
「クラウドエンジニア」という職種に興味を持って調べてみたものの、「やめとけ」「きつい」という声を目にして不安になっていませんか?
NetflixやSpotifyなど、私たちが毎日使うサービスを支えるクラウド技術。その専門家であるクラウドエンジニアは、確かに責任も重く、学ぶべきことも多い仕事です。しかし、正しい情報と戦略があれば、未経験からでも十分に目指せる将来性の高い職種でもあります。
この記事では、転職エージェントとして数多くのエンジニア転職を支援してきた経験から、「やめとけ」と言われる本当の理由と、その回避方法、そして後悔しないための具体的なキャリア戦略をお伝えします。
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クラウドエンジニアについて調べると「やめとけ」「きつい」という声が見つかります。これらは実際に現場で直面する可能性のある課題です。しかし重要なのは、事前に理由を知り、回避策を理解しておくこと。ここでは転職後に後悔しないための7つの理由と対策をお伝えします。
クラウドサービスは24時間365日稼働が基本です。運用保守業務では、夜間や休日のシフト勤務、緊急時の呼び出し対応が発生するケースがあります。特にECサイトや金融システムなど、停止が許されないシステムを扱う企業では、夜勤ローテーションが組まれることも珍しくありません。
しかし、すべてのクラウドエンジニアが夜勤必須なわけではありません。設計・構築メインのポジションや自社開発企業では日中勤務が中心です。面接時に「夜勤や休日対応の頻度」「オンコール体制」を必ず確認しましょう。
インフラ障害は数千人のユーザーに影響し、企業に数百万円規模の損害をもたらす可能性があります。迅速な原因特定と復旧が求められ、その心理的プレッシャーは相当なものです。
とはいえ、いきなり重要システムの障害対応を一人で任されることはありません。まずは先輩エンジニアのサポートのもと、小規模な障害対応から経験を積み、徐々にスキルを上げていくのが通常のキャリアパスです。OJT体制が整っている企業、マニュアルやナレッジが蓄積されている企業を選べば、段階的にスキルを積めます。
クラウド業界の技術革新のスピードは驚異的です。AWSだけでも年間3,000以上の新機能やアップデートがリリースされています。このキャッチアップに追われることが、「きつい」と感じる大きな要因の一つです。
重要なのは、すべての技術を完璧に理解する必要はないということです。まずは自分の専門領域を一つ決め、そこを深く掘り下げる。その上で、業務に必要な周辺技術を少しずつ広げていく。この「T字型スキル」の考え方を持つことで、無理なく継続的に学習できます。
クラウドエンジニアに求められるスキルは多岐にわたります。サーバーやネットワークといったインフラの基礎知識はもちろん、AWS・Azure・GCPなどのクラウドサービスの理解、セキュリティ対策、コスト管理、Infrastructure as Code(IaC)によるコード化、さらにはDockerやKubernetesなどのコンテナ技術まで非常に幅広いです。
解決策は、学習の優先順位を明確にすることです。最初から全てを学ぶ必要はありません。まずはLinuxとネットワークの基礎、次にAWSの主要サービス(EC2、S3、VPCなど)、その後に資格取得を目指す。このように段階を区切り、一つずつクリアしていくアプローチが効果的です。
残念ながら、求人票に「クラウドエンジニア募集」と書かれていても、実態は単純な監視業務やヘルプデスク対応だけ、というケースが存在します。特にSES企業(システムエンジニアリングサービス)の客先常駐案件では、「クラウド」という魅力的な職種名で人を集めておきながら、実際にはクラウドの設計・構築には一切関われず、オンプレミスサーバーの監視やマニュアル通りの単純作業しか任されない、という事例も報告されています。
このような企業に入社してしまうと、スキルが身につかず、キャリアアップも望めません。求人票で「未経験歓迎」「充実した研修制度」ばかりを強調し、具体的な業務内容やプロジェクト例が書かれていない求人は要注意です。IT業界に詳しい転職エージェントに相談し、企業の実態を事前にリサーチすることも有効な対策です。
クラウドエンジニアの平均年収は約600〜700万円と、一般的な職種と比べると高めです。しかし、未経験からスタートする場合、最初の年収は300万円程度が相場です。一方で、任される業務の責任は決して軽くありません。前述の通り、システム障害は企業に大きな損失をもたらす可能性があり、そのプレッシャーは年収に見合わないと感じる人もいます。
重要なのは、「最初は修行期間」と割り切りつつも、明確なキャリアアップの道筋がある企業を選ぶことです。「運用保守で1〜2年経験を積んだ後、設計・構築業務に移行できる」「資格取得や成果に応じて昇給制度がある」など、評価制度とキャリアパスが明確な企業であれば、年収は段階的に上がっていきます。

「やめとけ」と言われる理由は分かったけれど、結局自分には向いているのだろうか?そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。ここでは、未経験者向けと現役インフラエンジニア向け、それぞれの適性チェックリストをご用意しました。正直に自己評価してみてください。5個以上当てはまれば、クラウドエンジニアへの適性があると言えます。

以下の10項目について、当てはまるものにチェックを入れてみましょう。
□ IT業界の最新ニュースやトレンドの情報を集めることが好き
□ 分からないことはすぐに検索して自分で調べて解決しようとする
□ 失敗を恐れず、新しいことにチャレンジするのが好き
□ 一つのことをコツコツと継続して学習できる(資格取得や趣味で実績がある)
□ 論理的に考えて、原因と結果を結びつけることが得意
□ チームで協力して何かを成し遂げることに喜びを感じる
□ 将来的に手に職をつけて、専門性の高い仕事をしたいと考えている
□ 変化の激しい環境でも柔軟に対応できる方だと思う
□ 完璧主義すぎず、「まずやってみる」精神がある
□ 人に何かを説明したり、教えたりすることが苦にならない
判定結果:
特に重要なのは、「自分で調べる力」「継続学習できる力」「変化を楽しめる柔軟性」の3つです。これらが備わっていれば、技術的な知識はこれから身につけていけます。
すでにインフラエンジニアとして働いている方向けのチェックリストです。
□ オンプレミス環境の保守・運用に将来性の不安を感じている
□ AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスに興味があり、触ってみたい
□ Infrastructure as Code(コードでインフラを管理)に抵抗がなく、学んでみたい
□ 夜勤や休日出勤の多い現在の働き方を改善したい
□ 市場価値を高めて、年収アップやキャリアアップを実現したい
□ 新しい技術やツールを学ぶことに前向きで、自己投資を惜しまない
□ 社内でクラウド移行の話が出ているが、自分のスキルに不安がある
□ フリーランスや副業など、働き方の選択肢を増やしたい
判定結果:
インフラ経験者の強みは、サーバーやネットワークの基礎知識がすでにあることです。この土台があれば、クラウド特有の知識は3〜6ヶ月程度で習得できます。
一方で、以下のような特性が強い方は、クラウドエンジニアという職種が合わない可能性があります。
完璧主義で、少しのミスも許せないタイプ
クラウドの世界は試行錯誤の連続です。完璧を求めすぎると、技術の変化スピードについていけず、精神的に疲弊します。
一人で黙々と作業したい完全な個人主義者
チーム連携や顧客対応が必須の職種なので、コミュニケーションを完全に避けることはできません。
変化を嫌い、安定した環境でルーティンワークをしたい
技術が常に進化するため、「一度覚えたらずっと同じ」という仕事ではありません。
緊急対応やイレギュラーに極度のストレスを感じる
障害対応は種類を問わずエンジニアとして働く上では避けられない場面が必ずあります。
ただし、これらの特性があっても、必ずしもクラウドエンジニアを諦める必要はありません。重要なのは、自分の特性を理解した上で、それに合った働き方や企業を選ぶことです。
「やめとけ」という声がある一方で、実際に未経験や異業種からクラウドエンジニアへの転職を成功させ、キャリアアップを実現している人は数多く存在します。ここでは、私たちが転職支援を行った実際の成功事例2名と、多くの成功者に共通するパターンをご紹介します。「自分にもできるかもしれない」という希望を感じていただければ幸いです。

Tさんは専門学校卒業後、アルバイトでフリーターをしていました。IT業界とは無縁の生活を送っていましたが、「このままでは将来が不安」という気持ちから、手に職をつけられる仕事を探していました。まず独学でIT基礎を学び、私たちからは未経験者向けの研修制度が充実した企業をご紹介しました。
入社後は、インフラエンジニアとして運用保守業務からスタートし、設計構築とオンプレミスの環境でステップアップしました。業務と並行してAWSの学習を進め、約2年の在籍期間中にAWS認定CCP、SAA、SAPを取得。
この資格を武器に転職活動を行い、クラウドプロジェクトに携われる企業への転職が実現。ハイブリット環境で設計・構築業務を担当できるようになり、年収も130万円アップしました。
Hさんは新卒でIT企業に入社し約10年勤務。後半4年間はAWSインフラの開発・運用保守を担当していましたが、業務のルーティン化に物足りなさを感じていました。「年収を下げずに新しい挑戦ができる環境」を求めて転職活動を開始しました。
約7ヶ月間で15~20社に応募し、多くの内定を得ましたが、年収が下がる条件が多く苦労しました。期限切れだったAWS SAA資格を再取得し、私たちのサポートを通じて受託開発企業のクラウド新設部署の立ち上げメンバーとして転職を実現。基本給が月15万円アップし、現在はフルリモートで働き、AWSインフラ構築(基本設計→構築→テスト)を担当しています。すでにAWS経験があったHさんですが、資格の再取得と明確な転職軸を持つことで、希望条件を妥協せずキャリアアップできた事例です。
上記2つの事例以外にも、クラウドエンジニアへの転職を成功させた方々には、以下のような共通パターンが見られます。
【パターン1】資格取得で「本気度」と「基礎力」を証明
AWS認定資格やAzure資格を取得している方がほとんどです。資格は「独学でここまでできる」という自走力の証明になり、面接での評価が大きく変わります。
【パターン2】小規模でもポートフォリオ(成果物)を用意
個人でAWS環境を構築し、簡単なWebアプリを公開したり、GitHubでTerraformのコードを管理したりしています。「実務未経験でも手を動かしている」ことが高評価につながります。
【パターン3】「運用保守からスタート」を受け入れている
未経験者が最初から設計・構築を担当できないことを理解し、運用保守からキャリアをスタート。ただし「ずっと運用」ではなく、1〜2年でステップアップできる環境かを事前に確認しています。運用経験を通じて実システムの動きを学ぶことで、後の成長が加速します。
【パターン4】IT業界に特化した転職サポートを活用
一般的な転職エージェントではなく、IT・エンジニア専門のサービスを利用。企業の内部情報(実際の業務内容、残業時間、キャリアパス)を事前に把握し、「名ばかりクラウドエンジニア」求人を回避しています。
【パターン5】学習を継続できる「仕組み」を持っている
オンラインスクールやコミュニティに参加し、孤独な独学を回避。学習仲間や先輩エンジニアに質問できる環境を確保することで、「分からないことが出てきたら誰かに聞ける」安心感が挫折を防ぎます。


「やめとけ」と言われる理由は分かった、自分の適性も確認できた、成功事例も見た。では、具体的にどう行動すればいいのか?ここからは、転職エージェントとして数多くのエンジニア転職を支援してきた経験から、失敗しないための5つの戦略をお伝えします。
初心者が陥りがちな失敗が、AWSもAzureもGCPも全部やろうとして挫折するパターンです。現在の市場動向を見ると、インフラ系エンジニアの求人ではAWSの需要が圧倒的に高く、求人数も豊富です。まずはAWSに絞って学習を開始しましょう。
具体的には、AWS認定クラウドプラクティショナー(CCP)からスタートし、次にソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)を目指すのが王道ルートです。「広く浅く」ではなく「まずは一つを深く」が成功の鍵です。
関連記事:【2025年最新】AWS認定資格ロードマップ完全ガイド
クラウドエンジニアの業務は大きく「運用保守」と「設計・構築」に分かれます。未経験者は運用保守からスタートするのが現実的なキャリアパスです。運用保守では、実際のシステムがどう動いているかを学びます。
ただし、ここで注意すべきは「ずっと運用保守」のリスクです。企業によっては、何年経っても運用保守しか任せてもらえず、設計・構築のスキルが身につかないケースがあります。面接で具体的な事例を質問することが重要です。
関連記事:システム運用保守とは?
IT業界の企業形態は主に3つに分類されます。
SES(システムエンジニアリングサービス)
エンジニアを顧客企業に派遣する客先常駐型。様々な現場を経験できるメリットがある一方、配属先によって業務内容が大きく変わる「案件ガチャ」のリスクがあります。
受託開発
顧客企業からシステム開発を請け負う形態。複数の顧客プロジェクトに関われるため、幅広い経験が積めますが、納期に追われやすい側面もあります。
自社開発
自社サービスのインフラを担当。腰を据えて技術を磨ける環境が多く、サービスの成長を間近で感じられるやりがいがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、「どれが絶対に良い」ということはありません。重要なのは、求人票の表面的な情報だけで判断せず、「実際の業務内容」「教育体制」「キャリアパスの実例」を確認することです。
おすすめは、基礎部分は書籍やUdemyなどの低コスト教材で独学し、AWS実践演習や資格対策の部分はスクールやメンターサービスを活用するハイブリッド学習です。スクール選びでは、以下の3点を必ずチェックしましょう。
また、最近では転職エージェントが学習サポートも提供しているケースもあります。転職と学習を一貫してサポートしてもらえるサービスは、特に未経験者にとって心強い味方になります。
一般的な転職エージェントとIT業界特化型エージェントでは、提供できる情報の質が大きく異なります。IT特化型エージェントは、日々企業の採用担当者とやり取りしているため、求人票には書かれていない企業の内部情報を把握しています。
転職活動を一人で進めるのは、情報が限られる中で判断しなければならず、リスクが高いです。専門家のサポートを受けることで、企業選びの失敗を防ぎ、面接での通過率を高め、結果的に成功確率が大きく高まります。特に、キャリアチェンジという大きな決断をする際には、伴走してくれるパートナーがいることが心理的な支えにもなります。

ここまで、クラウドエンジニアの厳しい側面や対策についてお伝えしてきました。しかし、「やめとけ」という声がある一方で、クラウドエンジニアの将来性は極めて高いと言えます。ここでは客観的なデータをもとに、2025年以降のキャリア展望をお伝えします。

総務省の情報通信白書によると、国内のクラウドサービス市場は年平均15%前後の成長が続いており、2030年まで拡大が予測されています。企業によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、今後もオンプレミスからクラウドへの移行は加速すると考えられます。そのため、今後数年間はオンプレからクラウドへの移行プロジェクトが多数発生する見込みです。まずは現場でオンプレミスの知識を実務を通して習得しつつ、並行して独学でクラウド(AWS・Azure)の知識を身につけることを強くお勧めします。
さらに、クラウドエンジニアのような専門性の高い職種は、今後も深刻な人材不足が続くと予想されています。これは、転職市場においてクラウドエンジニアが非常に有利な立場にあることを意味します。専門知識を持つ人材は引く手あまたであり、スキル習得の価値はますます高まっています。
「AIが普及したらエンジニアの仕事がなくなるのでは?」という不安を持つ方もいるでしょう。確かに、AIは定型的なコード生成や簡単な設定作業を代替できるようになってきています。しかし、クラウドインフラの設計、セキュリティ対策、コスト最適化、障害対応など、ビジネス要件を理解し、複雑な判断を伴う業務は人間にしかできません。
むしろ、AI活用が進めば進むほど、その基盤となるクラウドインフラの重要性は増します。AIモデルの学習には大量の計算リソースが必要であり、それを支えるのはクラウドインフラです。つまり、「AIに仕事を奪われる」のではなく、「AIと共存し、AIを支えるクラウドエンジニア」として活躍の場は広がっていきます。
クラウドエンジニアの年収は、経験とスキルに応じて段階的に上昇します。一般的なキャリアパスを見てみましょう。
クラウドアーキテクトやSRE(Site Reliability Engineer)、DevOpsエンジニアなどの上位キャリアに進むことで、さらなる年収アップも期待できます。
重要なのは、クラウドエンジニアというキャリアは「入り口は大変だが、中長期的には非常に報われる」職種であるということです。最初の数年間は学習と経験の積み重ねが必要ですが、一度スキルが身につけば、市場価値は大きく上がります。
関連記事:SREエンジニアとは?仕事内容・年収・転職方法を完全解説
ここまで「クラウドエンジニアはやめとけ」と言われる理由と、その回避方法、成功するための戦略をお伝えしてきました。クラウドエンジニアは、2025年以降も需要が伸び続ける有望なキャリアです。年収1,000万円超えも現実的で、AIに代替されることもありません。
「やめとけ」という声に惑わされず、正しい情報をもとに判断することが重要です。そして、一人で悩まず、専門家のサポートを受けることで成功確率は飛躍的に向上します。クラウドエンジニアへの転職を本気で考えているなら、まずは無料相談で疑問を解消してみませんか?
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