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セキュリティエンジニアってなんかカッコいいけど、本当に未経験からなれるの?
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、セキュリティエンジニアは確かに魅力的な職種ですが、いきなり未経験から転職するのは現実的ではありません。しかし、諦める必要はありません。段階的なアプローチを取れば、3年計画で確実にセキュリティエンジニアを目指すことができるのです。
本記事では、IT業界未経験の方でも理解できるよう、セキュリティエンジニアの仕事内容から具体的な転職ステップまでを分かりやすく解説します。
セキュリティエンジニアって聞いたことはあるけど、実際に何をしているの?
そんな疑問を持つあなたに向けて、仕事内容から年収、未経験でも目指せる理由まで、PCを使ったことがない人でも分かるように解説します。
セキュリティエンジニアは、あなたが毎日使っているLINEやInstagram、ネットショッピングサイトを悪い人から守る「デジタル警備員」です。
例えば、あなたのLINEのメッセージが他の人に見られないように暗号化したり、Instagramのアカウントが乗っ取られないよう監視システムを作ったりします。コンビニのレジでカードを使う時も、セキュリティエンジニアが作ったシステムがあなたの個人情報を守っています。
「ハッカーと戦うカッコいい仕事」というイメージもありますが、実際は地道な作業が中心。毎日システムをチェックして、怪しい動きがないか監視したり、万が一の時に備えて対策を考えたりしています。
セキュリティエンジニアについてより詳しく知りたい方は併せてご覧ください。
セキュリティエンジニアの平均年収は511万円で、全職種平均と比較しても高いんです。なぜこんなに高いのでしょうか?
答えは簡単:圧倒的に人手不足だからです。経済産業省のデータでは、2030年までにセキュリティ人材が19.3万人も足りなくなると予測されています。
スマホやネットが普及するほど、サイバー攻撃は増え続けています。でも、それを防げる人材は全然足りていない。だから企業は高い給料を払ってでもセキュリティエンジニアを採用したがっているんです。
需要と供給のバランスで考えると、今後もセキュリティエンジニアの価値は上がり続けるでしょう。
文系だから無理だ…
パソコン苦手だから諦めよう…
と思っていませんか?実は、セキュリティエンジニアに文系・理系は関係ありません。
重要なのは「論理的に考える力」と「学び続ける姿勢」です。文系出身者でも、法律の知識を活かしてセキュリティ規則を作る仕事や、コミュニケーション能力を活かしてチーム運営をする役割で活躍している人がたくさんいます。
パソコンスキルも、基本的な操作ができれば十分。専門知識は入社後に覚えていけばOKです。多くの企業では未経験者向けの研修制度が充実しており、段階的にスキルアップできる環境が整っています。
大切なのは「やってみたい」という気持ち。その気持ちがあれば、必要なスキルは後からついてきます。
セキュリティエンジニアになりたいけど、何から始めればいいの?
転職エージェントとして多くの未経験者をサポートしてきた経験から、現実的で確実な転職ルートをお伝えします。いきなりセキュリティエンジニアを目指すのではなく、段階を踏んで着実にキャリアを積み重ねることが成功の秘訣です。
セキュリティエンジニアになる前に、ITの基礎知識は必須です。「セキュリティって特別な技術でしょ?」と思うかもしれませんが、実はコンピューターやネットワークの仕組みを理解していないと、何を守っているのかも分からないんです。
例えば、あなたがマンションの警備員になったとします。建物の構造や住人の生活パターンを知らないと、適切な警備はできませんよね。IT セキュリティも同じで、まずはコンピューターの基本的な動作原理、ネットワークがどうやってデータをやりとりしているかを理解する必要があります。
具体的には、LinuxというOS(WindowsやMacのようなもの)の基本操作や、TCP/IPというネットワークの仕組みを学ぶことから始めましょう。これらは全て無料のオンライン教材で学べます。
現実的な転職ルートとして最も成功率が高いのが、「インフラエンジニア経由」です。楽天やGMOインターネットグループなど大手IT企業の多くが、このキャリアパスでセキュリティ人材を育成しています。
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークといったITの「土台」を管理する仕事です。この経験を積むことで、システム全体の構造が理解でき、「どこにセキュリティの穴があるか」を見抜く力が自然と身につきます。
転職エージェントとしての経験上、未経験からインフラエンジニアとして1-2年経験を積んだ後、社内異動や転職でセキュリティ部門に移るケースが非常に多く見られます。急がば回れで、まずはインフラエンジニアを目指すのが確実な道筋です。
もう一つの現実的な選択肢が「SOC監視オペレーター」です。SOCとは「Security Operation Center」の略で、24時間体制でサイバー攻撃を監視する部署のことです。
この仕事の良いところは、未経験でも比較的採用されやすく、セキュリティの現場を間近で体験できることです。具体的には、アラートが上がったログを確認し、本当に攻撃なのか誤検知なのかを判断する業務から始まります。
最初は先輩の指示通りに作業するだけですが、徐々に攻撃パターンや対処法を覚えていけます。年収は300万円程度からスタートしますが、経験を積むことで確実にセキュリティエンジニアへのステップアップが可能です。
3年も待てない!今すぐセキュリティエンジニアになりたい!
その気持ちはよく分かります。でも、転職エージェントとして多くの失敗例を見てきた経験から言うと、焦って無謀な転職をするより、着実にステップアップする方が結果的に早く理想の年収と働き方を手に入れられるんです。具体的な年収目安と共に、現実的な3年計画をご紹介しましょう。
まずは未経験からでも比較的採用されやすいインフラエンジニアを目指しましょう。「年収280万円って低くない?」と思うかもしれませんが、これは確実にスキルアップできる投資期間だと考えてください。
インフラエンジニアの仕事は、サーバー(データを保存するコンピューター)やネットワーク(インターネットの配線のようなもの)の管理です。最初は先輩の指示で設定変更やトラブル対応を行いますが、徐々にシステム全体の仕組みが見えてきます。
この1年間で学べるのは、LinuxというOS(基本ソフト)の操作、ネットワークの設定方法、サーバーの監視方法など。これらは全てセキュリティエンジニアになるための土台となる知識です。年収は決して高くありませんが、確実に次のステップへの基礎力が身につきます。
インフラエンジニアとして1年経験を積むと、セキュリティに関連する業務も任されるようになります。具体的には、ファイアウォール(外部からの不正アクセスを防ぐ壁のようなもの)の設定や、ログ監視(システムの記録をチェックすること)などです。
この時期の年収は350万円-450万円程度になります。まだ完全なセキュリティエンジニアではありませんが、実際にセキュリティツールを触りながら「攻撃されたらどう対処するか」「どこに弱点があるか」を実践的に学べる貴重な期間です。
企業によっては社内研修でセキュリティ資格取得をサポートしてくれるところもあります。情報処理安全確保支援士やCISSPなどの資格を取得できれば、次のステップでの転職が格段に有利になります。
3年の経験を積めば、いよいよセキュリティエンジニアへの転職が現実的になります。この時点での年収は500-600万円が相場で、スキル次第では700万円以上も十分可能です。
転職市場では「インフラ経験3年+セキュリティ業務経験あり」という人材は非常に重宝されます。なぜなら、システムの構造を理解した上でセキュリティ対策を考えられる人材だからです。
実際の転職活動では、これまでの経験を具体的にアピールしましょう。「ファイアウォールの設定で月○件の不正アクセスを防いだ」「ログ解析により○○の脆弱性を発見した」など、数字を交えた実績があれば面接官に強い印象を与えられます。
セキュリティエンジニアになりたいけど、何から始めればいいか分からない…
興味はあるけどやっぱり未経験で転職活動するのは不安…
そんなあなたに向けて、今日からスマホ一つでできる具体的なアクションをご紹介します。大切なのは完璧を目指すことではなく、小さくても確実な一歩を踏み出すことです。
まずはお金をかけずに始められる学習方法から取り組みましょう。「いきなり高額なスクールに通うのは不安」という人でも、これらの方法なら気軽に始められます。
情報処理技術者試験の過去問演習がおすすめです。IPAが公開している過去問は完全無料で、IT全般の基礎知識を体系的に学べます。特に「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」の問題を解くことで、ネットワーク、セキュリティ、システム構成など幅広い知識が身につきます。
また、経済産業省が公開している情報セキュリティガイドラインも優秀な教材です。「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」などは、セキュリティの全体像を理解するのに最適で、実際の企業でも参考にされている資料です。
資料を読む際は、分からない用語が出てきたらすぐに調べる習慣をつけましょう。この地道な積み重ねが、確実な知識の土台となります。
セキュリティエンジニア求人の中には、残念ながら「釣り求人」や労働条件の悪い企業も存在します。転職エージェントとして多くの企業を見てきた経験から、避けるべき企業の特徴をお教えします。
一つ目は「未経験歓迎なのに年収500万円以上」という高すぎる条件です。現実的に、未経験から年収500万円をもらえる企業はほとんどありません。このような求人の多くは、実際には営業職だったり、過酷な労働条件が隠されていたりします。
二つ目は「具体的な業務内容が書かれていない」求人です。「セキュリティ業務全般」「幅広い業務をお任せします」といった曖昧な表現しかない場合は要注意。本当にセキュリティエンジニアとしてのスキルが身につくのか疑問です。
三つ目は「研修制度の詳細が不明」な企業です。未経験者にとって研修は生命線。どんな研修を何ヶ月行うのか、メンター制度はあるのかなど、具体的な情報を開示していない企業は避けましょう。
まだ転職するかどうか決めてないのに相談していいの?
と遠慮する必要はありません。私たちは情報収集段階でのご相談も大歓迎です。
キャリアカンパニーでは、ITエンジニア特化の転職支援として、現在の市場動向や未経験者向けの求人情報、具体的なキャリアパスについて詳しくご案内いたします。特に「どのスキルを身につければ転職しやすいか」「今の年齢だと何年計画で考えるべきか」といった具体的なアドバイスを通じて、あなたの理想のキャリア実現を全力でサポートいたします。
ご相談の際は、現在のご経歴や興味のある分野、希望年収などを率直にお聞かせください。正確な情報をいただくことで、より的確で実践的なアドバイスをご提供できます。まずはお気軽に、あなたのキャリアへの想いをお聞かせください。
ここまで未経験からセキュリティエンジニアになる現実的な方法をご紹介してきました。重要なポイントを改めて整理すると、いきなりセキュリティエンジニアを目指すのではなく、段階的なキャリア形成が成功の鍵となります。
まずはインフラエンジニアとして IT基礎を固め、徐々にセキュリティ業務に携わりながらスキルアップし、3年後に本格的なセキュリティエンジニアへ転職する。この王道ルートが最も確実で、結果的に高年収を実現できる方法です。
「3年も待てない」と焦る気持ちも分かりますが、転職エージェントとして多くの失敗例を見てきた経験から言うと、急がば回れが真理です。今日からYouTube学習を始めて、IT転職エージェントに相談し、小さな一歩を踏み出してみましょう。あなたのセキュリティエンジニアへの夢は、必ず実現できます。