2025.07.07
目次
IT業界に興味があるけれど、「客先常駐しか選べないのでは？」と不安に感じていませんか？実は、IT業界には自社開発や社内SEなど、さまざまな働き方があります。
本記事では、未経験からでも目指せるITキャリアの選択肢や、客先常駐の仕組み、希望の働き方を実現するための見分け方を解説します。
IT業界は「客先常駐しか働き方がない」と思われがちですが、実際には多様な働き方があります。ここでは、客先常駐の基本や、なぜそのイメージが広まったのか、業界の背景を解説します。
「客先常駐」とは、エンジニアやITスタッフが自分の会社ではなく、クライアント（お客様）のオフィスで働くスタイルです。たとえば、A社のエンジニアがB社のプロジェクトに参加するため、B社で日々仕事をするイメージです。
この働き方は、プロジェクトごとに現場が変わることも多く、さまざまな業界や環境で経験を積めるメリットがあります。一方で、「自分の会社にいる時間が少ない」「職場が頻繁に変わる」といった特徴もあり、最初は戸惑う方もいるかもしれません。
未経験の方にはイメージしづらいかもしれませんが、「派遣」や「出向」と似た部分もある働き方です。まずは仕組みや特徴を知っておきましょう。
求人情報では「客先常駐」の文字をよく見かけます。多くのIT企業がこのスタイルを採用しているため、「IT業界＝客先常駐しかないのでは？」と感じる方も多いでしょう。
特に未経験者向けの求人や、エンジニア募集で「勤務地：都内各地」「プロジェクト先」などの表現が多い場合は、客先常駐の可能性が高いです。また、日本のIT業界は多重下請け構造が根強く、下請け企業が多くの案件で客先常駐を担っていることも背景にあります。
しかし、実際には自社で働ける企業や客先常駐以外の働き方も存在します。「客先常駐しかない」と決めつけず、働き方の選択肢を広げてみましょう。
日本のIT業界では、約9割の企業が客先常駐を実施しているというデータもあります。これは、IT業界が「多重下請け構造」と呼ばれるピラミッド型の仕組みで成り立っているからです。
大手企業（元請け）がプロジェクトを受注し、その下で中小企業やSES（システムエンジニアリングサービス）企業が実際の開発や運用を担当します。プロジェクトごとに必要な人数やスキルが変わるため、エンジニアをクライアント先に派遣する「客先常駐」が主流になりました。
また、クライアントと直接コミュニケーションを取ることで、要望や仕様変更にスピーディに対応できるというメリットもあります。こうした業界の背景を知ることで、なぜ客先常駐が多いのかを理解しやすくなります。
自社開発や受託開発、社内SEなど、クライアント先に出向かずに働ける企業もたくさんあります。ここでは、それぞれの企業タイプや働き方の特徴をご紹介します。
自社開発企業とは、自分たちで企画・開発したサービスや製品を、自社内で作り上げている会社です。例えば、Webサービスやアプリ、業務システムなどを自社ブランドで提供しています。
【メリット】
【デメリット】
安定した環境でじっくり成長したい方には、自社開発企業が向いています。
受託開発企業は、クライアントから依頼を受けてシステムやアプリを開発する会社です。プロジェクトごとに内容が異なり、自社のオフィスで開発を進めることが多いのが特徴です。
【メリット】
【デメリット】
さまざまな経験を積みたい方や、チームで協力して成果を出したい方におすすめです。
社内SEは、自社のITシステムやネットワークの管理・運用を担当するエンジニアです。自社の社員や業務をサポートする役割が中心で、安定した働き方ができます。
ユーザー系SIerは、大手企業の情報システム部門が独立してできたIT企業です。親会社やグループ会社のシステム開発が中心なので、客先常駐はほとんどありません。安定した経営基盤とホワイトな職場環境が魅力です。
Web系企業は、インターネットサービスやアプリを自社で企画・開発・運用している会社です。最新技術に触れられる機会が多く、フレックスやリモートワークなど自由度の高い働き方ができる場合もあります。
これらの企業は「自社で働く」スタイルが中心なので、客先常駐を避けたい方に人気です。
求人を探すとき、「この会社は客先常駐だけなのかな？」と気になる方も多いはず。ここでは、求人票や企業情報から客先常駐が中心かどうかを見分けるポイントを、未経験者にもわかりやすくまとめました。安心して企業選びができるヒントをお伝えします。
客先常駐「しかない」企業を見分けるには、求人票や企業の事業内容をしっかりチェックしましょう。
【チェックポイント】
事前に企業の公式サイトや採用情報も確認し、働き方をイメージしておくことが大切です。
求人票の「勤務地」や「勤務時間」の記載も、客先常駐を見抜くヒントになります。
【勤務地の例】
【勤務時間の例】
また、取引先情報も要チェック。取引先がIT企業ばかりの場合は多重下請けの可能性が高く、客先常駐が多い傾向があります。
「できれば客先常駐以外の働き方がしたい」「自分に合ったキャリアを築きたい」そんな方に向けて、未経験からでも目指せる選択肢や、スキルアップの方法、転職活動のコツを解説します。
未経験から「客先常駐なし」の企業を目指すのは、正直なところ簡単ではありません。自社開発や社内SEなどの求人は経験者優遇が多く、人気も高いからです。
でも、諦める必要はありません。未経験者向けでも、研修が用意されている企業や、スキルを身につけてからキャリアアップできる道もあります。
まずは、基礎的なプログラミングスキルやIT資格の取得にチャレンジしましょう。未経験者歓迎の求人を探しつつ、将来的に自社開発や社内SEにステップアップできるよう、スキルアップの準備を始めることが大切です。
IT業界では、スキルや資格がキャリアの選択肢を広げてくれます。たとえば、基本情報技術者やITパスポートなどの国家資格は、未経験者にもおすすめです。
また、プログラミングスクールやオンライン学習を活用して、実践的なスキルを身につけることも有効です。スキルを証明できると、客先常駐以外の求人にも応募しやすくなります。
キャリアカンパニーでは、学習プログラムやキャリアアドバイスも提供しているので、安心して一歩を踏み出せます。
自分に合った働き方を見つけたいときは、IT業界専門の転職エージェントやキャリア相談サービスを活用しましょう。専門のアドバイザーが、あなたの希望や適性に合った企業を紹介してくれます。
また、非公開求人や書類・面接対策、入社後のフォローまで、手厚いサポートを受けられるのも大きなメリットです。
キャリアカンパニーでも、未経験からIT業界を目指す方を親身にサポートしています。ひとりで悩まず、まずは相談してみましょう。
＼最適なキャリアプランを一緒に見つけましょう！／
客先常駐には、良い面もあれば注意したい点もあります。この章では、実際にどんなスキルや経験が得られるのか、どんな人に向いているのか、逆に向かない人はどんなタイプかをご紹介します。
客先常駐の仕事では、さまざまな現場やプロジェクトに関わるため、柔軟な対応力やコミュニケーション力が身につきます。
また、異なる業界やシステムに触れることで、幅広い知識や経験を積めるのも大きな魅力です。多様な人と関わりは、人脈が広がるチャンスもあります。
自分のキャリアの土台を作りたい方や、いろいろな現場で成長したい方には、客先常駐も良い経験になるでしょう。
一方で、客先常駐にはデメリットもあります。たとえば、プロジェクトごとに職場や仕事内容が変わるため、落ち着いて働きたい方には不向きな場合があります。
また、クライアント先での評価が自社に伝わりにくかったり、残業や休日出勤が多くなりやすい、という声も聞かれます。
「やめとけ」と言われる理由の多くは、こうした働き方のミスマッチや、働く環境が安定しにくい点にあります。自分の希望や適性をしっかり見極めることが大切です。
客先常駐が向いている人は、新しい環境や人と関わるのが好きな方や、さまざまな経験を積みたい方です。変化に柔軟に対応できる人や、コミュニケーションが得意な人にも向いています。
逆に、1つの会社やチームでじっくり働きたい方、安定した環境を重視する方には、社内SEや自社開発企業のほうが合っているかもしれません。
自己分析を通じて、「自分はどんな働き方がしたいのか」「どんな環境で成長したいのか」を整理してみましょう。
IT業界には「客先常駐」だけでなく、自社開発や社内SEなど多様な働き方があります。大切なのは、自分の希望や適性をしっかり整理し、将来どんなキャリアを築きたいかを考えること。未経験でも学びやサポートを活用すれば、選択肢は広がります。焦らず情報収集し、自分にぴったりの働き方を見つけていきましょう。
