COLUMN IT業界

テクニカルサポートとは?未経験から始めるIT業界を目指す完全ガイド

2025.12.08

「IT業界に興味があるけど、プログラミングは難しそう…」「未経験でも挑戦できる仕事ってあるの?」そんな悩みを抱えているあなたに、テクニカルサポートという職種をご紹介します。

テクニカルサポートは、IT製品の使い方やトラブルをサポートする専門職です。技術的な知識は必要ですが、プログラミングスキルがなくてもスタートでき、将来的にはインフラエンジニアやシステムエンジニアへのキャリアチェンジも目指せます。

この記事では、転職エージェントとして多くの未経験者をIT業界へ送り出してきた経験から、テクニカルサポートの仕事内容、必要なスキル、年収相場、そして転職成功のポイントまで、現場のリアルな情報をわかりやすくお伝えします。

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テクニカルサポートとは?仕事内容を3分で理解

テクニカルサポートは、企業が提供するIT製品やサービスについて、ユーザーから寄せられる技術的な問い合わせに対応する専門職です。「システムにエラーが出た」「ネットワークに接続できない」といった声に、電話やメール、チャットで応えながら問題解決をサポートします。IT業界の入口として人気が高く、未経験者歓迎の求人も多い職種です。

製品の技術的な問題をサポートする専門職

テクニカルサポートの主な役割は、IT製品やサービスを利用するユーザーが直面する技術的な課題を解決することです。対応する内容は、基本的な操作方法の案内から、システムの不具合調査、ネットワーク接続トラブルの解消まで多岐にわたります。

例えば、業務システムを導入した企業の担当者から「ログインできない」「データが正しく表示されない」といった問い合わせを受けた際、ヒアリングを通じて状況を把握し、原因を特定して解決策を提示します。時には、サーバーの設定を確認したり、ネットワーク環境を調査したりと、技術的な知識を駆使しながら対応します。

テクニカルサポートは、ユーザーと開発部門の橋渡し役でもあります。自分では解決できない高度な問題は、エンジニアチームにエスカレーションし、対応状況をユーザーに丁寧に説明します。

ヘルプデスク・カスタマーサポートとの違い

IT業界には、似た名前の職種がいくつか存在します。ヘルプデスクは、主に社内の従業員向けにIT機器やシステムのサポートを行います。対して、テクニカルサポートは社外の顧客や取引先企業を相手にすることが多く、より専門的な製品知識が求められます

カスタマーサポートは、製品の使い方や契約内容など、技術的ではない一般的な問い合わせに対応する窓口です。一方、テクニカルサポートは技術的な問題解決がメインミッションです。ネットワークやサーバー、データベースといったインフラ系の知識が求められ、その分、専門性が高くエンジニア職へのキャリアパスも開けやすい職種といえます。

どんな製品を扱う?

テクニカルサポートが扱う製品は、企業や業界によってさまざまです。大きく分けると、ソフトウェア、ハードウェア、インフラ系サービスの3つに分類できます。

ソフトウェア製品:業務システムやクラウドサービス、セキュリティソフトなど
ハードウェア製品では、パソコン本体やネットワーク機器、サーバー機器など
インフラ系サービスでは、クラウド環境やネットワーク回線、データセンターサービスなど

特に近年は、クラウドサービスの普及に伴い、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudといったクラウドプラットフォームのサポート需要が急増しています。インフラ系の知識があると、市場価値が高まりやすい傾向にあります。

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テクニカルサポートの具体的な仕事内容

「実際どんな1日を過ごすの?」と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、現場で働くテクニカルサポート担当者の具体的な業務スケジュールや、実際に対応する問い合わせの内容、仕事のやりがいと厳しさについて、リアルな視点からご紹介します。

テクニカルサポートの1日のスケジュール例

テクニカルサポートの1日は、問い合わせ対応を中心に回っています。一般的な平日の業務スケジュール例をご紹介します。

9:00 出社・メールチェック
前日の引き継ぎ事項や未対応の問い合わせメールを確認し、緊急度の高い案件があれば優先的に対応計画を立てます。

9:30 チームミーティング
担当メンバーで情報共有を行います。新製品のリリース情報や、頻発しているトラブルの傾向、対応ノウハウなどを共有します。

10:00 問い合わせ対応開始
電話、メール、チャットなど複数のチャネルから寄せられる問い合わせに対応します。1件あたり15分〜1時間程度かかることもあります。

13:00 継続案件の調査・対応
すぐに解決できなかった案件について、ログ解析やテスト環境での再現確認を行います。

15:00 ドキュメント作成
対応内容をナレッジベースに登録したり、よくある質問をFAQにまとめたりします。

17:00 引き継ぎ・退社
未解決の案件を次のシフトメンバーに引き継ぎます。

実際の問い合わせ対応3パターン

テクニカルサポートには、日々さまざまな問い合わせが寄せられます。実際によくある3つのパターンをご紹介します。

【パターン1:ネットワーク接続トラブル】
「社内のネットワークに接続できず、業務システムが使えない」という問い合わせです。利用環境をヒアリングし、IPアドレスの取得状況やDNS設定を確認します。ファイアウォールやプロキシ設定が原因であることも多く、マニュアルをもとに設定手順を案内しながら解決に導きます

【パターン2:サーバーアクセスエラー】
「クラウド上のサーバーにアクセスできない」という問い合わせです。サーバーの稼働状況を監視ツールで確認し、ログファイルからエラーの原因を特定します。認証情報の期限切れ、アクセス権限の不足など、原因はさまざまです。

【パターン3:ソフトウェアの操作方法】
「新しくリリースされた機能の使い方がわからない」という問い合わせです。画面共有しながら操作手順を説明したり、マニュアルを案内したりします。

やりがいと厳しさ|現場のリアルな声

テクニカルサポートの最も大きなやりがいは、顧客から直接感謝の言葉をもらえることです。「おかげで業務が再開できました」といった声は、何よりのモチベーションになります。また、問題解決のプロセスで自分の成長を実感できる点も魅力です。IT知識やトラブルシューティングスキルが着実に向上していくことを日々感じられます。

やりがいがある反面、厳しさもあります。トラブルで困っている顧客の中には、感情的になっている方もいます。冷静に状況を整理しながら、丁寧に対応する精神的なタフさが必要です。また、技術の進化が早いIT業界では、常に新しい知識を学び続ける姿勢が欠かせません。

それでも、多くの企業では研修制度が充実しており、未経験者でも段階的にスキルアップできる環境が整っています。

未経験から始められる?必要なスキルと向いている人の特徴

「IT業界未経験の自分でも、テクニカルサポートに挑戦できるのだろうか?」多くの方がこの疑問を抱いています。結論から言えば、テクニカルサポートは未経験者にとって非常に挑戦しやすい職種です。

未経験でも挑戦できる理由

テクニカルサポートが未経験者を積極的に採用している背景には、いくつかの理由があります。多くの企業が充実した研修制度を用意しており、入社後1〜3ヶ月程度の研修期間を設けています。製品知識やIT基礎知識、問い合わせ対応のマナーなどを丁寧に教えてくれる企業が大半です。

また、業務マニュアルやFAQが整備されている点も大きな安心材料です。よくある問い合わせについては、対応手順が詳細にまとめられており、それに沿って対応すれば問題ありません。

テクニカルサポートで最も重視されるのは、技術力よりも「相手の話を丁寧に聞く力」と「わかりやすく説明する力」です。営業職や接客業、販売職などで培ったコミュニケーション能力は、そのまま武器になります。

入社時に求められるスキル

未経験OKとはいえ、入社時に最低限求められるスキルもあります。

基本的なPCスキル:Word、Excel、メールソフトといった基本的なビジネスツールを使いこなせることが前提です。

コミュニケーション能力:相手の困りごとを正確に聞き取り、わかりやすく解決策を伝える力が求められます。

論理的思考力:問題の原因を切り分けて考える力も必要です。

学習意欲:IT技術は日々進化しています。新しい知識を積極的に吸収し、自己成長を楽しめる姿勢が何よりも大切です。

こんな人が向いている

テクニカルサポートに向いているのは、以下のような特徴を持つ人です。

向いている人

・人の役に立つことが好きな人
・冷静に対応できる人
・粘り強く取り組める人
・IT技術に興味がある人
・マルチタスクが得意な人

もし「自分に当てはまる特徴がある」と感じたなら、テクニカルサポートはあなたにとって最適なキャリアかもしれません。

取得しておくと有利な資格3選

資格は必須ではありませんが、持っていると転職活動で有利になります。

【基本情報技術者試験】
情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格です。IT全般の基礎知識を網羅的に学べます。エンジニアキャリアを検討している方にはおすすめの資格です。

【ITパスポート】
同じくIPAが実施する国家資格で、基本情報技術者試験よりも難易度が低く、IT初心者向けです。

【ITIL®ファンデーション】
ITサービスマネジメントに関する国際的な資格です。サポート業務の標準的なプロセスやベストプラクティスを学べるため、実務に直結します。

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テクニカルサポートの年収とキャリアパス

転職を考える際、年収やキャリアの将来性は誰もが気になるポイントです。テクニカルサポートの年収とキャリアの可能性について、現場の実態とともにお伝えします。

平均年収と年収レンジ

テクニカルサポートの平均年収は、経験やスキル、企業規模によって幅がありますが、概ね350万円〜500万円程度が相場です。未経験からスタートする場合、初年度は270万円〜350万円程度からのスタートが一般的です。

経験を積み、専門性を高めていくことで年収は上昇していきます。3年以上の経験があり、特定の製品やサービスに精通しているスペシャリストであれば、450万円〜600万円程度も目指せます。マネージャーやリーダーといった管理職になれば、600万円以上も十分可能です。

年収を上げるポイントは、専門性を深めることです。テクニカルサポートだから年収が上がらないと考えている方もいますが、ネットワークやサーバー、クラウド環境といったインフラ系の知識を身につけることで、市場価値は大きく高まります

キャリアパス4選

テクニカルサポートは、IT業界でのキャリアをスタートさせる絶好の入口です。代表的なキャリアパスを4つご紹介します。

【1. インフラエンジニア(サーバー・ネットワーク)】
最も多いキャリアパスです。テクニカルサポートでネットワークやサーバーの知識を身につけ、インフラエンジニアに転身するケースが増えています。年収も500万円〜700万円以上を目指せます。

【2. システムエンジニア(SE)】
開発寄りのキャリアに進む道もあります。顧客視点や問題解決力は、システム設計や要件定義に活かせます。

【3. プロダクトマネージャー・カスタマーサクセス】
顧客の声を直接聞いてきた経験を活かし、製品企画や顧客成功支援の役割を担う道もあります。

【4. マネージャー・リーダー職】
サポートチームのマネジメントやリーダーとして、メンバー育成や業務改善に取り組む道もあります。

未経験からエンジニアになった成功事例

Aさん(27歳・男性)は、前職が家電量販店の販売員でした。未経験OKのテクニカルサポート職に転職後、ネットワークトラブルの対応を通じてネットワークの仕組みに興味を持ち、業務後に資格勉強を開始。1年半後に資格を取得し、社内のインフラチームへ異動しました。現在はネットワークエンジニアとして活躍しています。

このように、テクニカルサポートは「学びながら働ける環境」が整っているため、未経験からでも着実にステップアップできます。

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テクニカルサポートへの転職を成功させる方法

ここからは、実際に転職活動を進める際のポイントを、求人の探し方から面接対策まで具体的に解説します。

求人の探し方とおすすめの企業タイプ

テクニカルサポートの求人は、転職サイトや転職エージェントを活用するのが一般的です。「テクニカルサポート」「ヘルプデスク」「カスタマーサポート(IT)」といったキーワードで検索してみましょう。未経験者は「未経験歓迎」「研修制度充実」といった条件で絞り込むと、マッチする求人が見つかりやすくなります。

大手IT企業やメーカーは、研修制度が充実しており、未経験者でも安心してスタートできます。また、成長中のSaaS企業やクラウドサービス企業は、将来性が高く、最新技術に触れられる機会も多いためおすすめです。

企業選びの際は、研修制度の有無、サポート体制、キャリアパスの明確さ、扱う製品やサービスの内容を確認しておきましょう。

未経験者が押さえるべき応募書類・面接対策

【応募書類のポイント】
職務経歴書では、前職で培ったスキルをテクニカルサポートにどう活かせるかを具体的に記載しましょう。また、IT学習への取り組み(資格勉強中、オンライン講座受講など)をアピールすると、学習意欲が伝わります。

【面接対策のポイント】
面接では、「なぜIT業界に興味を持ったのですか?」「前職の経験をどう活かせますか?」といった質問がよく聞かれます。具体的なきっかけやエピソードを交えて話しましょう。

面接では、「学ぶ意欲」と「コミュニケーション能力」が最も重視されます。技術的な知識がなくても、前向きな姿勢をしっかり伝えることが合格への鍵です。

よくある質問FAQ|転職の疑問を解消

Q1. 完全未経験でも本当に大丈夫ですか?
A. はい、大丈夫です。多くの企業が未経験者向けの研修を用意しています。

Q2. 英語力は必要ですか?
A. 必須ではありませんが、外資系企業では有利です。

Q3. 夜勤やシフト勤務はありますか?
A. 企業によって異なります。24時間対応のサポートセンターではシフト制が一般的です。

Q4. テクニカルサポートから他の職種に転職できますか?
A. はい、可能です。インフラエンジニアやSE、カスタマーサクセスなど、多様なキャリアパスがあります。

まとめ:テクニカルサポートでIT業界の一歩を踏み出そう

テクニカルサポートは、未経験からIT業界に挑戦できる、非常に魅力的な職種です。プログラミングスキルがなくても、コミュニケーション能力と学ぶ意欲があれば、十分に活躍できます。そして、実務を通じて技術的な知識を身につけながら、インフラエンジニアやシステムエンジニアといった専門職へのキャリアアップも目指せます。

「IT業界に興味はあるけど、何から始めればいいかわからない」と悩んでいるなら、まずはテクニカルサポートの求人をチェックしてみましょう。転職エージェントに相談すれば、あなたの経験やスキルに合った企業を紹介してもらえます。

IT業界は今後も成長が続く分野であり、テクニカルサポートのニーズも高まり続けています。この記事が、あなたの新たなキャリアの第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

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