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社内SEとは?未経験者が知っておくべき仕事内容とスキル

社内SEとは?未経験者が知っておくべき仕事内容とスキル
2025.07.07

IT業界でのキャリアアップや転職を考えている方にとって、「社内SE」はとても人気のある職種です。

しかし、企業によって仕事内容や求められるスキルが異なるうえ、未経験者にとっては採用のハードルがやや高い傾向もあります。 「自分に向いているのか」「どう準備すればいいのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、社内SEの基本的な役割や仕事内容、必要なスキル、未経験から目指すためのポイントを解説します。IT業界が初めての方でも安心して一歩を踏み出せるよう、実践的なアドバイスと具体的な準備方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

社内SEとは?他のIT職種との違いも解説

IT業界でキャリアを築きたい方にとって、「社内SE」は多くの企業で必要とされている注目の職種です。しかし、社内SEの定義や役割は企業によって異なり、仕事内容も幅広いのが特徴。

ここでは、社内SEの基本的な役割や、他のIT職種との違いについて分かりやすく解説します。

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社内SEの定義と役割

社内SE(システムエンジニア)は、自社のITシステム全般を支える存在です。主に自社内のシステム運用や保守、業務効率化のためのシステム開発、ITインフラの整備などを担当します。

ただし、社内SEの役割や業務範囲は企業によって大きく異なります。例えば、開発業務に深く関わる場合もあれば、運用やサポートが中心となる場合もあります。そのため、「社内SE」という肩書きでも、実際の仕事内容は会社ごとに異なる点に注意が必要です。

システムエンジニア(SE)・常駐SEとの違い

一般的なSEは、顧客企業向けにシステム開発や運用を行うことが多いですが、社内SEは自社専用のシステムを担当します。また、常駐SEはクライアント先で働くスタイルですが、社内SEは自社に常駐し、社内の課題解決に取り組みます。

このように、社内SEは「自社のためのITエキスパート」として、経営や現場と密接に関わりながら仕事を進める点が特徴です。

社内SEが活躍する企業の特徴

社内SEは、一定規模以上の企業やIT投資に積極的な会社で多く活躍しています。特に、業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する企業では、社内SEの役割がより重要視されています。一方で、IT部門が小規模な企業では、幅広い業務を一人で担当する場合もあり、柔軟な対応力が求められるでしょう。

社内SEの主な仕事内容

社内SEの仕事は多岐にわたります。日々のシステム運用・保守から、システム開発やベンダー管理、社内ユーザーのサポートまで、幅広い業務を担当します。

ここでは、社内SEが実際にどのような業務を行っているのかを具体的にご紹介します。

システム運用・保守

社内SEの基本業務は、既存システムの安定稼働を維持すること。システム障害の予防やトラブル対応、定期的なメンテナンスなどを通じて、日々の業務が止まらないようサポートします。

システム企画・導入・開発

業務効率化や新規事業の推進に向けて、新たなシステムの企画や導入を行う場面もあります。社内の課題を見極めたうえで、最適なソリューションを選定・提案し、導入を主導していくのが社内SEの役割です。

開発業務そのものは外部ベンダーに委託するケースが一般的ですが、その際も要件定義や進捗管理を担い、プロジェクトの中心として動くことが求められます。

ベンダー管理・外部委託との調整

システム開発や保守を外部企業に委託する場合、社内SEはベンダー選定や契約、スケジュール・コスト管理、品質チェックなどを担当します。社内と外部の橋渡し役として、調整力や交渉力が必要です。

予算作成・管理

システム導入や運用にはコストがかかります。社内SEはIT関連予算の作成や管理も担当し、限られた予算内で最大の効果を出す工夫が求められます。財務や会計の基礎知識も役立つ分野です。

社内ユーザーからの問い合わせ対応

「パソコンが動かない」「システムの使い方が分からない」など、社内のITに関するさまざまな問い合わせにも対応します。丁寧なヒアリングと分かりやすい説明で、社員の困りごとを解決するのも大切な仕事です。

IT初心者がよく任される業務

新卒や未経験で社内SEに配属された場合、まずはヘルプデスク業務やマニュアル作成、簡単なシステム運用などから任されるケースが多いでしょう。現場での経験を積みながら、徐々に専門的な業務にステップアップできます。

社内SEのやりがい・魅力

社内SEは単なる技術者ではなく、会社全体の成長や働きやすさを支える重要な存在です。自分の仕事が直接自社の発展に結びつく実感や、社員からの感謝の声を得られるのも大きな魅力。ここでは、社内SEならではのやりがいや仕事の魅力についてお伝えします。

自社に貢献できる実感

自分の提案やサポートで、会社全体の業務効率や働きやすさが向上するのを実感できるのは、社内SEならではの魅力です。自社の成長をITの力で支える手応えがあります。

社員からの感謝を直接感じられる

社内のユーザーから「助かった」「ありがとう」と感謝の言葉を直接もらえることも多く、やりがいにつながります。人の役に立つ実感を得たい方に向いている仕事です。

経営に近い立場でのシステム企画

経営層と直接やり取りしながら、会社の方向性に沿ったシステム企画や改善提案ができるのも特徴です。ITを通じて経営に貢献できるダイナミックさも、社内SEの大きな魅力です。

社内SEに向いている人・向いていない人

社内SEは、社内の多様な人と関わるため、コミュニケーション力や協調性が大切です。また、幅広い業務を柔軟にこなせる方や、地道な作業にも前向きに取り組める方が向いています。一方、常に新しい技術開発だけに携わりたい方や、単独作業を好む方には物足りなさを感じる場合もあります。

社内SEに向いている人

  • 社内の人と円滑にやり取りできるコミュニケーション力がある
  • 協調性が高く、チームで動くことが苦にならない
  • 特定の技術に偏らず、幅広い業務に柔軟に対応できる
  • 地道な作業や保守業務にも前向きに取り組める
  • 社内の課題をITの力で解決することにやりがいを感じられる

社内SEにあまり向いていない人

  • 常に最新技術だけに触れていたいという志向が強い方
  • 静かに一人で取り組む単独作業を好むタイプ
  • 人とのやり取りや調整業務にストレスを感じやすい方
  • ルーティンワークや運用業務を軽視してしまう傾向がある

社内SEに必要なスキル・経験

社内SEとして活躍するためには、ITの基礎知識だけでなく幅広いスキルや経験が求められます。ここでは、社内SEに必要なスキルや、未経験からでも身につけやすいポイントについて詳しくご紹介します。

IT基礎知識・プログラミングスキル

システム運用や開発に必要なIT基礎知識は必須です。自社開発の場合はプログラミングスキルも重要ですが、外部委託が多い場合は要件定義やテスト工程の理解が求められます。

プロジェクトマネジメント力

システム導入や改善プロジェクトを進める際には、スケジュール管理や関係者調整など、プロジェクトマネジメントの力が欠かせません。

予算管理・財務の基礎

IT投資のコスト管理や予算作成には、経理や会計の基礎知識が役立ちます。数字に強い方は活躍の幅が広がるでしょう。

コミュニケーション・ユーザー対応力

社内の要望を正確に把握し、分かりやすく説明する力が重要です。問い合わせ対応やベンダー調整など、幅広いコミュニケーション能力が求められます。

未経験から身につけやすいスキル

以下のような業務は、未経験者でも比較的早く対応できるようになります。実際の現場経験を積みながら、少しずつステップアップを目指しましょう。

  • ヘルプデスク業務(PCやソフトのトラブル対応)
  • マニュアル作成・社内IT資産の管理
  • アカウント設定や初期設定作業
  • 簡単な定型業務の運用・チェック

地道な業務の積み重ねが、将来的に大きなスキルアップにつながります。「自分には無理かも」と思わず、まずは小さな実務から始めてみましょう。

なお、社内SEは企業によって定義や業務範囲が異なる職種ですが、同様に未経験では採用されにくい傾向があります。IT業界やIT職種の基礎知識を身につけ、積極的に学ぶ姿勢が大切です。

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社内SEに役立つ資格

「社内SEになるには資格が必要?」と気になる方も多いでしょう。実際には必須資格はありませんが、取得しておくと転職やキャリアアップに有利な資格がいくつかあります。

必須資格はある?

社内SEになるために必須の資格は特に定められていません。実際に、資格がなくても現場で活躍している人は多く存在します。

ただし、未経験からの転職やキャリアチェンジを目指す場合には、ITやシステム開発に関する基礎的な資格を取得しておくことで、自身のスキルや学習意欲を客観的にアピールしやすくなります。

また、資格の勉強を通じてITの全体像や専門用語に触れることができるため、実務の理解を深めるうえでも有効です。

おすすめ資格とそのメリット

未経験から社内SEを目指す方にとって、以下の資格は基礎知識の習得だけでなく、転職時のアピール材料としても役立ちます。

  • ITパスポート
    経済産業省が認定する国家資格
    で、IT全般の基礎知識を幅広く学べます。システムやネットワークの基本はもちろん、経営や会計などのビジネス知識も含まれており、文系出身者や初心者にもおすすめです。
  • 基本情報技術者試験
    ITエンジニアの登竜門ともいえる資格で、プログラミングやアルゴリズム、セキュリティ、ネットワークなど幅広い知識が求められます。IT業界での信頼性が高く、履歴書に書ける強力なアピールポイントとなります。
  • 応用情報技術者試験
    基本情報よりもさらに高度な内容を扱う資格です。プロジェクトマネジメントや設計工程、システム戦略などの実務に直結する知識が問われるため、将来的に上位職を目指す方やキャリアアップを考えている方に適しています。
  • 情報セキュリティマネジメント試験
    セキュリティ分野の基礎を学べる資格
    で、近年は企業のセキュリティ対策が重視される中、需要が高まっています。ITの専門職でなくても役立つ実用的な内容で、社内の情報管理を任される社内SEにも有効です。

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社内SEの年収・待遇

社内SEの年収は企業規模や業務範囲によって異なりますが、一般的なITエンジニアと同程度、またはやや高めの水準です。責任範囲が広い分、待遇面でも評価されやすい傾向があります。ただし、実際の年収や待遇は企業ごとに大きく異なるため、求人内容をよく確認しましょう。

社内SEのキャリアパス

社内SEとして経験を積んだ後は、どんなキャリアを描けるのでしょうか。ここでは、社内SEから目指せる職種や、将来のスキルアップの方向性についてご紹介します。

社内SEから目指せる職種

社内SEとして経験を積んだ後は、サーバーエンジニアやネットワークエンジニア、アプリケーションエンジニア、テクニカルサポートなど、より専門性の高い職種へキャリアアップすることも可能です。

将来の選択肢・スキルアップの方向性

ITスキルやマネジメント力を高めることで、プロジェクトマネージャーやIT部門の責任者など、より上位のポジションを目指す道もあります。自分の興味や得意分野を活かして、幅広いキャリアパスを描けるのが社内SEの魅力です。

社内SEへの転職を成功させるポイント

未経験から社内SEを目指す方、キャリアチェンジを考えている方に向けて、転職を成功させるための具体的なアドバイスをまとめました。

求人選びの注意点

社内SEの業務内容は企業ごとに大きく異なります。求人票の業務範囲や担当領域をよく確認し、自分の希望やスキルに合った職場を選びましょう。

未経験から採用されるためのアピール方法

未経験の場合は、IT資格の取得や自己学習の実績、ヘルプデスクやサポート業務の経験などを積極的にアピールしましょう。実践的な知識や「学ぶ意欲」を伝えることが大切です。

学習・準備のステップ

まずはITパスポートや基本情報技術者などの資格取得を目指し、基礎知識を身につけましょう。オンライン講座やITスクールを活用するのも効果的です。

転職エージェントの活用方法

IT業界に強い転職エージェントを活用すると、非公開求人の紹介や、応募書類・面接対策のサポートを受けられます。自分一人で悩まず、専門家のサポートを活用しましょう。

一方で、社内SEは企業によって定義や業務範囲が異なるため、求人票の読み解きにもコツが必要です。「自分に向いている会社がわからない」「応募に不安がある」という方は、キャリアカンパニーに気軽にご相談ください

あなたのスキル・志向に合わせた最適なキャリアの選び方を、経験豊富なキャリアアドバイザーと一緒に考えましょう。

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キャリアカンパニーに相談して一歩を踏み出そう

社内SEはIT業界未経験でも挑戦できる仕事ですが、企業によって求められるスキルや業務範囲が大きく異なり、未経験では採用されにくい傾向もあります。不安や疑問を感じたら、一人で悩まずにキャリアカンパニーにご相談ください。あなたの希望や適性に合わせて、最適なキャリアプランをご提案します。

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