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セキュリティエンジニア資格完全ガイド2025|経験年数別ロードマップで年収アップ

セキュリティエンジニアに転職するには、どの資格から取得すべき?
資格を取得すると、実際にどの程度年収がアップするの?

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。サイバー攻撃の脅威が増大する中、セキュリティエンジニアの需要は急速に高まっており、適切な資格取得が転職成功とキャリアアップの鍵となっています。本記事では、転職エージェントとして数多くのセキュリティエンジニア転職をサポートしてきた実績をもとに、経験年数別の最適な資格取得ロードマップと具体的な年収アップデータをご紹介します。

セキュリティエンジニアに資格が必要な3つの理由【転職市場の実態】

セキュリティエンジニアとして転職を成功させたい方にとって、「本当に資格は必要なのか?」という疑問は当然のものです。結論から申し上げると、現在の転職市場において資格取得は必須条件となりつつあります。転職エージェントとして日々企業の採用担当者とやりとりする中で見えてきた、セキュリティエンジニアに資格が求められる3つの理由を詳しく解説いたします。

専門性と信頼性の向上

セキュリティエンジニアという職種は、企業の機密情報や顧客データの安全を守る重要な責任を担います。そのため、企業側は候補者の技術的能力を客観的に判断したいと考えています。

資格は、あなたが持つ専門知識やスキルを第三者機関が認定した証明書として機能します。特に情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)は日本唯一の情報セキュリティ分野の士業資格として、高い社会的信頼性を持っています。CISSP(認定情報システムセキュリティプロフェッショナル)は世界最高峰のセキュリティ資格として、国際的な企業や外資系企業での評価が極めて高いのが特徴です。

これらの資格を保有することで、採用担当者はあなたが体系的な知識を習得していることを瞬時に理解でき、面接での技術的質問においてもより深いレベルでの議論が可能になります。

年収アップに直結

セキュリティエンジニアの年収は、保有資格によって大きく変動することをご存知でしょうか。最新の調査データによると、資格を持たないセキュリティエンジニアの平均年収が約511万円であるのに対し、専門資格を保有するエンジニアは年収100万円以上のアップが見込まれています。(出典:レバテックキャリア

参考:
– doda「職種別平均年収ランキング(IT・通信系)」2024–2025:セキュリティ/インフラ/アプリ各職のベース水準把握に使用

– レバテックキャリア 各職種ページ(セキュリティエンジニア/インフラエンジニア/SRE など):レンジ感のクロスチェック
– OpenWork 職種別年収・クチコミ:年代別・企業規模別の補正に使用
– マイナビ転職/エン転職/Green:掲載レンジの分布確認(特に東京23区の正社員)

これらの資格取得により、フリーランスとして独立した場合の単価は70万円(年収換算840万円)以上となり、正社員よりも高い年収が期待できます。

市場価値の向上

現在、日本国内では深刻なセキュリティ人材不足が続いています。この人材不足は、資格を持つセキュリティエンジニアにとって絶好の機会となります。

資格を保有することで、転職市場における選択肢が劇的に広がります。従来のIT業界だけでなく、金融、医療、製造業、官公庁など、あらゆる業界でセキュリティ人材のニーズが高まっています。特に外資系企業やグローバル企業では、国際資格であるCISSPやCompTIA Security+の評価が高く、これらの資格を持つことで海外展開企業でのキャリアパスも開けます。

また、資格は自己学習能力と継続的な成長意欲の証明としても機能します。多くの資格が3年ごとの更新制度を採用しており、常に最新の知識を維持している証拠となります。転職面接において、「なぜこの資格を取得したのか」「取得に向けてどのような学習をしたのか」といった質問に対して具体的に答えることで、あなたの学習意欲と目標達成能力をアピールできます。

さらに、セキュリティ分野は技術の進歩が早く、AIやクラウドセキュリティなど新しい領域が次々と登場しています。資格取得の過程で身につけた学習習慣は、これらの新技術への適応力向上にもつながり、長期的なキャリア形成において大きなアドバンテージとなるでしょう。

【経験年数別】セキュリティエンジニア資格取得ロードマップ

セキセキュリティエンジニアになりたいけど、どの資格から始めればいいの?
今の経験年数で取得すべき資格がわからない

このような悩みをお持ちの方に向けて、転職エージェントとして数多くのセキュリティエンジニア転職をサポートしてきた経験をもとに、最も効率的な資格取得ロードマップをご紹介します。経験年数に応じた段階的なアプローチにより、無理なく着実にスキルアップを図りましょう。

【未経験~1年】初心者向けセキュリティ資格

セキュリティエンジニア未経験、または経験1年未満の方にとって最も重要なのは、基礎知識の体系的な習得です。転職市場で評価される「入門レベルの確実な理解」を証明できる資格から始めることをお勧めします。

情報セキュリティマネジメント試験(SG)
初心者が最初に取得すべき資格として最適です。この国家資格は、情報セキュリティの基本概念から実際の運用まで幅広くカバーしており、令和6年度(2024年度)の合格率は69.1%と比較的高く設定されています(出典:統計情報(情報セキュリティマネジメント試験))。学習期間は平均2〜3ヶ月程度で、受験料も7,500円と手頃な価格設定となっています。

CCNA(Cisco Certified Network Associate)
ネットワーク基礎の決定版として、セキュリティエンジニアに必要なレイヤー2/3、IP、ルーティング、ACL・ファイアウォール、VPN、監視、基本的な自動化までを包括的にカバーしています。受験料は300USD前後(為替により約3~5万円)、学習目安は3~6ヶ月(120~200時間)です。合格率は約30-40%と中程度の難易度ですが、体系的な学習により十分合格可能です。

これらの基礎資格を取得することで、企業の採用担当者からは「基礎がしっかりしている候補者」として評価され、面接でも技術的な議論がしやすくなるメリットがあります。

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【経験1~3年】中級者向け専門資格選択

セキュリティエンジニアとして1〜3年の実務経験を積んだ段階では、専門性を明確に示せる資格への挑戦が重要になります。この時期の資格取得は、年収アップと転職市場での差別化に直結する戦略的な投資といえるでしょう。

CompTIA Security+
この国際資格は世界的に認知度が高く、実務に直結する内容が豊富に含まれています。脅威分析、リスクアセスメント、セキュリティアーキテクチャなど、現場で求められるスキルを体系的に学習できます。学習期間は一般的には3〜4ヶ月の準備が推奨されています。

応用情報技術者試験(AP)
IT全般の知識を体系的に確認できる上位レベルの資格です。特にセキュリティ分野の出題比重が高まっており、ネットワークやOS、データベースなど既存のインフラ知識とセキュリティ知識を結びつけて学ぶことができます。試験では、現場で求められるセキュリティ知識を実務に近い形で確認できます。学習期間は、情報系の基礎知識を持つ場合で3〜6か月程度が目安とされています。

転職時の給与交渉においても、専門資格の保有は強力な武器となることが実証されています。

【経験3年以上】上級者向け難易度高資格

セキュリティエンジニアとして3年以上の経験を積み、より高度な専門性を目指す段階では、業界最高峰の資格への挑戦をお勧めします。これらの資格は取得難易度が高い反面、キャリアに与えるインパクトは絶大です。

情報処理安全確保支援士(RISS)
日本最高峰のセキュリティ国家資格として位置づけられており、サイバーセキュリティの専門家としての知識・技能を証明するものです。合格率は約19%と非常に厳しく、相当な学習時間の投資が必要ですが、取得後の市場価値は格段に向上します(出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)。

CISSP(Certified Information Systems Security Professional)
この国際資格は、セキュリティ管理者やアーキテクトレベルの知識が求められ、5年以上の実務経験が受験要件となっています。取得には平均8〜12ヶ月の学習期間が必要ですが、保有者の平均年収は720万円と、投資に見合う十分なリターンが期待できます。(出典:テックジム)。

外資系企業や大手コンサルティングファームへの転職を視野に入れる方にとって、CISSPは事実上の必須資格となっており、書類選考の段階で大きなアドバンテージを得られます。

これらの上級資格は、単なる知識の証明を超えて、セキュリティ分野におけるリーダーシップや戦略的思考能力を示す指標として企業から評価されています。キャリアの次のステップを見据えた長期的な投資として、ぜひ挑戦していただきたい資格群です。

【分野別】セキュリティエンジニア専門資格の選び方と活用法

セキュリティエンジニアと一口に言っても、どの分野を専門にすべきか迷ってしまう…

このような悩みをお持ちの方は少なくありません。実際、セキュリティ分野は多岐にわたり、それぞれに特化した資格が存在します。転職エージェントとして企業の採用ニーズを日々把握している立場から、需要の高い5つの専門分野と、それぞれの分野で評価される資格をご紹介いたします。

ネットワークセキュリティ資格

インフラエンジニアからセキュリティエンジニアへの転職を検討している方にとって、ネットワークセキュリティ資格は最も自然なステップアップルートとなります。既存のネットワーク知識を活かしながら、セキュリティ専門性を体系的に身につけられるからです。

まず取得をおすすめするのがCCNA(200-301)です。シスコシステムズが認定するこの資格では、セキュリティエンジニアに必要なネットワーク基礎やルーティング、ACL、VPN、監視、基本的な自動化まで幅広いスキルを身に付けることができます。ネットワークセキュリティの入門として最適です。

さらなるスペシャリストを目指す方には、CCNP Securityをお勧めします。この上級資格は、セキュリティアーキテクチャの設計や高度な脅威分析能力を証明するものです。取得難易度は高いものの、保有者は大手企業のセキュリティ責任者ポジションでも高く評価されています。

企業の採用担当者からは「ネットワーク基盤を理解したセキュリティエンジニアは即戦力として期待できる」という声を多数いただいており、インフラエンジニアからの転身を図る方には特にお勧めしたい分野です。

クラウドセキュリティ資格

クラウドセキュリティは、DX推進の流れとともに最も需要が急増している分野です。AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどのクラウドプラットフォームにおけるセキュリティ設計・運用のスペシャリストに対する企業ニーズは極めて高く、人材不足が深刻な状況となっています。

AWS Certified Security – Specialtyは、クラウドセキュリティ分野で最も認知度の高い資格です。AWSクラウド環境でのセキュリティ設計、実装、トラブルシューティングに関する包括的な知識が問われます。

Microsoft Azure Security Engineer Associate(AZ-500)も同様に市場価値の高い資格です。Azureクラウド環境でのセキュリティソリューション実装に特化した内容で、特に日本企業でのOffice 365導入が進む中、極めて重要な資格として位置づけられています。

これらクラウドセキュリティエンジニアの給与水準は年収700万円から1500万円と高水準です。資格を保有していることは大きなアドバンテージとなり需要も非常に高く引く手あまたの状況が続いています。

サイバーセキュリティ資格

サイバーセキュリティ分野は、実際の攻撃手法を理解し、それに対する防御策を構築する高度な専門性が求められる領域です。近年のサイバー攻撃の巧妙化に伴い、この分野のスペシャリストに対する企業の期待は一層高まっています。

CEH(Certified Ethical Hacker)は、ホワイトハッカーとしての技能を証明する国際資格です。攻撃者の視点から システムの脆弱性を発見し、セキュリティホールを塞ぐための実践的な技術を学習します。受験料は約55万円と高額ですが、保有者の市場価値は非常に高く、平均年収は920万円に達します。

GCIH(GIAC Certified Incident Handler)は、サイバー攻撃を受けた際の対応能力を証明する資格です。インシデント対応手順の策定から、実際の攻撃分析、復旧作業まで幅広い知識が求められます。特に大企業や金融機関では、この資格保有者を重宝する傾向が強く見られます。

これらの資格は取得難易度が高い反面、セキュリティ分野での専門性を明確に示すことができ、キャリア形成において大きなアドバンテージとなります。

情報セキュリティ国家資格

日本における情報セキュリティの国家資格は、日系大手企業への転職を目指す方には必須の資格群といえます。公的な位置づけにより、人事部門からの理解も得やすく、昇進・昇格時にも有利に働くケースが多く見られます。

情報処理安全確保支援士(RISS)は、日本最高峰の情報セキュリティ国家資格として位置づけられています。合格率は約19%と非常に厳しく、相当な学習投資が必要ですが、その分市場での評価は抜群です。大手システムインテグレーターやコンサルティングファームでの需要が特に高くなっています。

情報セキュリティマネジメント試験(SG)は、より実務寄りの国家資格として注目されています。技術的な深掘りよりも、組織全体のセキュリティマネジメント能力が問われる内容で、管理職を目指す方には特にお勧めの資格です。

これらの国家資格は、技術的な専門性に加えて、日本の法制度や企業文化への理解も同時に証明できるため、国内企業での転職活動において強力な武器となります。

ペネトレーション資格一覧

ペネトレーションテスト分野は、システムの脆弱性を実際に検証する高度な技術領域です。「合法的なハッキング」とも呼ばれるこの分野は、技術的な専門性が極めて高く、スペシャリストに対する需要も急速に拡大しています。

OSCP(Offensive Security Certified Professional)は、ペネトレーションテスト分野で最も権威のある資格として知られています。24時間の実技試験という過酷な内容ですが、この資格の保有者は業界内で「本物のハッカー」として認識されます。

CompTIA PenTest+は、より実務的なアプローチでペネトレーションテストのスキルを証明する資格です。OSCPと比較して取得しやすく、ペネトレーション分野への入門資格として適しています。学習期間は3〜4ヶ月程度で、受験料も約4万円と比較的手頃な設定となっています。

これらの資格は、セキュリティエンジニアの中でも特に技術的な専門性を重視するポジションへの転職において、決定的な差別化要因となります。特にセキュリティコンサルティング会社や、高度なセキュリティサービスを提供する企業では、これらの資格保有者を積極的に採用する傾向が強く見られます。

実務経験者が語る!資格取得後のキャリア変化と年収アップ事例

資格取得がキャリアにもたらす具体的な変化を、実際の転職成功者の体験談からご紹介します。弊社が支援した転職者の実績データとともに、あなたの将来設計の参考にしていただければと思います。

インフラ→セキュリティ転職成功事例

弊社で支援したAさん(29歳・インフラエンジニア3年)は、まず基本情報技術者と情報セキュリティマネジメント試験を通じて基礎力を固め、その後、情報処理安全確保支援士を取得。SES案件を通じて、セキュリティ監査や脆弱性診断、ログ分析などのサポート業務を経験しました。

この実績を武器にセキュリティエンジニアに転職し、年収は400万円から530万円にアップ。さらに、転職先で2年間SOCやクラウドセキュリティ業務を担当しながらCISSPを取得し、最終的に年収600万円を実現しました。

転職成功のポイントは「資格+経験のタイミング」です。基礎資格で学習を証明し、実務と並行して高度資格を取得することで市場価値を段階的に高めることができます。

特にインフラ経験者は、ネットワークやサーバーの知識がセキュリティ分野で高く評価されるため、セキュリティエンジニアのキャリアパスを参考に戦略的なアプローチを取ることが重要です。

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資格取得で年収アップ体験

資格取得による年収への影響は想像以上に大きいものです。弊社の転職支援データでは、情報処理安全確保支援士資格保有者の平均年収は570万円、CISSP保有者は720万円となっており、未保有者と比較して最大200万円の差が生まれています。

Bさん(32歳・ネットワークエンジニア経験5年)のケースでは、4つの資格(CCNA・基本情報・応用情報・情報処理安全確保支援士)を取得し、年収500万円から650万円への大幅アップを実現しました。企業の採用担当者からは「体系的な学習姿勢と継続力が評価された」との評価をいただいています。

面接で活かす資格アピール

資格を単なる「持っている証明書」で終わらせないためには、面接での効果的なアピール方法が重要です。成功する候補者に共通するのは「資格で学んだ知識をいかに実務に活用できるか」を具体的に説明できることです。

例えば、情報セキュリティマネジメント試験の学習を通じて「リスクアセスメントの考え方を現在の業務でも実践し、システム運用時のセキュリティチェックリストを作成した」といった具体例を示すことで、学習意欲と実践力の両方をアピールできます。また、「次はCISAを取得して、セキュリティ監査業務にも携わりたい」という将来的な成長ビジョンを示すことで、長期的な採用価値も伝えられます。

今こそセキュリティエンジニアとして大きくステップアップしよう!

セキュリティエンジニアへの転身は、まさに今が絶好のタイミングです。経済産業省の「DX白書2023」によると、サイバーセキュリティ人材の不足数は約19.3万人に達しており、この人材ギャップは今後さらに拡大する見込みです。

これまでご紹介した資格取得戦略を活用すれば、確実にセキュリティ分野でのキャリアを築くことができます。特に情報処理安全確保支援士やCISAなどの高度資格保有者は、転職市場で引く手あまたの状況が続いています。

まずは今回ご紹介したロードマップに沿って、あなたの経験年数に適した資格から挑戦してみましょう。基礎資格から段階的にステップアップすることで、必ずセキュリティエンジニアとしての新しいキャリアを手に入れることができます。あなたの挑戦を応援しています。

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