COLUMN IT業界

エンジニアとは?仕事内容や職種、未経験や微経験からの転職方法を解説

2024.12.12

エンジニアという職業は、現代社会のデジタル化を支える重要な存在として注目を集めています。しかし、「エンジニアってどんな仕事をするの?」「未経験でもなれるの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、エンジニアの仕事内容や12の主要職種、必須スキル、そして未経験からエンジニアになるための具体的な方法まで、徹底的に解説します。これからエンジニアを目指す方はもちろん、キャリアチェンジを考えている方にとっても、貴重な情報となるはずです。

エンジニアの仕事と将来性

デジタル社会の発展に伴い、その重要性を増しているエンジニア。特にIT業界で活躍するITエンジニアは、私たちの生活に欠かせない存在となっています。ここでは、エンジニアの基本的な役割から将来性まで、詳しく解説していきます。

エンジニアの基本的な役割と重要性

エンジニアは、様々な分野で技術的な知識とスキルを活用して開発・設計を担う専門職の総称です。機械、電気、化学など多岐にわたる分野がありますが、特に近年注目を集めているのが、IT業界で活躍するITエンジニアです。

ITエンジニアの主な役割は、私たちの生活や企業活動に不可欠なシステムやソフトウェアを作り出し、維持・改善することです。

ITエンジニアが果たす重要な役割として、まず企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が挙げられます。業務の電子化や自動化、データ分析による意思決定の支援など、企業の競争力強化に貢献しています。また、テクノロジーを活用した社会課題の解決も重要な役割です。

例えば、AIによる医療診断支援、環境モニタリングシステムの開発、高齢者向けの見守りシステムの構築など、様々な社会的課題に対してITの側面からアプローチし、解決策を提供しています

エンジニアの将来性は明るい

引用:IT分野について(経済産業省)

経済産業省の調査によると、2030年にはIT人材が最大79万人不足すると予測されており、人材需要は今後も継続的に高まることが予想されています。

この人材不足を背景に、ITエンジニアには以下のようなメリットがあります。

  • 安定した雇用機会:慢性的な人材不足により、高い求人倍率と転職のしやすさが特徴
  • 働き方の柔軟性:リモートワークやフレックスタイム制など、多様な勤務形態に対応
  • キャリアの発展性:技術の進化に応じて、新しい分野へのキャリアチェンジが可能

特に注目すべき点は、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、クラウドコンピューティングなどの新技術の発展により、エンジニアの活躍の場が更に広がっていること。これらの技術は、今後のビジネスや社会において中核的な役割を果たすと予想されており、その開発・運用を担うITエンジニアの重要性は一層高まると考えられています。

エンジニアの12職種と仕事内容を紹介

ITエンジニアには、専門分野や役割によって様々な職種が存在します。それぞれの職種が持つ特徴や必要なスキルは大きく異なり、自分の適性や興味に合わせて選択することが重要です。ここでは、それぞれの特徴と具体的な仕事内容を詳しく解説していきます。

【参考】IPAの「ITスキル標準」

4.ITスキル標準とは -IT投資の局面と活動領域の関係|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

ITSSのレベル定義|経済産業省 商務情報政策局「IT分野について」

Webエンジニア

Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの開発を担当するエンジニアです。フロントエンド(ユーザーが直接操作する部分)とバックエンド(システムの内部処理を行う部分)の両方の開発に携わることがあります。HTML、CSS、JavaScriptなどの知識を活用し、使いやすく魅力的なWebサービスを作り出します。

主な業務内容:

  • Webサイトの設計・開発・保守:要件定義から実装、リリース後の保守運用まで一貫して担当
  • ユーザビリティを考慮したインターフェースの実装:レスポンシブデザインやアクセシビリティに配慮した画面設計
  • データベースとの連携処理の実装:SQLを使用したデータの登録、更新、削除などの基本処理の開発
  • 各種WebAPIの開発と統合:外部サービスとの連携やマイクロサービスアーキテクチャの実現

アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアは、スマートフォンやパソコン向けのアプリケーションソフトウェアを開発するエンジニアです。iOS・Androidなどのモバイルアプリや、業務用のデスクトップアプリケーションの開発を行います。ユーザーニーズを理解し、使い勝手の良いアプリケーションを作り出す能力が求められます。

主な業務内容:

  • モバイルアプリの企画・設計・開発:要件定義から、UI/UXデザイン、実装までのアプリ開発全般
  • デスクトップアプリケーションの開発:Windows/Mac向けの業務効率化ツールや専門ソフトウェアの開発
  • ユーザーインターフェースの設計と実装:直感的な操作性と見やすさを重視したUI/UXの実現
  • アプリケーションの性能改善とバグ修正:パフォーマンス最適化とクラッシュ解析による品質向上

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、システムやアプリケーションが動作するための基盤となるインフラ環境を構築・運用するエンジニアです。サーバーやネットワーク、データベースなど、ITシステムの土台となる部分を支える重要な役割を担っています。

主な業務内容:

  • サーバー環境の設計・構築・運用:物理サーバーやクラウド環境でのリソース設計から構築、運用管理
  • ネットワーク環境の整備と最適化:セキュアで高速な通信環境の構築とトラフィック制御の実装
  • セキュリティ対策の実施と監視:不正アクセス対策、ログ監視、セキュリティパッチの適用管理
  • システムの安定運用とトラブル対応:24時間365日の稼働監視と障害発生時の原因特定・復旧作業

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアは、顧客の要望を理解し、システム全体の設計から運用までを統括する職種です。技術的な知識に加えて、プロジェクトマネジメントやコミュニケーション能力が重要視されます。開発チーム全体をリードし、プロジェクトを成功に導く役割を担います。

主な業務内容:

  • 要件定義と基本設計の作成:顧客のニーズを整理し、システム全体の設計図となる仕様書を作成
  • プロジェクト全体の管理と進行:スケジュール管理、リスク管理、品質管理など包括的なマネジメント
  • チームメンバーへの技術指導:開発方針の提示や技術的なアドバイス、コードレビューの実施
  • 顧客との折衝とコミュニケーション:要件のヒアリングから提案、報告まで一貫した関係構築

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、企業のデータ管理基盤となるデータベースの設計・構築・運用を担当します。大量のデータを効率的に管理し、必要な時に必要な情報を取り出せるシステムを構築します。データの整合性や security性を確保しながら、パフォーマンスの最適化を図ることが求められます。

主な業務内容:

  • データベースの設計と構築:業務要件に応じたテーブル設計とリレーションシップの最適化
  • パフォーマンスチューニング:SQLクエリの最適化やインデックス設計による処理速度の改善
  • データの整合性維持と最適化:データの正確性を保ちながら、ストレージ容量の効率化を実現
  • バックアップと復旧対策の実施:定期的なバックアップとディザスタリカバリ計画の策定・実行

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、システムやネットワークのセキュリティを確保する専門家です。サイバー攻撃からの防御や、情報漏洩の防止など、デジタル社会の安全性を支える重要な役割を担っています。常に新しい脅威に対する対策を考え、システムの堅牢性を高めることが求められます。

主な業務内容:

  • セキュリティポリシーの策定と実装:組織全体のセキュリティ基準の設定と具体的な対策の導入
  • 脆弱性診断と対策の実施:定期的な診断による脆弱性の特定と、必要な防御策の実装
  • インシデント対応と分析:セキュリティ事故発生時の即時対応と、原因分析・再発防止策の策定
  • セキュリティ教育の実施:従業員向けの情報セキュリティ研修や、注意喚起文書の作成・配布

AIエンジニア

AIエンジニアは、人工知能や機械学習を活用したシステムの開発を行います。データサイエンスの知識を活かし、ビジネス課題を解決するAIソリューションを提供します。統計学や数学の知識も必要とされる、最先端の技術を扱う職種です。

主な業務内容:

  • 機械学習モデルの設計と実装:ディープラーニングや自然言語処理など目的に応じた最適なモデルの構築
  • データの収集と前処理:学習に必要なデータの収集とクレンジング、特徴量エンジニアリングの実施
  • アルゴリズムの選定と最適化:問題に適したアルゴリズムの選択とハイパーパラメータのチューニング
  • AI機能の評価と改善:精度や処理速度などの性能評価と、モデルの継続的な改善・更新

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、AWS、GCP、Azureなどのクラウドプラットフォームを活用したシステム構築を担当します。クラウドの特性を理解し、スケーラブルで効率的なシステムを設計・構築することが求められます。コスト最適化とパフォーマンスのバランスを取ることも重要な役割です。

主な業務内容:

  • クラウドインフラの設計と構築:要件に応じた最適なアーキテクチャ設計とリソースの構築
  • マイグレーション計画の立案と実施:オンプレミスからクラウドへの移行戦略の策定と段階的な移行
  • コスト最適化の実現:リソースの使用状況分析と自動スケーリングによる費用対効果の向上
  • クラウドサービスの運用管理:可用性とセキュリティを考慮した継続的な監視と保守

DevOpsエンジニア

DevOpsエンジニアは、開発(Development)と運用(Operations)の橋渡しを行い、継続的なデリバリーを実現します。自動化ツールを駆使して開発プロセスを効率化し、品質を維持しながら迅速なサービス提供を可能にします。

主な業務内容:

  • CI/CDパイプラインの構築:GitHubActionsやJenkinsを使用した自動ビルド・テスト・デプロイの実現
  • 自動化ツールの導入と運用:AnsibleやTerraformによるインフラのコード化と自動プロビジョニング
  • モニタリングシステムの構築:Prometheusなどを使用したシステムの監視体制と通知の整備
  • 開発プロセスの改善:開発効率を高めるためのツール導入やワークフローの最適化提案

組み込みエンジニア

組み込みエンジニアは、家電製品や自動車などの機器に組み込まれるソフトウェアを開発します。ハードウェアの制約を考慮しながら、効率的で信頼性の高いプログラムを作成することが求められます。IoTの発展に伴い、その重要性は増しています。

主な業務内容:

  • 組み込みシステムの設計:限られたリソースでの最適なシステム構成と制御方式の設計
  • マイコン制御プログラムの開発:C/C++を使用した低レベルプログラミングによる制御ソフト開発
  • ハードウェアとの連携実装:センサーやアクチュエータとの通信制御プログラムの実装
  • 動作検証と品質管理:実機での動作確認とリアルタイム性能の検証、不具合の改修

QAエンジニア

QAエンジニアは、システムやソフトウェアの品質保証を担当します。テスト計画の立案から実施まで、品質管理の全工程を担当し、高品質なプロダクトの提供を支えます。

主な業務内容:

  • テスト計画の立案と実施:開発フェーズに応じたテストシナリオの作成と体系的な検証の実行
  • 自動テストの設計と実装:SeleniumやCypressなどを使用した自動テストフレームワークの構築
  • バグの検出と報告:不具合の再現手順の特定と開発チームへの正確な情報共有
  • 品質基準の策定と管理:プロダクトの品質指標の設定と継続的なモニタリングの実施

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションのユーザーインターフェース部分の開発を専門とします。ユーザー体験(UX)を重視し、使いやすく魅力的な画面を実装します。デザイナーと密に連携しながら、ビジュアル面と機能面の両方を考慮した開発を行います。

主な業務内容:

  • ユーザー体験(UX)を考慮した実装:直感的な操作性と視認性を重視したインターフェースの構築
  • レスポンシブデザインの実現:スマートフォンからPCまで、様々な画面サイズに適応するレイアウトの開発
  • パフォーマンス最適化:表示速度の改善や描画の効率化による快適な操作性の実現
  • モダンなフレームワークの活用:ReactやVueなどのフレームワークを使用した効率的な開発

エンジニアに求められる3つの必須スキル

成功するエンジニアに必要な3つの重要スキルを解説します。

技術力:各職種で必要な専門知識

技術力はエンジニアの基盤となるスキルです。分野に応じて、Web開発(HTML/CSS、JavaScript)、アプリ開発(Java、Swift)、AI開発(Python)などの言語習得が必要です。また、開発ツールの使用スキルや、基礎知識の継続的な学習も欠かせません。

論理的思考力:問題解決の基礎となる能力

システム設計やプログラミングでは、複雑な問題を分解し、最適な解決策を見出す力が必要です。この能力は日々の開発で磨かれますが、アルゴリズム学習やコードレビューなどで意識的に向上させることができます。

コミュニケーション力:チーム開発に不可欠なスキル

チーム開発では、技術的な内容をわかりやすく説明し、メンバーと建設的な議論を行う力が重要です。プロジェクトの進捗共有や顧客との対話など、様々な場面で必要となり、勉強会やエンジニアの交流会への参加で向上させることができます。

エンジニアに未経験からなるための最短ルート5ステップ

未経験や微経験からエンジニアを目指す方のために、効率的で実践的な5つのステップをご紹介します。これらを着実に進めることで、エンジニア転職へ大きく近づくでしょう。

ステップ1:学習の優先順位を決める

目指す職種(Webエンジニア、アプリケーションエンジニアなど)を明確にし、必要なスキルの学習優先順位を設定します。初心者向けの入門書やオンライン講座を活用して、基礎から学習を進めましょう。

ステップ2:実践的なスキルを身につける

プログラミングスクールやオンライン学習サービスを活用して、プログラミング言語、開発ツール、バージョン管理など、実務で必要な技術を習得します。実際にコードを書いて動くものを作ることが重要です。

ステップ3:ポートフォリオを作成する

学んだスキルを活かしてWebサイトやアプリケーションを作成し、ポートフォリオとしてまとめます。GitHubで公開することで、開発の過程も見てもらえます。

ステップ4:転職エージェントに相談する

IT業界に強い転職エージェントに相談し、未経験者採用に積極的な企業を紹介してもらいましょう。履歴書添削や面接対策なども支援してもらえます。

ステップ5:実務経験を積むためのルートを選ぶ

未経験可の正社員募集に応募するか、インターンやアルバイトから始めるかを選択します。入社後の育成体制やサポート体制が整っている企業を選ぶことが重要です。

エンジニアに未経験から転職しよう!

エンジニアは、デジタル社会の発展とともにその重要性が増し続けている職種です。人材需要は今後も高まり続けることが見込まれています。この状況を背景に、多くの企業が未経験者の採用に積極的な姿勢を見せています。

エンジニアになるためには確かに専門的なスキルが必要ですが、やる気があれば未経験からでも十分にチャレンジ可能です。本記事で紹介した職種やスキル、準備のステップを参考に、自分に合った分野を見つけ、計画的に学習を進めていくことで、エンジニアへの転職を実現できるでしょう。将来性のある職種で、自分の可能性を広げてみませんか。

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