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エンジニア1年目のしんじさん。出向先のプロジェクトで、正社員・派遣社員・フリーランスなど、さまざまな働き方の人たちと一緒に働いています。
どんな働き方があるかを、自社の先輩に質問してみましょう。
正社員・派遣社員・フリーランスそれぞれの働き方の特徴を聞いてみましょう。
職場のエンジニアを見ていると、さまざまな働き方や雇用形態があります。特徴を教えていただけますか?
まず、正社員エンジニア。元請企業(発注元)と、僕たちのようなSES(システム・エンジニアリング・サービス)企業といった立場の違いはあっても、共通点は多いよ。
長期的なプロジェクトにアサインでき、一つの業務に安定して携われるから系統だった知識とスキルを得られる強みがある。
一方でプロジェクトに長くいると、他の業務を経験するチャンスが得にくいというデメリットもあります。自分から積極的に勉強する姿勢を大切にしましょう。
同じプロジェクトに派遣社員さんがいて。経験豊富で、初めて操作するシステムも落ち着いて作業してるし、ミスが少なく周囲に信頼されています。どんな働き方なんですか?
派遣会社と契約している派遣社員エンジニアは、さまざまな企業やプロジェクトを経験しているから幅広い経験を積んでいる。 でも契約期間が限られていて、希望をしてもずっとそこでは働けないこともある。
期間を区切って働きたい・自分のスキルを磨きたいといった目的を持つのが大切だと思う。
別のチームに、上位のベンダー資格を持っていて英語が流暢なフリーランス(業務請負)の方がいます。スキルが高くて海外拠点の人との対応を英語でしているし、リモートワークも多めで憧れています。
フリーランスは専門分野を持っていて、企業と業務委託契約を結んで働いている人たちだ。
高度なスキルと交渉力が要求されるから、営業や契約の管理などを自分ですることを求められる。
フリーランスは報酬が高い傾向がありますが、事務能力・営業能力なども求められます。
キャリアを積んだ後のチャレンジがおすすめです。
IT業界では一般的に
- クライアントからプロジェクトを発注する「元請企業」
- 業務を受注する「下請企業」
に分かれています。
元請企業はプロジェクトの要件定義や計画立案・全体設計などの上流工程、下請企業は開発や特定の作業といった下流工程に従事します。
ITエンジニアが働くプロジェクトは、どんな会社が発注しているかでカラーが変わります。本だけではわからない、エンジニアの生の声から働く場所の特徴をお伝えしましょう。
僕は大手企業へ出向して働いています。覚えなければならない事がたくさんありますが、最新の技術に触れられて充実してます。
元請企業に近い大手は、規模の大きいプロジェクトに携われるからね。さまざまなシステムの仕様書を読んだり、操作したりできるのは今後のキャリアにとって良い影響がある。
僕は改善提案なんて、とてもじゃないけど思いつかないですね。目の前の仕事を覚えるのに精いっぱいです。
1年目だとそうだよね。君のいるプロジェクトは残業が比較的少ないから、その時間を資格の勉強に充てるといいよ。
大手企業はエンジニアの働き方改革推進でリモートワークが増え、残業時間が減少傾向です。
責任が重く、担当範囲が限定されているという面もあります。
先輩が出向しているベンチャー企業のプロジェクトはどうですか?雰囲気を教えてください。
僕が働いているのは、ベンチャー企業の中にある新規のクラウドサービス事業部。
初見の問い合わせやエラーに戸惑うところもあるけれど、解決したときの達成感・充実感は何物にも代えがたいよ!
ベンチャー企業は、意見を言いやすく組織の風通しが良い傾向があり、積極的に動けるタイプに向いています。
一方で組織が小さいため、リソース不足で残業が増えがちな点にご留意ください。
フリーランスエンジニアの働き方ってどうですか?
自由で魅力的に見えるけど、営業・スケジュール管理・納品を全てコントロールしなければならないし、確定申告などの手間もかかる。
技術や能力に加えマーケティングの知識や能力も求められるから、経験が必要だね。
はい。まずは今週末にある月次作業をミスなく実施することを考えます。
フリーランスは報酬が高めですが、同時に高度な技術も要求されます。仕事を覚え、技術を磨いてからチャレンジしましょう。
僕、ITエンジニアになりたいって思っても文系だからなかなか正社員としての就職先が決まらなかったんです。
君も文系か。僕も同じだったから気持ちはわかるよ。
自分がいるからわかるけど、SES(システム・エンジニアリング・サービス)企業はいいね。会社単位でプロジェクトを受注しているから、わからない点や困った事を上司や先輩に相談しやすいし、自社のキャリアアドバイザーも力になってくれる。
はい。希望のIT業界に正社員で就職できて、ごろう先輩にも会えて良かったです!
SES企業は、一般的にスキルアップの制度が整っていて、専任のキャリアアドバイザーによるスキルアップのサポートも得られます。
他のプロジェクトで就業する仲間たちとの接点もあるため、IT全般の知見を養えます。
IT企業への就職は、ゴールではなくスタートです。
「こんな仕事をしたい」というキャリアプランを思い描き、行動に移していきましょう。
システム運用の仕事を一通り覚えたら、サーバの設計をしてみたいって思ってるんです。
興味のある分野があるのはいいことだね。MicroosftのAzureやAmazonのAWSなんかの資格を勉強するといいよ。
技術を深めてスペシャリストになる道と、マネジメントスキルを磨いて、プロジェクトリーダーを目指す道だ。
どちらの道を目指すにしても、技術力が大切です。資格の勉強などで、継続的に専門分野の知識を得ていきましょう。
はい。がんばります!
もう一つ質問なんですが…今いるプロジェクトで、AWSの試験についてもっと知りたいなって思うことがあるんです。
でも仕事以外の話だから質問しにくくて。どうしたらいいですか?
仕事中に聞くのは難しいから、皆でランチへ行くときにそれとなく質問してみるといいよ。積極的に動いてみよう
Webのコミュニティでは、今の働き方では話せないエンジニアとの交流が可能です。
オンラインのコミュニティに質問したり、SNSにある既存のコミュニティ等に入ってみてはいかがでしょう。
無料のセミナーが聴講できる、東京ビッグサイトなどで開催される、ITの展示会へ行くのもおすすめです。
もう一点教えてください。
先週、手順書の読み込み不足による作業ミスがあり、きつめに指摘を受けて落ち込んでいます…。
その気持ち、わかるよ。でも仕事をする以上、ミスをしてしまう事・指摘を受ける事は避けられない。
お客様やリーダーの指摘は、素直に受け止めよう。間違ったところはきちんと受け止めて、謝るのが大切だよ。
疑問点の具体的な掘り下げは重要です。
わからない点・あいまいな点はそのままにせず、積極的に質問しましょう。
ありがとうございます(泣)
でもプロジェクトリーダー、いつも忙しそうで…僕が質問をしてもいいのかなって思っちゃうんです。
リーダーはたくさんの仕事を抱えてる。質問のときは比較的手が空いてそうなときを見計らうんだ。そこは気をつけて!
はい。この間リーダーが忙しいときに質問して、少し叱られました。気を付けます…!
リーダーの業務は、プロジェクトメンバーをまとめることです。
同僚に質問してもよくわからない事は、どんどん質問して疑問点を解決してください。
エンジニア1年生は、基礎固めの時期です。まずは与えられた仕事を確実にこなし、信頼を築きましょう。
プロジェクトリーダーや先輩に積極的に相談し、フィードバックを素直に受け止めるのも大切です。
興味を持った技術の資格取得をしながらキャリアプランを思い描き、自分のなりたいエンジニアを目指していきましょう!