COLUMN IT業界

【初心者必見】クラウドとサーバーって何が違うの?転職面接で答えられるレベルまで解説

転職活動を始めて「インフラエンジニア」という職種に興味を持ったものの、「クラウドとサーバーって何が違うの?」「どちらを学べば転職に有利なの?」と疑問に感じていませんか?

IT未経験の方にとって、これらの専門用語は分かりにくく、面接で聞かれたらどう答えれば良いか不安になりますよね。

この記事では、IT未経験の方でも3分で理解できるよう、身近な例を交えながら、クラウドとサーバーの基本的な違いを解説します。さらに、年収データや効率的な学習方法、面接で使える回答例まで網羅的にご紹介しますので、転職活動の参考にしてください。

【3分で理解】クラウドとサーバーの違い:基礎知識完全ガイド

インフラエンジニアって気になるけど、クラウドとサーバーって一体何が違うの?
面接で聞かれたらどう答えればいいんだろう…

こんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。実際に、総務省の「令和5年通信利用動向調査報告書」によると、企業のクラウドサービス利用率は 77.7%に達しており、これらの基本概念を理解することは転職活動において必須となっています。

オンプレミスサーバーとは

オンプレミスサーバーとは、企業が自社の建物内に設置・運用する物理的なサーバー機器のことです。会社のサーバールームに実際の機械を設置し、電源確保から冷却システム、メンテナンスまですべて自社で管理します。

特徴として、物理機器の購入・設置が必要で、初期費用が高額になりがちです。しかし、完全に自社管理できるため、機密性の高いデータを扱う金融機関などで多く採用されています。

クラウドサーバーとは

クラウドサーバーは、インターネット経由でアクセスできる仮想的なサーバー環境です。AmazonやMicrosoftなどが運営するデータセンターのサーバーを、複数のユーザーで共有利用する仕組みです。

物理機器は不要で、契約後すぐに利用開始でき、使った分だけ料金を支払う従量課金制が特徴です。初期投資を抑えられるため、スタートアップ企業の多くが選択しています。

身近な例で理解する違い

オンプレミスサーバーは「自宅のDVDコレクション」のようなものです。DVDを購入して棚に保管し、見たい時に取り出します。保管場所は必要ですが、一度購入すれば何度でも視聴でき、インターネットがなくても楽しめます

クラウドサーバーは「Netflix」に例えられます。月額料金で膨大なコンテンツにアクセスでき、どこからでも視聴可能です。保管場所は不要で新作も自動追加されますが、インターネット接続と継続料金が必要です。

つまり、オンプレミスは「所有」、クラウドは「利用」の概念なのです。

なぜ今クラウド移行が加速?

企業のクラウド移行が進む背景には、経済産業省が提唱する「2025年の崖」問題があります。既存システムの老朽化により最大12兆円の経済損失が予想されるため、多くの企業がDX推進の一環としてクラウド移行を検討しています。

また、コロナ禍で在宅勤務が普及し、場所を選ばずアクセスできるクラウド環境の需要が急増しました。IDC Japanの調査では、国内パブリッククラウド市場は2024年に前年比26.1%成長の4兆1,423億円規模となっています。

このため、IT業界ではクラウド知識が必須スキルとなり、転職市場でもクラウド経験者の需要が高まり続けているのです。

転職市場で知るべき「クラウド vs オンプレミス」実務の違い

クラウドエンジニアとサーバーエンジニア、実際の仕事内容ってどう違うの?
求人票の『AWS経験者優遇』って、どの程度のスキルが必要なの?

転職活動を進める中で、このような疑問を抱く方は少なくありません。この章では、転職エージェントとして企業採用担当者とやり取りしてきた経験をもとに、実務の違いを具体的にご紹介します。

1日の業務内容比較

クラウドエンジニア
朝一番にブラウザでAWSやAzureの管理画面を開き、システム稼働状況を確認します。障害があってもリモートで対応でき、新しいサーバー環境も30分程度で構築可能です。コストやセキュリティ設定の最適化、複数のクラウドサービスの組み合わせ検討など、戦略的な業務にも多くの時間を割きます。

オンプレミスサーバーエンジニア
システム監視から始まり、必要に応じてサーバールームで機器の詳細な状態確認を行います。物理機器を直接扱うため、ハードウェアの深い知識が身につき、システムの根本的な問題解決能力が磨かれます。企業の基幹システムを支える重要な責任を担い、セキュリティ面でも高い専門性が求められます。

実際の現場では、ハイブリッド環境(クラウドとオンプレミスの組み合わせ)が増えており、両方の知識を持つエンジニアの市場価値が高まっています。実際に、弊社でサポートした方もサーバーの案件を経て現在はハイブリッド環境の案件でご活躍されています。

ハイブリット環境でご活躍されている方の事例

求人票の読み方:「AWS経験優遇」の意味

転職サイトでよく見る「AWS経験者優遇」の意味を知っていますか?実は企業が求めるレベルには大きな幅があります。

エントリーレベル
EC2の起動・停止、S3へのファイルアップロード、RDSの基本設定ができれば十分というケースもあります。

ミドルレベル
VPCの設計・構築、Auto Scalingの設定、CloudFormationを使った環境構築が求められます。

重要なポイントは、「AWS経験者優遇」と書かれていても未経験者の応募を拒んでいるわけではないことです。とあるSIer企業では「入社後研修でAWSスキルを身につけてもらえれば問題ない」という方針を取っています。

また、オンプレミス経験者には大きなアドバンテージがあります。Linux操作やネットワーク設定といった基礎スキルはクラウド環境でも共通活用できるためです。転職エージェントとしての実績から見ると、オンプレミス環境での業務経験が一定期間ある方は、クラウド関連の案件への転職においてかなり高い成功率を示しています。特に複数年のオンプレミス経験を持つエンジニアは、クラウド案件へのキャリアチェンジにおいて非常に好調な結果を残しています。

年収・将来性で見る職種選択:どちらがおすすめ?

クラウドクラウドエンジニアとサーバーエンジニア、どちらが将来性があるの?
年収の差はどの程度あるの?

転職を検討する際、多くの方が気になるのが収入と将来性です。IT業界は技術の変化が激しいため、10年後も安定して働けるかという不安を抱く方も少なくありません。

平均年収とキャリアパス比較

厚生労働省によると、クラウドエンジニアの平均年収は660万円、一方でサーバーエンジニア(インフラエンジニア)は445万円となっており、約215万円の差があります。

この年収差の背景には、クラウド技術の急速な普及があります。総務省の「令和5年通信利用動向調査」では、企業のクラウドサービス利用率が77.7%に達しており、クラウドスキルを持つ人材への需要が高まっています。

キャリアパスについても明確な違いがあります。クラウドエンジニアは、DevOpsエンジニア(開発と運用を連携させる専門職)やクラウドアーキテクト(システム全体設計を担当)といった高収入職種への道筋が明確です。

一方、サーバーエンジニアは安定性が魅力です。金融機関や製造業では、セキュリティや規制の関係でオンプレミス環境を維持する企業が多く、専門性の高いサーバーエンジニアの需要は根強く続いています。

10年後の市場価値予測

「10年後にはクラウドが主流になって、サーバーエンジニアは不要になるのでは?」という心配をされる方がよくいらっしゃいますが、実際にはそう単純ではありません。

IDC Japan「パブリッククラウドサービス市場予測を発表」

IDC Japanの最新調査によると、国内パブリッククラウド市場は2024年の4兆1,423億円から2029年には8兆8,164億円へと拡大する見込みです。しかし同時に、ハイブリッド環境も増加しています。総務省の調査でも、クラウドを導入しながらも自社サーバーを併用する企業は多く、両方の知識を持つエンジニアの価値が高まっています。

現在の求人市場を見ると、「クラウドかオンプレミスか」という二択ではなく、両方の技術を理解している人材が求められています。大手企業のシステム部門では「オンプレミス経験3年以上、かつAWS認定資格保有者」といった条件の求人が増えています。

将来性を考えた場合のおすすめは、まずサーバーの基礎を学び、その後クラウド技術を習得するパターンです。基礎がしっかりしていれば、新しい技術への適応も早く、変化する環境でも価値の高いエンジニアになれるでしょう。

重要なのは、技術の変化を恐れずに継続的に学習する姿勢です。IT業界では「学び続けることができる人」が最も評価される人材なのです。

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未経験者の学習戦略:効率的なスキル習得ロードマップ

クラウドとサーバー、どちらから勉強を始めればいいの?
お金をかけずに自宅で学習する方法はある?

IT未経験からインフラエンジニアを目指す方にとって、学習の進め方は大きな悩みの種です。弊社に相談される方の多くが「何から始めれば良いか分からない」という不安を抱えています。この章では、効率的な学習戦略をご紹介します。

無料で始められる勉強法

クラウド学習の最大のメリットは、無料で実機環境に触れられることです。AWS、Azure、GCPの3大クラウドサービスは、いずれも無料利用枠を提供しており、基本的な操作を習得するには十分な環境が用意されています。

AWSの場合、新規登録から12ヶ月間は毎月750時間のEC2インスタンス(仮想サーバー)を無料利用できます。これは1日24時間フル稼働させても月額料金がかからない計算です。

学習リソースも充実しており、AWSの公式トレーニング「AWS Skill Builder」では、100以上の無料コースが提供されています。動画やハンズオン(実際に手を動かして学ぶ実習)を通じて、段階的にスキルアップできる仕組みが整っています。

オンプレミスサーバー学習では、仮想化ソフトウェアを活用した環境構築がおすすめです。VirtualBoxやVMware Workstation Playerといった無料ソフトを使い、自宅のPCに仮想的なサーバー環境を構築できます。

初期費用は仮想化ソフトのライセンス料(VMware Workstation Proの場合約3万円、VirtualBoxは完全無料)のみで、継続的な月額費用は発生しません。LinuxOSのUbuntuも無料で利用できるため、コストを抑えて本格的なサーバー管理スキルを習得できます。

転職成功率を上げる資格優先順位

転職活動において、資格は客観的なスキル証明として重要な役割を果たします。

最優先で取得すべき資格
まずは、サーバー系資格であるLPIC-1(Linux Professional Institute Certification Level 1)の取得を目指すことをお勧めします。実用性と認知度のバランスが良い選択肢です。Linuxは多くのサーバーで使用されているOSのため、オンプレミス・クラウド問わず活用できる知識が身につきます。

クラウド系資格
AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)が最も評価されています。求人票での記載頻度も高く、年収アップ効果も期待できます。未経験者の場合、150~200時間の学習時間が目安となります。

重要なポイントは、資格取得を目的とするのではなく、実際の業務で活用できるスキル習得を目指すことです。転職エージェントとしての経験から言えば、「資格を持っているが実務経験がない」よりも「資格はないが実際に手を動かした経験がある」方が企業からの評価は高い傾向にあります。

面接突破テクニック

面接でクラウドとサーバーの違いについて聞かれたらどう答えればいいの?
技術的な質問で答えられなかったらどうしよう…

IT未経験者にとって、技術面接は大きな不安要素です。しかし、適切な準備をすれば、基礎知識を武器に面接官に好印象を与えることができます。

頻出質問と模範回答集

クラウドとオンプレミスの違いを教えてください」という質問は、インフラエンジニア面接の定番です。この質問には、身近な例を使って答えるのが効果的です。

【回答例】
クラウドは月額制のNetflixのように、必要な時に必要な分だけサーバーリソースを利用できるサービスです。一方、オンプレミスは自宅のDVDコレクションのように、サーバー機器を自社で購入・管理する形態です。クラウドは初期費用を抑えられ柔軟性が高い反面、オンプレミスは完全に自社管理できるためセキュリティ要件が厳しい企業に適しています

「なぜIT業界を志望するのですか?」という質問では、学習意欲をアピールしましょう。

【回答例】
現在AWSの無料枠を使って実際にサーバー構築を学んでおり、クラウド技術の可能性に魅力を感じています。未経験ですが、基本情報技術者試験の学習を通じてIT基礎知識の習得に取り組んでいます。

といった具体的な行動を示すことが重要です。このような学習姿勢を示した候補者の内定率は学習へのアピールが無い方に比べて高い傾向があります。

クラウドとサーバーの違いを理解し、転職を成功させるには

クラウドとサーバーの違いを理解することは、IT業界への転職や転向を成功させる第一歩です。クラウドは「利用」、オンプレミスサーバーは「所有」という根本的な違いがあり、それぞれに長所と短所があります。

初心者はまず、Linuxの基礎知識を身につけ、AWS無料利用枠で実践経験を積みましょう。面接では「クラウドとは何か」という基本的な質問が必ず来ますので、「NetflixとDVDコレクション」のような身近な例で説明できると好印象です。また、技術的な質問だけでなく、「なぜこの分野に興味があるのか」という質問にも、市場動向を踏まえた回答ができると評価が高まります。

最終的に大切なのは、技術の変化に対応し続ける姿勢です。クラウドもサーバーも常に進化しており、学び続ける意欲こそが、年収アップと長期的に安定したキャリアを実現する鍵となるでしょう。

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