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SE(システムエンジニア)の種類10選|仕事内容・年収・将来性を紹介

2024.12.17

目次

SE(システムエンジニア)とは

システムエンジニア(SE)は、IT業界の中核を担う職種として注目を集めています。ここでは、SEの基本的な役割から、プログラマーとの違い、具体的な仕事内容まで、詳しく解説していきます。

SEの定義と役割

システムエンジニア(SE)は、企業や組織のIT システムの設計・開発において中心的な役割を担う職種です。主にクライアントの要望をヒアリングし、システムの仕様を決定して設計書を作成する役割を担います。

SEの主な役割は以下の3つです。

  • 要件定義
  • システム設計と開発計画の立案
  • プロジェクト全体の進行管理

【参考:IPAのキャリアパスモデル】

5.ITスキル標準とは -キャリアパスモデルの例示|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

プログラマー(PG)とSEの違い

SEとプログラマーは、混同されがちですが、その役割と責任は大きく異なります。
主な違いは以下の点にあります。

1. 担当工程

  • SE:要件定義や基本設計などの上流工程
  • プログラマー(PG):コーディングや単体テストなどの下流工程

2. 求められるスキル

  • SE:プロジェクト管理能力、コミュニケーション能力、システム設計力
  • プログラマー(PG):プログラミング技術、コーディング能力

3. 年収水準

  • SE:平均年収約627万円
  • プログラマー:平均年収約548万円

SEの具体的な仕事内容

SEの仕事は、システム開発プロジェクトの各フェーズで重要な役割を果たします。

1. 企画・提案フェーズ

まず企画・提案フェーズでは、ビジネス課題についてヒアリングを行い、システム導入による具体的な解決策を提案します。その際、必要な予算と期間についても設定を行います。

2. 要件定義フェーズ

続く要件定義フェーズでは、要望を具体的な形にまとめていきます。システムに必要な機能を特定し、実際の運用方針について決定を行います。

3. 設計フェーズ

設計フェーズに入ると、システム全体の設計図を作成します。この段階では、データベースの設計やユーザーが実際に使用するインターフェースの設計なども行います。

4. 開発管理フェーズ

最後の開発管理フェーズでは、プログラマーへの具体的な作業指示を行うとともに、プロジェクトの進捗管理とスケジュール調整を担当します。また、システムの品質を確保するための管理やテスト計画の立案も重要な業務となります。

SE(システムエンジニア)の10種類の職種と特徴を解説

IT技術の進化に伴い、SEの専門分野は多様化しています。ここでは、代表的な10種類のSE職種について、それぞれの特徴や必要なスキル、年収などを解説します。

社内SE:企業の業務効率化を支える専門家

社内SEは、自社のITシステムの開発・運用・保守を担当します。経営層や現場のニーズを直接把握できる強みがあります。

仕事内容
社内SEの仕事内容は多岐にわたります。主な業務としては、自社のシステム構築と継続的な改善を行うとともに、業務効率を向上させるための提案と実装を担当します。また、社内のユーザーからの問い合わせに対応するヘルプデスク業務も重要な役割の一つとなっています。

平均年収:約500万~700万円(参照:経済産業省

必要スキル
社内SEに求められるスキルとしては、まず業務システムの開発に関する専門的な知識が不可欠です。加えて、自社の業務フローを深く理解することが必要で、これにより効果的なシステム開発と改善が可能となります。さらに、経営層や現場の社員との円滑なコミュニケーションを図る能力も重要なスキルとして挙げられます。

ブリッジSE:グローバル開発の架け橋

オフショア開発において、海外チームと国内チームの橋渡し役を務めます。グローバル化が進む現代では、特に重要な職種となっています。

仕事内容
ブリッジSEの仕事内容は、オフショア開発における重要な役割を担っています。主要な業務として、海外と国内の開発チーム間の調整を行い、必要に応じて通訳も担当します。また、開発に必要な仕様書の翻訳作業と、その内容についての詳細な説明も行います。さらに、両チーム間でのプロジェクト管理の調整を行い、円滑な開発進行をサポートします。

平均年収:450万円~850万円

必要スキル
ブリッジSEに求められるスキルとしては、まずビジネスレベルの英語力が不可欠です。これに加えて、複数の開発チームを効果的に管理するためのプロジェクトマネジメント能力も重要となります。また、異なる文化背景を持つチーム間での円滑なコミュニケーションを実現するため、異文化コミュニケーション能力も必須のスキルとなっています。

アプリケーションエンジニア:ユーザー志向のシステム開発者

務アプリケーションやスマートフォンアプリの開発を担当し、ユーザビリティを重視したシステム設計を行います。

仕事内容
アプリケーションエンジニアの仕事内容は、アプリケーションの設計から要件定義、開発工程の管理と品質保証、そしてユーザーインターフェース設計までを担当します。

平均年収:約558万円(参照:厚生労働省

必要スキル
必要スキルは、各種プログラミング言語やデータベース設計の知識に加え、ユーザー体験を重視したUI/UX設計の知識が求められます。

組込みSE:IoT時代の制御システム開発者

家電製品や産業機器などに組み込まれる制御システムの開発を担当し、ハードウェアとソフトウェアの両面の知識が求められます。

仕事内容
組込みSEの仕事内容は、組込みシステムの設計とファームウェア開発を行い、製品の性能検証と最適化までを一貫して担当します。

平均年収:約586万円(参照:経済産業省

– 必要スキル
必要スキルは、C言語などの低レベル言語の習得に加え、マイコンや電子回路の知識、そしてリアルタイムOSへの深い理解が求められます。

データベースエンジニア:データ管理のスペシャリスト

企業の重要な資産であるデータを効率的に管理・活用するためのシステムを担当します。

仕事内容
データベースエンジニアの仕事内容は、データベースの設計・構築から、パフォーマンスチューニング、データセキュリティの管理まで、データに関する包括的な業務を担当します。

平均年収:約558万円(参照:厚生労働省

必要スキル
必要スキルは、SQL設計・開発能力とデータモデリングの知識に加え、堅固なセキュリティ管理を実現するための専門知識が求められます。

サーバーエンジニア:システム基盤の構築者

企業の情報システムの基盤となるサーバー環境を構築・運用する専門家です。

仕事内容
サーバーエンジニアの仕事内容は、サーバーインフラの設計から構築、運用保守まで担当し、システムの安定稼働のために障害対応と予防保守も行います。

平均年収:約458万円(参照:厚生労働省

必要スキル
必要スキルは、Linux/Windows Serverの管理能力とネットワークの知識、そして仮想化技術への理解が求められます。

ネットワークエンジニア:通信インフラの設計者

企業の通信ネットワークを設計・構築し、安定した通信環境を維持します。

仕事内容
ネットワークエンジニアの仕事内容は、ネットワークの設計・構築を行い、セキュリティ対策の実施から、障害の監視と対応まで一貫して担当します。

平均年収:約450~700万円(参照:経済産業省

必要スキル
必要スキルは、ネットワークプロトコルの理解とルーター・スイッチの設定技術、そして包括的なセキュリティ対策の知識が求められます。

クラウドSE:クラウドサービスの専門家

クラウドコンピューティングを活用したシステム開発・運用を行い、拡張性のあるインフラを提供します。

仕事内容
クラウドSEの仕事内容は、クラウド環境の設計・構築を行い、既存システムのマイグレーション計画立案とコスト最適化までを担当します。

平均年収:約684万円(参照:厚生労働省

必要スキル
必要スキルは、AWS/Azure/GCPなどのクラウドプラットフォームの知識とコンテナ技術、そしてマイクロサービス設計の理解が求められます。

セキュリティSE:情報セキュリティの維持

企業の情報資産を様々な脅威から守るセキュリティ対策を担当します。

仕事内容
セキュリティSEの仕事内容は、企業の情報資産を守るためのセキュリティ設計・実装から、脆弱性の診断・対策、そしてインシデント発生時の対応までを担当します。

平均年収:約558万円(参照:厚生労働省

必要スキル
必要スキルは、包括的なセキュリティ対策の知識と脆弱性診断技術、そして迅速かつ適切なインシデント対応能力が求められます。

WebSE:Webサービスの開発者

WebサイトやWebアプリケーションの開発を担当し、インターネットサービスを支えます。

仕事内容
WebSEの仕事内容は、Webシステムの設計・開発から、フロントエンド開発、そしてパフォーマンスの最適化まで一貫して担当します。

平均年収:約558万円(参照:厚生労働省

必要スキル
必要スキルは、HTML/CSS/JavaScriptなどのフロントエンド技術とバックエンド開発言語、そしてWebセキュリティの知識が求められます。

SE(システムエンジニア)のキャリアパス

SEとしてのキャリアには、マネジメント職への道と専門性を極める道の2つの大きな方向性があります。ここでは、それぞれのキャリアパスの特徴と、必要となるスキルや経験について解説します。

経験年数別の一般的なキャリアステップ

キャリアアップの一例をご紹介します。

1. 入社1-3年目(若手SE)

  • プログラミングスキルの習得:基本的な開発言語やフレームワークの習得と実践的なコーディング技術の向上
  • 先輩SEの補助業務:ベテランSEの下での実務経験と業務プロセスの体得
  • 基本的な設計手法の学習:システム設計の基礎知識の獲得と小規模設計業務の実践

2. 経験3-5年目(中堅SE)

  • 独立した案件担当:独自の案件管理とクライアントとの直接的なコミュニケーション
  • 要件定義・設計の実践:顧客ニーズの把握と最適なシステム設計の実現
  • チーム内での指導役:若手SEへの技術指導とチーム全体のスキル底上げ

3. 経験5-10年目(ベテランSE)

  • 大規模案件のリーダー:複数チームの統括と大規模プロジェクトの指揮
  • プロジェクト全体管理:予算・リスク管理を含む総合的なプロジェクトマネジメント
  • 技術選定権限の保持:最新技術の評価とプロジェクトに最適な技術スタックの決定

6.ITスキル標準とは -キャリアフレームワーク|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

マネジメント職への道

1. プロジェクトリーダー(PL)

  • チームメンバーの管理:チーム内の業務配分と個々のメンバーの成長支援
  • スケジュール・進捗管理:プロジェクトの工程管理と目標達成への指揮
  • 技術的な判断と指導:技術的課題の解決と開発方針の決定

2. プロジェクトマネージャー(PM)

  • プロジェクト全体の統括:複数チームの調整と全体最適化の実現
  • 予算・工数の管理:コスト管理とリソース配分の最適化
  • 顧客との折衝責任:要件調整と提案活動の主導的役割

3. IT部門マネージャー

  • 部門戦略の立案:中長期的な技術戦略と組織目標の策定
  • 人材育成・採用:組織力強化のための人材戦略の実行
  • 経営層との調整:IT戦略と経営方針の整合性確保

専門性を極める道

特定分野のエキスパートとして活躍するキャリアパスには以下のような選択肢があります。

1. テクニカルアーキテクト

  • システム全体設計:最適なアーキテクチャの設計と技術要素の選定
  • 技術戦略の策定:中長期的な技術ロードマップの策定と実装方針の決定
  • 新技術の評価・導入:先端技術の調査分析と実用化への道筋の確立

2. ITコンサルタント

  • 経営課題の分析:企業の事業戦略とIT活用における課題の特定
  •  IT戦略の立案:企業価値向上に向けた包括的なIT戦略の構築
  • ソリューション提案:最適なIT施策の提案と実現可能性の検証

3. セキュリティスペシャリスト

  • セキュリティ設計:堅牢なセキュリティ対策の設計と実装指針の確立
  • リスク分析・対策:潜在的な脅威の分析と適切な防御策の構築
  • インシデント対応:セキュリティ事故への迅速な対応と再発防止策の策定

SE(システムエンジニア)に求められる3つの必須スキル

SE職において成功するためには、技術力だけでなく、複合的なスキルが求められます。以下では、重要な3つのスキルについて詳しく解説します。

システム設計力:要件定義から設計まで

システム設計力は、SEの業務の中核を担う最も重要なスキルです。クライアントの要望を正確に理解し、それを実現可能な設計へと落とし込む能力が求められます。特に要件定義のフェーズでは、ビジネス課題を技術的な解決策へと変換する力が試されます。

コミュニケーション力:顧客と開発者の架け橋

SEは、顧客の業務内容や課題を正確に理解した上で、それを具体的なシステム設計へと落とし込む専門家です。開発チームと協力しながら最適なシステムの実装を進め、業務とシステムの整合性を常に確認します。単なる技術者ではなく、顧客の業務プロセスまで理解した上で、適切な技術選択と実装を行う「技術の専門家」としての役割を果たします。

問題解決力:システム開発における課題を解決する

システム開発では予期せぬ問題が頻繁に発生します。SEには、それらの問題を適切に分析し、効率的に解決する能力が求められます。特に重要なのは、問題の本質を見抜き、最適な解決策を見出す洞察力です。

SE(システムエンジニア)の年収と将来性


引用:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」

SEの年収は、経験とスキルに応じて段階的に上昇していく傾向にあります。

平均年収は450万円~600万円が相場

一般的なSEの年収は経験年数によって大きく変動します。中堅SEの平均年収は450万円~600万円程度で、マネジメント職に就くと更なる収入アップが見込めます。

スキル次第で上位層は800万円~1000万円も

高度な専門性を持つSEや、大規模プロジェクトのマネージャーなどは、年収1000万円を超えることも珍しくありません。特にクラウド移行プロジェクトやAI導入支援、データ分析基盤の構築、業務プロセスのデジタル化など、企業のDXの核となる案件を担当するSEは、高い市場価値を維持できています

DX需要で今後も年収アップが期待できる

デジタル化の波は今後も続くと予想され、SE人材の需要は引き続き高まることが見込まれます。特にDX関連の案件では、クラウド技術、AI、データサイエンスなどの専門知識を持つSEの採用ニーズが高まっており、こうした専門性の高いSE人材の市場価値は維持・向上すると考えられます

SE(システムエンジニア)へ未経験から転職するには?

未経験からSEへの転職は、IT業界の継続的な人材不足を背景に十分に実現可能です。転職成功のカギは、基礎的なスキルの習得と、研修制度の充実した企業を選ぶことにあります。

独学でもできるプログラミングの基礎学習から始める

まずは、オンライン学習サービスやプログラミングスクールを活用して、基礎的なプログラミング言語の習得から始めることをお勧めします。HTML/CSSやJavaScriptなどのWeb技術は、学習の入り口として最適です。

未経験採用に積極的な企業を狙って応募する

研修制度が充実したSIerやWeb系企業の未経験者枠に応募することで、実践的なスキルを身につけながらキャリアをスタートできます。

とはいえ、未経験可能×充実した研修制度のSE求人数は少なく、競争率も高い傾向にあるため、求人情報はこまめにチェックしましょう。

未経験からSE(システムエンジニア)を目指そう

プログラミングの基礎学習から始めて、着実にスキルを積み上げていけば、道は開けるはずです。まずは一歩を踏み出してみましょう。

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