に関する理解
  • 問題解決力や論理的思考力

スクールや資格の活用方法

プログラミングスクールやオンライン講座を活用すると、効率的にスキルを身につけやすくなります。未経験者向けの組み込み系カリキュラムを提供しているスクールも増えています。また、「C言語プログラミング能力認定試験」「ETEC(組み込み技術者試験)」などの資格取得も、基礎力の証明や転職活動でのアピール材料になります。

実務経験の積み方

未経験から実務経験を積むには、以下の方法があります。

  • 研修制度のある企業に応募する
  • インターンシップやアルバイトで現場経験を得る
  • ポートフォリオとして電子工作や簡単な組み込みシステムを自作し、面接でアピールする

最初は下流工程やテスト業務からスタートし、少しずつ上流工程や設計にチャレンジしていくのが一般的です。

サポートサービスや転職エージェントの活用

未経験OKの求人を扱う転職エージェントやキャリアコンサルタントを活用するのも有効です。応募書類の添削や面接対策、キャリア相談など、転職活動を効率的に進めるサポートが受けられます。自分に合った企業や働き方を見つけるためにも、積極的に活用しましょう。

後悔しないための会社選び・働き方のコツ

「組み込みエンジニアとして成長したい!」という方は、次のポイントを意識しましょう。

労働環境や開発スタイル(自社開発/受託開発)の違い

自社開発は比較的安定したスケジュールで、じっくりスキルを磨きやすい傾向があります。一方、受託開発は納期や仕様変更の影響を受けやすく、残業やストレスが多くなりがちです。自分の希望やライフスタイルに合った開発体制の会社を選ぶことが大切です。

ブラック企業を避けるチェックポイント

  • 残業や休日出勤の実態
  • 社内教育やフォロー体制の有無
  • 仕事内容やキャリアパスの明確さ
  • 社員の年齢層や働き方
  • 評判や口コミサイトのチェック

面接時に実際の働き方や業務内容をしっかり確認し、不明点は遠慮せず質問しましょう。

長く働くためのポイント

  • 継続的な学習とスキルアップを怠らない
  • 周囲と協力し、チームワークを大切にする
  • 心身の健康を守るため、無理な残業は避ける
  • 適切なタイミングでキャリア相談や転職を検討する

組み込みエンジニア「やめとけ」だけに惑わされず、自分に合ったキャリアを

組み込みエンジニアは確かに大変な仕事ですが、やりがいや社会的意義も大きな職種です。「やめとけ」という意見だけに振り回されず、自分の興味や適性、将来の目標にあわせて冷静に判断しましょう。未経験からでも正しいステップを踏めば、着実にキャリアを築くことができます。自分に合った働き方や会社を見つけ、後悔しない選択をしてください。

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