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と考え、クラウドエンジニアに興味を持つ方が増えています。しかし、IT未経験から本当にクラウドエンジニアになれるのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、正しいステップで学習と経験を積めば、未経験からでもクラウドエンジニアになることは十分に可能です。
この記事では、未経験からクラウドエンジニアを目指すための具体的なロードマップ、必要なスキル、そして転職を成功させるためのポイントを分かりやすく解説します。
未経験からクラウドエンジニアを目指すことは、決して不可能な挑戦ではありません。ただし、あなたの現在の状況によって、その難易度や進むべき道は大きく異なります。まずは、自身の立ち位置を正確に把握することが、成功への第一歩となります。
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クラウドエンジニアへの道は、応募者の経歴によって大きく二つに分かれます。一つは営業職や販売職など、ITとは異なる分野でキャリアを積んできた「IT完全未経験者」のケースです。もう一つは、開発エンジニアやインフラの運用保守など、何らかの形でIT業界に携わってきた「IT経験者」のケースです。
当然ながら、後者の方がクラウドの知識をスムーズに吸収しやすく、転職の難易度は低くなります。IT完全未経験者の場合は、まずITの基礎を固める段階から始める必要があり、学習に要する時間は長くなる傾向にあります。
「IT完全未経験だと無理なのか」と不安に思う必要はありません。重要なのは、いきなりクラウドの専門知識を学ぼうとせず、正しい順序でスキルを積み上げることです。具体的には、まずサーバーやネットワークといったITインフラの基礎を学び、その後でクラウド技術を習得するという段階的なアプローチが最も確実です。このように計画的に学習を進めることで、IT完全未経験者でも着実にスキルを身につけ、クラウドエンジニアとしてのキャリアをスタートさせることが可能です。
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クラウドエンジニアは、現代のITサービスに不可欠な「クラウドコンピューティング」技術を専門に扱うエンジニアです。具体的にどのような仕事をしているのか、その魅力とあわせて見ていきましょう。
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クラウドエンジニアの主要な業務の一つが、顧客の要望に応じてクラウド上にシステム基盤(インフラ)を設計し、実際に構築することです。
例えば、「Webサイトのアクセスが急増してもサーバーがダウンしないようにしたい」という要望があれば、アクセス数に応じて自動的にサーバーの能力を調整できるような構成を設計し、AWS(Amazon Web Services)などのクラウドサービスを使って構築します。オンプレミス(自社でサーバーを保有・運用する形態)の知識も、クラウドへの移行案件などで役立ちます。
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システムを構築して終わりではなく、そのシステムが安定して稼働し続けるように監視し、問題が発生すれば迅速に対応する「運用・保守」も重要な仕事です。
具体的には、システムのパフォーマンスを監視して問題の兆候を早期に発見したり、セキュリティを維持するためにソフトウェアを最新の状態に保ったりします。クラウドサービスは日々進化しているため、新しい技術を学び続け、システムを常に良好な状態に保つことが求められます。
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多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する中で、自社サーバーからクラウドへの移行が加速しており、クラウドエンジニアの需要は急速に高まっています。その需要の高さは、他のITエンジニア職と比較しても高い平均年収に反映されています。
このように、クラウドエンジニアは高い専門性が求められる一方で、将来性と経済的な安定性を両立できる魅力的な職種であると言えます。

未経験からクラウドエンジニアになるためには、闇雲に学習を始めるのではなく、計画的にステップを踏んでいくことが成功への鍵となります。ここでは、最も確実で再現性の高い4つのステップを紹介します。
クラウドは、サーバーやネットワークといった物理的なインフラ技術の上で成り立っています。そのため、まずはこれらの基礎知識を体系的に学ぶことが不可欠です。
具体的には、「LinuC」や「CCNA」といった資格の学習を通じて、Linuxサーバーの操作方法やネットワークの仕組み(TCP/IPなど)を理解することから始めましょう。この土台がしっかりしているほど、後のクラウド学習がスムーズに進みます。
ITの基礎知識を身につけたら、次は実務経験を積むステップに進みます。未経験からいきなりクラウドの設計・構築といった上流工程の案件に就くのは現実的ではありません。
まずはインフラエンジニアとして、サーバーやネットワークの運用・保守業務からキャリアをスタートし、現場で経験を積むのが最も確実なルートです。ここで得られる実践的なスキルや障害対応の経験が、将来クラウドエンジニアとして活躍するための強固な基盤となります。
インフラエンジニアとしての実務経験を積みながら、本格的にクラウドの学習を進めます。
世界のクラウド市場で高いシェアを誇る「AWS」「Microsoft Azure」「Google Cloud」の3大クラウドサービスの中から、まずは一つを選んで集中的に学びましょう。学習の成果を客観的に証明するために、各サービスが提供している認定資格の取得を目指すことを強く推奨します。
特に「AWS Certified Solutions Architect-Associate(SAA)」は、多くの企業で評価されます。まずは最初の目標として推奨されている「AWS Certified Cloud Practitioner(CLF)」から始め、ステップアップしていきましょう。
資格取得と並行して、実際に手を動かして何かを作ってみることが重要です。各クラウドサービスが提供している無料利用枠を活用し、自分で簡単なWebサーバーを構築したり、学んだ知識を使って小規模なシステムを設計・構築したりしてみましょう。このようにして作成した成果物(ポートフォリオ)は、あなたの技術力を具体的に示す強力な武器となり、転職活動の際に他の候補者との大きな差別化につながります。


クラウドエンジニアとして活躍するためには、特定の技術領域に関する深い知識が求められます。ここでは、特に重要とされる4つのスキルについて解説します。
当然ながら、クラウドサービスに関する専門知識は必須です。
特に、世界的にトップシェアを誇るAWS(Amazon Web Services)の知識は、多くの案件で求められるため優先的に学習すべきです。AWSの他にも、Microsoft AzureやGoogle Cloud(GCP)といった主要なサービスについても基本的な特徴を理解しておくと、対応できる案件の幅が広がり、自身の市場価値を高めることにつながります。
クラウド上でのシステム構築は、物理的なサーバーやネットワークの知識が基盤となります。
例えば、仮想サーバーを構築する際にはLinuxやWindows ServerといったOSの知識が必要ですし、ネットワークを設計する際にはIPアドレスやVPC(仮想プライベートクラウド)といった概念の理解が不可欠です。これらのインフラ知識がなければ、クラウドの機能を最大限に活用した設計や、トラブル発生時の原因究明が困難になります。
企業の大切なデータをクラウド上で扱うため、セキュリティに関する知識は極めて重要です。不正アクセスや情報漏洩を防ぐために、どのような設定をすれば安全なシステムを構築できるのかを理解していなければなりません。
具体的には、アクセス権限の適切な管理(IAM)、通信の暗号化、ファイアウォールの設定など、クラウドサービスが提供するセキュリティ機能を正しく利用するスキルが求められます。
クラウドエンジニアにもプログラミングスキルは必要とされています。
例えば、Rubyのようなスクリプト言語を使えるようになると、サーバー構築や設定変更といった定型作業を自動化し、業務を大幅に効率化できます。また、IaC(Infrastructure as Code)ツールであるTerraformやCloudFormationを扱うスキルも、近年のクラウド開発において非常に需要が高まっています。
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未経験からの転職活動において、資格はあなたのスキルレベルと学習意欲を客観的に証明するための強力な武器となります。ここでは、クラウドエンジニアを目指す上で特におすすめの資格を3つ紹介します。
AWS(Amazon Web Services)は、世界で最も利用されているクラウドサービスであり、その認定資格は業界内で非常に高い評価を受けています。
未経験者が最初に目指すべきは「AWS Certified Cloud Practitioner(CLF)」です。その後、AWSの基礎を固めた上で「AWS Certified Solutions Architect-Associate(SAA)」に挑戦することが推奨されます。SAAは、AWS上で安全かつ効率的なシステムを設計・構築するための幅広い知識を問うものであり、取得することで実務レベルの基礎スキルがあることを証明できます。
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Microsoft Azureは、AWSに次いで世界第2位のシェアを持つクラウドサービスです。特に、多くの企業で利用されているWindows ServerやMicrosoft365との親和性が高いことから、国内でも導入する企業が増えています。
未経験者向けの入門資格としては「AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals」があり、ここから学習を始めることでAzureの基本的な概念を体系的に理解できます。
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Google Cloud(旧GCP)は、AIや機械学習、ビッグデータ解析といった分野に強みを持つクラウドサービスです。シェアではAWSやAzureに及ばないものの、その独自性の高いサービスから近年急速に成長しています。「Associate Cloud Engineer」は、Google Cloudの基本的なスキルを証明するアソシエイトレベルの資格であり、将来的にデータ分析基盤などの分野で活躍したい方におすすめです。


20代に比べて、30代のIT未経験者がクラウドエンジニアを目指す場合、より戦略的なアプローチが求められます。なぜなら、企業側がポテンシャルだけでなく、即戦力に近いスキルやビジネス経験を期待するようになるからです。しかし、正しい道筋をたどれば、30代からでも十分にキャリアチェンジは可能です。
30代の未経験者採用が慎重になる主な理由は、教育にかけられる時間とコストの問題です。20代であれば長期的な視点で育成する「ポテンシャル採用」が期待できますが、30代にはこれまでの社会人経験を活かした上での貢献が求められます。
そのため、単に「やる気があります」というだけでは不十分で、「ITインフラの基礎を理解している」「資格を取得している」といった具体的な行動で、企業側の懸念を払拭する必要があります。
30代未経験からクラウドエンジニアへの転職を成功させるためには、以下の3つの要素が重要になります。
まずはLinuCやCCNAでインフラの基礎を固め、次にAWS Certified Solutions Architect – Associateなどのクラウド資格を取得することで、体系的な知識があることを示します。
AWSの無料枠などを活用して自分でWebサーバーなどを構築し、その手順や成果をブログやGitHubで公開しましょう。学習意欲と自走力をアピールできます。
独学での転職活動は非効率になりがちです。IT業界に特化した転職エージェントに相談し、キャリアプランの設計や企業選びについて客観的なアドバイスをもらうことが成功への近道です。
30代未経験者が目指すべき最も確実な道は、「いきなりクラウド」ではなく「インフラエンジニアを経てクラウドへ」というステップです。
まずはインフラの運用・保守から実務経験をスタートし、1〜2年かけてサーバー構築などの経験を積みます。このオンプレミスでの経験が、クラウド環境を深く理解するための土台となり、その後のクラウドエンジニアへのキャリアシフトを非常にスムーズにします。この一見遠回りに見えるルートこそが、30代からの挑戦を成功に導く最も確実なキャリアパスなのです。

ここでは、未経験からクラウドエンジニアを目指す方々からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
学習期間は、個人の経験や学習スタイルによって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
重要なのは、焦らずに基礎から着実に知識を積み上げることです。
必須ではありませんが、必要とされる場合が多いです。インフラの構築や運用を自動化する際に、Pythonなどのスクリプト言語の知識が役立ちます。未経験の段階では、まずインフラとクラウドの知識習得を優先し、実務に就いてからプログラミングを学ぶという流れでも問題ありません。
問題なく目指せます。クラウドエンジニアに必要なのは、出身学部よりも論理的思考力や継続的な学習意欲です。実際に、営業職や販売職といった文系出身の未経験からクラウドエンジニアに転職し、活躍している方は数多くいます。大切なのは、IT技術に対する興味と、粘り強く学び続ける姿勢です。
未経験からクラウドエンジニアになることは、決して簡単な道ではありませんが、正しいロードマップに沿って計画的に努力を続ければ、十分に実現可能な目標です。重要なのは、いきなり頂上を目指すのではなく、ITインフラの基礎という土台を固め、一歩ずつ着実にステップを上がっていくことです。
本記事で紹介したロードマップや学習法を参考に、ぜひクラウドエンジニアへの第一歩を踏み出してください。
